
デンジの望んだ“デート”回、コベニちゃん(ダンスゲーが滅茶苦茶上手い)の致命的ドジっ子ぶりがあんまりで笑っていいやらどうしていいやらでした。
さて本日は、十はやみ先生の『繭籠り~ねぇやと僕の淫らな秘めごと~』(ゲネシス)のへたレビューです。先生の前単行本『待宵の黒曜石』(エンジェル出版)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
豊満巨乳ボディの年増ヒロインとピュアな少年とのほんのりアモラルなラブエロ模様と熱情Hが楽しめる作品集となっています。

描き下ろし後日談を除き、1話・作当りのページ数は18~26P(平均21P弱)と標準的なボリュームで推移。ラブエロ系としての雰囲気の打ち出しで作劇に一定の存在感がありますが、分かり易くエロメインな抜きツールの構築としても安定しています。
【少年の純粋性が年上ヒロインに受容されるラブエロ系がメイン】
主人公が不思議な薬でショタ化して~という短編「小さくてかわいい坊ちゃま」を含め、全作品がおねショタ・おばショタ系であり、恋愛ストーリーとしての甘味が基調となるスタイル。

中編作では、あくまで仕える身であり、許婚を持つお坊ちゃんとの関係に幸福を得ながらも、彼は許婚と結ばれてしまうということへの葛藤が描かれており、年齢差に加えて主従モノとしての醍醐味が加わっていますが、ここは許婚の少女の善良さ・快活さによって無事にハッピーエンドを迎えており、独占欲と幸福を願う気持ちの板挟みという葛藤のシリアスや不安を綺麗に払拭しています。
男性視点からすると上述した様に年上ヒロインの母性や優しさに包まれる、もしくは穏やかに支配(庇護)されることの幸福感を打ち出していますし、女性視点からすれば直向きで純粋な恋愛感情を向けられることの幸福感、可憐な存在を独占することの優越感が描かれているとも言え、(女性読者にとって)レディコミ的な楽しみ方も出来るようにも感じます。
ラブラブエンドを中心として、コミカルなオチ(短編「小さくてかわいい坊ちゃま」)、主人公の少年ともども快楽に飲み込まれちゃうインモラル寄りのまとめ(短編「おねえさんのごほうび」)といったラストも加わりますが、作品全体の穏やかな雰囲気を損なわない話の〆方であることは共通していて、読後感の良さを保っています。
【少年の華奢ボディを包み込む豊満長身巨乳ボディの年上美人】
中編作で主人公との絡みが少しある許婚ガールを例外として、大よそ20代半ば~30代後半程度と思しきアダルト美人が勢揃い。いずれも主人公より明確に年上であって、上述した様におねショタ・おばショタとしての関係性になっています。
これら年上ヒロイン達は、母性的で優しく主人公を受け入れてくれるタイプと、明確に主導権を握って独占的な支配願望があるタイプに分かれますが、初対面でエッチに発展しちゃうドキドキ感のある短編「おねえさんのごほうび」を例外として、少年に対する好意や恋愛感情が明確なヒロインが多いため、後者の場合でも(男性にとっての)被虐性や行為の過激さは控えめです。
また、主人公の少年達(一名のみ中身は大人)は、クール美少年だったり、ちょっと不器用なヤキモチ焼きだったり、おばさんのおっぱいに興味津々だったりと様々なタイプがいますが、いずれにしてもその“初心さ”が特徴であって、ヒロイン側がそこにほだされる、愛着するという構図がおねショタ・おばショタ的な関係性における基盤となっています。
肢体全体の肉付きについては多少ぽっちゃり寄りからウェストがしっかり締まったタイプまで幅がありますが、全体的に一定のガタイの良さがある長身ボディの持ち主であり、反対に身長が低く華奢さのある少年の体躯を包み込む肉感の強さをバスト&ヒップ&太股に有する豊満ボディでもあります。

初出が明記されていないため、発表時期の幅は個人的には不明なものの、短編「おねえさんのごほうび」は作画の密度の出し方や特にヒロインの顔の造作が他の作品と異なっている印象。とは言え、ゴシカルな重さや濃さを適度に持ち出しつつ、アニメ/エロゲー絵柄的な取っつき易さや柔和な印象も併せ持つ絵柄は大半の作品で一貫していると感じます。
【性的快感に夢中になるショタ&熱っぽく充足するヒロイン】
核となるエロシーンへの導入にもある程度尺を割くこととページ数の関係上、たっぷり長尺という程の印象はありませんが、抜きツールとして標準的な分量があり、二回戦程度を主軸とする複数ラウンド制に仕上げています。
中編の大部分や短編「ふたりでおるすばん」「桜木先生のこいびと」などは少年のピュアな恋愛感情や性欲が発揮されて年上女性がそれを受け止める恋愛セックスですが、短編「理想のおんなのこ」「小さくてかわいい坊ちゃま」は少年を女装させたり、快楽で圧倒したりと女性上位の調教チックな倒錯性もあるシチュエーション。
また、中編では奥様による絹さんとのレズセックスがあったり、前述の許婚ガールも参加しての3Pセックスがあったりしますし、友人のショタ君に誘われてお姉さんのヒミツのご褒美を満喫する(竿役が二人いる)3Pセックスもあるなど、1対1の恋愛エロという“狭義のおねショタ・おばショタ”以外のシチュエーションも投入されています。
前戯パートにおいては、可愛く女装させての手コキ&フェラ、ショタアナルを穿りながらの手コキなど、ヒロイン側が快感を練り込んでくるプレイもありつつ、ヒロインの裸体にすっかり興奮しておっぱいを吸ったり、手ほどきを受けながら秘所を指で愛撫したりと、少年側の性的な高揚やヒロインを気持ち良くしようとする直向きさを感じさせるプレイを充実させる傾向にあります。

前戯パートに十分な尺と射精シーンを用意する反面、抽挿パートが多少短めというケースと、抽挿パートをメインとしてそこで中出し連続的な構成にするケースがありますが、少年が愛の言葉を叫びながらヒロインの豊満ボディにしがみつき、たっぷり射精な中出しフィニッシュを大ゴマ~1Pフルで投入して〆るのを基本の流れとしています。
ショタ系主人公の可愛らしさや純粋さが大きな魅力であって、それ故にそれらが年上ヒロインに受容されたりちょっと翻弄されたりな展開や、柔らかボディに包まれるセックスの幸福感を増していると言えるでしょう。
個人的には、母親の友人であるクール美人なおばさんのおっぱいに夢中になっちゃう短編「ふたりでおるすばん」と不思議な薬で若返ったおかげでクール無愛想系家政婦さんの素顔に触れる短編「小さくてかわいい坊ちゃま」が特にお気に入りでございます。