考察・小ネタ

新刊レビュー1000冊を振り返る

どうも、当ブログ管理人のへどばんです。すっかり盛夏の趣きで、夏コミも近くなってきたなぁと感じております。
レビューの済んでいない新刊が溜まって来ているので心苦しくはありますが、記事タイトル通りに当ブログのエロ漫画新刊単行本レビューが1000冊に達しましたので、ちょっと振り返ってみようと思います。
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凡才・へどばんの元気が出るエロ漫画!

どうも、管理人のへどばんです。この災害も関係して、仕事も色々と大変なのですが、帰宅したら計画停電(本屋もおやすみ)、交通機関はドタバタ、ガス欠が恐くて車も使用を控えたい等諸々ありまして、要はエロ漫画新刊の購入がめがっさ遅れております。
とは言え、直接の被災地でない僕に出来るのは、元気を出して公私共に頑張り、義捐金等で少しでも被災地の復興に貢献することです。
そんな中、娯楽というのは大変大事なものであると僕は思うのですが、テレビの方があまり「元気が出るテレビ」でないもので、ここはエロ漫画で元気を出そう!というのが今回の趣旨でございます。
どんなタイプの作品で元気が出るか、また、何処が元気になるか(マテ)は様々ですが、今回はエンターテイメントとして楽しい作品をごく個人的に選んでみました。
なお、「歓喜天先生の『鋼鉄番長伝 紅のSYURA』(全3巻 ヒット出版社 1998年)マジ熱くて元気が出るぜ!!」とか入手困難な作品を言われても読者諸氏は困ると思いますので、なるべく最近の作品で入手しやすい単行本に絞って紹介しております。

らっこ『えろかわびっっっち』(コアマガジン)
EroCuteBitches.jpgエロ漫画ジャンルにおいて、訴求層の広いエンターテイメント性と実用性を両立させている代表格の一つは、コアマガジンのメガストア・ホットミルク系列のラブコメディ作品だと考えています。
基本的に、作劇面に関しては適度に甘く、適度に楽しくのバランスが重視されている同作品群ですが、らっこ先生の場合は非常にアッパーでハイテンションな雰囲気が特徴となっています。
既刊の単行本に収録されている作品、例えば「プラちな」シリーズや『チェリーボム』(クロエ出版 2007)の中編「ミラクルメイド パメラ×ルイーザ」なども同様のことが言えますが、ヒロインのキャラ性の魅力がこの非常に明るい雰囲気を生み出しています。
漫画的に典型的なキャラ属性を一定踏まえてはいるものの、それぞれのユニークなロジックで動き回るキャラ達が真に活き活きしているのは実に良いのですな!
また、もっちもちの乳尻の肉感や、コダワリを見せる太股のエロさなどの肢体造形が持つストレートな煽情性に優れており、明るくパワフルファックというエロシーンも非常に広い訴求層にとって実用性が高いものでしょう。
単行本レビュー

あかざわRED『みるくぱぁとなーず!』(マックス)
MilkPartners.jpgなにぶん広い世間には、ビックサイズのおっぱいじゃ元気が出ないよ!という諸氏もおられますので、ロリエロ漫画で同系の楽しいエロ漫画を選ぶならこの作品かなと。
コンビニ誌における制限もあって、なかなかフルスロットルでロリエロに注力できない作家さんなのですが、この単行本に限ってはコミックLO(茜新社)で発表されたメーター振り切れ気味の作品(「ないしょのつんいてーるず!」シリーズ)があるのは大きなポイント。
『くぱぁりぞーと』(晋遊舎(現マックス)2006)や『ぴんくぱんつぁー』(マックス 2007)における長編作の様に、複数名のキャラを作中で動かすことに長けている印象があり、彼ら彼女らの賑やかなドタバタ模様を眺めるのが実に楽しいです。
男性読者の欲望を悪戯な笑顔とちんまい肢体で刺激し、伝家の宝刀くぱぁで抽送パートに引き込んでくる手腕の安定感は見事であり、濡れ場においても彼女達の主導権が強く維持される傾向にあるのも作品のハピネスに直結していると感じるところ。
なお、パンストやブルマ、水着等々、ちんまいボディを包む衣装をエロに有効活用するのも特長であり、ある意味でどんな素敵プレイが飛び出してくるかというワクワク感もありますね。
単行本レビュー

