年間・半期ベスト

2019年私的ベスト10作

 どうも、当ブログ管理人のへどばんです。2019年最後の更新は、毎年恒例の年間ベスト10の記事となります。2010年代も今年で終わりますし、元号も新しくなりましたし、それで当サイトとしてどうだという訳ではないのですが、一つの区切りを迎えた年だったなぁと今年を振り返って思う次第であります。
 本年を振り返りますと、年間レビュー冊数は287冊(越年レビュー含む)、9月を除き毎月20冊以上のレビュー、1月から4月にかけて100日連続のレビュー記事更新の達成、および総レビュー数2500冊越えの達成と自分なりに納得できる実績であったと思います。
 レビューを書けば書くほど、作品の魅力に触れる機会も増え、その多彩さに心躍るのはエロ漫画のレビュアーとして、また一読者として大変に嬉しいことです。なので、今年の年間ベスト選出は候補が多く、選定はなかなか大変な作業でしたが、喜ぶべき苦労であるなと感じ入っております。

 毎年のことですが、当記事では、ストーリーの面白さやエロシーンの実用性、登場キャラクターの魅力など、エロ漫画としての様々な側面における魅力を総合して評価し、あくまで私個人にとってのベスト10として選出しております。
 ランクインした各作品の詳細なレビューは、それぞれのリンク先にある該当作のレビュー記事をご参照下さい。当記事内では、主に雑感やランクインの理由等を記しておきます。
 それでは、私がこれは面白い!エロい!エロ漫画サイコー!!と特段に感じさせて頂いた作品を紹介いたします。

特別賞 鉢本『性欲群青』(文苑堂)
UltramarineDesire 著者2冊目。ブログ開設12年目に(強引に)新設したランキング外特別賞ですが、エロ漫画としての既存の評価軸ではベスト10内に入れるのは多少難しいけど当サイトとして何とか受賞させたいと思った1冊。大横山飴先生の『落ちない雨』(茜新社)も候補だったのですが、ちゃんとエロ漫画でありながら、らしからぬ魅力も併せ持ち、いい意味で“しょーもないなぁ”と思わせる人物達と、本作のユニークな読み口が決め手でした。→単行本レビュー

10位 えーすけ『初恋より気持ちいい』(ワニマガジン社)
FeelBetterThanFirstLove 著者2冊目にして初ランクイン。こんなことあったらいいのにな~的な願望を素直に叶えてくれるタイプの短編集ではあるのですが、作中に漂う日常感や等身大の人恋しさ、ちょっとした会話の印象の良さなどを丁寧に描くスタイルが魅力的。細やかさを感じさせながら適度な乱れを織り込んだ大胆なタッチ、欲望の陰陽を併せ呑んだ熱量に、美麗かつ濃厚な痴態描写も実用性を大きく高める美点と感じます。→単行本レビュー

9位 山本善々『隷属魔王』(リイド社)
DevilKingUnderTheYoke 著者2冊目にして初ランクイン。今年は人妻エロな単行本(『限界性欲~我慢できない人妻たち~』(リイド社))も上梓されており、そちらも良かったのですが、ファンタジーとしての重厚な設定、堕ちモノ系としてのハードさと愛憎が入り混じるままならない感情の奔流が合わさったエロ描写が強い魅力であってこちらを選出しました。人妻エロでもその魅力は感じましたが、長編として作品世界と展開をじっくり読めたのがポイント。→単行本レビュー

8位 もみやま『ぱいドルマスター!』(ティーアイネット)
PaidolMaster 著者2冊目にして初ランクイン。本年はもう1冊の単行本(『おっぱいωラヴァーズ』(ジーオーティー))を上梓されており、どちらもむにゅんむにゅんと柔らかなおっぱい大充実な作品でしたが、よりエロシーンの分量が多く、またおっぱい大充実感が強かったこちらをチョイス。明るく楽しいハーレム仕様でひたすらにおっぱいを鑑賞して揉んで挟んでを楽しめるおっぱい星人マストバイな1冊です。→単行本レビュー

7位 シオロク『彼女と僕の交配の話。』(ティーアイネット)
StoryOfOurSex 著者4冊目にして初ランクイン。登場人物達にとってのささいなことが青春恋愛ストーリーのドキドキ感やヒロインのミステリアスさにつながる作劇と、端正さと繊細さを増した絵柄でありつつ豊満ボディの魅力を軸としたエロの迫力を打ち出す作画の魅力が合わさった1冊。全ての面でレベルアップしたと感じさせる最新刊で、今後も非常に楽しみな作家さんです。→単行本レビュー

6位 しんどう『人ならざるお嫁さま』(ジーウォーク)
NonHumanWives 著者3冊目にして初ランクイン。綺麗でエッチな人外お姉さんに愛されるおねショタエロであり、高位の存在に受け入れられる倒錯的な幸福感と漫画チックに楽しい雰囲気が融合した作品集。柔らかむちむちボディを独占できる喜びに満ちると共に、ヒロインが淫蕩に乱れまくる痴態描写の迫力も十二分。長編シリーズの青鬼姉妹には愚息が大変お世話になりました。→単行本レビュー

