DaysOfSex 余湖祐輝先生&田畑由秋先生コンビの『ニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース』第4巻(秋田書店)を読みました。美味しそうなスシによる卑劣な拷問スシ・トーチャリング!ニンジャスレイヤー=サンには悪いながら、とても寿司が食べたくなりました!!
“感傷こそが己の魂を人間の側に留め置くのだ!”は作中屈指の名台詞ですよねぇ・・・。

  さて本日は、ビフィダス先生の『情交の日々』(ワニマガジン社)のへたレビューです。先生の前単行本『イビツな愛の巣』(エンジェル出版)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
日常における幸福と強烈な快楽をもたらすむっちり豊満ボディの美人ヒロイン達との性愛模様が詰まった作品集となっています。

 収録作はいずれも読み切り形式の短編で計10作。短編10作の内、5作品(「耳たぶスイッチ」「異文化テイスト」「夏のレッスン」「トモダチ卒業」「タイムカプセル」)についてはそれぞれ1~2Pの後日談が描き下ろされています。
 描き下ろし後日談を除き、1作当りのページ数は16~23P(平均19P弱)と控えめながらコンビニ誌初出としては概ね標準的な部類。短編集ということもあってコンパクトな作品構築ではありますが、男女の関係性について適度に読ませるシナリオワークと豊満ボディの存在感が強いエロ描写とで構成されています。

【複雑な感情も入り混じる想いが日常の中で叶えられる関係性】
 不倫エロ的なものも含めて、いずれも男女の恋愛ストーリーを描くものであって、登場人物達の性欲や恋心が充足されていくという点ではポジティブな話が揃っていると言えます。
 行きつけの喫茶店の女性店主と仲良くなったり(短編「香リ合ワセ」)、昔好きだったヒロインと偶然再会してなんだかいい雰囲気になったり(短編「タイムカプセル」)、隣室のロシアン留学生と料理を通して仲良くなったりと(短編「異文化テイスト」)、登場人物達の日常の中で“こんなことがあったらいいのにな~”的な願望を叶えてくれる展開が多いのは確かでしょう。
DaysOfSex1その一方で、構図そのものとしては棚ボタ展開的であっても、単に都合よくエロい状況が発生するのではなく、登場人物達がセックスに至る心の動きや、彼らの言動の背景を感じ取らせる描き方となっており(←参照 憧れの姉のこれまでを感じさせる“こういうの気持ちいいことだったんだなぁ・・・” 短編「ミユキ姉のソファー」より)、男女双方が求めるものの一致が為されていくことに意味合いを持たせた展開と言えるでしょう。
 また、ストレートでピュアな性欲・恋心が発揮される作品が無いわけではないものの、恋敵や過去の交際相手に対する嫉妬とそれ故の独占欲、家庭の不和からの解放を望む心や承認欲求、コンプレックスとそこからの解放、社会の中での孤独感や疲労とそれらを癒してくれるような存在への希求と、相応に複雑な情念が性愛に絡んでくるというのも一つの特色と感じます。
 誰しも“幸せ”になりたいものの、様々な要因でそうなれない状態から、ちょっとしたキッカケや偶然によって男女が信頼関係、あるいは共犯関係において互いの求めるものを埋め合い、日常の中での“幸福”を得るという描き方に、誠実さのあるロマンを感じさせています。
 夫以外の男性との“性欲処理”に耽る内に夫との行為では満足できなくなっていくヒロインを描く短編「オクノヘヤ」のように止まらない欲望のほの暗さを感じさせるラストとなる作品もありつつ、基本的には恋愛関係の成立もあってポジティブな印象のハッピーエンドで爽やか&微笑ましくまとめています。

