TheMostHotSexEver 藤本タツキ先生の『チェンソーマン』第5巻(集英社)を読みました。レゼさんに惚れちゃう主人公の気持ちこと、ザ・童貞マインド、めちゃくちゃ分かるというか、そりゃ惚れちゃいますよね。なんかとってもヤバそうな人物なので、既にデンジ君が憐れではございますが。金玉蹴り絶叫、いくらなんでも汚過ぎる鎮魂歌で笑っていいやら泣いていいやらでございました。

 さて本日は、おかゆさん先生の『#今までで一番良かったセックス』(ジーオーティー)の越年へたレビューです。先生の前単行本『スクールカースト』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
美人&美少女ヒロインのエッチな本性が開示される多様な性愛模様&細やかかつ濃厚なエロ描写が楽しめる1冊となっています。

TheMostHotSexEver1 収録作は、苦手な合コンに参加したオタくんは友人のヤリ男君の計らいでちょっと粗雑な感じのギャル子ちゃんと一緒に帰ることになってラブホへと誘われ、ヤリ男君はヤリ男君でお持ち帰りしたユル子ちゃんとセックスをするのだが・・・!?な中編「オタくんとギャル子ちゃん」前中後編(←参照 酔ったギャル子を介抱しているち・・・? 同中編作前編より)、女子会に参加してセックス談義に花を咲かせる女性達それぞれの建前と本音の性癖が描かれていく「正直女子会」シリーズ2作、および読み切り形式の短編8作+フルカラーイラストギャラリー(2P)。
なお、短編「スクールカースト番外編~リア充奴隷」は前単行本に収録されている同名の長編の番外編で三島君と漫研グループのお話。また、短編「スクールカーストTAKE2」も(話のつながりはほとんど無いものの)同作のスピンオフ的な作品と思われます。
1話・作当りのページ数は10~20P(平均15P強)と控えめな部類。ページ数の関係もあって、作劇・エロ共に多少の物足りなさは感じますが、楽しく読めて程々のエロ的満足感があるライトな印象の構築と言えるでしょう。

【ストーリー性はコンパクトながら漫画的な面白さのある構築】
 作劇の方向性は多彩であって、Sっ気のある女子による女性上位のインモラル系(短編「優等生」「スクールカースト番外編~リア充奴隷」)、女子会トークの表と裏を次々と読者に見せていくお話(「正直女子会」シリーズ)、棚ボタ展開的なラブコメディ(中編「オタくんとギャル子ちゃん」)やRPG的な世界観のファンタジー作品(短編「魔王とヒミツ部屋」「ハッスル賢者NIGHT」)等々を収録。
TheMostHotSexEver2 如何にも正論っぽいセックスの願望談義をしながらその言葉の真逆の性癖が読者には開示される「正直女子会」シリーズで特に顕著ですが、ヒロインの性的な素顔が表出することのギャップが魅力となる作品が多く、その変容や男性に対して支配的に振る舞う姿にインモラル感を持たせることも多い印象(←参照 優等生な女の子は実はドS淫乱ガールで!? 短編「優等生」より)。
また、派手でガサツな様で実は一途で純な性格であるギャル子ちゃんとの棚ボタラブであったり(中編作)、敵対する美少女魔王が実は可愛いもの好きで勇者の大ファンであることが判明しての和解セックスであったりと(短編「魔王とヒミツ部屋」)、ヒロインの意外な素顔が判明することで恋愛関係が形成されるという展開もこれに近似しており、王道的な展開・キャラメイクと言えるでしょう。
 話そのもののストーリー性が強くない一方で、凝った構成とすることが多く、オタくんとギャル子ちゃんのピュアなラブ模様と同時並行でヤリ男君のエロエロ受難を描いていく中編であったり、彼女さんとの恋愛セックスの幸福感や優越感、および事後の密かな楽しみを男性のモノローグで語らせ続ける短編「事後のおたのしみ」、勇者と女戦士のセックスを隣の部屋から透視魔法(魔法の名称はなんとFANZA)で覗き見しながら二人にアドバイス&応援(もちろん本人たちには届かない)をしている短編「ハッスル賢者NIGHT」など、視点の面白さであったり漫画チックな楽しさであったりで読ませる作りと感じます。
 加えて、オチの付け方にも面白さがあって、話として派手な動かし方はしないものの、にやりと笑わせたり、ほのぼのとしていたり、ピュアなハッピーエンドであったりといずれも小気味よくまとめています。

