SalivaFullSex  ヤマザキマリ先生&とり・みき先生の『プリニウス』第8巻(新潮社)を読みました。ポッパエアの皇后としての忠義や献身が無下にされてしまった流れはなんともやり切れないですし、ネロの狂気と混迷が深まっていく流れも重苦しいところ。この状態でプリニウスが戻っても何もいいことはないと思うのですが、どう切り抜けていくのか、緊張感がずっと続いていますね。

  さて本日は、毒でんぱ先生の初単行本『よだれえっち』(ヒット出版社)のへたレビューです。セラフィンコミックスのレーベルからの出版ですが、同人誌を初出とする作品となっております。
キュートな口リ顔巨乳ヒロイン・ユキちゃん先生が主人公に翻弄され続けてエロ可愛い痴態をたっぷり提供するシリーズ作となっています。

SalivaFullSex1  収録作は、保育園の保母さんをしているヒロイン・ユキの恋人で天涯孤独の身である主人公・一樹はユキに対する強い独占欲や甘えをもとに彼女にセックスも色々なプレイも要求するのであるが、優しいユキちゃん先生はそれを全部受け入れて蕩けさせられちゃう日々を描く長編シリーズ作全11話(←参照 主人公の全てを受け入れる菩薩めいた童顔ママヒロインなのだ!! シリーズ第3話?「よだれでせっくすキメちゃって!」より)+フルカラーイラストギャラリー(4P)+おまけイラスト集(5P)。
1話当りのページ数は13~24P(平均18P弱)とやや控えめな部類。長編シリーズではありつつ、どちらかと言えばオムニバス形式に近い印象があって続き物としてのストーリー性には乏しいですが、エロシーンの量的・質的満足感は十分に図られています

【ヒロインに欲望を受容されることそのものの幸福感】
  主人公とヒロインのエッチな日々を描くシリーズ作であって、長編作としてのドラマ性や起承転結が重視されたタイプではなく、良くも悪くもエロシチュの形成とヒロイン側のエロ可愛いリアクションの描出に専念した作品構築となっています。
 この関係性において、孤児であった故か恋人に対する独占欲が極めて高い主人公と、それを困りながらも優しく受け入れてくれるヒロインの立ち位置の対比が鮮明であって、前述した様にストーリーとしての進展がほぼ無いために、この構図が終始維持されることは大きな特色。
SalivaFullSex2保母であるヒロインが面倒を見ている幼子たちに対して一種の嫉妬を覚え、ヒロインとの性的関係における受容を強く求め、自分自身のためだけの存在であることを求める主人公の男性キャラについては(←参照 常に“俺だけのユキ”であって欲しい 長編シリーズ第6話?「おしえて!ユキちゃんせんせー」より)、彼の背景が掘り下げられることの無い分、好悪が大きく分かれるであろうことは確かと思われます。
  とは言え、彼に性的な面で翻弄されつつも彼のそういった面も受け入れてあげるヒロインの強い母性や寛大な精神が対比的に強調されていることは作劇面での明確な特色でありますし、そういった関係性であっても主人公のことを最愛の存在であると迷いなく言い切るヒロインの芯の強さが雰囲気の軸をぶれさせない特色であると評して良いでしょう。
  Sっ気の強いイケメン男子に振り回されながら、そのベースとなる寂しさ故の強い甘えの感情を女性的な母性によって受容してあげるという構図は、ある種レディコミ的な様相にも近似しており、前述した様に長編ストーリーとしての抑揚がない分、その構図の印象が先行することが好みを分けている印象は強くあります。
話としての明確な帰結はないのですが、とは言え、ヒロインによる承認という安心感の中で、彼女にエロ可愛い痴態を曝け出せるという嗜虐性を満たすという、大変にドリーミーな状況を強固に維持した作品と総括できるでしょう。

