Abandon DOUBLE-S先生(原作:真刈信二氏)の『イサック』第10巻(講談社)を読みました。イサック、銃が無くとも十二分に強者なんですが、要塞を守る際には必要でしょうし、如何に取り戻すかが楽しみでもあり、不安でもあります。
それにしても、ロレンツォ、その思想も含めて異形の存在の怖さがあるキャラクターになってきました。


 さて本日は、らくじん先生の『Abandon-100ヌキしないと出られない不思議な教室-』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。“沢尻メロウ”名義での前単行本『ギャルな妹は催眠プレイでイキまくるっ!』(ティーアイネット)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
スレンダー巨乳ボディの美少女&美女達が多彩なアブノーマル系シチュエーションでハードに乱れまくりな痴態をお届けな作品集です。

Abandon1 収録作は、教室で追試を受けていた主人公達は、謎の存在“ルーラー”によって異空間に閉じ込められ、生き延びて脱出するためにはルーラーから命じられた様々なセックスゲームに勝利しなければならないのだが・・・な中編「Abandon学園編」全5話(←参照 台本通りになってしまうAV撮影ゲームだ! 同中編第1話より)、不思議な噂のある廃館に入った4人の少年少女は言葉を話す不思議な扉によって閉じ込められ、館の出す理不尽な命令に従わされるのだが・・・?な連作「Abandon~扉を開けて~」前後編、および読み切り形式の短編・掌編3作。
(おそらく)宣伝用漫画の掌編「催淫学級日誌」(4P)を除き、1話・作当りのページ数は18~38P(平均24P)と幅はありつつ平均値としては標準的な部類。ストーリー性が明瞭な中編・連作とコンパクトな構築な短編とに分かれますが、いずれにしてもエロシーンの質的および量的な満腹感が十分に強く図られた構築となっています。

【エロシチュを軸にした構成でありつつ設定の面白さがある構築】
 タイトル中編は、いわゆる“セックスしないと出られない部屋”の亜種的な設定を有した上で、ゲームを勝ち抜いて異世界を脱出するという点で(アニメ/漫画ジャンルにおける)デスゲーム的な様相の作品でもあります
Abandon2 中編も連作「Abandon~扉を開けて~」も、各ステージにそれぞれのゲームを用意することで、様々なアブノーマル系エロシチュをヒロイン達が強いられてしまうという趣向を明確に軸としつつ、登場人物が追い詰められるデスゲーム的な状況であるからこそ、人のあくどい本性であったり、逆に家族愛などの善徳であったりが表出するという(←参照 妹を裏切って蹴落とそうとする姉だが・・・? 中編「Abandon学園編」第5話より)、このサブジャンルとしての王道の要素を織り込んでいるのも面白い点。
 中編については、ゲームの脱落者の処遇がやや半端であること、勝利によって得られるアドバンテージが不詳なこと、最後の最後で明らかになるルーラーの正体に意外性がありつつその意図するところが分かりにくいことなど、設定の説明・活用に不足を感じるのが個人的には少々の減点材料。
一方で、連作「Abandon~扉を開けて~」は、主人公達を閉じ込める“館”の意図するところが明瞭に描かれているために、設定と展開の分かり易さが高まっており、その設定と合致した上で、切ないラストとなる作劇のまとめ方の良さも魅力です。
 ヒロインがアブノーマル系のエロシチュを強いられてしまうという構図はいずれの作品にも共通していますが、一定のストーリー性で読みを牽引する中編・連作に対し、短編2作についてはエロシチュの構成をより軸に据えたコンパクトなシナリオワークに仕上げています。
エロシチュの方向性もあって、快楽堕ち的なダーク&インモラル系のまとめ方を基本としており、短編では軽過ぎず重過ぎずな余韻を、中編・連作ではそれぞれにフックがある印象的なラストシーンに仕上げています。

