PureLoveWithHadrSex 咲次朗先生の『トランスジッター-歪な外側-』第1巻(少年画報社)を読みました。異性化症という男性が女性に、女性が男性になってしまう病気が突然起きてしまう世界で、ゲイの少年が女性になってしまう作品でして、自分・相手のパーソナリティそのものに好意を抱きつつも、やはり自分や相手の性が変化した時に、その好意はそのままであり得るのかという何とも重いテーマを、やはり重い筆致で描く意欲作となっております。

  さて本日は、恩田斑奥先生の初単行本『純愛ハードセックス』(ティーアイネット)のへたレビューです。非常に分かり易い単行本タイトルですが、中身もそのタイトルに相応しい作品が揃っております。
誠実な青春恋愛ストーリーとスレンダー巨乳ボディのJK美少女ヒロインがハードに蕩けまくりなエロ模様とが楽しめる作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編で計4作。なお、短編「カナと放課後と賢者の意思」については、描き下ろし後日談がカバー裏に収録されています。また、同短編と「アイトマコト」は話のつながりはほぼ無いものの、同一の世界観を共有しており、両作品のメインヒロインがもう一方の作品で重要なサブヒロイン(エロは無し)として登場します。
収録本数が少ないものの、1作当りのページ数は44~52P(平均49P弱)と商業エロ漫画としては破格の多さとなっており、適度な存在感のあるシナリオワークと大ボリュームのエロシーンが楽しめる仕様となっています。

【登場人物達の誠実さが光るピュアな青春ラブストーリー】
  優れた陸上選手でありつつ、処女であることを気にしているヒロインがコーチのお子さんであるショタボーイにすっかり惚れ込み、ひょんなことから彼とのセックスにお互いが夢中になっていく短編「陸女(淫)ターバル」は、登場人物、特にヒロイン側の性欲は素直に発揮されるタイプの作品で、恋愛モノとしての色彩はあまり目立たないものの、その他の3作については誠実さを感じさせる青春ラブストーリー。
幼少期に言われた言葉をずっと気にしていたヒロインが、故郷を夢のために去る前に、幼馴染である少年とのわだかまりを解消して結ばれる短編「鉄オタ童貞とオサレ系処女。」、真面目に教え子達に接し、彼らをきちんと卒業させようと誠実に取り組む男性教師と彼に惚れた教え子を描く短編「カナと放課後と賢者の意思」、自分の容姿や能力にコンプレックスを持つ少年が憧れの存在であった黒ギャルさんに告白を断られつつ勇気を出した行動で彼女を振り返らせる短編「アイトマコト」と、男女のキャラの組み合わせ方は様々。
  故郷やそこにある鉄道への愛情、教師としての責務に対する実直さ、自分へのコンプレックスとそれを乗り越えようとする勇気、一途で直向きな恋心、他者を認めて受け入れる優しさに率直な感情と性欲など、色恋沙汰を含めて登場人物達の誠実な在り方が表現されることで、善男善女が結ばれることの安心感があるシナリオワークと評し得るでしょう。
PureLoveWithHadrSex1彼ら彼女らの恋路には、人間関係における誤解や後悔、はたまた性的なことへの羞恥や躊躇い、自身へのコンプレックスといった要素が阻害因として機能しつつ、それを乗り越えていく青春のエネルギー感が魅力となっており(←参照 好きな人とやっと結ばれての表情 短編「カナと放課後と賢者の意思」より)、喜怒哀楽の感情描写をビビッドに表現するのもストーリーとしての魅力を高めています。
また、ストーリーとしての独自性が強いタイプではないものの、ページ数の多さもあって登場人物達の関係性を丁寧に掘り下げており、前述した関係性の阻害要素とその解消を作劇として印象付けることに成功しています。
  コミカルなオチを迎える短編「陸女(淫)ターバル」に対し、他3作品は恋愛関係の成立の幸福感と共に、登場人物達がそれぞれの人生を歩み続けていくことをポジティブに表現しており、話としての健康的な印象が特徴のシナリオワークと総括できるでしょう。