【ちんまいボディに柔らかバストを装備の母性的ヒロイン】

  勤労女性であるい故に成人女性とは思われるものの、面倒を見ている子供達と身長はさして変わらず、ピュア&キュートな言動を示す合法ロリ的なユキちゃん先生の単独ヒロイン制となっています。
 長編シリーズとして話の動きが無い分、彼女のキャラ性にも掘り下げは無いのですが、徹底して母性的でピュアで、困惑しながらもエロ可愛い姿を常に晒してくれるという、いかにも二次元キャラらしい特徴の貫徹が抜きツールとしての実用性の基盤になっていることは確か。
これに対して、主人公の男性キャラである一樹については、ドS系イケメンに属するタイプでありつつ、彼女の母性に対する強い依存とそれが許容されることへの自信があるキャラクターとなっており、前述のヒロインの母性を強く引き出すタイプのキャラで、また明確な悪意があるわけではないものの、自己中心的な印象も先行しており、読み手によってかなり好悪が割れるタイプのキャラ造形であるとは感じます。
SalivaFullSex3  低身長で幼い印象のある顔面でありつつ、その体躯にしては十分な発育を示すバストを中心に肢体のムチムチ感もある、いわゆる“口リ巨乳”的なボディデザインをベースとする肢体造形であって、その柔らかい質感に包まれることでの幸福感を喚起するタイプとなっています(←参照 キュートフェイス&太股のムチムチ感 シリーズ第1話「ロリせんせいーをひとりじめしてよだれでベトベトにしてあまあまえっちをする話」より)。
男性キャラが線の細いイケメンボディであることもあって、そのプニプニとした柔らかさが引き立っていますし、猫耳やら水着やら浴衣やらと様々なコスチュームに身を包んでくれることで、主人公と読者の好意をさらに引き出してくれる仕様も一人ヒロイン制ならではのもの。
  十二分にあざとい萌えっぽさを有しつつ、丁寧な描き込みで洒脱感も打ち出す絵柄はそれ単体で魅力的であって、初単行本ながらも表紙絵と完全互換で安定。殊にヒロインのエロ可愛さを引き出すという点で明瞭な強みを有した絵柄と評し得るでしょう。

【十分な濃度の液汁描写で彩るヒロインのエロ可愛い痴態】
  分かり易くエロメインの作品構築であり、良くも悪くもストーリー性が存在しないこともあって、ページ数以上にエロシーンの存在感が強い抜きツールとして単行本を通して一貫しています。
  色々とゲスな面もある主人公であるため、ラブラブHとしての甘い幸福感を得られるか否かは読み手の嗜好によっても異なりますし、ヒロインを困らせるような羞恥プレイやソフトSM的なプレイもあることは読み口の平穏さにも影響はしているのですが、それらを全て受容してエッチな姿を独占させてくれるヒロインの、欲望の相手としての都合の良さを貫徹した存在感を強調する仕掛けとも評し得るでしょう。
このため、男性側が終始主導権を握るエロ展開となっており、男性側にとって独善的な台詞回しが連呼され、ヒロインの柔らかボディが好き放題にされてしまうという構図において、一定の嗜虐性を有した雰囲気作りがあるのは確かで、その流れにおいてヒロインのいじらしいエロ可愛さを強調していく流れを形成。
単行本や作品タイトルに“よだれ”とある通りに、ねっとりとしたキスの描写やヒロインの乳首や秘所をたっぷりと下で愛撫する描写など、粘膜描写と液汁描写の組み合わせで淫猥さを打ち出していくスタイルは明瞭と言えますが、前述の雰囲気こそ主眼であって、これらのフェティッシュな要素はそれほど前面に出ている印象はありません。
SalivaFullSex4  性的快感にふにゃふにゃに蕩けた熱っぽい表情付けと呂律の回らないハートマーク付きエロ台詞&嬌声、しっとりと淫液に濡れる肢体の表現でエロ可愛さを存分にアピールする痴態描写を形成すると共に(←参照 シリーズ第5話?「よだれせっくすなつやすみ」より)、男性側の嗜虐的な台詞回しとの対比によってヒロインの受動的な可愛らしさを強調する仕様となっています。
涙や涎で濡れる蕩け顔に、淫液の漏れ出す結合部の描写、ねっとりキスなどでトロトロの液汁描写を強調した陶酔描写でフィニッシュへのタメを形成しており、男性主人公の為すがままに中出しへと持ち込まれてしまいアクメを迎えるヒロインの痴態を十二分な濃厚感で打ち出して〆ており、ある種のやりたい放題を貫徹してウハウハ感を打ち出すエロ展開と総括できるでしょう。

  男性主人公の立ち位置がどうしても評価に影響してしまうタイプの作品なのですが、そんなキャラクターも受け入れて蕩けまくるヒロインの魅力が強く先行するのは間違いなく、エッチで優しくて母性的なロリ系キュートお姉さんをお求めな諸氏には福音たる1冊。
個人的には、一樹君のキャラの掘り下げがあるともう少し話に乗り易かったかなぁと思います。