【それぞれ異なる艶っぽさを纏った豊満ボディの美人ヒロインズ】
 女子校生~女子大生クラスの女の子が半数弱、20代前半~30歳前後程度と思しきアダルト美人さんが半数強を占めるヒロイン陣。共に十分な色気感を有するヒロイン達ですが、前者では若々しさや快活さを、後者には成熟した色香を織り込んで一定の描き分けを示しています。
 ハーブティー専門店の女性店主、仲の良い幼馴染のお姉さん、半休業中の温泉宿を切り盛りする一人娘さん、自分とは別の男性に憧れる幼馴染の女の子、料理が得意なロシアン留学生に、再開して初めて女性として意識することになったかつての同級生等々、ヒロインの設定は多彩。
特定のキャラ属性としての分かり易さを重視したタイプではなく、彼女達もまた前述した様に複雑な欲求を抱えているわけですが、それらも含めて感情表現を文字で逐一説明するのではなく、ちょっとした言動や表情で登場人物の気持ちを語らせるのは上手さであり、また登場人物の奥行きとしての魅力につなげています。
また、男性主人公も含めて様式こそ異なりつつ、不器用な面を持った人物として描かれることが多く、そういった人物が性愛を通して報われるという描き方も、読み手に親近感を抱かせたり、祝福を呼び込んだりすることに貢献しています。
DaysOfSex2 おっぱいサイズや下腹部の駄肉感などには年齢設定等によって幅がありますが、いずれにしても柔肉の存在感の強いバスト&ヒップ&太股を組み合わせ、もっさりと陰毛の茂る股間や艶々としたリップ等を含めて体パーツ描写の淫猥さがある豊満ボディであることは共通(←参照 短編「タイムカプセル」より)。どちらかと言えば地味な容姿であったり清楚な容姿であったりなヒロインが、その豊満ボディを露わにすると強烈なエロさが明示されて男性の興奮を高めるという流れも明瞭です。
 描線の強弱のメリハリを付けながら丁寧に描き込む絵柄は、ヒロインの艶っぽさも整った美しさも引き出してくるタイプで、絵柄やキャラデザそのものが作品の雰囲気の形成に大きな役割を果たしています。アニメ/エロゲー絵柄的なキャッチーさとも、ネオ劇画的な重さ・濃さとも異なるスタイルで、好みは相応に分かれる絵柄ではありますが、中身の絵柄とほぼ完全互換である表紙絵は判断材料として好適と言えます。

【生々しさのある女体の存在感と演出の程好いアタック】
 ページ数の関係上、それ程長尺という印象は無いものの、旧コンビニ誌水準としては標準的な分量を有したエロシーンであり、抜き所を随所に配置した複数ラウンド制がメイン。
 浮気セックスや周囲から隠れながらの羞恥セックスといったアモラルな雰囲気で包むエロシチュもありますが、基本的には恋愛セックスを中心とした和姦エロであって、モチベーションとして複雑な想いや欲求を抱えながら、セックスとしてはシンプルに相手を求め合う愚直さ、力強さが主眼となるスタイル。
DaysOfSex3 フェラ等でのサービスプレイで気持ち良くしてもらう前戯パートもありつつ、ヒロインのもじゃっとした股間に顔を埋めてのクンニや、おっぱいの感触を確かめるような愛撫に腋舐めといったヒロインの羞恥と快楽の両面を刺激するプレイの投入率が高く(←参照 短編「香リ合ワセ」より)、ヒロインの臭気や体温といったものを敢えて意識させることで、官能性に生々しさを付与しています。
 導入パートに引き続き、男女の会話やモノローグが、彼らがセックスに望むものやそれが満たされていく様子を表現しており、モノローグの主語(語り手)が固定されていなかったり内容にシリアスさがあったりする分、ちゃんと読ませるタイプであって、抜きツールとしての集中のし易さを阻害する要因と感じるか、個々のエロシチュの雰囲気を高める要因と感じるかは読み手の好み次第ではあるでしょう。
DaysOfSex4とは言え、男女双方が行為に没入し、ヒロインの美しさを保ちつつも激しく乱れて蕩ける表情付けに、夢中な状態を物語る実況台詞、適度な汁気感を伴うストレートな結合部見せつけ構図など(←参照 短編「オクノヘヤ」より)、十分なアタックと密度のあるエロ演出、肢体全体の描写とカットイン的なコマであったり、視点を切り替えつつの連続コマであったりと緩急をつけた画面構成でエロ描写としての盛り上がりを高めていく流れをしっかりと構築。
中出し連発、或いは外出しからの中出しと、抽挿パートに複数の射精シーンを設けることが多く、尺の都合上、やや早漏展開と感じることもあるものの、一度の絶頂では双方の収まりがつかないことで更に相手を求めるというエネルギー感を形成しており、演出強度には幅もありつつ、大ゴマ~1Pフルで強烈なアクメに震えて膣内射精を受け止めるヒロインの姿をがっつり提示しています。

 分かり易くエロを軸とした作品でありつつ、そこに絡む心情は相応に複雑で、かといって現実的な願望から乖離しない分、増々“こんなことがあったら素敵だなぁ”という幸福な読み口を無理なく提示してくれる抜きツールと総括したいところ。
個人的には、クールな様で意外に素直だったり情熱的だったりな女性店主さんと素直な欲望を曝け出しあう短編「香リ合ワセ」と、浮気妻さんのラストの台詞がグッと来る短編「ハナヒラク」が特にお気に入りでございます。