DevilKingUnderTheYoke この部分、いつも一般向けのアニメや漫画の話を書いているのですが、自分の書いているファンタジー小説について感想とかレビューを頂けないことに悩んでいると、単純に何も書きたくないし、そのまま全部無かったことにして消えたいなとか感じて、ここの短い感想すら書けなくなることがあるんですよね。
まぁ、今日はそういう日でした。

  さて本日は、山本善々先生の『隷属魔王』(リイド社)のへたレビューです。先生の前単行本(初単行本)『限界性欲~我慢できない人妻たち~』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
骨太の設定で描き出す魔王無き後のファンタジー世界と高位の存在である美女が無様に乱れまくる痴態とが詰まった1冊となっています。

DevilKingUnderTheYoke1  収録作は、苦難の旅を経て一騎打ちの末に魔王を打ち破った勇者は、人間社会から背負わされた責任と理不尽な風評とに心を病み、魔王の有していた隷属の呪いを彼女に掛けることで、世間から逃れ不死の存在である彼女への凌辱&孕ませを延々と行うことになるのだが・・・な中編「隷属魔王」全4話(←参照 汚されていく誇り高き魔王の心と体 同中編第1話より)+描き下ろしエピローグ(12P)、および同中編と同じ世界において、勇者パーティーの意志を受け継ぐ戦士は魔王無き後の世界で覇を唱えんとするエルフの女王の奸智を見破り、高飛車な彼女を娶って凌辱&孕ませな中編「高飛車エルフ強制婚姻!!」全4話。
描き下ろしエピローグを除き、1話当りのページ数は20~26P(平均24P弱)と標準的なボリュームで推移。共に話として十分な読み応えのある中編作であり、またエロシーンの質的・量的満足感がある構築となっています。

【善と悪の絶対的な対立の落とし子としての歪んだ凌辱劇】
  魔王が勇者によって打倒された後という、伝統的なファンタジー作品のエンドロールの後を描く本作は、時系列としては「隷属魔王」⇒「高飛車エルフ強制婚姻!!」の順であり、共に人間より優位な存在でかつその長たる美女を快楽堕ちさせるという展開は共通しています。
 不死の肉体を持ち、精神も壊れることのない魔王、人間より遥かに長命である故に“時間切れ”を狙うことの出来るエルフの長と、それぞれの種族らしい優位性を描き出しつつ、主人公側の徹底した攻めが彼女達を絶望と屈服に導き、また孕ませ的な要素も含めて主人公達の思惑に利用されるという悲劇的な状況へと事態が悪化していきます。
DevilKingUnderTheYoke2心身における抵抗を何とか保っていたにも関わらず、無二の友情で結ばれていた仲間の魔族が無残に凌辱されるのを為す術なく目の当たりにすることになったり(←参照 かつての仲間を凌辱され 中編「隷属魔王」第4話より)、やはり大切な部下の裏切りに会ったりで、その精神がへし折られることになるという展開は、凌辱エロとして王道ですし、また悲哀を感じさせる点。
  強い存在であるヒロインを屈従させるというファンタジー凌辱エロとして王道的な構図を有しつつ、本作の特色はこれらの狂気も孕む凌辱劇が、“正義と悪との戦い”の延長線上として発生していることであり、人類の代表として力を以て敵を征する責任を押し付けられた者達の所業として描かれていることが、一種のアイロニーを帯びています。
描き下ろしのエピローグで饒舌に語られていますが、この凌辱劇の根本は“善と悪”という分かり易い対立構図に基づく弊害が当事者たちに降りかかって生じたものとして描かれており、彼女を蹂躙し続けた勇者への魔王の愛憎、強烈な快楽とそれを介した絆で歪に結ばれたエルフの女王の夫たる戦士への想いが、愛憎・清濁を併せ持つ複雑なものとして描かれているように、単純に割り切ることの出来ない“曖昧なこと”の意義であり、重みでありを感じさせるストーリーと評しても過言ではないでしょう。
  登場するキャラクター誰しもが罪深い一方で、同時に彼らをそのような立場に置いた社会そのものが本来負うべき責を彼らに押し付けた結果でもあって、凌辱側の勇者や戦士を悪者として断罪して済ませることもまた許されない故にビターな後味を残しています。

