FoolishLover TVアニメ版『裏世界ピクニック』第4話「時間、空間、おっさん」を観ました。本人は“当たり前”のことのように語っていましたが、空魚さんの過去、かなりヘビィというか特異なもので、きっと裏世界と何らかの関係がもともとあったんだろうなと感じます。
怪異が何故“怖いもの”なのかという点について、トランス状態?の鳥子の解釈は面白かったですね。

 さて本日は、西園寺ぽるぽる先生の初単行本『ふ~りっしゅラヴァー』(ジーウォーク)のへたレビューです。なかなか楽しい語感のペンネームの作家さんですね。
王道ファンタジーとエロコメが融合した長編を中心に楽しく読めて使える抜きツールが揃った1冊となっています。

FoolishLover1 収録作は、魔王軍の侵攻で危機に陥った世界で、勇者は囚われの姫を救出し、仲間を集めて魔王の討伐へと向かうのであるが、彼らを待ち受ける世界の真実とは・・・!?な長編「性道ヒーロー」シリーズ全6話(←参照 魔王城への道を知るエルフを救出したのだが、なんだか色々勘違いをしていて? 同シリーズ第4話「マゾエルフと性剣のお仕置き」より)、および読み切り形式の短編3作+描き下ろしフルカラー掌編(4P)。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は20~24P(平均21P強)と標準的なボリュームで推移。長編の終盤を除いて基本的には軽めの読み口でまとめた作劇であり、程好いアタックとボリューム感のエロシーンが用意された安定感のある構築となっています。

【王道ファンタジーの魅力とエロコメ的な楽しさの融合】
 帯に記された“抱腹絶頂”は抱腹絶倒をもじったものでしょうが、そこまでギャグに特化したスタイルではないものの、いずれの作品もエロコメディ系統の作劇であることは共通。
 メイン作である長編は、勇者が助けた姫がド淫乱だったり、助けたエルフが妄想癖ドMだったり、仲間となるキャラクター達がそれぞれのエロハプニングを経て冒険に出かけたりといったドタバタ模様をオムニバス形式で4話まで繰り広げつつ、終に魔王と対峙する終盤で女神によってしくまれた真実が明らかになる展開。
FoolishLover2やや設定を詰め込み過ぎた感があるものの、勇者にとって“本当の敵”が明らかになる終盤展開はドラマチックな様相を呈していますし、関わり合った者達の力を継承し、悪や姦計を憎み、全ての命を等しく大切なものとする信念を貫く、王道の善き“勇者像”を主人公が貫いていることで英雄譚としての熱さを打ち出しているのは、そこまでの程好くお馬鹿な展開からのギャップもあって魅力的に映ります(←参照 倒すのではなく救う者としての勇者像が大変良いです 長編第6話「そして性道へ…」より)。
 勇者の言うところの性剣がち○こだったり、各種騒動やバトルが大よそセックスで解決したり、大仰な技名がセックス中に叫ばれたりと、エロコメ的ないい意味での馬鹿馬鹿しさはあるのですが、勇者を含めた各キャラクターの善意や熱意が基本的に真摯なものである分、ギャグ的な面よりも話としての真っ当さが最終的に印象付けられる読書感と言えるでしょう。
 なお、対象者をムキムキ化&発情させてしまう超能力が暴走しがちなヒロインを描く短編「エスパー真紀~アトランティスの謎~」はトンデモ設定&ハイテンションな台詞回しが長編作に近いスタイルですし、短編「ラブデリックキャロル」は分かり易く棚ボタ的なラブコメ系、短編「ば~ちゃるフィットラブ」は羞恥系シチュエーションの変態エロコメ系と、短編3作はそれぞれ方向性が異なります。
 大団円な長編を筆頭に、いずれにしても平和なオチに落着しており、この辺りもエロコメ系らしい読書感の形成に寄与していると感じます。

