Raunchy 拙著のファンタジー小説『ダークエルフ王国見聞録』シリーズ(リンク)ですが、久しぶりに最新第50話をアップしました。10月中に2回アップできてよかったです。
おかげさまで前回を含めて12回連続でピクシブの週間ランキング入りしました。読んでくれたりブクマしてくれたりした方、いつもありがとうございます。

  さて本日は、Cuvie先生の『RAUNCHY』(スコラマガジン)のへたレビューです。3か月前に発売された(成年向け)前単行本『NASTY』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
男心を掻き乱す多彩な性愛のストーリーを等身大の心情描写と痴態描写の熱っぽさとで魅せる作品集となっています。

Raunchy1  収録作は、自らの母親と姦通していた土地の名士への復讐心から、成長した主人公は彼が大切にしている箱入り娘な孫娘に家庭教師として近づき、甘いマスクと台詞で彼女を籠絡していくのだが・・・な連作「復讐連鎖」前後編(←参照 胸に黒い憎悪を抱きながらヒロインをたぶらかす主人公との関係に溺れていくヒロインだが・・・ 同連作前編より)、および読み切り形式の短編7作。
1話・作当りのページ数は24~26P(平均25P弱)と中の上クラスのボリュームで推移。また、単行本としての厚みはかなりあります。概ねストーリーとしてはコンパクトですが、適度に読ませる作りであり、程好いアタックのエロを十分量お届けな構築にも安定感があります。

【ヒロインとの関係性に陰陽様々に揺れ動く男性の感情】
  前単行本からあまり間を置かずの最新刊ですが、収録作の初出は前単行本よりも古い作品で占められており、これまでの単行本で収録に漏れた作品を集めた1冊。とは言え、この作家さんの作劇面の魅力は初出時期を問わないので、落ち穂拾い的な要素はあるとはいえ、多彩な読み口を味わえます。
 エッチなヒロインとの出会いや突然のエロ展開などなど、男性にとっての棚ボタ的な幸福感のあるラブコメ・エロコメ系はこの作家さんの主軸の一つであって今回もそのタイプの作品を複数用意。
  一方で男女の関係性における欲望や感情の不一致や毒薬めいたものとしての快楽を描くダーク&インモラル系の作品にも変わらず存在感があって、性的な手段を用いて復讐を成し遂げたと思いきや主人公に衝撃の真実が告げられる連作や自分のことを男性として以上に一人の人間として存在を認めない憧れの女性への感情が暴発する短編「Gimme Your Smile」などはそのタイプ。
Raunchy2  これらの作品において、突然なエッチな状況に戸惑いつつもそれを受容してウハウハな状況に流される様子や、意中の女性が自身に興味も何もないことを目の当たりにされての悔しさや虚しさ(←参照 “いないもの”の前で無防備に眠る憧れの女性に 短編「Gimme Your Smile」より)、母を“奪われた”ことへの息子としての憎悪、はたまた彼女を兄に取られたくないと感じてしまうコンプレックス含みの弟の感情などなど、棚ボタ展開にしても負の感情がにじむ展開にしても、男性読者の共感を呼び込むような“男性”の心情描写で話の展開に引き込む魅力があります。
 男女間の心情の性差云々を主張するスタイルでは全くないし、レビュアーとして管理人は作者の性別を判断基準にはしませんが、女性である作者が、斯様に男性が納得できる軽重を問わない心の動きを表現できているのは率直に感心しますし、優れた描き手は登場人物の性別を問うことなく心の機微を描き出せることを示しています。
 前述した様に、基本的にはコンパクトな作りの話が多いですが、このことは話の存在感の無さにはつながらず、負の感情が暴走した結果の喪失感や罪悪感、ラブエロ系でのほのぼのとしたまとめ方や欲望に飲み込まれた人達など、強烈なドラマ性こそ排しながらそれぞれ読後の余韻を感じさせるラストに仕上げています。

