PriestessOfPleasure よしながふみ先生の『大奥』第18巻(白泉社)を読みました。黒木の説得が奏功せずに、和宮が自分の体をある種道具にして彼と子作りをしてしまったら、家茂公との死別を知った時によりショックが大きかったのではと思うので、良かったとは思うのですが、切ない別れになってしまいました。
仲野君、初々しくてキュートないい子だったのに、しっかりと成長していてそりゃ瀧山さんも溜息が出ますわな・・・。

 さて本日は、桃之助先生の『悦楽の巫女』(ジーオーティー)の遅延へたレビューです。先生の前単行本『ネトラレタイムリープ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
少女の姿のまま長い時を生きる存在であるヒロインを軸として語られる年代記&近親恋愛セックスが楽しめる長編ストーリーとなっています。

PriestessOfPleasure1 収録作は、首に四つ葉の痣が出来た者は“贄”として神社に祭られた存在を鎮めるため、雑務を任せられるという慣習を持つ里で、“贄”となった村の少年・幸長は神社に住む不思議な少女巫女・春様の手助けで幼馴染の少女・菫と結ばれたのだが、彼らの子孫も春様と奇妙な縁で結ばれていくことになり・・・なタイトル長編「悦楽の巫女」全10話(←参照 社に住む春様 同長編第2話より)+描き下ろし後日談(6P)。
描き下ろし後日談を除き、1話当りのページ数は20Pと中の下クラスのボリュームで固定。長編として十分な読み応えのあるストーリーでありつつ、程好いアタックとボリューム感のエロシーンをお届けな構築となっています。

【不思議な存在である春との関係性を軸に描く三世代の物語】
 第1話~第3話における主人公とヒロインである幸長と菫の関係性を序盤で描きつつ、彼らの息子、更にはその子世代と三世代に渡る恋模様を描く作品であり、前述した様にその全てに不思議な巫女・春様が関わっていきます。
昭和・平成・令和と三つの年号にまたがる長期にわたって、水無瀬家・穂波家の主人公達を見守り、村の発展に大きく寄与してきた謎めいた存在である春様の真実が明らかになると共に、彼女を呪縛から解き放とうと調査を進めてきた幸長と菫の息子・幸人と彼の娘である椎名の努力が報われることになる中盤~終盤展開は、ファンタジー系作品としての面白さを感じさせます。
PriestessOfPleasure2 序盤は幼馴染である幸長と菫の、ちょっと素直になれない恋模様を描きますが、その次の世代である幸人については、彼の(育ての)母である春様への思慕と彼女を呪縛から解き放った上で彼の願いが叶うことになる近親ラブストーリーが主軸となっており(←参照 いつも優しくて若々しい母と 長編第6話より)、その上彼の叔母や娘とのラブ&エロ模様も描かれているため近親モノとしての濃度が非常に高くなります
血縁者達を中心に周囲が肯定的であり、本人達も望んでの関係性であるため、幸人が感じている罪悪感や背徳感は最終的に払拭されていますし、登場人物達の設定に関連する要素でもあるのですが、構図としてはかなりドロドロな近親エロスを、良くも悪くもあっさりと軽く描いています。
 描き下ろし後日談を含めて、幸人にとっての近親ハーレムが形成される流れでまとめており、そのウハウハ感もあるのですが、“家族”というものを失い、長い間孤独を抱えていた春様が、互いを求め合う新たな家族の一員となれたことの幸福感もまた最終的なハートウォームな印象に大きく寄与。
春様の設定を含めて和風ファンタジーらしい要素に水無瀬家・穂波家の複数世代にまたがる関係、そして物語を昭和から令和18年(つまりR-18)までつなげるアイディア力と作劇面での魅力が適度に主張していますが、最終的に各人の“一途な想い”というものがスポイルされてしまう様相も含めて、話全体の方向性が搾り切れていない印象は個人的にはあって、大きな減点材料ではないものの、加点材料でもないと感じます。