5位 岡田コウ『思春期のココロ』(コアマガジン)
AdolescentHeart 著者8冊目にして6度目のランクイン。可憐な少女の心が揺れ動くもどかしくはらはらする読み口、陰陽の情念が渦巻いていく中で強烈な快楽と混じり合っていく展開、そして美少女ヒロインがぐしゃぐしゃに乱れる濃密なエロ描写とこの作家さんの強みを大ボリュームでお届けな作品集。美しいもの、純粋なものが変質してしまうことの複雑な誘引力はこの作家さんならではの魅力でしょう。→単行本レビュー

4位 らっこ『助っ人参上!!』(ジーオーティー)
HereIAm 著者(成人向け)8冊目にして5度目のランクイン。「助っ人参上!」シリーズの続編的作品であり、銀髪褐色巨乳(ここ重要)の新ヒロインを迎えてのドタバタラブコメディ。二人の勝負に何でもアリな漫画チックな楽しさがあり、それでいてグラマラスボディが汁だくになるド迫力ファックのエネルギー感も強烈であって、エンタメとしてのエロ漫画を頼もしく貫いてくれる作品でした。→単行本レビュー

3位 緑のルーペ『ガールズ・オン・ザ・ブルーフィルム』(茜新社)
GirlsOnTheBlueFilm 著者(成人向け)5冊目にして2度目のランクイン。歪んだ欲望が加速させていく狂気とそこの中で充足を得る少女達とのダークでインモラルな融合は、単なる凌辱系とは異なる重さ・苦さを残してくれるスタイルであって、理解不能性をそれとして描く胆力を感じます。商業エロはしばらくお休みとのことですが、是非また戻ってきて強烈な作品を叩き付けて頂きたいところ。→単行本レビュー

2位 愛上陸『イジラレ』(ワニマガジン社)
Teased 著者2冊目にして初ランクイン。催眠・常識改変という便利ギミックを実用性に直結させつつ、設定の上手さで長編ストーリーとしての緊張感を維持した作品であって、捻りの効かせ方の上手さに感心しました。ストーリー展開としての攻防とエロの攻防が組み合わさって実用性を大きく高めているのも◎。→単行本レビュー


1位 タケ『異種奇譚』(キルタイムコミュニケーション)
CuriousStoriesOfDifferentSpecies 著者2冊目にして初ランクイン。エロシチュとしても好みを分ける要素が多い上に、そのダークで冷酷な世界観は好き嫌いが明瞭に分かれるであろうタイプ。とは言え、欲望の無慈悲さ、美しい成果と搾取されたものの惨禍、理解しあえぬものとしての存在といった要素をシビアに描き切った姿勢には痺れましたし、無残なエロ描写にも強烈な存在感がありました。→単行本レビュー

 以上10作品が、私個人が選出した2019年のベスト10+αとなります。相変わらず個人的な趣味が先走っている気がするのですが、どれも自信を以てお勧めできる作品と確信しております。読者諸氏のエロ漫画ライフに何らかのお役にたてましたならば幸いでございます。
 今年は10冊中7冊が初ライクインとなり、2~4冊程単行本を出される中でその魅力が高まったり、新たな魅力を獲得したりな方が多かったかなとも感じます。また、しんどう先生の『人ならざるお嫁さま』と山本善々先生の『隷属魔王』は、オリジナルの同人シリーズを単行本化したもので、商業誌を初出としない作品に長編シリーズとして面白いものが増えてきていることを感じさせてくれました。
 今年は“コンビニ誌”というものが消滅してしまい、それはエロ漫画という文化において大きな喪失ではあるのですが、同人ジャンルを含め、発表媒体に広がりを持った上で、これからも魅力的な作品が多様に豊かに発表されるジャンルであって欲しいと思っております。

年末に際しまして、全ての作品、作家様および出版社様に対し、心からの謝意と敬意を表しますと共に、当ブログの読者諸氏の御愛読に対し、管理人より改めて厚く御礼を申し上げます。
 2020年も素敵な作品に沢山出会えることと、エロ漫画を愛する全ての方々に幸せな一年であることを祈りまして

一エロ漫画愛好家 へどばん拝

2018年私的ベスト10

 どうも、当ブログ管理人のへどばんです。2018年最後の更新は、毎年恒例の年間ベストの記事となります。早いものでもう大晦日ですねぇ。
 今年を振り返ると、まずは10年更新を続けてきた旧サイト(FC2)から、現サイトに移行したことが最も大きなことでした。済んだことを蒸し返す気はないですが、非常に理不尽な仕打ちと感じましたし、その時に一度は心が折れかけまして、もうレビューサイトは止めようか、更新頻度が低下している現状ではもうレビューサイトとしての価値はないから潮時かもしれないと思いました。
 とは言え、そこから再び何とか続けまして、今年の更新頻度はここ数年よりも遥かに高かったですし、久しぶりに考察記事等も書けました。各作品の魅力が私に筆を執る力を与えてくれたのは勿論ですし、ご声援を頂きました読者諸氏にも改めて御礼を申し上げます。
 管理人にとっては年末恒例の頭を抱えてベストを選出する作業ですが、もちろん楽しさがありますし、また、継続の大事さとその困難さに改めて感じ入る次第であります。

