WhenSheShowsNaked 浅野にいお先生の『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』第9巻(小学館)を読みました。帯の“私はあなたの、絶対なの”という言葉が双方にとってのものであることが分かって、ヘビィな展開に唸らされました。この展開の中で、ひろし兄ちゃんがまたいいキャラクターなんですよねぇ・・・。鳳蘭の“やり直し”がその可否も含めてどうなるのか期待と不安が半々です。

 さて本日は、雨山電信先生の『彼女が裸を見せるとき』(エンジェル出版)のへたレビューです。当ブログでは初めてレビューの俎上に載せさせて頂きます。
淫臭漂うドスケベボディのヒロイン達との多彩なストーリー&アブノーマル系主体のエロシチュが詰まった1冊となっています。

WhenSheShowsNaked1 収録作は、大人は女性しかおらず海女漁業と売春を産業とする島を舞台にそこを様々な目的で訪れる男性、もしくは島を出ていく少年それぞれの島の女性との性愛を描く中編シリーズ「人魚の島」全4話(←参照 かつて交わった女性の娘の初客となることに・・・ 同シリーズ第1話「人魚の島~春~」より)、および読み切り形式の短編5作。
1話・作当りのページ数は20~24P(平均20P強)とこのレーベルとしては標準的な分量で安定。ストーリーの読み応え自体は強くないものの、エロシーンも含めて読ませる作りであって、インパクトのあるエロ描写と合わさって読後に満腹感のある1冊と感じます。

【性欲と種々の感情の両輪でそれぞれの快楽へ向かっていく作劇】
 中編シリーズが島の少女・茜ちゃんが複数話にまたがって登場するものの、実質的にはオムニバス形式ということもあって短編集に近い単行本としての構成であり、シナリオワークをコンパクトにまとめつつ、その方向性は多彩でそれぞれの設定や世界観に奥行きがあります。
 閉じた家庭の中での母子相姦という濃厚にインモラルな印象のある短編「COCOON」、兄の助力もあって掴んだチャンスを強烈な性的快楽を伴う調教によって失っていく転落系の短編「私は羊」、年下の天才少年にセックスによって翻弄される自身を凡才と自覚しているピアニストの女性を描く短編「ピアノの森の淫魔」等、背徳感や暗い欲望の奔流を描く作品は一つの主軸。
一方で、夏の離島を舞台にのびのびとした性の発現が描かれる中編シリーズ第2話「人魚の島~夏~」、アニメスタジオのきつい労働環境を共に乗り越えてきた“戦友”同士のラブ&セックスを描く短編「NICOTINE&GRAVY」、男性の性を必要とする淫魔の女の子の正体を知った上で恋を貫く異種族モノな短編「淫魔にラブ・ソングを」等、ポジティブな雰囲気で性愛を描き出す作品も揃っています。
WhenSheShowsNaked2 いずれの作劇においても性愛に揺れ動かされ、また多様に変容を遂げていく登場人物を丁寧に描写しており(←参照 快楽に飲み込まれ、そして飲み込んだヒロイン 短編「ピアノの森の淫魔」より)、性欲というシンプルなもののエネルギー感を打ち出しつつ、そこに絡む陰陽の情動がキャラクターに奥行きを与えています
 ミッション系の大学で“羊”の仮面をかぶり、頭に付ける角が“山羊”にも見えるようになるヒロイン(短編「私は羊」)、日本神話の逸話を絡めた特殊プレイ(「人魚の島~秋~」)、人間との違いや妖しさを描いた上でそれを受け入れる異種族間ラブ(短編「「淫魔にラブ・ソングを」等々、教養にも基づいて構築した作品世界をわざとらしくなく魅せる手腕も○。
 ダーク&インモラルを貫徹することもあれば、快楽に圧倒されたヒロインの成長と逆転を描いたり、ほのぼのハッピーエンドでまとめたりと話の方向性の多彩さもあってまとめ方も様々であり、いずれも作品の印象を適度に強めてグッと締めるものと言えるでしょう。

