CarefulToRead 拙著のファンタジー小説『ダークエルフ王国見聞録』シリーズ(リンク)ですが、前回の第41話もピクシブの週間ランキング入りしました(最高22位)。読んでくれた方、ありがとうございます。本日に続編となる最新第42話をアップしましたので、こちらも是非よろしくお願いします。
この調子でなんとか知名度を上げていきたいもんですが、どうなんでしょうねぇ・・・。

  さて本日は、岩崎ユウキ先生の初単行本『閲覧注意』(文苑堂)のへたレビューです。レビュー遅れて申し訳ないのですが、これがなかなかの逸品でようやくご紹介することが出来まして嬉しく思います。
ホラーとエロスを融合した妖しい雰囲気の中で官能的な表情&肢体のヒロインとのセックスが描かれる作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編で計10作。1作当りのページ数は12~22P(平均19P強)と控えめな部類ながら、短編ならではの切れ味の良さがある作劇であって、エロシーンにも十分な存在感のある構築が揃っています

【欲望の中に非日常の怪異が沁み込んでくるホラーとエロスの融合】
  いずれの短編も現代日本を舞台としながら、人知を超越した存在が登場人物を襲うホラー作品であり、後述する官能的なエロ描写と無理なく融合して妖しい雰囲気を生み出しているのが最たる特色となっています。
CarefulToRead1  “メリーさん”や呪いのビデオといった都市伝説(←参照 少女の後ろに迫るのは・・・ 短編「アナタノウシロ」より)、“ヤマノケ”的な怪異と既存のホラー的題材をエロ的に翻案したものもありますし、地縛霊的な古典的な怪異が描かれることもあります。
不倫要素が絡んでくる短編「事故物件」は典型的ですが、それ以外でも性的な耽溺や女性への劣情とそれによる被害が怪異に関して織り込まれていることが多く、そういった暗く湿った情念や欲望が怪異と結びつくというのはジャパニーズ・ホラー的な特色を踏襲していると評して良いでしょう。
  男性にとってエロ的に美味しい状況が転がり込んでくる展開の短編「帰り道にて」「最終電車」「クモノイ」などは、エロ漫画的によくある棚ボタ感を打ち出しつつ、そこにある違和感が徐々に強まっていき、真相が明かされる時には取り返しがつかないことになっているという作品構築も、エロ漫画とホラー作品の融合という点で実に見事。
CarefulToRead2また、強烈な性的快楽に登場人物達が耽溺する非日常から、ホラーとしての非日常へと遷移する流れも見事であり、そこからホラーとしての恐ろしさを出すのに肝要な要素である話のオチへとつなげる作劇としての上手さがあるのも高く評価したいポイント(←参照 ショッキングな絵、暗転、そして・・・ 短編「事故物件」より)。
  短編集ということもあって、話としてはコンパクトであり、また各種の怪異について丁寧に謎解きをしてくれるタイプでもありませんが、ホラーとしてそれらはむしろ美点でもあって、恐ろしく正体不明なものがそのままで存在し続けていくことを示唆するラストに仕上げているのも“らしさ”と評し得るでしょう。