清水清『ミルクタンク症候群』(久保書店)
MilkTankSyndrome.jpg心置きなく笑えるのもあって、でも同時にちょっと心温まるエピソードも同時に収録されている短編集が読みたいという諸氏にはこちらがお勧め。
エロ漫画は現在よりもより“漫画”としての側面が強かった1990年代の作風を21世紀に入っても継続させていた作家さんであり、この単行本も抜き重視というよりかはシナリオメイン。
とは言え、重厚なストーリーで構成しているわけではなく、パロディありSFあり、シュール(誤用の方)な作品あり、大馬鹿を真面目に決め込む作品ありと、多彩な作風の中でポンポンと小気味良い展開を示しています。
なお、上述した通り、エロシーンがたっぷりこってりという訳ではないので、実用的読書に邁進したい方にはやや不向きではあります。
とは言え、滑らかな柔肌の肢体が艶めかしく反る描き方や、マシュマロの如き質感を誇る柔乳、独特の擬音の描き方など、エロ漫画の表現手法における進化を考える上では系統樹の一つの枝として大変重要と個人的に考えております。
単行本レビュー

師走の翁『JCエッチ』(ヒット出版社)
JCH.jpg言わずと知れたベテランの人気作家さん。『シャイニング娘。』(全6巻 ヒット出版社)の知名度が圧倒的に高く、無論大変良いモノですが、流石に今から全6巻読み直すのは・・・という方は是非こちらを。
複数人エッチ(乱交)で常に畳みかけるエロのパワフルさが特筆すべきなのは、この単行本でも同様であり、複数のタイプのヒロインを同時配置して彼女達のエロティックな肢体を体全体で満喫するという強烈な幸福感は実に魅力的です。
キャラ造形に関して漫画チックなデフォルメを効かせながらも、煽情性の構築に関して割合に生々しさを重視するタイプでもあり、良くも悪くもクセがあるタイプだと思うのですが、パンチ力は非常に高くなっています。
この単行本の「HHH-トリプルエッチ-」シリーズは、家庭教師の男性が3人のヒロインに惚れられて、いわゆるリア充ライフをさも当り前であるかのように満喫するという、非常に羨ましいが同時にいい意味でイラッとさせてくれる展開を示しています。
これは、読み手の嫉妬を読み込むことで、エロの幸福感にリアリティを増強させるという意図が明確であり、「くそぅ、俺もこんなウハウハライフを何時かッ!」という嫉妬パワーで元気にさせてくれる作品とも言えるでしょう。
(単行本未レビュー ごめんなさい(汗))

と、駆け足での紹介になりまして、選出した単行本の数が少なくて申し訳ありません。勿論、読んで楽しい気分になる作品は他にも非常に沢山あるという当り前のことを追記しておきます。
加えて、エロ漫画の楽しみ方は、エンタメ性の追求だけでは勿論なく、シリアスで繊細な作品を読んでみたり、激烈にブルータルな凌辱エロを楽しんだりというのも、元気の出し方としては良いと思いますよ!
紹介した4冊は、僕のお勧めですが、是非貴方が楽しいな、これが好きだなと思う作品で元気を出して下さいますよう!

