
まとめ方は2期をやる気満々っぽいので楽しみにしたいところです。
さて本日は、砂漠先生の『俺は屑だからこそ救われる権利がある!』(茜新社)のへたレビューです。先生の前単行本(初単行本)『女の子のおもちゃ』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
ほのぼのハッピー口リータからヘビィ&ダークな話まで多彩な作劇で華奢ボディが強烈な快感に染まるエロシーンをお届けな作品集となっています。
収録作はいずれも読み切り形式の短編8作+描き下ろしおまけ漫画「LOLI-CON of the DEAD」(4P)。描き下ろし作品を除き、1作当りのページ数は20~24P(平均21P)と標準~中の下クラスのボリュームで推移しています。
ストーリーの存在感の強弱と濡れ場の尺の長短には作品によって幅がある印象ですが、いずれの作品も両者がバランスよく噛み合った構築であると言えるでしょう。
【少女に魅了される構図を恋愛系からダーク系まで多彩に提供】
キュートな女の子との棚ボタ的なラブエロ展開な作品と、ヒロインの純粋な想いが裏切られ歪んだ欲望で満たされていくダーク&インモラル系の作品があるのは前単行本と同様であり、ファンタジー的な要素が絡む作品もあって(短編「南の島のラーヴァちゃん」「餌」)、作劇の印象は様々です。

日本軍兵士が南国少女の他には誰も居ない美しい浜辺で彼女との行為に苦しみを癒されていく様子(おそらくは彼岸)を描く短編「南の島のラーヴァちゃん」、男性を魅了し、その魂を糧とするサキュバスの少女との生活をしていく内に、ただの餌としてではなく、大切な存在になりたいと悩む男性を描く短編「餌」は、共にファンタジーとしての面白みがあると同時に、男性がヒロインとの性愛において救われる・報われることを描いています。

前単行本に引き続き、少女に魅了され、引き込まれていくという構図を有した作品が多いのは特徴的であって、短編「清楚な二条さん」ではヒロイン側は被害者であると同時に、変容した彼女にも駆動因があるように描かれていますが、ヒロインの純粋性が搾取される短編「団地のゆあちゃん」や男性側の黒い欲望をピュアなヒロインが受け止めてあげるという構図の短編「なまいき晴海ちゃん」といった作品もあって、作劇の幅を広げてきた2冊目と感じます。
【華奢さ・小ささを感じさせる思春期初期ボディ】
長命なサキュバスさんや南の島の不思議な少女など、年齢層が不明なヒロインも居ますが、その他は高学年JSガールを主力としつつ、JC級ガールも1名が加わる陣容であり、外見としては思春期初期なものとして統一されています。
明るく優しく世話焼きな焼き鳥屋の看板娘ちゃん、真面目でママ味がありとってもピュアな教え子ちゃん、清楚な優等生ながら男性に調教されて淫靡に染まる女の子、無表情で孤独を漂わせながら性的な好奇心で主人公と意気投合する女の子、実の母親によって売春をさせられる虐待状態にありながら穏やかさや純粋さを失わない貧困ガール等々、多彩な設定のヒロインを用意。

ファンタジーキャラも含めてヒロインのキャラデザインは多彩ですが、ボディデザインとしては肉付きの弱い体幹に細い四肢、ほぼぺたんこ~膨らみかけのバスト、肉付き弱めの尻にツルツル仕様の股間を組み合わせたもので統一しており、華奢さや儚さも感じさせるタイプ。
丁寧な作画でヒロインの可愛らしさを引き出す絵柄であり、ベースの絵柄は表紙絵よりも親しみ易さがあるタイプではあるのですが、時に水彩画のような表現を用いたり、歪んだ欲望に取りつかれた男性をホラー風味の絵柄で描いたりと、アート的な絵柄を用いてキャラクター性や状況を印象付けているのはユニークな点と感じます。
【濃密な演出と適度な生々しさのある背徳のエロ描写】
上述した様にエロシーンの長短には作品によって幅があり、ストーリー性重視の上にエロシーンが分割構成される短編「餌」や男女がセックスに至るまでの展開を重視する短編「ふたりぼっち」などでは、抜きツールとしての満腹感にやや欠けることもあります。
ラブラブHもあれば、下衆な男性教師にヒロインが甲斐甲斐しく尽くしてくれる状況、仲良しになった少女に認識されないために目隠し&拘束をした上で欲望を叩きつける買春、サキュバスヒロインに搾られる女性上位なシチュ、妹から隠れながらその友人とエッチするスリリングなシチュと、各作品のエロシチュは様々ですが、ヒロインの年齢層自体による背徳感は共通していると言えるでしょう。
前戯パートの尺や射精シーンの有無は作品によって異なりますが、屹立した男根を小さなお口でくわえるフェラや、ちっぱいを揉んだり舐めたり、未成熟な秘所へのクンニであったりな愛撫描写を投入しており、性器関連や舌などの粘膜描写の適度な生々しさが描写の淫猥さを引き立てています。

加えて、男女の体躯の比較でヒロインの肢体の華奢さ・小ささを強調したり、前述した適度に生々しい淫猥さのある秘所を用いた結合部見せつけ構図、汗でじっとりと濡れる柔肌など、ヒロインの女体そのもののエロスに適度な濃厚さがあることも実用性を底上げしています。
大ゴマで投入する中出しフィニッシュは、男性側も陰陽それぞれの想いをぶちまけるかの如き射精の力強さを感じさせると共に、ビクビクと小さな体を震わせるアクメに乱れきった痴態を曝け出すヒロインの痴態を投入しており、抜き所としてのカロリーの高さを備えています。
単行本タイトル通りに、男性側が“救われる”展開が多いですが、とは言えそうでない作品もあって、多彩な読み口の中で少女に魅了される1冊と言えるでしょう。
個人的には、じゃり○子チエ的看板娘のりっちゃんとイチャラブHな短編「やきとり屋のりっちゃん」と黒髪清楚ロングな女の子が下衆な男の欲望に晒され続け~な短編「清楚な二条さん」が特にお気に入りでございます。