  毎年のことですが、当記事では、ストーリーの面白さやエロシーンの実用性、登場キャラクターの魅力など、エロ漫画としての様々な側面における魅力を総合して評価し、あくまで私個人にとってのベスト10として選出しております。主観はバリバリに入っていますが、それでもお勧めするに値する魅力や価値を有する作品であると自信も持って言える作品ばかりですよ。
ランクインした各作品の詳細なレビューは、それぞれのリンク先にある該当作のレビュー記事をご参照下さい。当記事内では、主に雑感やランクインの理由等を記しておきます。
それでは、本年の様々な作品の中で私が特に優れていたと感じた10冊について挙げさせて頂きます。

10位 丸居まる『下のおくちでちゅっ❤ちゅ❤しよ』(ジーオーティー)
HotKissInUnderLip 著者9冊目にして年間ベストには二度目のランクイン。今年は本作を含めて単行本2冊を上梓されていますが、棚ボタハーレム的なウハウハ感がより明瞭に出たこちらを選出しました。むにゅんと柔らかそうな桃尻&おっぱいに包み込まれる幸福感でも十分に一点突破しつつ、インパクトを保つエロシーンの画面構成や次々とエロいプレイが繰り出されるエロ展開の技術も高く評価したいポイントです。→単行本レビュー

9位 カエデミノル『コットンひゃくぱーせんと』(ティーアイネット)
Cotton100% 初単行本にして初ランクイン。元々幅広い作風の作家さんを擁する『Mujin』レーベルですが、最近ではロリエロ系でもベテランから新鋭までを擁してこのサブジャンルでの存在感を発揮。非常に細やかな絵柄で丹念に描かれる日本の風景と、少女の可愛らしさと生気は見事で、作劇も作画も緻密の一言。遅筆ながら、初単行本にして代替の利かない立ち位置を確保した印象があります。→単行本レビュー

8位 駄菓子『交尾の時間』(ワニマガジン社)
TimeForCopulation 3冊目にして三度目のランクイン。モノクロ絵としての魅力を突き詰めた濃厚なエロ描写を強力な武器とすると共に、日常から非日常へのスイッチングの良さと欲望の高ぶりのエネルギーを込めた筆致は流石の一言。以前に比べて、話作りがマイルド寄りでややインパクトを減じた感はありますが、エロ描写のアタックや濃厚感は更に練り上げてきた感があります。→単行本レビュー

7位 高津『人妻Aさんと息子の友人Nくん』(ティーアイネット)
MrsAAndBoyN  著者11冊目にして三回目のランクイン。作劇の幅が広い作家さんですが、寝取り要素・堕ちモノ系の色彩が強くありつつも同時にショタの恋愛感情・独占欲が強く駆動するおばショタ系でもありと複雑な読み口を持たせつつ、ハードなエロ描写の威力で魅せた作品。今年は不祥事(示談済み)を起こして活動自粛中とのことですが、復活を待っております。→単行本レビュー

6位 榎本ハイツ『あいとかえっちとかね❤』(コアマガジン)
SomethingLikeLoveAndSex  前単行本に引き続いてのランクイン。明るく楽しいラブコメ的要素も魅力ながら、愛が人を救うというテーマをヒロインの魅力を通してストレートに熱く伝達してくるストーリーテリングの力強さ、爽快感はこの作家さんの確たる魅力であって、今回もその点で長所を十全に発揮しています。濃厚さや技巧にも配慮しつつ、感情が迸る前のめり感がエロの実用性につながっているのも○。→単行本レビュー

5位 kanbe『痴戯のナカ』(ワニマガジン社)
InsideTheSexualPlay 2冊目にして初ランクイン。コンビニ誌掲載作らしいラブコメ系の安定感も魅力でしたが、今単行本の中編シリーズで一皮むけた印象が強く、妖しく抗しがたい性愛の豊饒へと読み手を誘い、捕える様な語り回しの良さには唸らされました。クドく感じさせない程度に重さや濃さが絵柄に出てきていて、作品の明暗の幅にも対応させつつ、特にエロ描写の濃厚感に寄与しているのも美点でしょう。→単行本レビュー

4位 けんじ『裸体芸術部!!』(ヒット出版社)
NudeArtClub 初単行本にして初ランクイン。各種パロディを中心として、オタクの好きなものを色々と詰め込みました!的な賑やかでハイテンションでエロエロな長編ストーリーという、『阿吽』系列では比較的珍しいタイプの作品。キュートな絵柄で十分な密度のエロ描写という面も安定した実用性に関する魅力ですし、読んでいてとにかく楽しいと思わせてくれるのが最大の長所であり、何処か懐かしいタイプのエロ漫画。→単行本レビュー

3位 東山翔『Implicity2』(茜新社)
ImpliciySecond 前単行本(2017年第3位)に引き続きランクインの完結巻。前単行本の時点で今年の1位になるかもと考えていたのですが、かなり難解な作品で管理人は十全に評価できているかの自信が無く、順位を据え置きました。とは言え、少女性愛の欲望の、業としての深さを抉り出す様な設定とエロ描写で凄味を見せ続けたSF作品であり、エロ漫画ジャンルの歴史に名を残すべき作品であるのは間違いないでしょう。→単行本レビュー