エロ漫画作品においてオナホールの果たす役割についての一考察

さて、いきなり突飛な入りになりますが、性具、いわゆる“大人のオモチャ”というものは、現実世界においても比較的ポピュラーになって参りました。
自慰を含めた性行為というものに対する、ややもすれば一方的で押し付け的でもあった道徳観念がいい意味でも揺らぎ、そこに一種のエンターテイメント、ファッションとしての楽しさが介入してきたということでもあるでしょう。秋葉原に行くと、通称エロタワーなどと呼ばれる大人のオモチャ専門店が、一ビル丸々で堂々と営業されているのを見ると隔世の感がありますな。
無論、エロ漫画の作品世界においても、各種の性具は性行為にバリエーションを設け、時に暴力装置として、時に楽しい玩具として機能しています。
RolesOfOnaHole1.jpg作中の男性および女性が、自慰行為に関連するアダルトグッズを所持しているという状況に、特別な違和感を持つことはほとんど無くなっていると言えるのではないでしょうか。
今回の考察記事においては、エロ漫画において性具の登場が果たす意味合いを、男性のオナニーツールである“オナホール”に着目して考えてみようと思います(←参照 所持が彼女にばれちゃって 廣田眞胤『エッチで自分勝手でカワイイ娘❤』p134, 一水社, 2008)。
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廃版エロ漫画単行本の探し方

どうも管理人のへどばんです。新刊発売ラッシュ週故に、レビューで脳味噌と股間が容量オーバー気味なことに加え、表現規制関連の活動+同人誌作業でもうまいっちんぐですよ。

さて、先日読者の方から“廃盤(原文ママ)になってしまった過去のエロ漫画を読みたいときはどうなさっていますか?”と質問を頂いたので、簡単にお答えする記事を書きます。
基本的に、僕は欲しい単行本は発売時に購入することにしていますので、そんなに廃版の単行本を漁ることはないのですが、エロ漫画における表現の変遷や特定の作家さんの作風の推移を調べる時に、1990年代の作品とかを当ることはよくあります。
当時から好きな作家さんに関しては、十数年ぐらい追っかけてますので今更買う必要はないのですが、どうしても足りない資料が出てくることはありますので、そんな時どうするかという経験を踏まえてお答え致します。

まず、エロ漫画の単行本というのは比較的廃版になりやすいです。実のところ、漫画作品全般に言えることなのですが、書店における販売面積が相対的に小さく、かつエロ漫画の出版社は中小企業が主であるため、安易に重版をかける経営体力に欠けるという点が大きいでしょう。
また、エロ漫画を出版されていた会社の中には、既に倒産したり、成年向けから撤退したりしていることが多く、この場合は書店在庫・流通から外されることになるのも入手のしづらさとなっています。

1.漫画専門店や書店を探す
廃版であるという認識から、意識から外れがちな選択肢ですが、出版社が現在での成人向けを出していたり、該当単行本の作家さんが現在でも一線級である場合、品揃えが良い書店では見つかることがあります。特に、エロ漫画を多く扱う漫画専門店は要チェックであり、個人的には秋葉原のK-BOOKSは割合熱いスポットと思ってます。
あと、地方都市に出張した際にこじんまりとした本屋にいくと、何故かえらい古い単行本が置いてあったりするので狙い目です。僕は、一度とある地方都市の本屋で、ほりほねさいぞう先生の『下水街』(三和出版, 2002)というレア物を見つけたことがあります(まぁ、既に所有済みでしたが)。
長所:新品で手に入る・出版社と作家にちゃんとお金が渡る
短所:基本的に無いことの方が多い・マニアックな作品を探すには不向き

2.ダウンロード販売を利用する
DMM.com等、成人向け単行本の電子書籍を販売するサイトでは、廃版等で現在流通していない、かなり古い作品も販売していることがあります。
最近は、各出版社も、この形式での販売を進めており、重版が止まった水準でこちらでの販売に切り替えるといった方法をとっている会社もあります。
個人的には、漫画は紙で読まないと味気ないと思うタイプですので、ほとんど利用したことはないですが、便利な時代になったものだと思います(←おっさん)
長所:手軽に購入できる・出版社と作家にちゃんとお金が渡る・試し読みが出来るサイトもある・マニアックな作品を探すのに向いている
短所:紙媒体を望むなら不可・本として買うよりも値段が高いケースがある

