BorderLine 工藤洋先生の『黒ギャルは雑に学びたい』第1巻(竹書房)を読みました。巨乳黒ギャル達(元・麻雀部)が雑学トークをするという一風変わった作品なのですが、なんだかんだで雑学の楽しさは魅力で初めて知ることも多かったです。
あと、理事長の四二階堂さんが欲望に忠実&お馬鹿キャラで楽しかったですね。

 さて本日は、桐原湧先生の『BorderLine』(茜新社)の越年へたレビューです。昨年12月末に発売された、この作家さんの2冊目となる単行本です。
健康的な色気感の黒髪美少女JK達それぞれとのラブ&エロ模様を落ち着いた筆致で描き出す作品集となっています。

BorderLine1 収録作は、真面目な性格と思っていた図書委員長は実は性的なことに興味津々であって、図書室を閉めるための鍵を合図に彼女と放課後の図書室でフェラやクンニをしあっていたのだが・・・な連作「遊びの時間」正続編(←参照 二人にとって快感を味わうだけの“遊び”の時間だったのだが・・・ 同連作正編より)、および読み切り形式の短編7作。
連作の続編(8P)を除き、1話・作当りのページ数は16~22P(平均21P弱)と中の下クラスのボリュームで推移。短編集ということもあって話自体はコンパクトですが、余韻の良さも含めて語り回しに一定の存在感があり、エロシーンについても軽過ぎず重過ぎずの満腹感があるタイプと感じます。

【“普通”の感情の動きを穏やかな筆致で紡ぐ青春性愛模様】
 家出少女に押しかけられて彼女と一夜を共にすることになる短編「BORDERLINE」、美術教師との少し複雑な関係を描く短編「合格通知」では大人の男性とJKヒロインの性愛が描かれていますが、その他の作品は同世代のボーイズ&ガールズのラブ&エロを描いています。
 あとがきに“普通の女の子たちの普通のお話”とある通り、思春期の少年少女の恋模様であったり性的好奇心であったりを現実世界の何処かに存在していても不思議ではない、等身大のものとして描き出しています。
初めてのセックスに気恥ずかしさも感じながら同時に素直な喜びが描かれる短編「今日はする日」、初めてのラブホでエッチな自分を解放して二人の関係をより深める短編「いつもとは、違う君と。」、卒業を前にして別離を意識しながら共に進んでいくことをヒロインが決意する短編「夏の終わりに」など、ドラマとしてはささやかながらも、彼ら彼女らにとっては大切なことに対する感情を穏やかで瑞々しい筆致で描くのが作劇面における最大の美点。
BorderLine2 ちょっとした台詞回しにある、そこに至るまでの感情を想起させる台詞の印象深さや(←参照 お熱い二人 短編「今日はする日」より)、幼馴染との初めてのセックスで彼女と共にした時間や異性として意識してきたことを走馬灯めいて散りばめる印象的な構図(短編「告白」)など、ドラマ性そのものは強くしない一方で、彼ら彼女らの等身大の感情を味わい深く読ませる作りになっているとも言えるでしょう。
 寂寥感やちょっとした無力感も残る短編「BORDERLINE」を例外としつつ、互いの気持ちや性欲を発揮し、それらをセックスを通して共有することで、彼ら彼女らの日常の中での幸福を得るという流れになっており、余韻の良さを生む穏やかなハッピーエンドが基本。
思春期後半ガールズの等身大の色恋を描くスタイルは、このレーベルらしい魅力を十分に備えていると総括できるでしょう。