【褐色肌のスレンダーボディ&健康的な巨乳ボディ】
 三世代に渡って登場する神社の巫女・春様は、実年齢としてはかなりの高齢ですがその若々しい姿を変えることはありません。彼女が第二世代である幸人にとっての想い人という立ち位置であって、第一世代ではハイティーン級の幼馴染ガール・菫ちゃんが、第二世代では彼女の妹であり、主人公の叔母である女性、第三世代では彼女の娘であり幸人の娘でもあるロー~ミドル級と思しきティーンガールがヒロインまたはサブヒロインとして加わっています。
 シリアスな背景を持ち、悠久の時を生きるが故に慈愛の中に孤独を抱える巫女・春様をメインとしつつ、素直になれない幼馴染ガールの菫、春や幸人に対して複雑な想いを抱える結、明るく素直なボーイッシュガールで幸人の娘である椎名とそれぞれタイプの異なるキャラクターが揃っています。
なお、菫の息子である幸人にとって春様はあくまで義母ですが、彼女に対する母としての思慕も明確であって、それも含めて近親姦となる関係性が多いことは前述の通り。
PriestessOfPleasure3 三世代に渡って一貫して登場する春様はとある理由で若返り続けるために、華奢ボディにちっぱいな口リ系ボディの持ち主であって、娘ヒロイン椎名も同様のボディデザイン(←参照 呪縛が解けて黒髪になった春様と椎名ちゃん 長編第10話より)。これらに対し、序盤でのメインヒロインである菫や第二世代におけるヒロインの一人である結は、バスト&ヒップに程好いボリューム感のある肉感ボディの持ち主となっています。なお、日焼け肌・褐色肌の登場率が高いことはキャラデザインにおける特徴です。
 漫画チックな親しみ易さのある絵柄は、最先端の絵柄とは言い難いものの、細やかな描き込みがあるタイプであって、その繊細さや密度が心情描写にもエロ描写にも大きく貢献。単行本を通して表紙絵と完全互換で安定しているのも安心材料と言えるでしょう。

【程好いアタックの演出を高い密度で入れ込む背徳系和姦エロ】
 安定した話運びもあって、エロシーンは十分な割合で投入されており、ページ数の制約上それ程の長尺感は無いものの、抜きツールとして標準的なボリュームはしっかりと確保。
 男性側がヒロインに対して強引に性行為に及ぶケースがしばしばあって、後に恋愛感情に基づいて追認されるものの、甘いラブエロ模様をお求めの場合は要留意。また、雰囲気としてはポジティブですが、近親セックスや羞恥系シチュエーションなど背徳感を備えたエロシチュがメインであることも特徴です。
なお、春様&結の3Pセックスであったり、春様と彼女に憧れる菫のエッチな絡みであったりと、ヒロイン同士の関係性を表現する性描写もあり、血縁も含めて複雑な関係性を物語りますが、ともかく、ヒロインの痴態に集中できる作りとしています。
 ヒロインの秘所へのクンニ、もしくはヒロイン側のフェラ等によるサービスプレイを投入する前戯パートの尺には一定の幅がありますが、ずぼずぼと激しい擬音を奏でながらヒロインの強烈なリアクションを引き出してくるピストン運動の描写を質的にも量的にも充実させていることは共通。
PriestessOfPleasure4 若返りの結果、毎回破瓜を迎える春様を含めて処女ヒロインが多く、破瓜の痛みもありつつ好いた相手とのセックスで快感に包まれていく流れを形成しており、乱れた描き文字の嬌声や涙で濡れる表情、激しく飛び散る各種液汁描写などのエロ演出密度の高さや(←参照 長編第5話より)、しなやかボディの躍動感のある動きの表現などが実用性を高めています。
 演出や構図としてのアタックの強さが十分にあることは美点でありつつ、絵柄の性質からしてやや過度な印象があったり、アタックの強さ故に緩急を付けにくさがあったりするものの、十分な情報量のある画面構成と合わさって質的な飽和感を打ち出して中出しフィニッシュまで押し続けるスタイルと言えるでしょう。

 昭和からR18年度までというアイディアの面白さと、その長期間にわたる年代記を所謂“口リBBA”ヒロインを用いて一貫して魅せるストーリーが明確な魅力であって、頼れる存在であり、かつ弱さもあって、優しくて性的な憧れで・・・という春様のキャラ造形を軸とする作品とも感じます。
序盤の主要キャラである幸長&菫が早逝したことについては、流石にストーリー的なフォローが欲しかったところではあります。