Insult 太田垣康男先生の『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第15巻(小学館)を読みました。レヴァン・フウ僧正の戦いの理由は個人の復讐でもあって、それに多数の命を巻き込んでいることに疑念は強いのですが、とは言え、相変わらずアナハイムはろくでもないなと・・・。131話で描かれた同期3人の希望に満ちたエピソード、どうしてこんな悲しいことに・・・と思っちゃいましたね。

 さて本日は、Cuvie先生の『INSULT』(スコラマガジン)の遅延へたレビューです。先生の(成年向け)前単行本『RAUNCHY』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
インモラル系を中心に多彩な作劇で性欲のままならさと強烈な快感に染まるしなやか美体のエロスが楽しめる作品集となっています。

Insult1 収録作は、ほとんど会話したこともないクラスの女子の行動をツイ○ターでネットストーキングしていた主人公は、ある日彼女がアカウントに鍵をかけたことで現実世界でもストーカー行為に及ぶのだが、その結果彼女が別の男と夜の公園でセックスをしているのを目撃してしまい・・・な連作「キミのフォロワー」前後編(←参照 ネットストーキングでは分からなかった彼女の心中を・・・? 同連作前編より)、および読み切り形式の短編6作。
1話・作当りのページ数はいずれも26Pと中の上クラスのボリュームで固定。ストーリーにも一定の読み応えを有しつつ、十分なアタックのエロシーンを適度なボリューム感の強さで提供な構築で安定しています。

【感情や欲望のままならなさと性的快楽に翻弄される人物達】

 少し疎遠になっていた幼馴染の女の子に素っ気ない態度をとられてしまい、それが気になった主人公とそのヒロインとの微笑ましい初エッチを描く青春ラブストーリーな短編「春から大進展性活」や、森に棲む魔女さんが製作中の惚れ薬を傀儡にした男性に嗅がれて襲われちゃうファンタジー系作品の短編「perfume~森の魔女の話~」といった作品もあり、作劇の方向性は様々ではあるのですが、本数的にメインを占めるのはダークな空気が漂うインモラル系。
 主人公がネットストーキングの果てに盗撮動画での脅迫でセックスを要求する連作「キミのフォロワー」、過去に性的悪戯を受けたヒロインに拒否と誘惑の両方を受けることになる短編「うそつきにはナニ飲ます?」は、ストーキングや性犯罪によるトラウマ等、ヒロインの心身に重大な悪影響を及ぼす深刻な事象を扱っている分、話としての重苦しさを特に感じる作品です。
Insult2この作品においては、それぞれストーカーの少年やセックスに対して強い忌避感、拒絶感をヒロインが有している一方で、同時にセックスの強烈な快楽やそれを求めてしまう欲望も存在するという心身の強烈な矛盾故のもどかしさ、苦しさがあり、その矛盾が解消されることが無い故に、男性側もヒロインの心こそは手に入れることが出来ない苦さ・虚しさを残しています(←参照 ヒロインの矛盾は矛盾のまま 短編「うそつきにはナニ飲ます?」より)。
 アイドルに憧れるネット配信者を芸能事務所関係者を騙ってハメ撮り配信に持ち込むという純粋な想いを踏み躙るダークさがある短編「偶像破壊配信」、酔い潰れたヒロインに手を出す主人公と寝たふりをしたままその行為を受け入れるヒロインという相利的でありつつ情愛の通う関係性でもない短編「Actor or Pretender」も、ヒロインの心情の混沌に重苦しさは抑えつつ、心身の不一致というもどかしさや背徳感は共通しています。
 処女であるエージェント候補生の女の子が房中術の実地訓練で蕩けまくり~で意外なオチを迎える短編「シークレット♥サービス」はインモラルさもありつつ、素直に快楽全能主義的な印象があり、どちらかと言えばシチュエーション重視の作り。
インモラル系を主軸としつつ、その中でも話の軽重や心情描写の重要性には幅がありますし、ほのぼのとした読み口の作品もあるなど、特定のコンセプトでまとまった作品集ではありませんが、この作家さんの引き出しの多さを物語る1冊とも言えるでしょう。