【しなやかボディがエロ美しい黒髪美少女JK】
 いずれのヒロインも女子校生ヒロインであり、前述した通りに2作品を除いて男性キャラも同年齢層。
 少し陰のある家出少女、冷たくミステリアスな印象のある教え子さん、キュートで快活な彼女さん、腐れ縁なボーイッシュ幼馴染、地味で真面目な眼鏡図書委員長、明るく人気者の先輩ガールなど、属性的なキャラ付けが無いわけではないものの、設定や感情の動きなどについては、前述した通りに“普通”の少女として描かれています。
 さっぱりとした短髪であることもあれば、さらさらと美しいロングヘアの女の子も多いですが、いずれも黒髪であり、落ち着いた色気感のあるキャラデザインと組み合わさることで、清楚感や健康的な印象を形成しているのも大きな特色。
BorderLine3控えめバストから十分に巨乳クラスまでおっぱいサイズに多少のバリエーションはありつつ、乳&尻の量感を前面に出すスタイルではなく、すらっとしたスレンダーボディに程好い量感のバスト&ヒップを組み合わせて、整った美しさを感じさせる女体に仕立てています(←参照 乱れた黒髪&スレンダー巨乳ボディのエロ美しさ 短編「合格通知」より)。
程好く存在感のある乳首&乳輪に股間に茂る陰毛など、体パーツ描写に一定の淫猥さを持たせつつ、上述の肢体の美しさを損なわないバランスにまとめています。
 初出リストが収録されていないので推測にはなりますが、短編「夏の終わりに」のみ古い作品であるのか他の作品と絵柄の差異を多少感じます。変化の方向としては、丁寧な描き込みと健康的な色気感の両立を維持しつつ、後者を重視したよりさっぱりとした絵柄になってきた感があります。

【抑え目の演出で綺麗な女体が乱れる様子をじっくり描写】
 エロシーンへの導入パートに適度な尺を設けて男女の心の動きを魅せており、ページ数の関係もあって大ボリュームの濡れ場を期待するのは避けるべきですが、とは言え抜きツールとしては適度な満腹感のある尺を用意。
 先輩女子にリードされるセックスや、放課後の図書室で隠れながらの性行為など、エロシチュとしての味付けを加えるケースもありますが、上述した通りに互いの恋愛感情や性的好奇心&性欲を素直に発現していく和姦エロ、特に恋愛セックスをメインとしています。
なお、衣装が制服(狭義)または競泳水着のみという、ヒロインの設定に合わせたチョイスであり、着衣セックスも多い一方で、次第に服が肌蹴ていくケースも含めて全裸セックスに移行することもしばしばあり、相手に全てを曝け出すという意味合いでは勘所でもありますが、読み手の好みによって評価はそれぞれでしょう。
 前戯パートの比率は作品によって幅があるものの、長めの尺を割く構成が多く、甘くしっとりした雰囲気の接吻、清楚フェイスがち○こをしゃぶるフェラやさわさわとした陰毛の生える股間に顔を埋めてのクンニ、先輩の声と吐息を感じながらの手コキといったプレイを複数投入。とは言え、前戯パートは挿入までの雰囲気の盛り上げという役割が強く感じられ、射精シーン等の抜き所はあまり投入しない傾向にあります。
BorderLine4 抽挿パートに移行後は、ハートマーク付きのエロ台詞や女体のしなやかな動きで魅せており、結合部描写等で淫猥さを打ち出しつつ、演出の強度や密度は抑制を効かせたタイプ(←参照 短編「いつもとは、違う君と。」より)。描写としての激しさを期待するのは避けるべきではありますが、男性の熱情を引き出す台詞や表情の効果も含めてじっくりと煽情性を積み重ねていくスタイルと言えるでしょう。
結合部見せつけ構図で十分なインパクトのあるフィニッシュシーンとすることもある一方で、快楽に蕩けた肢体と表情でありつつ行為が終わったことの名残惜しさや日常からの解放感などを感じさせる落ち着いたフィニッシュとすることもしばしばあって、好みは分かれると思いますが、特徴的な表現と感じます。

 シナリオ・エロ共に派手さやインパクトをやや欠く一方で、それ故に味わい深さや生気のある熱量を感じさせるスタイルであって、上述の通りにこのレーベルらしい魅力が詰まった作品集。
個人的には、別離を前にしたクール美少女さんの熱烈アタックが男性教師の本心を引き出す短編「合格通知」に愚息が大変お世話になりました。