2位 煌野一人『ドールズ』(ティーアイネット)
Dolls 著者3冊目にして上位に初ランクイン。アブノーマル系作家としての面目躍如なハードエロ指向と強烈なディストピアの設定が絡み合い、その上でオムニバス形式の展開を繰り広げながらSF作品的な風刺と警句もあって、作劇・エロが合わさることで重厚な読み口を形成しています。特殊性癖的な部分はキルタイムでの単行本より抑制を効かせている分、訴求層を広げた印象があります。→単行本レビュー

1位 無望菜志『魔剣の姫士』(ジーオーティー)
PrincessKnightWithEvilSword 著者(成人向け)5冊目にして初ランクイン。今年は2冊単行本を上梓されていますが、長編ファンタジーとしての面白みが非常に高いこちらをチョイス。触手乱交エロというアブノーマルテイストはありながら、王道的でポジティブなファンタジーの面白さや高揚感、魅力的なヒロインを多数取り揃えて、エロ可愛さと描写としてのアグレッシブさを両立させたエロ描写と、エロ・ストーリー・キャラが高い次元でまとまった作品です。→単行本レビュー

  以上10作品が、私個人が選出した2018年のベスト10となります。毎年、他の方の年間ベスト10や売り上げランキングなどと比較して、どうも私の選ぶ10作というものはそれらと乖離していることも多く、これは自身のレビュアーの感性として如何なものかと悩むこともあります。とは言え、どれもお勧めですし、そういう意味では毎年私らしいチョイスが出来ていて、そのことが読者諸氏のエロ漫画ライフに何らか資するものがあれば嬉しく思います。
  今年のランキングは初ランクインの作家さんが多いですが、新鋭の作家さんに目を見張る成長をしている作家さん、ベテランらしさが光る作家さん、それぞれの魅力が楽しめて、エロ漫画ジャンルのこの活気が末永く続いて欲しいとも感じました。

  今年は2012年以来、久しぶりの年間レビュー冊数200冊越え(239冊:越年レビューを含む)を果たすことが出来ました。特に本年6月以降は毎月20冊以上のレビューを更新することができ、自分なりにレビュアーとしての自信を幾らか取り戻せたかなと振り返っています。
また私事ですが、漫画語りを得意とするVtuber・皇牙サキさんの活動(配信)にモチベーションを分けて貰ったとも感じており、大変感謝しております。

  年末に際しまして、全ての作品、作家様および出版社様に対し、心からの謝意と敬意を表しますと共に、当ブログの読者諸氏の御愛読に対し、管理人より改めて厚く御礼を申し上げます。

 2019年も素敵な作品に沢山出会えることと、エロ漫画を愛する全ての人に幸せな一年であることを祈りまして

一エロ漫画愛好家 へどばん拝

2017年私的ベスト10

 どうも、当ブログ管理人・へどばんです。2017年最後の更新は、毎年恒例の年間ベストの記事となります。
 昔に比べれば更新頻度は下がりましたが、昨年の心身不良からの復帰後、毎月二桁更新を続けてこれたのは自分でもそれなりに満足しております。当ブログの開設(移籍)後、ほぼ10年が過ぎ、単行本レビュー2000冊を達成したことも、2017年における個人的に満足を得たことであります。長い間お付き合いして頂いた読者諸氏にも御礼を申し上げるべきところであります。
  粛々と単行本レビューを書くことを目的として当ブログを維持しており、考察記事を書くこともほとんど無くなってしまったことは、一レビュアーとして申し訳ないところでありますが、恒例の年間ベストを書くことは選考が悩ましくとも純粋に楽しいものです。

  毎年のことですが、当記事では、ストーリーの面白さやエロシーンの実用性、登場キャラクターの魅力など、エロ漫画としての様々な側面における魅力を総合して評価し、私的なベスト10として選出しております。
ランクインした各作品の詳細なレビューは、それぞれのリンク先にある該当作のレビュー記事をご参照下さい。当記事内では、主に雑感やランクインの理由等を記しておきます。
それでは、本年の様々な作品の中で私が特に優れていたと感じた10冊について挙げさせて頂きます。

10位 しおこんぶ『Fanaticism』(文苑堂)
Fanaticism 2014年度ベスト10に引き続きランクインの2冊目。前単行本に引き続き、舞台設定とそれに直結するストーリーやキャラメイキングで魅せた作品。今回は館モノのダークネスとカントリー・ハウスものとメイドエロのケミストリーと言えます。
濃厚でハード指向のエロ描写は作劇の方向性と良くかみ合っており、エロとストーリーを合わせた上での重厚さのある作品と言えるでしょう。→単行本レビュー

9位 鬼頭サケル『ナマチチマラトロピクン』(ワニマガジン社)
ErectForFleshBustAndPussy 初単行本にして初ランクイン。ハードコアなエロという昨今の潮流に素直に乗りながら、作品においてそれをどう織り込むかという点において、読者の想像の斜め上を行く強烈な個性を発揮した作品集と言えるでしょう。
万人向きとは全く思いませんが、エロ漫画ジャンルの多様性のためにも、こういった物凄い印象を残す作品がこれからも出て欲しいところ。→単行本レビュー

8位 アズマサワヨシ『あやかし館へようこそ!』(コアマガジン)
WelcomeToAyakashiHouse 3冊目において初ランクイン。人外ヒロインとのラブストーリーとして正統派の魅力を有した作品であり、ウハウハハーレム仕様から一人のヒロインとの運命づけられたラブストーリーへと収束していく流れが魅力的。
十分な尺のストーリーの中で掘り下げられたキャラの魅力が立っている故にエロシーンの幸福感と実用性が増しています。→単行本レビュー

