SlimeLivingTogether TVアニメ版『うまよん』第3話「憧れの世界はホラここに」を観ました。共に“グッドルッキングホース”のゴールドシチーさんとユキノビジンちゃんの登場ですが、岩手競馬出身のユキノビジンちゃんの東北訛り、とっても可愛かったですね。
オチもマヤノトップガンの言った通りのハートフルなもので実にほのぼのとしたエピソードでした。

 さて本日は、DATE先生の『同居する粘液』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。先生の前単行本『reincarnation~奪ワレタ少女ノカラダ~』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
様々な人物に“変形”できる不定形生物との奇妙なラブラブ同棲生活とラブラブHや凌辱系まで多彩なシチュエーションのエロシーンが楽しめる1冊となっています。

SlimeLivingTogether1 収録作は、偶然出会って同居することになった粘液上の不定形生物は人語を話し、特定の条件を満たした人物の容姿や性格をコピーすることができる不思議な存在であり、主人公のことが大好きなソレは彼に対してネガティブな態度をとった女性や彼が性的興味を抱いた女性に“変身”して彼の欲望を満たしてくれるのだが、その正体は果たして・・・?なタイトル長編「同居する粘液」全9話(←参照 バイト先の女の子に変化して? 同長編第1話より)+カバー下の描き下ろしおまけ掌編(2P)、および読み切り形式の短編2作。
なお、短編「レジデンス~少年消失2~」は前々単行本『レジデンス』(同社刊)に収録の同名作品の続編です。
 1話・作当りのページ数は10~26P(平均17P強)と控えめな部類。とは言え、長編として相応の読み応えがあるストーリーと、趣向の特殊性があるエロとによって単行本としては十分な満腹感のある1冊となっています。

【認識している世界が作り変えられていく不穏さ】
 少々うだつがあがらない小市民の主人公が、彼の事を大好きなゲル状生物との同居を始めるという設定そのものがユニークな長編は、ゲル状生物が女性への変身によって彼の願望を叶えてくれたり生活を助けてくれたりするという点で、ある種のウハウハ感があることは確か。
しかしながら、いろんなヒロインとのエッチを疑似?体験!的な好き放題の幸福感だけで話を紡ぐのではなく、この全能感が“得体の知れない生物の得体の知れない能力”によって達成されているという不穏さが増していくこと自体が本作の大きな特色と言えます。
SlimeLivingTogether2ゲル状生物の“変身”が、対象の単なる複製・擬態ではなく、対象を取り込んで自身に同化させるものであることが判明することで、ゲル状生物の主人公への純粋な行為が人間社会を大きく変容させるものであることが示され、この不穏さ・危険性が明らかになっていきます(←参照 ゲル状生物が“変化”させてしまった女性たち 長編第3話より)。
 ゲル状生物の援助によって主人公の生活は色々な面で改善されていくのですが、その恩恵を甘受しつつ、生真面目さもあってか欲望を過剰に暴走させることもなく、恐怖や後悔もありながらゲル状生物との(二人にとっては)平和な同居を続けていくという善とも悪とも言い切れない“普通の人間”としての主人公の描き方も特徴的であって、そのユニークなバランスの上に成り立っているお話とも評し得るでしょう。
 “自分が自分でなくなる根源的な恐怖”を描くのが上手い作家さんですが、本作は“自分の認識している人間の世界が本当にそうなのか?”というやはり根源的なものが動揺させられる恐怖感や得体の知れないものに知らぬうちに世界を侵食されているかもしれない恐怖感をにじませる話と言え、ラストのゲル状生物の台詞がこれらの疑念を深めるものとして印象的に機能しています。
 短編2作については、脳に直接作用する施術によってエルフの王女様を調教&洗脳な短編「ヘドニック・ナーブ」、いじめっ子少年を女体化(フタナリ化)させての復讐凌辱な短編「レジデンス~少年消失2~」と、どちらも他者によって強制的に自身の心身を変容させられる構図を有する凌辱系であって、こちらでもこの作家さんらしいスタイルを示しています。

