NTRChronicle 船津紳平先生(原作:天樹征丸氏・金成陽三郎氏・さとうふみや先生)の『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』第8巻(講談社)を読みました。事前に現地に通って謎の噂を地元の子供たちに吹き込む行動、事件の前に警察にマークされそうですよ、実際・・・。あっさり終わらされた“雪影村殺人事件”ですが、それもそのハズ、トリックが粗過ぎでしたね。

 さて本日は、デコセンタクジ先生の『ネトラレクロニクル~寝虎令子は寝取られたい~』(楽楽出版)の遅延へたレビューです。先生の前々単行本『ともだちっくす』(エンジェル出版)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
背徳の快楽が登場人物達を妖しく侵食していく寝取り&寝取られストーリーとスレンダー巨乳ボディがハードに乱れるエロシーンが揃った1冊です。

NTRChronicle1 収録作は、旦那が別の女性に寝取られるという状況にしか性的な興奮ができない人妻・レイ子の要求は次第にエスカレートし、旦那に元カノとセックスをしている様子を撮影・実況することを要求するのだが・・・な中編「寝虎令子の寝取らせ日記」全3話(←参照 彼を“寝取り”たい元カノと彼を“寝取って”欲しい妻 同中編第1話より)、セックスレスである妻が隣人の男性と関係を持っていることをその男性から知らされると共に、彼の妻との肉体関係が始める連作「Swap wife garden」全2話、および読み切り形式の短編3作。
1話・作当りのページ数は18~24P(平均22P弱)と標準的なボリュームで推移しており、ストーリーの存在感は作品によって異なりつつ、エロメインの構築で安定しています。

【一捻りの効いた寝取り/寝取られ系ストーリー】
 有能かつエロ漫画愛のある美人アシスタントさんが新人エロ漫画家さんに色々とレクチャーしてくれることになる短編「エロ漫アシ橘さん」は明るい棚ボタ展開のエロコメディですが、その他の作品は寝取りであったりスワッピングであったりとインモラル系の作品で占められています。
 寝取らせ展開では男性が自身の伴侶を別の男性に抱かせるという構図がメジャーなのに対し、中編「寝虎令子の寝取らせ日記」では自分の夫が別の女性をセックスするように仕向ける人妻ヒロインという珍しい配置であり、彼女のある種の狂気が作品全体を貫いています。
寝取られ願望の性癖をエスカレートしていくヒロイン、彼女を愛しながら別の女性との関係を深めていく男性、彼との復縁を望みつつ、ヒロインの強烈な存在感に戸惑う元カノという複雑な関係性に加え、元カノと男性との関係が本当に“寝取り”が成功しているのか、寝取られの“プレイ”が続けられているだけなのかという疑念が読みを牽引すると共に、最終的にはヒロインの願望が真に結実する様子をホラーめいた雰囲気を以て印象付けています
NTRChronicle2 また、連作「Swap wife garden」では夜の営みが上手くいっていない夫婦の妻が隣人の男性に寝取られるものの、その痴態に強く興奮しながら隣人の男性が差し向けたその妻とのセックスでは、妻との性活では得られなかった強烈な快感を味わい(←参照 知らない間に自分の妻が完堕ちしていたが・・・ 同連作第1話より)、隣人の男性による“寝取られ”に加担することになるという、スワッピング的でありつつ寝取らせ要素のあるというストーリーに仕上げています。
 セックスレスであった人妻ヒロインが、旦那の部下達に催眠術で寝取られ凌辱されてしまう短編「ネトラレ催眠妻」、義理の母であり幼馴染のお姉ちゃんであるヒロインが旅館のために深夜のエロサービスをしているのを主人公が目撃してしまうBSS(ぼくがさきにすきだったのに)系な短編「寝取られ若女将」なども、寝取られ系の作品。
話そのものの整合性やドラマ性が重視されている印象はあまりないものの、見せたいシチュエーションやプレイを軸にしつつ、ダーク&インモラル系としての話のインパクトを含ませた構成には安定感があると感じます。