7位 ドバト『平成JC in 明治夜這い村』(ヒット出版社)
HeiseiJCInMeijiEar 前単行本に引き続きランクイン。重厚なドラマ性を有した前作に対し、オムニバス形式・短編メインの1冊ではありますが、苦難の中でも個々の幸福を求めて生きる少女達の姿を真摯に描き出すテーマ性は一貫しています。
少女漫画チックなふんわりと柔らかい絵柄でありつつ、時に静謐を湛え、時に賑やかな闊達な筆致と、少女ヒロインが蕩けるエロ描写の濃密感とのバランスの良さも魅力。→単行本レビュー

6位 中村葛湯『彼女のせつな』(コアマガジン)
HerEphemeralSeason 初単行本ながら初ランクイン。素朴なラブストーリーからじんわりと悪意と歪みが滲む凌辱系までいずれも繊細で豊かな筆致で描き出す作品集。
シナリオワークもエロ描写も技巧的という評価が相応しいスタイルであり、それでいて技巧に頼り過ぎず感情や欲望の生々しさが籠っているのが評価のポイント。→単行本レビュー

5位 藤丸『ラブミーテンダー』(ワニマガジン社)
LoveMeTender 初単行本ながら初ランクイン。お馬鹿なエロコメから抒情性のあるファンタジーまで多彩な作劇それぞれに魅力的な仕掛けのある作品集。快楽天系列らしいオサレ感もありつつ、それよりも作劇の自由闊達さが印象に残る作品。抑え目でありつつ適度に濃厚感のあるエロ描写の塩梅も万人受けする要素でしょう。→単行本レビュー

4位 内々けやき『ニンフォガーデン』(ワニマガジン社)
NymphoGarden 当ブログの年間ベストでは比較的常連と言うべき作家さん。最近では一般向けでも大いに活躍されています。性的快楽の強烈さとそうであってもままならないモノを描くと、抜群の魅力を発揮する作風が十全に生きた長編作と言えるでしょう。
サナトリウムものという、特殊なネタを扱いながら、人の情愛として普遍的なものを扱っている故の秀作と評したい所存。→単行本レビュー

3位 東山翔『Implicity』(茜新社)
Implicity LOサブカル勢筆頭格の個性派にして当ブログでは年間ベストに初ランクイン。まだ完結していないため、評価としては保留すべき点も多いですが、SFエロ漫画として金字塔を打ち立てるのは間違いない作品でしょう。
リアル指向の生々しい肢体描写で背徳的で強烈な濡れ場は特筆すべきポイントで、それを混沌とした世界観にマッチさせて読み手を揺さぶる様に叩き出しています。→単行本レビュー

2位 赤月みゅうと『ラブメア❤』上下巻(ティーアイネット)
LovemereSecond 昨年に引き続き上位にランクイン。ハーレムエロとSF的世界観の融合という作風には良くも悪くも変化はありませんが、今作はそれに漫画家漫画として願望や欲望を表現するものの立場を入れ込んだ点が新鮮。
フルスロットルにエロ願望充足のハーレムプレイを散りばめ、濃厚なエロ空間を成立させながらそれが真摯な恋愛ストーリーに収束する流れは見事の一言。→単行本レビュー

1位 アシオミマサト『クライムガールズ』(ティーアイネット)
CrimeGirls ユニークな設定と重厚なドラマ性、それらを貫くテーマ性で魅せるスタイルは長編作でこそ輝くタイプであり、2015年ベスト第1位に引き続き、今回もトップに選出。
綺麗なお姉さんキャラ達が快楽に包まれていくエロ漫画的な快楽全能性で実用性を大きく高めつつ、それと相反する様なテーマ性で全体をしっかり締める構築はやはり唸らされる点。→単行本レビュー

 以上10作品が、私個人が選出した2017年のベスト10となります。毎年、魅力的な作品が多い故に10作に搾り、それに順位を付けるのはなかなかに悩ましいものなのですが、書き終えた今となっては納得した上で諸氏にお勧めできるランキングになったと考えております。
 10作品中3作が初単行本となりますが、毎年新しい才能がその魅力をしっかりと示してくれることは、エロ漫画レビュアーとしてのモチベーションとして非常に大きなものであり、嬉しく思っています。これらのランキングはあくまで私的なものであり、また自分の中での評価も今後変化する可能性は勿論ありますが、読者諸氏がエロ漫画を楽しむ上で何かしらのご参考になれば、当ブログの管理人として幸いであります。

 年末に際しまして、全ての作品、作家様、出版社様への心からの謝意・敬意を今年も表しますと共に、当ブログの読者諸氏の御愛読に対し、管理人より改めて御礼を申し上げます。