【コミカルなキャラ性の巨乳美少女ヒロインズ】
 短編群では女子校生~女子大生クラスの女の子が登場。長編では、エルフや女神、魔王様など年齢の推測が難しい種族のヒロイン達も居ますが、見た目としてはミドル~ハイティーン級の美少女と綺麗なお姉さんタイプが加わるものとなっています。
 普段はしっかり者ながら酔うとだらしなかったりHな面が出たりなバイト先の先輩美人、特殊能力者ながらハプニングを引き起こしまくり、意外に流されやすい幼馴染さん、高飛車ツンデレな某冬優子によく似たVtuber演者さんなど、短編群はコミカルかつ多彩なヒロイン設定となっています。
 長編作はキャラクター数が多いこともあって、長編の中での各キャラの掘り下げには多少の不足を感じるものの、サキュバスの血を引き搾精能力に優れたお姫様、師匠である叔父に秘めた恋心を抱え、様々なスキルを操る女格闘家、慈愛に溢れながらショタコン性癖がダダ漏れなシスター、ドM妄想癖のツンツン高慢エルフさん、魔王としての風格を漂わせつつ意外に素直で穏当な性格なちっこい魔王様などなど、こちらもキャッチーなキャラクター性のヒロインを揃えています。
FoolishLover3 長編作の魔王様は身長が低く、おっぱいサイズも控えめですが、その他の女性キャラクターに関しては巨乳キャラが揃っており(←参照 ショタ大好きシスターさんの癒し手コキだ! 長編第3話「愛に飢えた盗賊とショタコンシスター」より)、健康的な肉感の体幹に十分なボリューム感のあるバスト&ヒップ&パイパン仕様の股間を組み合わせた女体となっています。
控えめサイズの乳輪&乳首や、ややあっさり気味の粘膜描写なども含め、女体描写にそれ程の特徴があるスタイルではなく、濃厚な淫猥さや逆に端正な美しさなどを求めるのは避けるべきですが、オーソドックスな故の取っつき易さが長所とも言えるでしょう。
 絵柄としても強い個性や創作性があるタイプではないものの、オーセンティックなアニメ/エロゲー絵柄は訴求層が広く、初単行本ながら概ね表紙絵と完全互換で絵の質・印象を安定させているのも加点材料です。

【程好いアタックと密度のエロ演出で多彩なプレイを投入】
 エロシーンの分量は抜きツールとして標準的なものであって、設定に基づくテンション高めなエロへの雪崩れ込みでスムーズに濡れ場に突入すること自体にある種の面白みがあるタイプ。
 勘違いエルフさんが自ら誘導していく性剣(=ち○こ)でのお仕置きセックス(長編第4話)、高慢なVtuber演者に協力者の男性が羞恥プレイ配信を強いるシチュエーション(短編「ば~ちゃるフィットラブ」)といった、一定の嗜虐性を備えたエロシチュもありますが、これらの場合でもヒロイン側の性癖の充足であったり、意外な形でのメイクラブにまとまったりと平和にまとめるので、暗さや重さはほぼありません。
また、男性が魔法でショタ化してのおねショタH、秘めた愛情が爆発する近親セックス、魔王様と光の女神を強制仲直りセックス、ヒロインの能力のせいで主人公の性欲が暴走しての肉弾ファック等々、和姦系等も含めて多彩なエロシチュを用意しており、その上で男女が行為に熱狂していくストレートなエネルギー感で押し通していくスタイル。
 前戯・抽挿パートに渡って色々なプレイや攻守の転換を投入する構成は、やや小刻み感があるものの、サービス精神の顕れとも言え、フェラや密着手コキ、イラマチオ、ねっとりクンニからの黄金水シャワーなどなど、エロシチュに合わせて前戯パートのプレイ内容も多彩。
FoolishLover4 分割構成となることもありつつ、抽挿パートには十分な分量を用意しており、パワフルなピストンが繰り出される中で、頬を紅潮させ瞳を潤ませた熱っぽい官能フェイスとハートマーク付きの実況台詞、汁だくの結合部アップ描写など、適度にアタックの強いオーソドックスな演出を重ねていくスタイル(←参照 快感に圧倒されちゃう魔王様 長編第5話「決戦!!メスガキ魔王」より)。
 行為の勢いを感じさせつつも作画にややラフな印象があること、アタックの強さがある分、やや一本調子な印象があることは多少ネガティブな要素ではありますが、射精連発的なドライブ感の形成にも寄与しており、力強い膣内射精の感覚で蕩けきった表情と悶絶ボイスを曝け出す中出しフィニッシュで多回戦をパワフルに〆ています。

 お馬鹿なエロコメという楽しさもありつつ、それだけにとどまらない魅力もある話やエロシチュの作り方であって、粗削りな部分はありつつもそこも含めての魅力と言えるでしょう。
個人的には、勇者モノとしての王道の魅力と多彩なエロ模様が楽しめる長編作が最愛でございます。