AfterSchoolEcstasy コトヤマ先生の『よふかしのうた』第6巻(小学館)を読みました。探偵さんの存在により、吸血鬼の“弱点”とそれに強く関連する個々の人間時代という設定に深く踏み込んできた巻ですが、主人公の推測したナズナちゃんの過去が正しいのかどうかはかなり気になります。
しかし、ナズナちゃん、寝取られ系好きなんですか・・・(ゴクリ

 さて本日は、馬鈴薯先生の『放課後ヘヴン』(ワニマガジン社)の越年へたレビューです。成年向けでは久しぶりの単行本となりますが、先生の前単行本『かわいげ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
もっちり柔らかボディのヒロイン達との多彩なラブ&エロ模様を熱っぽいセックス描写でお届けな作品集となっています。

AfterSchoolEcstasy1 収録作は、真面目で生徒想いな教師である主人公は、不登校気味な女子の相談に乗ったら勘違いからセックスに突入したり、息子離れが出来ない母親の相談に乗ったらやっぱりセックスに突入したりな連作「アンラッキースケベ先生」「かえってきたアンラッキースケベ先生」(←参照 ヒロインの不眠の原因を勘違いしてこんなことに 連作正編「アンラッキースケベ先生」より)、両親から放置され気味であり、放課後の暇つぶしとしてセックスを主とした暇つぶしをしている少女は、親戚の男性を性的にペットとしていたのであるが・・・な短編「放課後Killing time」+描き下ろし後日談(1P)、および短編7作。
なお、短編「放課後Killing time」のヒロイン・琴ちゃんは短編「放課後DOWN THE DRAIN」にもサブキャラとして登場していますし、こちらの主人公・りゅう君は短編「まさかさまさま」に登場するなど、キャラを通じて話のつながりがある作品が多くなっています。
また、短編「飛んでモルディブ」は初単行本『うらはら』(同社刊)に収録の短編「君がために」の孫世代のお話。ストーリー上のつながりはほとんど無いですが、素敵な祖母&祖父となった二人の姿にほっこりできます。
 描き下ろし後日談を除き、1話・作当りのページ数は10~26P(平均19P弱)と幅はありつつ平均値としては控えめな部類。基本的には短編集ということもあって、コンパクトな作りとなっていますが、シナリオワークの存在感には幅を持たせつつ、質・量の両面で程好い満足感のあるエロシーンを用意しています。

【性愛の悩みとその解消を描く多彩な雰囲気の作劇】
 思春期の少年少女達を中心とした登場人物達の性愛、特にその悩みを描く作品が揃っており、雰囲気としては明るいドタバタラブコメ系もあれば、相応にシリアスなものが内包されるインモラル系などもあって、作劇の印象は多彩。
 誠実で熱心な性格である故に毎度エロトラブルに巻き込まれ、ヒロインの悩みを解消することになる主人公を描く連作「アンラッキースケベ先生」は明瞭にドタバタコメディですが、上述したヒロインの性愛における悩みの解決という点でのポジティブさがあるのも特色。
AfterSchoolEcstasy2 また、クールで男性の告白を謎めいた言葉で断るヒロインが主人公との交際の中で自身の性癖や恋愛感情を認識していく短編「塩田先輩は塩対応」(←参照 ヒロインの素顔の可愛らしさを知って 同短編より)、互いの性欲や性的なコンプレックスを共有することでそれらを“恥ずかしいもの”ではないと認識できる初々しいカップルを描く短編「放課後Disclosure」なども、思春期の瑞々しい性愛の中で登場人物達の悩みが解消されていく作品と言えるでしょう。
 一方で、クールなセックスモンスター・りゅう君が、彼の興じるゲームに参戦してきた地味系美女に圧倒されつつ、彼の根底にある孤独や母性への渇望が示される短編「放課後DOWN THE DRAIN」、明るくお馬鹿で幼馴染のお姉ちゃんの“エッチである”ことの背景に暗く重いものを感じさせる短編「あかりちゃんはちょっとかなりバカ」などは、登場人物達の根底にあるシリアスなものを感じ取らせる作品。
これらの作品でも、暗さ・重さは比較的マイルドに抑えると共に、そういった悩みや歪みを持つ人物が肌を重ねた相手によって救われる展開になっているため、短編「あかりちゃんはちょっとかなりバカ」のように別離の寂しさを感じさせることはあっても、苦悩の解消によるポジティブさが軸になっていると言えるでしょう。
 ヒロインの演技と独善が招いた一途な純愛とも狂気の偏愛とも、またヒロインがそれを受容したとも拒絶したとも言える状況を描く短編「放課後Killing time」など、雰囲気が異なる作品もありますが、穏やかな雰囲気で性愛を通した個々人の在り方への肯定が描かれる作品集と総括できるでしょう。