【スレンダー巨乳ボディのアダルト美人妻さん達】
 前述の美人エロ漫画アシスタントさんを除き、いずれの作品も人妻(未亡人含む)ヒロインを擁しており、年齢層としては20代半ば~30歳前後くらいと思われる美人さん達となっています。
 寝取られ系作品ではパートナーへの愛情と性的快楽の板挟みになって、それが後者に傾いていくヒロインの心の動きを描くのが王道的なものですが、今単行本については序盤で既に寝取られ済みであったり、様々な事情でヒロイン自らの意志で性行為を行っていたりするため、ヒロイン側の精神の変容を重視していないのが特徴的。
表紙絵から受ける印象と異なり、催眠凌辱的な短編「ネトラレ催眠妻」を例外として、ヒロインの変容に他者からの強制が無く、複雑な関係性における幸福と性的充足にヒロインが至ることに重点があるとも感じます。
NTRChronicle3 等身高めで締まったウェストのスレンダーボディの適度なボリューム感のバスト&ヒップを組み合わせたボディデザインで概ね統一されており(←参照 催眠でオナニー開陳中 短編「ネトラレ催眠妻」より)、強い個性や主張はないものの、整った美しさに分かり易いエロアピールが程好く混ざる女体描写は万人受けするタイプ。
控えめサイズの乳首や、薄めの陰毛描写のある股間等、体パーツ描写についても一定の淫猥さを追求しつつ、描画としてはあっさりとしたタイプで、女体描写の方向性と合致しています。
 表紙絵は彩色の関係もあって多少濃さを感じるものの、中身の絵柄はよりさっぱりと健康的な色気感のあるタイプであって、単行本を通して安定しています。

【程好いアタックのエロ演出で彩る背徳プレイの陶酔感】
 エロシーンへの雪崩れ込み自体にも作劇としてのインパクトを持たせているのは上手いところでありますし、濡れ場の十分なボリューム感を確保することにつながっています。
 寝取りや寝取らせ、スワッピングに好きな女性が乱交しているのを目撃してしまうシチュなど、既存の男女関係に別の人物が絡んで浮気や簒奪が生じる状態でのセックスがメインであり、寝取られる側の人物の心理でストーリーを形成すると共に、エロの盛り上がりを高めています
加えて、寝ている旦那の前での催眠凌辱、自分の妻が別の男性とセックスしながら過去を告白するのをその男性の妻とセックスしながら聞くことになるシチュエーション、とろろ芋で秘所をかゆくして挿入おねだりプレイ、妻の目前での浮気セックスなどなど、前述した寝取られ側の感情を掻き乱したり、ヒロインの羞恥心や背徳感を高めたりなプレイ・状況を併せて提示。
 状況の進行を表現するためにエロシーンを分割構成するケースを中心に、前戯パートは量的に控えめにして抽挿パートを長尺にすることもありますが、お口ご奉仕やパイズリといったサービスプレイを用意した前戯パートに適度な長さを用意することもあり、いずれにしても抜き所は抽挿パートに固めた構成となっています。
NTRChronicle4 抽挿パート後半では、男女双方が強烈な興奮に飲み込まれたエネルギー感を強く打ち出しており、熱情的なエロ台詞を連呼したり、火照った蕩けフェイスを示したりな痴態表現、各種液汁に濡れる女体や結合部の描写、分かり易い結合部見せつけ構図&アップ描写と、ベーシックなエロ演出を適度な密度と、勢いを感じさせる描線とによって施していきます(←参照 中編「寝虎令子の寝取らせ日記」第3話より)。
 エロ演出としてやや粗さや単調さを感じることはありますが、前述した整った色気感のある絵柄と組み合わさることで適度なギャップを形成しているのは長所でもあり、蕩けフェイスと汁だくボディ&白濁液が溢れ出す結合部を見せ付ける中出しフィニッシュを断面図と共に大ゴマ~1Pフルで提供して〆ています。
 
 寝取られ系の魅力を有しつつ、そこから捻った面白みがあるシナリオワークが揃っている印象。凌辱色があまり強くないのも特色で、インモラル系が好きだけど強引なのはちょっと・・・という諸氏に進めやすいタイプでもあります。
個人的には、主役の令子さんの最終話での存在感と狂気が強烈な印象を残す中編「寝虎令子の寝取らせ日記」がお気に入りでございます。