3.古本屋を利用する
廃版に限って言えば一番有効な選択肢。ブックオフ等を何件もはしごすると、意外に見つかるものですし、特に1990年代の廃版など古い単行本は100円コーナーで投げ売り状態になっていることも多いです。
また、まんだらけの様に漫画に特化した古本屋を当るのもいいですし、アマゾンのマーケットプレイス等の中古通販を利用するのも便利でしょう。
ただし、敢えて申し上げますが、現在でも普通に流通している作品を新古書店等で購入することは、作家と出版社の首をしめて、新たな廃版を生み出すことにつながるということは決して忘れないでください。
長所:足で稼げばあるところにはちゃんとある・かなり廉価に購入できる場合もある・品揃えは比較的良いことが多い
短所:出版社と作家にお金は渡らない・保存状態はまちまち(背焼けや紙焼けは普通)・抜きツールであるエロ漫画の中古品への精神的な抵抗感

4.国会図書館に行く
国立国会図書館は納本制度に基づき、日本で出版された全ての出版物を保存していますので、エロ漫画の単行本も勿論あります。どうしても読みたい場合が行ってみるのも良いでしょう(←やったことある人)。
成人向けの場合は申請すると、別室に連れていかれますが、普通に閲覧することが可能です。
ただし、納本制度は出版社の自主努力によって支えられていますので、納本をしていない会社も多く、実は、納本されていない単行本も非常に多いということには要留意。事前に公式ウェブサイトで蔵書検索をしておくことをお勧めします。
長所:無料で読める・いくら過去の作品であろうが保存されているなら読める・保存状態も良い(ただしカバーは保存されていない)
短所:場所が限られる・当り前だが購入および所有はできない・コピーも禁止・収集されていない単行本も多い・かなり恥ずかしい

5.新装版が出るのを待つ
もはや、選択肢でもない気がしますが、現役の作家さんの過去の単行本が入手不可能になった場合、新装版が出ることはそれなりの頻度であります。
晋遊舎からマックスへと移行したポプリコミックスのレーベルは、過去作品の新装版をしばしば出していますし、ヒット出版も十数年前の作品を新装版にして再発することに比較的熱心です。
待ちに徹する選択肢なので、効率は最悪ですが、雑誌のアンケート葉書等で「○○先生の過去作品の新装版を出して下さい」と要望を出してみるのも手でしょう。
長所:新品で手に入る・出版社と作家にちゃんとお金が渡る・大抵描き下ろしの新作が付くのでファンとしては嬉しい
短所:運任せな部分が大きい・現役でない作家さんの作品の場合はまず出ない

とまぁ、こんなところでしょうか。新刊を追い続けることはエロ漫画のレビュー・考察において非常に重要なことですが、過去の作品との比較検討も大事ですし、何より作家さんのファンなら昔の作品も所持したいと思うのは自然なことです。
少しでも参考になりましたら、一エロ漫画愛好家として幸いです。

読者諸氏のエロ漫画ライフの、一層の充実を願いまして
へどばん拝

ありがとう、そしてさようなら、東京三世社

どうも、管理人のへどばんです。
相変わらずレビューを書けていない積み本が溜まっているのですが、今日はちょっと東京三世社の思い出話をさせていただこうかと思っています。
ご存知の方も多いでしょうが、成人向け雑誌・単行本を長い間出版してきた東京三世社は、今月末から任意整理に入ることになりました(参考)。
司書房の倒産や、松文館の成人向け出版からの撤退などと同じく、エロ漫画愛好家として出版社がなくなってしまうということは、大変寂しく悲しいものです。
なくなってしまってからその業績を振り返るというのも、何とも申し訳ないのですが、一人のエロ漫画愛好家として書かせて頂こうと思いました。

