PoisonInTheHeart たべ・こーじ先生の『ピンサロスナイパー』第2巻(日本文芸社)を読みました。悪人誅殺ものに加えて、今回はヒロインの過去との因縁に絡んだ話もあって、その決闘シーンも熱かったですし、裏方二人の活躍もかっこよかったですねぇ。
あとがきの作品解説、特に漫画で再現したかった元ネタに関する解説は興味深く読めて、作品タイトルの誕生秘話とかもありますので、是非ご一読を。

  さて本日は、東雲龍先生の『毒ある花の甘い蜜』(ワニマガジン社)のへたレビューです。先生の(成年向け)前単行本『セックスガールフレンズ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
柔らか肉感ボディの美女達がインモラルなシチュやアブノーマルなプレイでぐしゃぐしゃに蕩ける痴態を陰陽様々な雰囲気でお届けな作品集となっています。

PoisonInTheHeart1  収録作は、本社の営業のエースである主人公は営業成績一位の支店に研修として異動させられたが、実は普段は地味な事務員ながらセックス中毒な女性に性接待をさせることでその営業成績を叩き出していることを知ってしまい・・・!?なタイトル中編「毒ある花の甘い蜜」全4話(←参照 普段は地味なヒロインが性接待の場では妖しく輝き・・・ 同中編第1話より)、上司としての立場もあってアルバイトの女の子からの告白を断った店長の男性であるが、それをキッカケに彼女が見知らぬ男とセックスをしている画像や映像が彼女から送られてきて・・・な連作「天使の片思い」前後編、および読み切り形式の短編5作。
1話・作当りのページ数は12~20P(平均17P強)と控えめな部類。中編作も含めて、作劇の存在感は強くは無く、十二分な密度を伴ったエロシーンに集中できる作品構築で安定していると感じます。

【シチュエーションやプレイの倒錯性を明暗それぞれの方向で】
  前単行本に引き続き、アブノーマルなエロシチュや倒錯的な関係性といった要素を特徴する作劇が多く、恋愛感情をベースとしたラブコメ的な展開の中でそれらを扱う作品もあれば、欲望の暴走であったりほの暗い感情であったりが介在するダーク&インモラル系の作劇も存在。
 タイトル中編に関しては明瞭に後者であり、普段の真面目で地味な印象とは異なり、性接待の場では妖艶な痴態を振りまき、また主人公を挑発するような言動をするヒロインと、彼女への調教行為に加担し、彼女を支配する様な暗い欲望に身を浸す主人公との対比を作品の縦糸としてストーリーを構築しています。
PoisonInTheHeart2この中編作に加え、叶わぬ片思いのために別の男性との性行為を録画して主人公に送り付け、その欲望を引き出してくるヒロインを描く連作「天使の片思い」でも(←参照 生ハメセックスビデオレター 同連作前編より)、男性キャラクターは性的に優位に立っているようでも、実はヒロインによってその欲望を引き出され、容易に御すことの不可能な存在と相対しているのだということを示しているのがインモラル系における明確な特色となっています。
  短編群については作品によってコンセプトが様々であり、生で中出ししたいが結婚するまでは我慢するべきと考えている彼氏さんがアナルセックスでの生中を希望してカップルで後ろHに挑戦することになる短編「彼氏君の残念なオネガイ」といったラブコメ寄りの雰囲気で恋愛感情をベースとする作劇もあれば、自分をストーキングしてくるヒロインを凌辱してしまう短編「快感アプローチ」といった欲望任せの展開も存在。
短編群については、プレイやエロシチュとして背徳感や倒錯性を持たせたものを用意しつつ、登場人物達が信頼関係を深めたり、その願望が叶ったりと、ポジティブな読後感を残すまとめ方に収束するのが基本となっています。
 各種のエロシチュやプレイそのものを軸とする作品構築であり、展開としては一定の強引さを厭わないスタイルであるため、話そのものの面白みや存在感には欠ける印象はありますが、とは言えスムーズにエロシーンに導入した上で雰囲気の盛り上げを図るという役割を適切に果たしています。