【端正な美しさがあるエッチな美少女・美女】
  女子大生~20代前半クラスと思しき綺麗なお姉さんタイプも数名登場しつつ、人数的に主力となるのは女子校生級の美少女さん達。
Raunchy3 主人公の兄へのコンプレックスを理解した上で好きなのは主人公と断言してくれる彼女さん、既にエッチな調教を受けていてしかも新たな性愛相手として突如求めてくるヒロイン、世間知らずでセックスに夢中になってしまうお嬢様、綺麗でエッチなお姉さんに小悪魔系の誘惑姪っ子ちゃんなどなど、男性側のこんなこといいな出来たらいいななラブ&エロをみんなみんなみんな叶えてくれるタイプのヒロインが勢揃いしています(←参照 ハイ!調教済みドスケベ美少女! 短編「先天的性的身体」より)。
男性にとって“都合の良い”タイプのキャラ造形ではあって、その点がエロのウハウハ感を高めているのは確かですが、その一方で女性側のしたたかさに率直な恋愛感情や性欲などが描かれているため、ヒロインに平板な印象が少ないのも美点。
  並乳~程好い巨乳をお持ちのスレンダーボディは、すらりとした美脚やさらさらヘア、程好く締まったウェストと端正な美しさのあるタイプであり、概ね標準搭載な陰毛やぬめった秘所の描写等に淫猥さを持たせつつ、ストレートなエロアピールよりは整った美しさを重視したスタイルと言えます。
  初出時期としては4~5年前になるものの、絵柄は完成しているベテラン作家さんである故に近作との落差は無く表紙絵とも完全互換。当世流行の修飾性の高さはむしろ抑制的で、健康的な色気感のある絵柄でありつつ、そのような絵柄で描かれるヒロインが熱っぽく乱れるというギャップが明確な武器であるのも不動の特色です。

【抑制を効かせつつも描写の緩急が効く熱っぽい痴態描写】
  ページ数に余裕がある分、欲望が発露されていく流れの導入パートをしっかりと形成しつつ、抜きツールとして十分なボリュームを有した構築が為されています。
  自身の“存在”を歪んだ形で承認させようとする衝動的でストレートなレ○プや、ヒロインを騙して籠絡し、汚すことを目的とした性行為、調教済みのヒロインによって着火された欲望を夢中で叩きつけるセックスなど、ダークさやインモラルさを有したエロシチュも多い一方、棚ボタ和姦や恋愛セックス、ドスケベ姉妹に翻弄されっぱなしの流され3Pセックスなどなど、雰囲気の陰陽を含めてエロシチュは多彩。
  前戯パートを短めにまとめて抽挿シーンを長尺とする構築もありつつ(短編「おとしごろ!」等)、復讐の完成としてのセックスを後編に投入するため、キスや愛撫、フェラの教え込み等の前戯に相当するプレイだけにまとめる連作前編など、前戯パートを長尺に取るケースも存在。
この前戯パートは、ちんこに積極的にがっつくフェラやパイズリで射精に導かれたり、愛撫で秘所がどろどろに濡れたりと、射精シーンの有無に関わらず、美少女・美人ヒロインが性的な存在としてそれまでとは異なる印象に変容していくことで抽挿パートへの盛り上げを的確に図る構成となっています。
Raunchy4  ヒロインのリアクションに中てられてパワフルに腰を振ってピストンをする抽挿パートは、演出手法そのものはオーソドックスかつ抑え気味でありつつ、瞳を潤ませ頬を紅潮させた表情に、ハートマーク付きの実況台詞や嬌声によって、彼女達が強烈な快感に乱れている様相を十分な熱っぽさで表現(←参照 短編「おとしごろ!」より)。
男性側の表情や体躯、言動に一定の存在感を持たせつつ、ヒロインの痴態描写の邪魔をせず、エロシチュの盛り上げや没入感に寄与させているのも上手い点であり、ビクビクと反応するヒロインの反応から小~大ゴマの中出しフィニッシュでのアクメ痴態に到達。もっとも、小ゴマにまとめるケース等、フィニッシュシーンを抜き所としてエロの最高潮に持ってこないと感じる場合もいくつかあるのは好みが分かれる点かもしれません。

  シナリオ・エロ共にこの作家さんらしい、また幅広い層にとっての魅力がある作品集であり、本日通巻400号を迎えた『ペンギンクラブ』(おめでとうございます)の看板を支える作家さんであるなぁと改めて感心した次第。
存在すら無視されてきた男性の黒い情念の暴走と自業自得とは言え喪失感のあるラストが印象的な短編「Gimme Your Smile」と、エッチな巨乳お姉さん棚ボタセックスヤッター!な短編「VACANT」が特にお気に入りでございます。