【妖しさも感じさせる黒髪スレンダー巨乳の美少女&美女】
  ヒロイン自身が怪異に関わる存在である場合と、怪異の被害者となる場合がありますが、年齢層としては女子校生~女子大生クラスを中核として、20代前半~半ばクラスが加わる陣容。
男性をエロティックに誘惑してくる場合は、怪異に関連した存在であることが多く、ヒロインのキャラクター性をキャッチーに形成するのではなく、妖しげな存在としてか、または怪異の被害者としてごく普通の人物として描くことで、ホラーとしての魅力を高めるキャラクター造形と言えるでしょう。
  短編「アナタノウシロ」「山祇-ヤマツミ-」のように怪物めいた造形の存在が登場することもあり、これらでは美しい女性が異形に犯される恐怖感を形成していますが、どちらかと言えば男女を問わず、分かり易い性的欲望の発露の中に恐怖の存在が忍び込んでい来る話が多く、普通の人間の“愚かしさ”がホラーと結びついてくのも上手さ。
CarefulToRead3 上述した怪異に関わる存在であるか否かによってキャラデザの方向性は多少異なりますが、ほとんどのヒロインは艶やかな黒髪のスレンダー巨乳ボディであって、官能的な女体となまめかしい表情で男性を誘惑する妖しげなヒロインの描き方は非常に印象的であり(←参照 この目の表情、素晴らしい 短編「カワヒメサマ」より)、この蠱惑的な魅力に引き込まれることで怪異にも引き寄せられていく展開はエロスとホラーの融合において肝要な美点。
もちろん、もっちりとした肉感の巨乳&安産型ヒップの存在感はストレートなエロさにつながっており、エロ描写においてもそれらの存在感が実用性の基盤となることで、妖しさの表現だけでなく、エロの満足感にもつながっています。
  丁寧な描き込みを魅せつつも、修飾性を必要以上に高めることなく、黒と白のコントラストに印象深さのある絵柄であり、ホラーテイストに大きく貢献。青年誌作品的な健康的な印象もありつつ、そこにじゅわっと淫猥さが沁みだしてくる絵柄は魅力的で、初単行本ながら安定感も完成度も高いと評し得ます。

【官能的な痴態描写の濃厚感とマッシブな勢い】
  各エピソードのページ数の関係上、たっぷり長尺とは言い難いものの、エロシーンの占める割合は十分に高く、またエロ展開とホラーとしての非日常の浸蝕が無理なく融合しているのも作品としてのバランスの良さや安定感につながっています。
  ヒロインが怪異に襲われる凌辱展開、ヒロインに妖しく誘われ快楽に耽溺していく棚ボタ的な誘惑展開、恋人同士の恋愛セックスや不倫セックスなど、作品によって異なるエロシチュを用意しつつ、それぞれのエロシチュの一般的な魅力に踏み込むというよりかは、それらの行為が如何に怪異やその原因と結びつくかということが重視されたスタイルと感じます。
  蠱惑的な表情を浮かべながら豊満バストと艶っぽい唇でち○こを搾り取るパイズリご奉仕、頬をすぼめてのねっとりバキュームフェラといったヒロイン主導のプレイや、キスや愛撫で肌や粘膜を重ねるプレイも投入する前戯パートは短めのこともあれば、適度に長尺のことも存在し、口内射精や素股からのぶっかけなど基本的には射精パートを用意。
CarefulToRead4和姦・凌辱の両系統において、男女双方が目前の快楽を夢中に貪っていく流れを抽挿パートにおいて明瞭に形成しており、蕩けた瞳で嬌声を上げる官能的な痴態表現に(←参照 乳揺れ、尻わしづかみ、蕩け顔 短編「クモノイ」より)、仰け反りポージングや尻や乳房をわしづかみにするような動作など、マッシブな構図も併せて投入。
この強烈な快楽に飲み込まれていくことが、前述した様に妖しく恐ろしいものに飲み込まれていくことにつながっていく描き方も巧く、強烈な快感の耽溺に倒錯性が沁み込んでいるのも見事で、粘膜描写や液汁描写も含めて、適度な濃密さを生み出しつつ、量的にも質的にも絵柄の魅力を殺さない水準に留めることで、ホラーとしての雰囲気の形成に齟齬がないことも大きなポイント。
  複数ラウンド制の〆は、ビクビクと体を反応させ、アクメ絶叫を上げながら膣内射精を受け止めて時に破滅的なエロスを、時に妖しい喜悦を感じさせる痴態を表現しており、純粋に抜きツールとしても十二分な官能性と濃厚感を誇るエロ描写に一貫して仕上げています。

  ホラーとエロの融合が非常に上手く、異なる様で通底する部分もある妖しさや非日常というエッセンスが調和することで魅力的な読み口を形成しています。レビューが遅れてしまいましたが、大変にお勧めな1冊。
個人的には、妖しく淫猥な美少女に誘惑されるもその正体は・・・な短編「帰り道にて」と、彼女さんと宿泊した温泉旅館で夜の温泉で彼女さんが大胆な誘惑をしてくるも実は・・・な短編「カワヒメサマ」が特にお気に入りでございます。