【スレンダー巨乳ボディを軸としつつ多彩なキャラデザイン】
 中編では計8名程のヒロインが登場していずれも女子校生ヒロイン。連作は西欧風の世界観ですが、ヒロインの年齢層は中編と同様でしょう。短編2作についてはファンタジー世界ということもあって、年齢層は不明瞭ですが、見た目としては綺麗なお姉さんタイプ。
 キャラクター性としては、清楚で大人しいタイプの少女が非日常の強烈な快感を叩き込まれて戸惑いながらも飲み込まれていく被害者的な立ち位置が明確なタイプと、他者を踏み出しにしたり高慢な態度を示したりな様子と快楽に屈して無様な姿のギャップが際立つ因果応報なタイプとに大別され、共に凌辱系のシチュに親和性が高いキャラ作りと言えるでしょう。
Abandon3 キャラデザインとしても華やかさのある美少女&美女タイプと、落ち着いた色気感の清楚系タイプとに大別されますが、様々なシチュエーションを強制されるのに合わせて多様な衣装チェンジや淫紋の付与のある中編であったり、エルフヒロインが妖精変化&悪堕ちな短編「ピクシーフ」(←参照 体が小さくなった上に褐色悪堕ちしてしまうのだ! 同短編より)、孕ませ&ボテ腹化要素がある連作であったりと、キャラの容姿の変化が為される作品が多いのも特色です。
 斯様にキャラ描写の視覚的な多彩さがある一方、ボディデザインとしてはスレンダー巨乳系統のもので統一しており、もっちり柔らか弾力なお肉が詰まった巨乳&安産型ヒップのストレートなエロさが強く主張される画面を揃えています。
控えめサイズの乳首&乳輪など体パーツ描写の淫猥さは抑えて綺麗な女体に仕上げる傾向にありますが、全般的に濡れた粘膜の淫猥さは強い武器。
 初出時期に一定の開きがあり、顔の造作のバランスに多少の変化を感じることはありますが、オーセンティックなアニメ/エロゲー絵柄としての取っつき易さと、描き込み密度の高さを両立したスタイルで単行本を通して一貫しています。

【過剰性のある演出で満たした長尺のエロシーン】
 ページ数に幅があるものの、いずれもエロメインの構築であるためエロシーンの尺は十二分に長く、大ゴマを軸に描写を詰め込んだ画面構成であることも抜きツールとしての満腹感を高める要因と感じます。
 体を乗っ取られたヒロインが自らの意志に反して女性上位な搾精セックスを繰り広げる短編「ソーサラーと呪いの杖」、本番セックスしたら負けという勝敗判定での発情状態にされた上でのおねショタシチュエーションな中編第4話などの例外もありつつ、基本的にはヒロイン側が行為を強いられる展開であって、凌辱系や羞恥系としてのエロシチュがメイン。
中編では、台本通りに体が動いてしまうAV撮影シチュ、触手凌辱&丸呑み、父親との近親セックス、ふたなり化セックスバトルといったエロシチュを、連作でも凌辱や少年が怪物にされてしまった上での孕ませセックス、短編もいわゆる妖精オナホ的なプレイや意識改変といったシチュエーション・プレイを投入しており、キルタイム系らしいアブノーマル系としてのコンセプトを個々に明瞭に備えたものとなっています。
 特にページ数の多いエピソードでは複数のエロシチュであったりカップリングを投入することもあって、前戯パート→抽挿パートという基本的な構成にはあまり縛られることなく両パートを織り交ぜていて、フェラやパイズリで白濁液を発射していく前戯パートと、中出し連発的な抽挿パートとで複数ラウンド制に仕上げています。
Abandon4 前述した巨乳ボディが淫液で濡れる様子をがっつりと見せ付けつつ、要所で投入するアヘ顔や言葉にならない悶絶ボイスなどのアタックの強いエロ演出(←参照 お嬢様の無様痴態 連作「Abandon~扉を開けて~」前編より)、派手な擬音の使い方、ぐちょぐちょと淫猥な水音を奏でる結合部アップ描写の多用と演出面でも濃厚さを打ち出しており、画面構成の密度もあってハイカロリーな印象を保っています。
丁寧に描き込む分、演出の過剰性もあって悪く言えばクドさもあるため、必ずしも万人向けという訳ではないものの、演出的なものも含めて盛り上げを強く図っていき、強烈なアクメに悶絶しながら白濁液を受け止めるヒロインの姿をほぼ1Pフルでお届けなフィニッシュまでアグレッシブに突き進んでいます。

 各種シチュエーションを可能とする設定にアイディアとしての面白みがあるタイプの作品群であり、エロシチュとしての多彩さが魅力。
個人的には、細かいことは置いておくとして、美少女5名がコスプレセックスバトルロワイヤルな中編最終話に愚息がお世話になりました。