 2018年も素敵な作品に沢山出会えることと、エロ漫画を愛する全ての人に幸せな一年であることを祈りまして

一エロ漫画愛好家 へどばん拝

2016年私的ベスト10作

  どうも、当ブログ管理人・へどばんです。2016年最後の更新は、恒例の年間ベストの記事となります。
  今年も相変わらず本業多忙で念頭から更新頻度が振るわなかったのですが、多忙により心身の調子を崩し、3か月近い長期の更新停止を招いたことは未だに痛恨の極みと思っております。とは言え、そのまま自然消滅してしまっても不思議ではなかったのですが、やっぱり面白い・エロい作品に沢山出会い、その魅力を考えながらレビューをすることの喜びで復帰できたのはよかったなぁと年末に感じ入っております。
そのような状況でしたが、一年楽しんだ様々な作品の中から年間ベストを選出することは、魅力的な作品を色々と振り返ることが出来て本当に楽しいものです。

  毎年のことですが、ストーリーの面白さやエロさなどエロ漫画としての様々な側面における魅力を総合して評価し、私的なベスト10として選出しております。
ランクインした各作品の詳細なレビューは、それぞれのリンク先にある該当作のレビュー記事をご参照下さい。当記事内では、主に雑感やランクインの理由等を記しておきます。
それでは、2016年に特に輝いていたと管理人が感じた作品10作を紹介させて頂きます。

10位 鈴木狂太郎『人狼教室』(ヒット出版社)
WarwolfClassRoom 人の弱さ・愚かしさに優しく寄り添う作風でも魅せる作家さんですが、今回はバリバリに“強さ”をテーマとしたパワフルな筆致を示しています。圧倒的な雄の力でハーレム形成&華奢ボディの少女とヤリまくりという設定に荒唐無稽さもありながら、一本筋の通ったストーリーでグイグイ読ませた作品。ある意味、この作家さんの新境地とも感じました。→単行本レビュー


9位 らっこ『彼女は真夏のサンタクロース』(ジーオーティー)
SheIsSantaGirlInHotSummer 明るく賑やかにというラブコメ・エロコメ的なテンションの高さで突っ走りつつ、長編作としてのまとまりの良さや読後のハートウォーム感も魅力。元々高かったエロ描写のアグレッシブさや画面の情報量の多さが更に伸長しており、質的にも量的にも読み手を圧倒するかのようなエロ描写は見事。あと、銀髪褐色巨乳ヒロインは至高ですな。→単行本レビュー


8位 サブスカ『妻という世界』(ティーアイネット)
WorldAsWife 著者4冊目にして初ランクイン。真摯な恋愛ストーリーを奇抜な設定を以て描きつつ、それ故に登場人物達の誠実さが光る作風が魅力的なこの作家さんが今回選んだのは、夫婦の性別入れ替わりというTS設定。ある意味で“性差”を魅力の核とする性転換モノにおいて、性別にとらわれることはなく夫婦の絆を描き切った快作であり、作家としての引き出しの多さを物語る1冊。→単行本レビュー


7位 丸居まる『ふわとろ❤受精ちゅーどく!』(ジーオーティー)
MellowFertilizationAddiction 著者7冊目にして初ランクイン。大人数の美少女ヒロイン達がエロ可愛い痴態を曝け出して中出しセックスをおねだりしまくりという、甘味だけで構成したかのような徹底したハーレムもの。美少女ヒロイン達のおっぱいとお尻とおま○こで埋め尽くされる画面による、読み手の理性の破壊力は凄まじく、そのハーレムエロの魅力による一転突破を高い作画密度で可能にしています。→単行本レビュー


6位 知るかバカうどん『ボコボコりんっ!』(メディアックス)
BokoBokoRin 暴力と絶望の暴風が吹き抜ける強烈な筆致で読み手を圧倒する女性作家の初単行本。人の愚かしさを、笑うことも救済することもなく、乾いた現実感を伴って描き、それが生み出す惨劇とその連鎖を無慈悲・無情に読者へ叩きつける様な重さ・鋭さは圧巻の一言。一体何がここまでこの作家さんを衝き動かすのかとさえ感じました。→単行本レビュー


5位 チバトシロウ『り:いんかねーしょん』(文苑堂)
Reincarnation ベテラン作家らしい安定した作劇と作画が十全に生かされた長編作であり、創作の世界とその描き手達の世界がリンクする重層的な作品構築が素晴らしかったです。創作の喜びや開放感が基調となった漫画家漫画的な面白みもあり、また多数の魅力的なヒロインを擁した群像劇の面白さがあるなど、様々な楽しみ方のできる快作。→単行本レビュー


4位 叙火『八尺八話快樂巡り 異形怪奇譚』(ジーウォーク)
EightStoryOfErothAndTerror ホラー要素のあるエロ漫画ではなく、明確にホラーとしての作劇を組み立てつつそこに無理なく妖しげなエロが絡む作品。非常に構成が練られた作品であり、語られていく怪異の最後に待ち受けるラスト数Pの衝撃は大変に印象的でした。アニメ化されるなど、ここまで人気になるとは正直意外でしたが、エロ漫画の多様性を物語ってくれる個性的な作品でした。→単行本レビュー
3位 新堂エル『変身』(ワニマガジン社)
Emergence 当ブログの年間ベストの常連ですが、毎回の様に多彩な衝撃を与えてくれる作家さん。今回は、一人の少女の転落劇を無慈悲かつ丁寧な筆致で追った作劇であり、泥濘の中でもがき続けたヒロインが迎えたラストにはため息が出ました。美徳による救済さえ拒んでしまう、強烈な快楽という劇薬とそれを求めてしまう業を、凶悪なエロ演出で彩る性描写によって狂気の説得力を持たせたのも見事。→単行本レビュー

