LoveAndSelfishnessAndLust TVアニメ版『世話やきキツネの仙狐さん』第4話「なぜ休日に仕事をせねばならんのじゃ!?」を観ました。本当に・・・なんで、なんで休日に仕事をしないといけないんですかね・・・。私も仙狐さんに甘やかされて素直に甘えて喜んで貰って尻尾をモフモフさせて貰って同衾したい~~!!(濁った瞳
説明書を読む時のメガネ着用仙狐さんもちょっとおばあちゃんテイストも出て可愛かったです。

 さて本日は、大波耀子先生の『おねえさまの愛と我儘と欲情と』(海王社)のへたレビューです。先生の前単行本『ヨメビッチ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
繊細な心の機微で魅せる大人の「ラブ」ストーリーと年増美人が熱っぽく蕩けるエロ描写とが楽しめる作品集となっています。

LoveAndSelfishnessAndLust1  収録作は、本社に移動となった主人公は有能であるが厳しい故に“鬼の平坂”と呼ばれる女性上司の優しさや気遣いに気が付き、素直に称賛と敬意を表することで彼女に気に入られて・・・!?な中編「明日会社で会いましょう」前中後編(←参照 有能女史は決断も速い! 同中編作前編より)、成田離婚してしまった女性の前に現れたイケメン男性、二人は電撃的な一目惚れで恋に落ちるのだが・・・!?な連作「恋は唐突に」前後編+描き下ろし後日談(2P)、母親の入院が長引くことになり、幼少期の初恋の相手である叔母と同居することになるのだが・・・な連作「叔母と甥と罪と罰」前後編、不運が多い男性は妖怪の類が見える体質で血が駄目なせいで長年の空腹に苦しんできた吸血鬼美女と偶然出会うのだが・・・な中編「吸血鬼はSEXがお好き❤」前中後編。
描き下ろしおまけ漫画を除き、1話当りのページ数は16~20P(平均18P)と控えめな部類。とは言え、作劇面に十分な存在感があり、十分な濃度のエロシーンでも魅せています。

【大人達のハートウォーム&ビターなそれぞれの愛の在り方】
  年上ヒロインとの恋愛を描く4作品のいずれもクスリと笑えるコミカルな部分も有しており、読み口の良さを形成していますが、同時にシリアスな要素も含む作品群でもあります。
終盤でシリアスな要素と恋愛ストーリーとしての誠実さを打ち出しつつもドタバタラブコメ的でファンタジー要素を有する中編「吸血鬼はSEXがお好き❤」を例外としつつ、他の3作品は漫画チックなご都合主義と現実的な感情の揺れ動きとの折衷の上手さで魅せるタイプと感じます。
  大波先生の作品では、年上の女性と年下の男性(特に少年)の間での年齢や立場の差を意識的に示した上で、それを乗り越えようとする恋心や、時に断絶を断絶として残す切なさが特徴的なのですが、今回の作品群でもそのスタイルは作劇面において効果的に機能しています。
LoveAndSelfishnessAndLust2年上女性との恋を描く中編「明日会社で会いましょう」や人と妖怪の恋を描く中編「吸血鬼はSEXがお好き❤」はその差異が双方の誠実な恋愛感情によって乗り越えられるストーリーですし、美熟女さんと若い男性アイドルの関係を描く連作「恋は唐突に」や肉親の死をそれぞれ異なる立場で苦しむ叔母と甥の関係を描く連作「叔母と甥と罪と罰」はその差異を尊重することに意味のある作品と評し得ます(←参照 恋の情熱と大人の理性と 連作「恋は唐突に」後編より)。
  特に後者は相応にビターな結末ではあるのですが、いずれにしても明確な人格を描かれたキャラクターの“愛”故のストーリーであることは共通しており、幸福な結末も寂寥感も香らせる結末も相応に説得力を有しているのは優れたシナリオワークと言えるでしょう。
仕事、肉親の死、立場の差異にそれぞれの人生と、シリアスな要素はしっかりとシリアスであり、前述したビターエンドも含めて、あっけらかんとしたラブエロ系をお望みですと好みは分かれるかもしれませんが、落ち着いた筆致と程好くコミカルな表現とで、登場人物達が相手の幸福を願う多様な愛の在り方が優しく描かれていると総括したいところ。