【巨乳&安産型ヒップな豊満ボディの気高き人外ヒロインズ】
  片や魔族の女王、片やエルフの女王と長命な存在である故に実年齢こそ不明なものの、共にアダルト美人的な雰囲気であって、若々しさもある魔王と、熟女感のあるエルフの女王という印象。また、両中編共に、彼女達の信頼できる部下の女性キャラクターが登場しています。
  メインヒロインについては、共に人類よりも優れた存在であり、またその長であることもあってプライドが高く、また特殊な能力を持つものとして描かれていますが、そんなヒロイン達が因果応報な呪いや策謀によって、見下していた、或いは共に重責を背負う者として認めていた存在である、人間の男の欲望に尊厳を踏み躙られていく落差がストーリーとしてもエロ描写としても凄味を生み出しています。
中編「隷属魔王」の勇者も、中編「高飛車エルフ強制婚姻!!」の戦士も、共に力がありまた知恵もある存在でありつつ、片や“敵”を失うことを恐れ、片や新たな“敵”を見出して、絶対的な“善と悪”の戦いが終わった後だからこそ、ある種迷走していく姿に、ヒロインと同様の悲哀を感じさせます。
  青肌で角を頭から生やす魔王に、長く尖った耳のエルフ美熟女とそれぞれの人外らしい要素を織り込んだキャラデザであり、垂れ気味で長巨乳&安産型ヒップを共通させつつ、魔王様は腹筋の存在感の強い腹部であるのに対し、エルフ女王は熟女らしく適度に駄肉感のあるお腹となっています。
DevilKingUnderTheYoke3共にストレートなエロさのあるボディデザインですが、度重なる性行為の中でヒロインの肉体が変容させられていくことも重視されており、乳首の肥大化や使い込まれた秘所のビラビラ、妊娠による膨らむ腹部など、陰毛描写や艶っぽい唇の描写など、元から主張の強い体パーツ描写の煽情性を更に増すような変化を見せており(←参照 ドスケベだらしなボディにさせられたエルフ女王様 中編「高飛車エルフ強制婚姻!!」第4話より)、その意図的なクドさは好みを分ける水準にあります。
 同人誌を初出としているため、商業誌での連載作に比して初出時期に比較的幅があると言う印象ですが、絵柄の安定感は前単行本以上という印象。濃厚かつキャッチーという当世流行の絵柄に類するタイプではなく、好みはある程度分かれそうな印象がありますが、中身との互換性が高い表紙絵で嗜好に合う合わないは十分に判断できるでしょう。

【強烈で濃厚なエロ演出で彩る強気ヒロインの無様痴態】
  ストーリー展開に一定の重点があり、またそれに応じてエロシチュを分割構成することもあり、たっぷり長尺のエロシーンを期待するのは避けるべきではありつつ、ストーリー展開の中で畳み掛けるエロ展開の威力と質的な強烈さによる満腹感があると言えます。
  いずれもヒロインに対して特殊な優位性を確立した男性側による凌辱エロであり、易々とは人間程度には屈しないハズの存在が種々の理由によって快楽堕ちしてしまうという落差が効くシチュエーションでありますし、単に快楽が全てを塗り潰す堕ち方ではなく、ヒロインの愛憎や男性との共依存が入り混じる在り方に仕上げているのが、作劇としてもエロシチュとしても特色と言えるでしょう。
  信頼していた部下への凌辱や凌辱に加担する部下とのレズセックス、望まぬ妊娠と出産、変容していく体や快楽に夢中なことを指摘される会話など、ヒロインの気丈な心をへし折りつつ、その精神を生かさず殺さず保っていくエロ展開はある種の残酷さを保っていますし、その責を誰に帰すべきか定まらないモヤモヤ感もまた特色。
  ヒロインの性感帯を責めて強烈な快感に追い込んだり、屈辱の表情を浮かべながらお口や巨乳で奉仕させて精液を発射するシークエンスであったりな前戯パートは、一定の尺を設けつつ、基本的にはガツガツとしたピストンでヒロインを追い込む抽挿パートを量的に充実させた構築となっています。
DevilKingUnderTheYoke4  前述した様に淫猥さのある体パーツ描写を存分に発揮しつつ、アヘ顔を含めた半狂乱な表情付けに、怒りとくやしさ、それに快楽がミックスされた複雑な表情、言葉にならない絞り出すような嬌声や絶叫ボイス、丁寧に描き込んだ断面図描写、仰け反るような強烈な肢体の反応や擬音の散りばめと、緩急を付けながらもアグレッシブな演出を高い密度で織り込むことで快楽が支配していく凄味を表現(←参照 中編「高飛車エルフ強制婚姻!!」第1話より)。
アナル中出しされながらの出産アクメやら、レズ顔騎されながらの中出しアクメやらと変わり種も投入しつつ、男性側に完全に主導権を取られた状態で中出しアクメに叩き込まれるフィニッシュは1Pフルを標準量として用意しており、そこまでの演出の威力と併せて一定の過激性・過剰性を一貫させたエロシーンの〆らしく仕上がっています。

  ファンタジー凌辱エロとしての王道的な要素を有しつつ、その原典たるファンタジー・ストーリーのエンドロールの後を描くことで作劇としての面白さ・深みを有した作品と言えるでしょう。
今回単行本としてまとまったからこそ、管理人はこの名作を読む機会を得られましたが、そもそも商業誌にもこういった骨太の作品を連載させる度量が欲しいなぁと思わずにはいられません。