【多彩なキャラデザ&もっちり巨乳ボディのヒロインズ】
 半数弱程度が女子校生ヒロインですが、女子大生、20代半ば程度の女教師さん、30代半ば程度と思しき美人ママさんなども登場しており、年齢層は幅広め。
 無口無表情な様で主人公のことを包み込む不器用な優しさと母性を有した短編「放課後DOWN THE DRAIN」のように、ヒロイン側が男性の悩みを解消してくれるケースもありますが、どちらかと言えばヒロイン側の悩みや歪みを主題としつつ、それを解消する流れであるとも言えるでしょう。
また、性的な面で積極性を示すヒロインが多いことも共通していますが、そのことが恋愛エロとしての快活さや青春のエネルギーを示すこともあれば、ヒロインの歪みと強く関連するケースもあって、キャラクター属性に当てはめるのではなく、個々の登場人物に奥行きを持たせた描き方が多いことは、作品全体の魅力につながっています。
AfterSchoolEcstasy3 ややほっそりとした体幹に並乳クラスのおっぱいの持ち主である琴ちゃんなどを例外としつつ、もっちりとした弾力感の巨乳&安産型ヒップの持ち主がメイン(←参照 短編「放課後Disclosure」より)。その上で、程好く豊満な年増ボディ、すらりとした体幹にバスト&ヒップが主張するスレンダー巨乳ボディ、等身低目のトランジスタ・グラマータイプと、ヒロインの設定によってボディデザインに変化を付けているのもポイントでしょう。
また、女体造形に加えて、清楚な印象の女の子であったり、地味系眼鏡美人であったり、ガーリーな可愛らしさのある女の子であったり、クール系美少女であったりと、キャラデザインとしての描き分けもヒロインの印象の多彩さに貢献。
 久しぶりの単行本ということもあって、初出時期に最大5年程度の開きがあるため、絵柄に一定の変遷を感じさせるのは確か。また、作画としての密度を打ち出しつつも絵柄全体としてはふんわりとした軽さが基調となるスタイルであるため、その辺りをフルカラー作画で全体に重さを出した表紙絵とは中身の絵柄と一定の差異を感じることは留意されたし

【男女の密着感による熱っぽさと程好いアタックの演出】
 各作品のページ数に幅があり、その中で比較的ページ数がある場合でもメインとなるセックス描写に至るまでの流れを重視する構成であるため、全般的にたっぷり長尺という印象はありませんが、分量としては概ね標準的な範疇にある濡れ場と言えるでしょう。
 嫉妬に駆られた彼氏君が彼女さんへのお仕置きプレイを敢行したり(短編「まさかさかさま」)、ヒロインの態度が男性にとっては純愛セックス、ヒロインにとっては嫌悪感のあるセックスを引き起こしてしたりと(短編「放課後Killing time」)、男性側の強引さが目立つケースもありますし、ヒロイン側の過度なセックスへの積極性がその歪さを表現するケースもありますが(短編「あかりちゃんはちょっとかなりバカ」)、基本的には和姦エロであって、特にヒロイン側のポジティブな積極性がメインとなっています。
 オナニーでイキたいヒロインのオナニーを乳首責めや指マンで補助したり、地味系眼鏡美人の先生がセックスモンスターなイケメン君をアナル前立腺責めで圧倒したり、久しぶりにのセックスにウキウキなドスケベ未亡人ママさんによるテクニシャンフェラ&パイズリ、舐めることにある種の性的嗜好があるクールガールと舐めたり舐められたりなプレイであったりと、多彩なプレイ内容を有する前戯パートもしくは導入パートに十分な尺を持たせていることが構成としての特色。
 作品によってはエロシーンの分割構成があったり、前戯パートに十分な尺を割いたりするために、抽挿パートの尺に物足りなさがあることがしばしばあり、この点は読み手の評価が分かれる点でしょう。
AfterSchoolEcstasy4 豊満ボディの存在感を打ち出すと共に、男性の体躯を比較的前面に押し出すことで男女の密着感を形成しているのが特徴。また、紅潮した表情や思わず漏れ出る嬌声などで性的快感への強い陶酔感を表現しつつ、エロ演出を量的・質的にある程度抑えた水準にして絵柄の良さを殺さないバランスに仕上げています(←参照 短編「飛んでモルディブ」より)。
 サービスプレイがある場合には前戯パートに抜き所を設けることもありますが、概ね1~2回戦のエロ展開となっており、恋人つなぎや互いを抱擁しながらの正常位など、密着感のある体位と挿入感の深さを感じさせる断面図などを組み合わせたフィニッシュは、中出しがメインでありつつ、時々外出しのチョイスも存在しています。

 穏やかでありつつ多彩で奥行きのあるシナリオワーク、過激さこそ無いもののもっちりボディの感触を満喫してのパワフルなセックスと、味わい深さのある作品集と感じます。
個人的には、セックスモンスターなイケメン・りゅう君の素顔とそれを受け止める年上メガネ美人女教師の不器用な関係の短編「放課後DOWN THE DRAIN」が特にお気に入りでございます。