ここ最近の東京三世社から発表されているエロ漫画作品は、実写グラビア・漫画が混合しているコンビニ誌の『チョベコミ!』を初出としています。
元祖黒ギャル専門誌!と謳う様に、肌をこんがり焼いたギャル“黒ギャル”に特化した、コンビニ誌らしからぬニッチな雑誌でした。
GoodByTSS1.jpg水上欄丸先生やあまの・よ~き先生、伊駒一平先生など、ジャンルを考えれば“意外”な作家さんが登場する楽しさもありましたが、たべ・こ~じ先生やこがいの先生、くれいちろう先生(←参照 『チョコナッツ』p135, 2010)などの黒ギャルエロに特化した作家さんを生み出したのは、一つのジャンルの形成に大きく貢献しました。
また、例えば今月号(10月号)に掲載された師走の翁先生の「ピスはめ!」に登場する希崎さんの様に、普通のエロ漫画作品における黒ギャルキャラは、悪そうな外見ながら実はピュア、最初はヤンキーの様に怖いけれどエッチとラブでデレデレにという、また別の意味での“ヤンデレ”的なポジションを担うケースが多い傾向にあります。
それに対し、チョベコミ!に登場する黒ギャルさん達は、性に対して放埓であり、男性に対して強気で接し、目前の快楽に常に全力投球という傲岸不遜な人物として描かれるケースがほとんどでした。
勿論、それは黒ギャルという存在に対する一種の偏見に基づいているのでもありますが、派手な衣装と奇抜なメイクで固めて常識の埒外へと飛び出した、彼女達の自由闊達な“強さ”もまた描かれていたという点において、非常に面白い作品群だったと考えています。

このニッチなジャンルの追求の源泉を辿るならば、ハードな変態エロに注力した『コミックフェロモン』、およびその前身である『まんが哀姫』を挙げるべきでしょう。
GoodByTSS2.jpgスカトロや露出、ハードな調教モノ、女装少年やフタナリエロなどのアブノーマル路線をひた走ったこの雑誌群は、スカトロ・露出エロで名を馳せるきあい猫先生、肉感的な肢体描写を蹂躙するエロ描写を得意とするまるキ堂先生(←参照 当時はスカトロ色が強め 『肉便器でいいです・・・』p86, 2005)、SM調教モノに辣腕を発揮した鬼薔薇先生、肉便器という存在に焦点を当てた作品を描くまよねーず。先生などの名前を世に広めることに貢献しました。
2006年末のコミックフェロモンの休刊を以て、同社のこの路線は終焉を告げることになるのですが、ここで腕を磨いた上述の作家さん(鬼薔薇先生のみは現在DL販売主体)は、ティーアイネットのバスターコミックに参加し、ハードな変態エロの路線はエロ漫画業界において継続されています。
作家のプロデュース能力に定評のあるTI編集部との仕事の賜物か、各作家さんの作風や絵柄は哀姫-フェロモン時代よりも洗練されており、変態モノとしての“どぎつさ”と漫画としての読み易さ・実用的読書への供し易さは以前より遥かに向上している印象は強くあります。e7e4be20.jpgとは言え、それぞれの作家さんの作風の源泉も認められる作品群も多く、例えばまよねーず。先生なら、オフィスラブと仕事に生きる会社の肉便器達の日常を描く『庶務部厚生課性処理係』(←参照 同単行本p33, 2008)は、ドラマ性こそやや薄めではありますが『少女型性処理用肉便器』と同様の世界観で描かれています。また、まるき堂先生ならば、一見根暗で大人しい少年ながらドSな性豪という中編「仲良し・マゾ肉ライフ」(『嬲られたい私たち』収録作)の安原君は、現在の作品で活躍中なキモデブダークヒーロー剛一お坊ちゃんに通じるものがあるように思います。
荒削りな作品も多かった一方で、作家の持つ溢れる衝動を叩きつける様な勢いを殺さずに世に出したことは、アブノーマルエロの盛り上がりを今も下支えしていると言えるでしょう。