【整った女体のしなやかさ・美しさのあるボディデザイン】
 半数程度は女子校生ヒロインですが、残り半数はアイドル志望のネット配信者や魔女、女子大生にエージェント候補等、20歳前後と思しき多彩な設定の女性キャラ。
 表帯に“流される女の子”とある通り、事の深刻さや男性との関係性は様々ですが、状況に流されてセックスの快楽に染められてしまうというヒロインの描写は概ね共通しており、如何に流されてしまうかや、流されていくことへの葛藤や戸惑いなどに重点がある描き方とも言えるでしょう。
分かり易い憧れの気持ちや、性的なことへの嫌悪感や無知、ツンデレ的な素直になれない気持ちなどを描きつつ、前述した矛盾の内包も含めて奥行きのある人物造形に仕上げているのはこの作家さんの特色であって、感情や欲望というもの、或いは人間そのもののままならなさを描き出すことにつながっています。
Insult3 おっぱいサイズには貧乳クラスから巨乳クラスまで幅を持たせつつ、肢体全体のスレンダーな印象は共通しており、バスト&ヒップや陰毛標準搭載の股間などに一定の煽情性を持たせつつ、女体の整った美しさを基調とする女体造形となっています(←参照 短編「Actor or Pretender」より)。
 収録作の初出時期が2015年~2016年と、これまでの単行本収録から漏れていた作品を回収したと思えるラインナップではありますが、とは言え既に完成された絵柄である故に、近作と比較しても違いをほとんど感じさせません。
 エロシーンを中心に十分な描き込み密度を感じさせつつ、トーンワーク的な修飾性はむしろ抑えてさっぱりと健康的な印象があるタイプの絵柄は、エロシーンでの痴態描写の熱っぽさに程好いギャップを形成することにもつながっています。

【適度な濃厚感とアタックの強さがあるエロ描写】

 セックスに至るまでの流れを重視した構成であり、エロシーンの分割構成を取ることもありますが、ページ数が比較的多いこともあって、濡れ場には分量として標準的なボリューム感の強さがあります。
 青春ラブラブ初エッチといったケースもありつつ、精神的な拒否と積極性が入り混じる不安定な感情でのセックスや青姦、セックス生配信、睡姦プレイ、房中術の特訓としての調教チックなプレイ等、インモラル系のシチュエーションが多いのは前述の通りであって、ヒロインの戸惑いや葛藤とそれを上回る強烈な欲求、彼女達の痴態を目にすることで引きずり出される男性側のほの暗い欲望などで両者が性行為にのめり込んでいく流れを形成。
 勃起したちんこに光悦の色を浮かべて口淫をして白濁液を受け止めたり、寝ているヒロインの裸体に興奮して寝顔のお口に発射したりと前戯パートに射精シーンを設けることもありますが、キスや愛撫、クンニといった行為によってヒロインの体をまさぐり、それがポジティブ・ネガティブのどちらの心象をもたらすかは作品によって異なりつつ、秘所を濡らし肢体をビクビクと反応するアクメへと導きます。
Insult4 愛液まみれでぐちゃぐちゃになった秘所にピストンを繰り返せば、頬を紅潮させ瞳を潤ませる熱っぽい表情に、短いフレーズを切れ切れに連呼する切羽詰まった蕩けボイスと、ヒロインが強い陶酔に包まれていく痴態描写を提供(←参照 短編「perfume~森の魔女の話~」より)。語感の強い擬音の散りばめや、肉棒を締め付ける媚肉をアピールする断面図や透過図といった演出もピストン描写のパワフルさに貢献。
前述した男性の黒い欲望であったり、快楽に掻き乱されるヒロインの心情であったりを表現するモノローグや台詞回しも、シチュエーションの方向性を強化する演出として効果を発揮しており、この作家さんの特色。
 蕩けきった表情で中出しを受け止め、アクメボイスを絶叫するフィニッシュシーンは大ゴマ~1Pフルで描かれており、性的な解放感を描くこともあれば、取り返しのつかないことが強行されたこととしての中出しとして描くこともあって、それぞれのエロシチュに合わせたヒロインのリアクションを追随させています。

 作品の方向性が様々なので、これと絞った評価や勧め方が難しいタイプの作品集ではあるのですが、性欲や感情のままならなさで魅せる上手さはこの作家さんらしい点であって、それが快楽に飲み込まれるエロシーンの実用性も○。
個人的には、アイドルを目指して頑張る女の子を騙してセックス生配信でその夢ごと蹂躙してしまうストレートに邪悪な短編「偶像破壊配信」がお気に入りでございます。