【バスト&ヒップの柔肉の存在感が強い綺麗なお姉さん系ヒロイン】
  お店の看板娘として男性客にも大人気な連作「天使の片思い」のJKヒロインを例外として、女子大生クラス~20代半ば程度と思しき年齢層が主力で、綺麗なお姉さんタイプの造形がメインとも言えるでしょう。
淫猥な本性を隠し持つ地味系メガネ事務員さん、押しに弱いものの意外に強かな面もあるストーカー娘、クーデレ的な側面もある気の強いお姉ちゃんにツンデレ気質でこれまた意外に押しに弱い彼女さんなど、多彩な設定・性格のヒロインを投入しつつ、普段の勝気であったりクールであったり、地味であったりな様子がエロシーンでは官能的に乱れまくるという王道的な魅力を備えたキャラ造形は共通しています。
  キャラ設定が多彩であることもあって、キャラデザインの方向性も多彩で地味で清楚な印象の容姿から、クールな印象の強気美人、華やかさと可憐さのある美少女キャラなど、特に導入パートにおいて個々の設定らしさを感じさせた上で、それをエロシーンで乱れさせるという前述のギャップの形成に寄与させています。
PoisonInTheHeart3  豊満バスト&ヒップに締まったウェスト、やはり柔らかい肉感のある太股を組み合わせた女体設計は、バスト&ヒップを中心とした柔肉のボリューム感の強調が特色であって、薄目の陰毛を標準装備する股間と併せてストレートなエロアピールのある女体が揃っています(←参照 ドスケベボディのストーカー娘さん 短編「快感アプローチ」より)。
 少女漫画~TL系の雰囲気を有する絵柄は、綺麗なお姉さん的な女性キャラクターの美しさの側面を重視しつつ、前述のエロボディの組み合わせで独特のエロティックさを持たせるスタイル。キャッチーさとエロさの濃厚感の両立において求められる水準がとにかく高い現在においては、やや好みが分かれる可能性はありますが、エロシーンを中心とした十分な作画密度や絵柄の印象の統一感は安心材料と言えるでしょう。

【十分な高密さのエロ演出でヒロインの乱れっぷりを強調】
  ページ数の関係上、たっぷり長尺の濡れ場を期待するのは避けるべきではありますが、エロシーンの占める割合は十分に高く、次第に興奮が高まっていく中での感情や欲望のエスカレートが行為に勢いを付与しています。
 ヒロインの肢体を好き勝手にする乱交や調教チックなシチュエーション、姉弟の近親セックス、アナル開発に主従プレイ&セックス公開の羞恥プレイ、痴態見せつけビデオレター等々、話としての明暗は前述通りに様々ながら、各作品においてアブノーマルなシチュエーションやプレイが用意されています。
 アナル開発や業奉仕パイズリ、性玩具等も用いながらの性感帯責めなどの前戯パートに十分な尺を持たせるケースもあれば、冒頭から抽挿パートを展開しつつそこに手数として他のプレイを重ねていくケースも存在しますが、この段階ですっかりと発情して股間をぐっしょりと濡らした状態になることは共通。
ヒロイン側が誘惑して開始されることもあれば、辛抱堪らなくなった男性が強引に挿入して開始されることもありますが、いずれにしても柔らか肉感ボディをピストンの快楽で征服するストレートな煽情性を喚起。ヒロインの羞恥心や蕩ける変容を引き出す上では有効ではありつつ、独善的であったり普段の大人しい印象と異なるエロ弁慶的な印象があったりなど、男性キャラの印象については好みが分かれるかもしれません。
PoisonInTheHeart4  各種淫液に濡れる秘所や唇、舌といった液体描写と粘膜描写の組み合わせ、比較的露骨な結合部見せつけ構図、描線が細やかである故にエロシーンにおけるヒロインの表情の“乱れ”が強調される蕩け顔など、各種エロ演出に十分な密度を持たせて痴態描写に濃厚感を付与するのは、この作家さんの強みの一つ(←参照 中編「毒ある花の甘い蜜」第4話より)。
前戯パートに射精シーンを設けることもあれば、フィニッシュまでタメを設ける1回戦仕様というケースもありますが、いずれにしても尺の関係もあって勢いの強さで突き進んでいくスタイル。大ゴマメインのフィニッシュについては、中出しを基本としつつ、敢えての外出しやアナルフィニッシュ、それらの組み合わせなど、作品によってバリエーションがあります。

  作劇の方向性が様々であることもあって、単行本としてのスタイルのまとまりに欠く印象はあるのですが、個々のエロシチュやプレイの倒錯性や背徳感を上手く料理した作品が揃っているのも確かで、雑食派の諸氏にはそこも魅力と言えるでしょう。
個人的には、実はビッチで挑発的な地味系メガネ美人ヒロインを好き放題にする愉悦を覚えながらもむしろ快楽に飲み込まれていたのは・・・な中編シリーズが抜き的に最愛でございました。