また、2000年代に入ってからのロリコン系エロ漫画の再興に大きく寄与したのも東京三世社であり、後に前述の『まんが哀姫』と統合される『コミックミニモン』およびその増刊に位置付けられた『コミックリトルピアス』もまた、エロ漫画業界に大きな貢献をしています。
コミックミニモンは猫玄先生、たまちゆき先生、ほしのふうた先生など、ベテランのロリエロ漫画家の活躍の場となった雑誌であり、茜新社のコミックLOがロリエロ漫画のある程度の主流を形成するまで強い影響力を持った雑誌だったと言えます。
私的な思い出話になりますが、僕はほしのふうた先生の長編「霧の童話」シリーズ(『霧の中の少女』『霧の童話』に分割されて収録)が本当に大好きでして、LEコミックスレーベルの中でも非常に愛着のある作品です。
1e25fb7b.jpg幼年向けチックな可愛らしい絵柄で、これまた児童向け物語のような柔らかい話作りに定評のある作家さんですが、霧の立ち込める村の因習にとらわれた二組の兄妹の因縁を痺れるような哀切を以て描き上げたこの作品は(←参照 同作第8話『霧の童話』p64, 2006)、ほしのふうた作品の中において異色の傑作と思うのです。
また、現在よりも明確に凌辱寄りでありながら話作りの詰め方に才能を既に発揮していた、たまちゆき先生の作品群も現在の作風と対比するとなかなかに興味深いものがあります。

このアブノーマルとロリエロの両方の路線を有していたのが、稀代のカルト作家・掘骨砕三先生です(三世社では“ほりほねさいぞう”名義)。
既に桜桃書房からデビューし、未完にして不朽の傑作『下水街』シリーズを発表している段階でのリトルピアスへの登場となりましたが、東京三世社から出版された『あしたもおいでよ』『あたしたちのこと』『愛犬擁護週間』は、生物としての営みやスカトロを含むアブノーマル要素、ロリキャラといったこの作家さんらしいテイストが、下水街シリーズとはまた異なる趣きで練り込まれているのが非常に面白いです。
GoodByTSS4.jpgまた、群像劇としてのシリーズものであれば、子役の少女達も含めた劇団員達の変態的で爛れた、それでいてじんわりと優しく幸福な日々を描く「OZ」シリーズも名作であり、下水街の尋常ならざる、而して温かい世界観と共通する部分も多いと思っております(←参照 同シリーズ第2期第4話 『あたしたちのこと』p68, 2003)。
いずれも、今となっては希少本という感がありますが、最近では携帯配信等もされているらしい(そこらに疎いので詳しくは知りません、ごめんなさい)ので、掘骨砕三先生が好きな諸氏には一読をお勧めしますよ。

最期に、もう一つ余談を許して頂けるならば、この何でもアリな傾向のおかげなのか、あまりに問題作だらけでペンギンクラブ掲載作ながら辰巳出版から出版を拒否されたまぐろ帝國先生の『まんがなぜなに教室』を世に出してくれたことも大変感謝しています。
2b7e8e43.jpgまぁ、マトモな判断をするならば、単行本化も拒否も当然であろうなぁと思う珍作揃いの1冊であり、当時世界を騒がせていた、アメリカ同時多発テロやイラク戦争、拉致問題、自衛隊中東派遣などをブラックジョークで切りまくった作品群は今読んでも「無茶をしたものだ」とほとほと思うものです(←参照 『まんがなぜなに教室』p47, 2005)。

以上、長々と思い出語りとなりましたが、東京三世社の単行本は書店在庫が全てとなりますので、興味をもたれた方は是非早めのご購入をお勧め致します。微力ではありますが、東京三世社の負債の軽減にもつながるでしょうし、一種のご恩返しをするべきときかなとも個人的には思っております。
そして、僕の15年くらいのエロ漫画愛好歴の中で、多くの良作に出会わせてくれたことを東京三世社に感謝して筆を置かせて頂きます。

東京三世社に感謝と敬意を込めて、ありがとう、そしてお疲れ様でした。
一エロ漫画愛好家 へどばん拝
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