2位 赤月みゅうと『リンガフランカ!!』(ティーアイネット)
LinguaFranga この作家さんも当ブログの年間ベストの常連。比較的軽めの読書感に留めた前作に比して、今回はSF漫画家としてのこの作家さんの特性が十全に生かされた作品であり、得意とするハーレムエロの幸福感と、その背景にある謎、そしてそれが解き明かされる面白さと生としての性の喜びが満ちたストーリーは実に痛快。→単行本レビュー


1位 御免なさい『だから神様、ボクにしか見えないちいさな恋人をください。』(ジーオーティー)
FatherPleaseGiveUsFantasy 著者2冊目にして8年ぶりの復帰作。漫画チックな破天荒さ、繊細な心情描写、時折顔を見せる哀切を伴うダークな要素、強烈なエロ演出が吹き抜ける性描写、そして少女への純粋な愛情、それが混然となりながら直向きに人の善性を信じる作風は、控えめに言っても愛の為せる業と評し得ます。スランプを経験しながら、決して歪むことのないこの作家さんの美点が光った傑作です。→単行本レビュー

 以上10作品が、私個人の2016年ベスト10です。今回は1位の選出が(自分の中で)特に接戦でなかなか難しかったのですが、私個人として納得のいく順位になったなと思います。勿論、惜しくも選外となった作品も多く、順位そのものに大きな意味はないのですが、選出した作品はいずれも魅力的な作品です。読者諸氏がエロ漫画を楽しむ上で何かしらのご参考になれば、レビュアーとして嬉しく思います。

 長期の更新停止は、管理人として筆舌に尽くしがたい後悔の念しかありませんが、復帰してからは(ライフワークバランスをある程度整えたこともあり)それなりに更新頻度が上がったことは良かったと思っております。勿論、ほぼ毎日更新していた最盛期に比べると頻度は低いのですが、この調子で来年以降も更新頻度を保てる様、努力したいと思っております。もちろん、単に量を増やすだけでなく、より作品の魅力を丁寧に考察し、読者諸氏の参考になるようなレビューを書けるよう、精進して参ります。
 来年の12月には節目?のレビュアーとしての活動10年を迎えますし、来年にこれまた節目の単行本レビュー2000本を達成したいなと考えております。
年末に際しまして、全ての作品、作家様、出版社様への心からの謝意・敬意を今年も表しますと共に、当ブログの読者諸氏の御愛読に改めて御礼を申し上げます。

2017年も素敵な作品に沢山出会えることと、エロ漫画を愛する全ての人に幸せな一年であることを祈りまして
一エロ漫画愛好家 へどばん拝

2015年私的ベスト10作

どうも、当ブログ管理人・へどばんです。今年も年内最後の更新は、恒例の年間ベストの記事となります。
  今年も本業多忙により更新頻度は奮わなかたり、FC2Blogでは検閲システムが始まり、そのシステムの誤検知という運営側のミスで当ブログが誤って一時凍結されたりと、当ブログを巡る環境は厳しいものもありましたが、今年も1年ブログを続けてこれたこと、様々な優れた作品に出会えたことが素直に嬉しいなと1年を振り返って感じます。
年間ベストの選出は個人的にも楽しんでおりまして、どれを選ぼうか考えるのは自分の考え方の整理になってもいいですね。

  毎年のことですが、ストーリーの面白さやエロさなど諸々ひっくるめてエロ漫画としての魅力の高さで選出しております。
ランクインした各作品の詳細なレビューはそれぞれのリンク先のレビュー記事をご参照下さい。当記事内では、雑感やランクインの理由等を記しておきます。
それでは、2015年に特に輝いていたと感じた作品10作を紹介させて頂きます。

10位 みぞね『鬼ヶ島の許嫁』(ジーウォーク)

BrideElectFromDemonsIsland.jpg 今年はエロ漫画も含め、アニメ/漫画界隈でモンスター娘(人外娘)が人気を博した年だなと感じますが、本作も多彩なモンスター娘が登場する作品です。初単行本ながら絵柄の完成度や、人外としての側面を明示しつつ美少女キャラとしての魅力も共存させるキャラデザのバランス感覚、人と人外の多様な関わり合いを描くストーリー性などが光りました。→単行本レビュー

9位 岡田コウ『Aサイズ』(ヒット出版社)
ASize.jpg 繊細な心情描写に基づく丁寧なストーリーテリングと、可憐な少女がとろっとろに蕩けまくる凶悪な陶酔感のエロ描写が相変わらず確たる美点。今回は短編メインで、長編作におけるドラマ性にはやや欠けますが、読み手をドキドキ・ハラハラさせる展開から、時に切なくもほんのり温かい読後感を、時にじくじくとした鈍痛の如き読後感を残す作品が揃っています。→単行本レビュー

8位 荒井啓『放課後Initiation』(コアマガジン)
InitiationAfterSchool.jpg 今年のメガストアレーベルは良質なストーリーテリングの作品が多かった印象がありますが、それを代表する一人である作家さんの初単行本。時に狂気を、時に切ない愛を、時に若い性愛の解放感を自在に紡ぎ出す作劇と、静かにそれでいて熱っぽい痴態描写が魅力的です。淡い色彩と丁寧な筆致の中から、適度な色香が香る絵柄のユニークな魅力も評価のポイントです。→単行本レビュー