【容姿の変化という特性による複数人エッチ的な状況】
 長編作の“ヒロイン”はゲル状生物ではあるのですが、それが変身するのは女子校生に保険外交員やアパレル店員、コンビニの地域統括マネージャーなどのアダルト美人と様々。短編では美少女&美女のエルフのプリンセスとお付きの騎士、(女体化されての)ハイティーン級フタナリ美少女などが登場しています。
 長編のゲル状生物は、見た目からは性別や感情などは分からないものの、主人公に対する好意や献身は本心からのものであり、他者を同化・改変するという危険な能力を主人公のために用いていますし、そのフランクな性格と結果の深刻さのギャップが、不穏さと全能感が入り混じる作品の雰囲気作りに大きく寄与しています。
SlimeLivingTogether3一度同化に成功した他者の姿に変身することができること、同化した個体は別意識を以て行動するが主人公の好意という点で一致団結していることもあって、エッチの最中に姿を変えたり(←参照 長編第5話より)、同化した相手の記憶を利用して低年齢化したり、複数人との同時セックスとなったり、はたまた複数個体が同一の姿でエッチしてくれたりと、変身(同化)能力を活かしてハーレム的な様相であったり、複数ヒロインと次々とセックスするような展開であったりを可能にしているのもユニークな特色。
 また、冴えない中年男性である主人公に対して、冷淡な態度や反抗的、威圧的な言動を示すキャラクターも多いですが、そういった女性がゲル状生物に同化されることによって、主人公の性癖にとって好ましい存在に改変させられるという構図も、前述したエロ的な全能感と世界が捻じ曲げられる危うさの同居に貢献しています。
 姿や(対象の記憶の範疇で)年齢を変化させられる特性もあって、口リ系ボディから巨乳年増ボディまで色々な姿をゲル状生物が用意してくれるのですが、主力となるのは健康的な肉付きの体幹に程好いボリューム感の巨乳&桃尻をお持ちの女体であって、キャラデザの多彩さの一方、女体描写には良くも悪くも強い特色づけはあまりしないスタイル。
 オーセンティックなアニメ/エロゲー絵柄という印象であり、程好い作画密度を以て絵柄を単行本通して一貫させています。粗さや古臭さを感じさせるわけでは決してないのですが、(感覚的で申し訳ないが)絵としての硬さやオールドスクール感を個人的には感じて、濃厚かつキャッチーな現在のエロ漫画絵柄のトレンドとはまた異なるバランスという印象です。

【多彩なエロシチュで強烈な快感に“とろける”様子をお届け】
 各エピソードのページ数がそれ程多くないので、長尺の濡れ場を期待するのは避けるべきではありますが、とは言え、設定のユニークさに由来するインパクトは相応にあって、エロシーンの存在感は相応に強い構築となっています。
 主人公が気になったヒロインに“変身”して、対象の女性らしい甘やかしプレイや(主人公にとって)ちょっと被虐的なプレイ、複数個体で同時にご奉仕してくれるハーレム的なプレイとゲル状生物が色々と尽くしてくれるエロシチュがあると同時に、それは対象となる女性に対しては冷淡というか、あまり興味が無く、姿をコピーしてのふたなり凌辱や脳味噌をいじくっての凌辱、ゲル状ボディで相手の頭から包み込み、秘所に侵入したり下のお口から上のお口まで貫通したりな行為など、同化のために対象の心身を蹂躙するハードな行為を進めていきます。
また、短編2作も前述した様に凌辱系であって、脳を弄って意志に反した行為をさせつつ洗脳していく調教凌辱に、ふたなり化された少年が女体化した少年に襲われて搾り取られるシチュエーションなど、こちらも恐怖や絶望感と凶悪な快楽が同居する様相を描き出します。
 ヒロインに変化したゲル状生物は、普段は彼に対して冷淡であったり反抗的であったりな彼女達の姿で、フェラやパイズリ、脚コキに授乳手コキと多彩なご奉仕プレイをすることで、そもそも同一性は破綻しながらも、ヒロインの変容のギャップでシチュエーションを盛り上げる前戯パートを形成。
SlimeLivingTogether4前述した様に、ゲル状生物の要旨の変化や複数個体の参加が特徴であって、色々な姿の女性とセックスできるウハウハ感を基調としつつ、同化を繰り返すことで彼女達の個性が入り混じったり、セックスの最中にベースのドロドロ部分が見えたりしつつも主人公がセックスを続けている様子は(←参照 ドロドロにとろける(物理的にも) 長編第9話より)、快楽で全てが蕩けあうような印象でエロさを醸し出しつつ、同時に状況の危うさも感じさせるのが興味深いところ。
 体表を濡らす汗や涎だけでなく、体の末端から下たるベースのゲル状ボディ、幸せそうにトロンと蕩ける表情や理性が吹っ飛んだ表情付け、甘いラブエロ台詞に恐怖と快楽が入り混じる悶絶ボイスと前述のシチュエーションによって演出の味付けを変えつつ、強烈な快感で包まれる様相を十分な密度で提供しており、ハードなアクメで体を震わせながら精液を受け止める痴態描写で〆としています。

 エロのウハウハ感と快活な不定形生物君の性格で淡々と進みながら、“ひょっとして取り返しのつかないことになっているのでは?”という疑念もまた深まっていく長編の読み口は非常にユニークであって、ハーレムでコズミックホラーという独自性は高く評価したいところ。
読み進めていく内に、一途で働き者なゲル状生物君に愛着が湧いていくのが面白かったですね。