【バスト&ヒップのエロさが目立つスレンダー巨乳ボディのJKヒロインズ】
  男性キャラについては、ショタ系年下ボーイにクラスメイト男子、年上の男性教師と作品によってそれぞれ異なりつつ、いずれの作品もJK美少女さんで固定された陣容。
主人公に対してグイグイ迫ってくる女の子や、優秀で気が強いクール美人さん、年上男性を翻弄する女の子など、全般的にヒロイン側に展開の主導権があるのですが、そういった“強さ”や“積極性”の裏に、彼女達なりの悩みや躊躇いといった“弱さ”があることが表現されることで、人物描写に奥行きを与えているのが明確な美点。
この点は男性キャラクターにも共通しており、やはり彼らにも悩みや戸惑い、コンプレックスといったものがあって、キャラとしての思春期らしさを打ち出していますし、それらをヒロインと相互に分かち合うことで恋愛関係が成立するという描き方も真摯と言えます。
PureLoveWithHadrSex2  ボディデザインとして等身が高いことに加え、ショタ系キャラを中心として身長の低い男性キャラが多いこともあって、ヒロインの背の高さを対比的に印象付けており、この体幹にすらりとした四肢、巨~爆乳クラスのバストと豊満ヒップを組み合わせています(←参照 スレンダー巨乳黒ギャル! 短編「アイトマコト」より)。
バランスよく端正に整えたボディデザインというよりかは、バスト&ヒップの強い存在感を前面に押し出すスタイルですし、大粒乳首や濃いめの陰毛標準搭載の股間など、体パーツ描写の淫猥さも明瞭なタイプ。
  初単行本ながら絵柄の統一感は十分に高く、印象としては表紙絵とほぼ完全互換。細やかな描線を十分な密度で織り込んでいく絵柄は、健康的な色気や可愛らしさをヒロインに付与する一方、後述する様に濡れ場で一気に描線の勢いや乱れを強めてヒロインの痴態を濃密に描くことにつなげています。

【アタックの強い演出を高い密度で投入する長尺の濡れ場】
  ページ数の大半をエロシーンが占めるような作品構築ではなく、導入パートやセックスのその後の顛末などにも十分な尺を設けるスタイル。とは言え、前述した様にそもそものページ数がかなり多いこともあって、濡れ場のボリューム感は標準を優に上回ります。
  周囲から隠れながらの羞恥系セックスや、気の強い黒ギャルさんに圧倒されるちょっと被虐的な状況など倒錯性をエロシチュに織り込んでくることもありますが、いずれにしても和姦エロであって、欲望や感情が解放される高揚感や幸福感を基調とするエロシチュが揃っていると言えるでしょう。
PureLoveWithHadrSex3日常パートでは健康的な色気や、一定の繊細さを感じさせる表情描写などをする一方で、エロシーンでは作画密度を更に高めた上で、描線の勢いや荒さを敢えて出す絵となっており、汁だくボディの強い存在感やぐしゃぐしゃに乱れた表情付けなどを密度高く画面に詰めてハイカロリーなエロ描写に仕上げています(←参照 短編「陸女(淫)ターバル」より)。
正確なデッサンを敢えて追求せずに、お尻や結合部を極端に強調する構図、最奥までのピストンのマッシブさを打ち出す念入りな描写の断面図と濁音メインの力強い擬音の組み合わせ、蕩けまくった状態でのアヘ顔やアクメを迎えての仰け反りポージングなど、視覚的なインパクトの強いエロ演出・構図を多用しており、やや詰め込み過ぎと感じることはありつつ、シンプルに威力の高い大ゴマと情報量を高める各種小ゴマをバランスよく組み立てています
PureLoveWithHadrSex4  これらの演出スタイルにおいて特徴的なのが、汗や愛液などの豊潤な液汁描写に加えて、フィニッシュでのアクメやその後の追撃描写といったシーンにおける潮吹き・お漏らし描写であり、股間から勢いよく噴出する描写でヒロインの絶頂快感の強さを表現しています(←参照 黒髪清楚スレンダー巨乳美少女のアクメお漏らしだ!! 短編「鉄オタ童貞とオサレ系処女。」より)。
エロシーンの分割構成を採る場合もありつつ、そのケースも含めて複数ラウンド制であり、一部を除いて前戯パートと抽挿パートの双方に射精シーンを投入し、特に後者では1回目の射精から更にボルテージを上げての2回目の射精シーンに突入するなどパワフルな構成。フィニッシュは2P見開きを基本としており、前述した蕩けきった表情&台詞と潮吹き描写でアクメ痴態を彩っています。

  看板に偽りなく、純愛モノでハードなセックス描写であり、そのどちらにもしっかりとした存在感と魅力があると評し得るでしょう。今後に大変期待が持てる作家さんと感じました。
個人的には、自分自身にコンプレックスを持つ少年の頑張りが報われて、クールな黒ギャルさんとラブラブに~な短編「アイトマコト」が最愛でございます。