MilkyMemory TVアニメ『さらざんまい』第5話「つながりたいけど、許されない」を観ました。元々無理のある計画とは思っていますが、ここまであっさりかつ劇的に正体が露見することになるとは・・・という展開の衝撃と、一稀の行動の理由の重さで今回もズンと胸に来る話でした。
今回のカパゾンビ、カレー戦争を引き起こして最終的にブラックカレーを作りそうな外見で笑いました。

  さて本日は、鈴玉レンリ先生の『Milky Memory』(コアマガジン)の遅延へたレビューです。先生の前単行本『rainy bride』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
カップルさん達の優しく穏やかな恋愛模様と程好い熱気と興奮で包み込むラブラブHが楽しめる作品集となっています。

MilkyMemory1  収録作は、普通の生活を望み、何不自由ない生活から抜け出して一人暮らしを始めた名家のお嬢様であるが、条件としてずっとお付きである執事の男性と同居することになっており、彼女は彼のことが好きで普通の恋愛をしたいヒロインは如何に!?な中編「ディア マイ バトラー」全3話(←参照 主従ではなく普通のカップルになりたい 同中編第1話より)、家族同然に過ごして、なんとなく結婚することも当たり前のように感じていた幼馴染の男女が成長するにしたがってそれを意識して・・・短編「幼なじみの行く末」+描き下ろし後日談(8P)、および読み切り形式の短編8作。
なお、短編「たまには、私から」「まけじと、私も」「夢のごっこあそび」については中編と同一世界観であり、ヒロインの友人が別の作品でメインヒロインだったりします。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は16~20P(平均16P強)と控えめな部類。話としては小粒ではあるのですが、むしろそれが魅力につながる作劇であり、濡れ場についても量的には控えめながら質的な満足感を感じさせます

【“普通”の感情や幸福を大切にする温和なラブストーリー】
  いずれの作品も甘く穏やかな雰囲気のラブエロ系であり、既にカップルであったり長い付き合いであったりする男女の関係性を描く分、恋愛関係の進展にドラマ性を持たせるというよりかは、二人の睦み合いにエロシーンを含めて集中しやすい作りとなっています。
この方向性において、カップルさんが海やお祭り、旅先の温泉などなど夏のイベントとエッチを楽しむ短編「よくばりサマーダイアリー」、映画館デートの後にエッチをするカップルさんを描く短編「リアリティロマンチスト」など、言ってしまえば“エッチをするだけ”のお話も存在しています。
MilkyMemory2  だからと言って作劇として単調になったり退屈になったりしないのは、語り回しの良さというこの作家さんの長所であって、普通に憧れるヒロインの中編作も含め、好き合う男女が共にいて、共に色々なことを楽しんで、共にエッチしてという“普通”なことが当人達にとってかけがえのないことであって、彼ら彼女らの幸福につながっているのだという善良で優しい筆致が示されています(←参照 “普通”のデートを楽しむ“普通”のカップルとしての大切な幸福 短編「リアリティロマンチスト」より)。
 登場人物、特にヒロイン側の心理描写を丁寧に追わせており、繊細さを自己主張する様な語り回しではなく、ちょっとしたことに心が動いたり気付きがあったりする親しみ易く自然な情動が描かれているのも素敵と感じる点。
ページ数の都合もあってコンパクトな作りではありますが、それ故に等身大の幸福感を打ち出すラブエロ系としてむしろ適度な尺であり、続き物の中編作にしても話のドラマ性を重視するよりも、主従関係から互いに素の感情を表出していくことで恋人としての関係性が深まっていく流れをゆったりと追わせるスタイルになっています。
 二人の甘いラブラブ感やら好きな人とのエッチを貪欲に求める高揚感などを有するハッピーエンドは、微笑ましい印象のものが多く、ラストまで柔和な雰囲気を保っています。