【多彩な設定&キャラデザの豊満ボディなヒロイン達】
 女子校生クラスの女の子からその母親である女性まで登場ヒロインの年齢層は幅広く、ピアニスト、海女ガール、ママヒロイン、アニメーターにサキュバスシスターとヒロインの設定も様々。
 姉御肌の女性や流され気質の女の子、優しくエッチなママンにさっぱりとした気風のスポーティ・ガールなど、キャラクターの性格面で一定の分かりやすさを織り込みつつ、同時に男性にとっての理解不能性を備えた人物描写でもあって、そこが時に妖艶さであったり時に人を惹きつける魅力となったりというのが美点と感じます。
 なお、男性キャラクターも多様であって、快楽に翻弄される少年や朴訥な青年、天才ピアニストの美青年、素直な性欲を打ち明ける中年男性にかつて交わった女性とその娘に複雑な感情を抱く老人などが登場しており、ヒロインとの関係性において双方の立場がフォーカスされるように描かれているのも作劇の魅力に貢献しています。
 ヒロインの年齢層によってボディの駄肉感やだらしない印象などには差はありますが、基本的にはバスト&ヒップ&太股の肉感の強さが特徴的なエロボディであることは共通しており、柔肉の存在感の強さは一貫しています。
WhenSheShowsNaked3 艶っぽい唇の描写や舌や秘所などの濡れた粘膜描写の淫猥さに加え、場合によっては尻毛まで描く濃いめの陰毛描写、登場頻度の高い腋毛、陥没乳首や下腹の余り肉等々、野卑な官能性を強く打ち出す体パーツ描写に読者の好みを分けるものが多いことには要留意(←参照 全部のせ 短編「NICOTINE&GRAVY」より)。
 エロシーンを中心として、かつてのネオ劇画的な濃さ・重さを感じる描き方をする一方、絵柄そのものは親しみ易さのある漫画絵柄であって、前述した体パーツ描写の淫猥さなどとの組み合わせに独特のケミストリーのあるスタイル。背景描写等を含めて高い作画密度を有しており、ページ数以上の読み応えを感じさせる要因と言えるでしょう。

【エロ演出のアタックの強さと女体のエロさの強烈さ】
 ページ数の関係上、それ程長尺の分量ではなく、またヒロインの堕ち展開や攻防の逆転、ヒロインチェンジなどシナリオ上の必要性から複数のシチュエーションを分割して提供することもしばしばあるため、一シークエンスをがっつり楽しみたい諸氏には減点材料となりえますが、総じてエロ描写としてのインパクトはあり、また抜きツールとして十分なボリュームは用意。
 母子セックスに母娘丼、年増ヒロイン調教シチュとヒロイン逆転搾精セックス、青姦に乱交エロとエロシチュは多様であって、作劇面で前述した様に欲望の暗さや一方向の流れ込みを描くインモラル系もあれば、相手を強く求め合うストレートに情熱的なシチュエーションも存在。
前述した複数シチュエーションの入れ込みもあって、前戯→抽挿パート的な一般的な構成とならないことが多く、前戯パートは短めになる傾向にありますが、オナホコキ、授乳手コキに柔らかパイズリ、クンニとフェラの交互等々、多彩なプレイを投入しており、前述した体パーツ描写の淫猥さが強い効果を発揮する描写でもあります。
 アナルセックスや、ザー飲、ブツの描写は抑えつつスカトロ色が明瞭なプレイなど、性行為の内容でもアブノーマル感を分けるプレイが多いのも好き嫌いを分けやすい特色ではありますが、羞恥や抵抗感はありつつもそうした行為を他者に示すことで、より快楽へとのめり込んでいく流れを形成しています。
WhenSheShowsNaked4 ぬめった水音を立てる大洪水な秘所やアナル、アヘ顔的なものも含めて快感の強烈さを物語る表情付け、ハートマーク付きの嬌声や獣めいた絶叫など、エロ演出のアタックは総じて高く、勢いのある描写に拍車をかけて射精シーンまで押しまくる前のめり感を打ち出しています(←参照 中編シリーズ第3話「人魚の島~秋~」より)。
前述した作画密度の高さによる個々のコマの情報量の高さや、豊満ボディの存在感を強調する大ゴマと体パーツ描写のエロさが光る小ゴマの安定した組み合わせも美点であって、その上で台詞やモノローグで雰囲気を盛り上げる技巧もあって、ハイカロリーなエロ描写を一貫させています。

 キャラデザ・プレイ内容に好みを分ける要素は明瞭にあるものの、エロシーンの強い存在感とそれを展開させていくシナリオワークの多彩な味わいは強い魅力と感じます。
個人的には、記録ではなく記憶に留める日焼けガールとの夏のセックスな中編第2話「人魚の島~夏~」が一等お気に入りでございます。