【丁寧な筆致で描く綺麗でエロい女体の強い魅力】
 美少女魔王など年齢不明なキャラもいますが、女子校生級を主力としつつ、女子大生クラスや20代前半の女性なども多数加わる陣容であり、印象としてもキュート系からアダルトな色気があるタイプまで様々。
 奔放なギャルのようで実は一途&ピュア、清楚系の外見ながら実は肉食系女子、魔物の軍団を率いつつ実はとってもキュートな女の子など、前述した様にギャップが魅力となるタイプのヒロインも多いですが、逆にヒロインのキャラ性は特に重視せずに“普通”に恋愛したりセックスしたりな様子そのものを描く作りにしていることも多々あります。
また、前述した様にキュートな美少女系もいれば、アダルトな色気のあるお姉さんもいますし、清楚系の容姿に対してギャル系の派手な容姿もあり、またファンタジーヒロインも居るなど多彩なキャラデザインも特色。
 おっぱいサイズには並乳~巨乳クラスで一定のバリエーションはありつつ、バスト&ヒップの存在感を極端に押し出すことなく、現実味のあるボディデザインで適度なセックスアピールを作り出すことで“こんなことあったらいいなぁ”という読者の願望・羨望を無理なく引き出してくるタイプと感じます。
TheMostHotSexEver3女体の美しいバランスに加え、髪の毛の細やかで艶っぽい表現、柔肌の滑らかな質感、上品にまとめつつ液汁描写でシズル感を高めてくる表現に程好く淫猥な粘膜描写や陰毛描写など、綺麗でありつつエロいという女体の仕上げ方はこの作家さんの強い魅力と言えるでしょう(←参照 唇の艶や肌を伝う愛液の表現の官能性 「正直女子会」シリーズ第1話より)。
 表紙のフルカラー絵では絵柄の写実性がより高まっている印象がありますが、中身の絵柄はもう少しアニメ/エロゲー絵柄的なキャッチーさが明瞭。丁寧な描写で適度にお洒落な印象もある絵柄はキャラデザインの方向性との親和性が高く、単行本を通して安定しているのも信頼感を高めています。

【淫液に濡れる女体と粘膜のエロさと熱っぽい陶酔フェイス】
 作品によってエロシーンの長短には幅があるものの、ページ数の関係上たっぷりと長尺を期待するのは避けるべきではあります。
加えて、二組のカップルのエロ模様を同時並行で描いていく構成や(中編)、複数のキャラクターのエロシーンを小口で連続させていく構成(「正直女子会」シリーズ)、セックスの実況中継的な語り口で行為そのものへの没入感を重視しない描き方(短編「ハッスル賢者NIGHT」「事後のおたのしみ」)など、漫画としての面白みには貢献しつつ、読み手の好みによっては実用的読書の集中を阻害すると感じられる構成・シチュエーションを構えることがしばしばあることには要留意。
 とは言え、美少女・美女がセックスで熱っぽく蕩けるギャップそのものを高い画力で提供するというシンプルな強みは一貫しており、ラブラブHやら女性上位の倒錯シチュやら野外セックスやらと様々なシチュエーションで彼女達の痴態を提供しています。
ヒロインの柔らかボディの感触を指で味わったり、秘所を指や舌で愛撫したりといった描写に加え、美人フェイスがち○こを咥えるフェラやシックスナインの描写を投入する前戯パートは、セックスに至る流れを含めて相応の尺を設けており、欲望が解放されていく高揚感を形成。
TheMostHotSexEver4 反面、抽挿パートが量的にかなり短めになるケースがしばしばあるのはネガティブな評価につながりやすいですが、涙や涎で濡れる表情や結合部から溢れ出す淫液など、豊潤な液汁描写で女体のエロさを増していくと共に、ピストン運動の力強さを擬音や押し開かれる秘所のアップ構図などでアピールしており、勢いの強さと演出の盛り上げの良さで質的なボリューム感を打ち出しています(←参照 短編「魔王とヒミツ部屋」より)。
 前戯パートに射精シーンを投入することがほとんど無いこともあって、1回戦仕様でまとめることが多く、尺を考えると描写のタメを重視する意味ではむしろ正解かもしれません。女体のエロさの重視と適度な演出の濃厚感というスタイルをフィニッシュまで一貫させており、演出的な緩急はむしろ抑えて何処を切り取ってもエロいというシークエンスを形成しています。

 抜きツールとしての満腹感には多少欠けるものの、痴態描写そのものは強い訴求因であって、それとシナリオワークの面白みが合致しているのも美点と感じます。
個人的には、美少女魔王様のキュートでエッチな素顔が魅力でエロシーンの尺もそれなりに長めな短編「魔王とヒミツ部屋」が一等お気に入りでございます。