【それぞれの背景がキャラに奥行きを与える年上アダルト美人】
  見た目が若いがかなりの長命である中編「吸血鬼はSEXがお好き❤」の吸血鬼お姉さんをある種の例外としつつ、その他のヒロインは30歳前後~30代後半程度の年増美女達であり、いずれも主人公よりも年上。
普段は厳しいが積極的にクールなデレも示してくれる美人上司、年下ボーイに一目ぼれなキャリアーウーマン、エッチで奔放な叔母さんとエロ漫画的にも分かり易いキャラ属性を持たせつつ、仕事であり離婚を含めた個人の人生設計であり肉親との関係性でありと、それぞれの背景を持たせたキャラクター造形であることが共通しており、その背景が彼女達の愛の在り方を規定することで、一個の人格として奥行きのあるヒロインを形成していることは作劇面における大きな魅力と言えます。
  また、男性キャラクター達についても、ラブエロ系における単なる受益者として描くのではなく、個々人の感情やヒロインに対する想いを掘り下げることで、男女の関係性の描写に丁寧さがあるのも美点の一つ。
LoveAndSelfishnessAndLust3  目元のちょっとした皺などで年増感を打ち出しつつも(←参照 おばさんヒロインのエロい顔とエロい尻 連作「恋は唐突に」前編より)、綺麗なお姉さんタイプの造形にまとめており、おっぱいサイズ控えめな吸血鬼さんを例外として程好い量感の強さがある巨乳&安産型ヒップをお持ちなボディデザインとなっています。
肉感の強さを前面に打ち出すよりかはアダルトな色気感が適度に漂う女体描写であり、喪服やスーツ姿、セクシーなセーターなど、大人の色気感を増す衣装もチョイスされています。
  コミカルなデフォルメ絵も含めて、描線のメリハリなどが絵としてのキャッチーさを生んでいますが、繊細な描線と淡さのある絵作りが特徴的で、胡乱な表現になってしまいますが、女性作家らしさを感じさせる絵柄は、艶っぽさを前面に出した表紙絵よりも落ち着いた印象で単行本を通して安定しています。

【程好い濃厚さでのセクシー美熟女さんの陶酔痴態】
  ページ数の関係に加えて、セックスがもたらすもの以外の比重が大きい作劇でもある分、エロシーンの量的満足感はそれ程強くは無いのですが、とは言えヒロインの魅力を高めた上で、相手を強く求める情感の強さで実用性を底上げするタイプの濡れ場となっています。
 飄々としたやり手の男性に想い人が手ごまにされてしまうかも!?という主人公の妄想での凌辱チックなシチュエーションや、それを経た後に一種の独占欲と双方の恋の情熱が燃えるソフトSMチックなシチュがある中編「明日会社で会いましょう」ではエロシチュに捻りを加えていますが、基本的にはヒロイン側の積極性も発現される和姦エロでまとめています。
このシチュエーションにおいて、前述した男女間の差異、壁を意識させた上でそれにもどかしさを感じながらも、恋愛感情に基づく強い情念が相手の体との接触を強く求め、快楽に溺れながらも情念自体が行為を加速させるという流れを打ち出しているのがセックスに複雑な叙情感を絡ませる特徴と評し得るでしょう。
LoveAndSelfishnessAndLust4  もちろん、大人の余裕を感じさせる年上ヒロインが若い男性の貪欲なピストンに乱れて蕩けた表情を示すという王道的な魅力は備えており、真っ赤に紅潮し潤んだ瞳で嬌声を堪えきれずに漏らす熱っぽい痴態描写と快楽に包まれてビクビクと反応するアダルトボディの存在感で十分な濃密さをエロ描写に打ち出しています(←参照 連作「叔母と甥と罪と罰」後編より)。
美熟女ヒロインのセクシーな魅力を維持しており、エロ演出の強度や密度はそれを阻害しない程度に収めていますが、前述した陶酔感の強い痴態描写や適度な汁気感、ぐしゃぐしゃに蕩けた秘所やふにゃと輪郭が乱れる口腔の表現など、適度に淫猥さを感じさせる描写を交えて実用性を高める意図は明確。
 尺の短さもあって、愛撫やフェラなどの前戯パートに相応に尺を割くと抽挿パートが短いなど、各パート・描写における物足りなさはあるものの、適度に描写を詰め込んだ画面構成によって大ゴマ~1Pフルがメインの中出しフィニッシュへと描写の流れを連結しています。

  約4年ぶりとなる成年向け単行本ですが、この作家さんらしさをしっかりと感じさせてくれるストーリーテリング&エロ描写が楽しめて嬉しかったです。
個人的には、人生色々あったセクシー美熟女さんの恋と愛の形がほんのりビターでありつつハートウォームでもある連作「恋は唐突に」が最愛でございます。