7位 オイスター『家畜乃団欒』(メディアックス)
GatheringOfLivestocks.jpg 人が作り出した人にとっての地獄の中で、周囲の人物も含めて破滅への下り坂を転がり続けていく猛烈な凌辱エロ。今回は比較的シンプルなストーリーではありますが、圧倒的な悪の強者・高須と、弱さ・脆さを抱える“善良な”ヒロインとの対比はそれ故に鮮烈。ラストまで人としての弱さを徹底的に見せつけながら、そこに意味を見出すスタンスも変わりません。→単行本レビュー

6位 師走の翁『ヌーディストビーチに修学旅行で!!』(ヒット出版社)
SchoolTripToNudistBeach.jpg “クラスの女子が全員裸になってセックスもできちゃう!?”という思春期男子の馬鹿エロ妄想じみた設定を、誠実な群像劇へと昇華させるまさかの展開が見事。バラエティ豊かなヒロイン陣の個々の魅力を引き出し、がっつりとした多人数セックスをたっぷり提供しており、ベテラン作家の確かな技量と思い切りのいい剛腕を楽しめる作品となっています。→単行本レビュー

5位 らっこ『めちゃしこせぶん』(ワニマガジン社)
EroticaSeven.jpg ハイテンションなコメディとしての面白みと、柔らか肉感ボディとのがっつりファックの実用性を両立させる王道のラブコメディ。ラブコメ・エロコメとしてのオーソドックスな魅力を保ちつつ、パロディや風刺の一工夫や元気よく動き回るキャラクターの気持ち良さで決して凡庸な印象を与えないのも美点でしょう。エロのハードさにも磨きがかかった最新刊。→単行本レビュー

4位 鈴木狂太郎『JC’S EX』(ヒット出版社)
JCsEX.jpg 病気や自殺、孤独感など生きることの苦しみを描き出しつつ、その苦しみを生としての性愛が開放する素直でパワフルな作品集。テーマ性を大上段に構えることなく、淡々とした調子やほのぼのとした印象もありますが、それ故に登場人物達の救済でじんわりと優しい気持ちにさせてくれる描き方と感じます。ほっそりとした華奢で未成熟な少女ボディのエロスも魅力的です。→単行本レビュー

3位 ドリル汁『イケない❤スペルマビッチ!!!』(富士美出版)
DangerSpermBitch.jpg 義足ヒロイン猫宮さんの熱血バトルストーリーを描く長編「あいつはヴァイオレンスヒロイン」が大団円を迎えた最終巻。アブノーマル成分を含めてこってり感の強いエロ描写も大きな魅力であると共に、策謀渦巻くワクワク感や乾坤一擲の逆転劇の痛快さなど、近年のエロ漫画ではレアな重厚でエネルギッシュなストーリーが素晴らしく、一つの金字塔を打ち立てた作品と言えるでしょう。→単行本レビュー

2位 駄菓子『契りの家』(ワニマガジン社)
ApledgeOfAbnomalLove.jpg 濃厚で甘美で妖艶な性の熱気と芳香が立ち込め、体液と共に男女が溶け合ってしまうかのような痴態描写の濃密さは他の追随を許さない実力派。魅力的なヒロインとのエッチという極めてシンプルな描き方でありつつ、日常から非日常の性へと変わる瞬間、性愛の炎が紅蓮の大火に燃え盛る高揚感は技巧的であり、そこに男女のドラマ性を感じさせる手腕も強力な武器でしょう。→単行本レビュー

1位 アシオミマサト『D-Medal』(ティーアイネット)
DModel.jpg 女性を好き放題に出来るマジックアイテム、男性から女性へ変化してのTSFエロと“便利な”ギミックを用いてエロを大盤振る舞いしつつ、それらに付随するエロ漫画的なご都合主義に誠実なアンサーを返す作品。ストーリーの起承転結を整えつつ、前半と後半のシナリオとエロの鮮烈な切り返しは実に技巧的で、性愛を描くものとしてのエロ漫画の矜持を感じさせる作品でした。→単行本レビュー

以上10作品が、私個人の2015年ベスト10です。惜しくも選外となった作品も多々ありますし、簡単に甲乙が付けられるものでもないのですが、選出した作品はいずれも魅力的な作品です。手前勝手なベストではありますが、読者諸氏のご参考になれば、筆者として嬉しく思います。
 
 来年も更新頻度はあまり変わらないと思いますが、これからも作品の魅力や特徴を皆様にお伝えし、エロ漫画ジャンルの盛り上がりにささやかながらも貢献できますよう、レビューに精進して参る所存です。良い作品に巡り合うと、この作家さんの次の単行本も是非読みたい、そしてレビューを書きたいと思わせてくれるので、当ブログも9年目に突入することになりますが、モチベーションが途切れないのは素敵なことだと思います。
年末に際しまして、全ての作品、作家様、出版社様への心からの謝意を表しますと共に、当ブログの読者諸氏に改めて御礼を申し上げます。

2016年も素敵な作品に沢山出会えることと、エロ漫画を愛する全ての人に幸せな一年であることを祈りまして
一エロ漫画愛好家 へどばん拝
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