【キュートフェイス&程好い肉感の女体な女子大生ヒロインズ】
  恋や性に戸惑いも見せる瑞々しい純粋性を感じさせる女子校生ヒロインも一部に登場していますが、基本的に女子大生クラスで統一されたヒロイン陣であり、男女の付き合いにおいて性愛に対するリアクションに落ち着きがあるのは一つの特徴。
  エッチの時は絶対に灯りを消す恥ずかしがり屋な彼女さん、年下の彼氏君と交際を始めるも男性経験が少なく処女で内心はドキドキしっぱなしな年上彼女さん、大人しそうに見えて実はちょっとドMでエッチな眼鏡美人彼女さん等々、それぞれ異なる魅力やキャラ性を持ったヒロインが揃っています。
分かり易いキャラクター属性に沿わせたキャラメイクではないのですが、芯の強さや優しさ、素直な性欲などを備えた恋人としてのヒロインとして造形されており、それが如何にも自然に引き出されていることも含めて、男性にとってのある種の理想的な存在としても描かれているとも感じます。
MilkyMemory3  程好く落ち着いた大人の色気を感じさせることもあるものの、女性的な可愛らしさを基調とするキャラデザインであり、そこに形の良い美巨乳を含めて適度な肉感のあるボディを組み合わせており(←参照 短編「ほんものVR」より)、キュートネスとエロさの調和が魅力になっています。
 ふんわりと柔らかさ・軽さを感じさせる絵柄は、休刊してしまった『ばんがいち』らしいスタイルで、前述のヒロインの可愛らしい印象をあざとく感じさせずに引き出しています。ベテラン作家さんらしく絵柄は安定していますが、描線の濃淡は作品によって少しだけ変化させているとも感じます。

【程好い濃厚さのエロ可愛い痴態描写】
  ページ数が多くなく、またエッチに至るまでの流れにも一定の尺を割いたり、複数のエロシチュによる分割構成だったりすることもあるため、たっぷり長尺の濡れ場を期待するのは避けるべきと言えるでしょう。
 VRで彼女さんに似たヒロインにキャラエディットしたエロゲーをしながら彼女さんとエッチをするという変則的なシチュの短編「ほんものVR」、彼氏さんに執事のコスプレをして貰って主従の禁断の恋プレイな短編「夢のごっこあそび」など、変則的な味付けをしたエロシーンもありますが、これらもあくまで双方の恋心や恋愛感情故の独占欲などを引き出して、二人をよりラブラブにするためのものであって、素直にラブラブHを楽しむ他の作品と雰囲気は共通しています。
 尺に余裕が無い分、抽挿パートの尺を確保するために前戯パートは短めにまとめることが多いですが、柔らかおっぱいでのパイズリやフェラ、ヒロインの乳房や秘所を丁寧に愛撫して淫蜜を溢れ出させる行為など、相手を気持ちよくしようとする気持ちがこもったプレイとして描いており、キス描写なども併せてラブラブ感を高める要因。
MilkyMemory4  前戯パートは比較的穏やかで双方に一定の余裕も感じさせる描き方であるのに対し、抽挿パートにおいてはぐっと陶酔感を高めており、トロトロに蕩けて火照った表情付けにハートマークを散りばめた嬌声やラブい台詞回し、適度なアタックの擬音使いに男女の肌の密着感の強調などで(←参照 中出しを強調する台詞回し 短編「夢のごっこあそび」より)、ヒロインが蕩け、男性側も行為に夢中になる状態を描き出します。
ちゃんとした交際である故に、ゴム付きセックスであったり外出しを選択したりすることもありますが、メインとなるのは生中出しで、柔肌だけでなく粘膜でも男女が絡まり合った状態で、エロ可愛く中出しアクメを迎えるヒロインの痴態と断面図での射精アピールな描写を大ゴマで提供してフィニッシュとしています。

  軽く柔らかい読み口でありつつ、味わい深さもある恋愛ストーリーであって、抜きツールとしての量的な物足りなさはありつつもエロ可愛い痴態描写にも魅力があります。
個人的には、彼女さんの変な提案でのVR装着エッチからラブラブHに収束する短編「ほんものVR」と、“普通”のカップルの幸せHな短編「リアリティロマンチスト」が特にお気に入りでございます。