MeltMellow 近藤笑真先生の『あーとかうーしか言えない』第1巻(小学館)を読みました。言葉で上手く吐き出せないものがあるからこそ、それを原稿にぶつけて~という主人公の在り方はグッと来るものがありました。
天才なんだけれども、編集さんとの二人三脚な部分が重視されているのも成長ストーリー的でいいですよねぇ。


  さて本日は、Ken-1先生の初単行本『Melt Mellow』(文苑堂)の遅延へたレビューです。先月末の発売なので2週間ほど遅れてのレビューとなり、申し訳ない。
倒錯的なものも含めて多彩なエロシチュエーションをフルカラーでお届けな作品集となっています。

MeltMellow1  収録作は、女学院の皆が憧れるお姉さまに告白を受け入れて貰ったものの、実はお姉さまは男性で!?な連作「性なるカナ-The secret garden-」前後編+特別編、エッチな誘惑をしてくる従姉のお姉ちゃんに童貞を食べられ、そのことがキッカケで幼馴染の女の子も主人公に積極的なアタックをかけてきて!?な中編「トレラバ」前中後編(←参照 エッチな水着で二人が主人公争奪セックスバトルへ 同中編後編より)、幼馴染の姉妹の姉と付き合うも主人公のことが好きな妹も彼との関係を望んで・・・?な連作「姉×妹」前後編、および読み切り形式の短編・掌編9作。
収録本数は多いものの、フルカラー作品集ということもあって1話・作当りのページ数は4~10P(平均5P強)とかなり控えめ。ページ数の都合上、個々の作品のシナリオやエロに満腹感は無いものの、そこはフルカラーならではの情報量の高さとエロの味付けの特徴である程度補っていると感じます。

【基本的にエロシチュエーションの形成に徹する作劇】
  連作「性なるカナ-The secret garden-」「トレラバ」については各話に8~10P程のページ数がある続き物であるため、一応のシナリオラインが形成されていますが、その他の作品に関しては4P程度の分量であり、ストーリー性を持たせるのはそもそも困難となっています。
このため、作劇の方向性をジャンル分けするのが比較的難しく、エロシチュエーションに関してもその前提となる関係性などがほぼ描けないこともあって、各シチュエーションに対する踏み込みも強くはないと言えるでしょう。
MeltMellow2  とは言え、女装少年がその秘密を打ち明けた少女にたっぷり搾り取られて調教もされちゃう連作「性なるカナ-The secret garden-」シリーズや(←参照 快感に悶絶させられちゃう女装男子お姉さま 同連作前編より)、ソフトSM系のプレイに興じるカップルを描く掌編「淫蕩♥ダイアリー」、彼女の妹さんとの浮気青姦が描かれる連作「姉×妹」など、倒錯性や背徳感を含ませた展開・エロシチュが多いことは一つの特徴となっています。
女性側が積極的にセックスへと誘惑・実力行使してくる棚ボタ的な幸福感を打ち出すケースもあれば、男性側が主導してヒロインの羞恥心などを刺激するケースもあり、この点は作劇の方向性の違いというよりかは、プレイ内容やエロシーンの雰囲気の多彩さにつながる要素と感じます。
 インモラルな雰囲気を持続させて〆るタイプの作品もありますが、基本的にはラブラブなハッピーエンドかそれに類するまとめ方となっており、話としての軽さを保った上で読後感も柔和にまとめるスタイル。全体的にエロシーンの存在感を邪魔しないように設計された話回しと言えるでしょう。

【多彩な設定の巨乳美少女ヒロインズ】
  掌編「人妻コスプレイヤー ヒトミ」に登場する妖艶な人妻ヒロインや掌編「アイカラ~ボクの愛しいアンドロイド~」の美少女型アンドロイドさんを例外として、概ねハイティーン級と思われる美少女キャラが勢揃いした陣容。
MeltMellow3 女学院に通うお嬢様系ヒロイン、エッチな従姉さん、ピュア&キュートな幼馴染、凛々しい水泳部の先輩(←参照 短編「水着の彼女」より)、ご主人様に尽くすメイドさん、ツンデレ系風紀委員な彼女さんなどなど、収録本数の多さもあって、多彩な設定のヒロインを楽しめるのは魅力の一つと言えます。
とは言え、前述した様に作劇の存在感が無い分、キャラの掘り下げには乏しく、続きものである連作「性なるカナ-The secret garden-」「トレラバ」では個々のキャラクター性の魅力を深めていくことに成功しているものの、その他の作品ではキャラ性がつかめない内にエロシーンに突入することも多いのは、実用性にも相応の影響があると感じます。
  ちっぱい&身長低めで未成熟感のある連作「トレラバ」の幼馴染ヒロインやバスケの選手でしなやかなスレンダー並乳ボディである連作「姉×妹」の姉ヒロインなど例外も存在しつつ、マッスたっぷりの巨乳&安産型ヒップを備えた肉感的な女体造形が基本。
加えて、お肌のツヤツヤ感や乳首や秘所といった粘膜描写の色彩にも基づく淫猥さなどはフルカラー作品ならではの、女体描写における明確な武器と言えるでしょう。
  初単行本であることに加えて、初出時期に最大7年程度の開きがあることもあって、絵柄や彩色のスタイルには相応の変化が認められます。直近の絵柄に比較すると古めの作品ではクオリティとして見劣りする部分はあるものの、肌や各種体液の官能性を強く引き出してくるスタイルは共通しており、濃厚感のあるエロ描写に貢献しています。

【アタックの強さと情報量の多さで尺の短さをカバー】
  ほぼ全てのページをエロシーンに振り向けていますが、とは言えページ数の都合上、物理的な分量は少ないのは致し方ないところであって、そこをフルカラー作品としての質的な魅力で補って一定の満足感を生み出すスタイルと言えます。
 前述した様に、倒錯的であったり一定の背徳感があったりなエロシチュが多く、ソフトSMや女装男子被虐シチュ、露出等の羞恥系シチュなどを用意していますが、これまた前述した通りにそれらのシチュエーションとしての踏み込みは弱く、棚ボタ的なラブラブHなどとそれほど印象の差異を感じさせない描き方となっています。
 本数的にメインである4Pクラスの掌編では、前半2Pを前戯パート、後半2Pを抽挿パートに当て、フェラ等のご奉仕プレイがある場合には前戯パートでの射精シーンを投入した上でフィニッシュの中出し描写もあるなど、短い中でも抜き所の数を確保しようとするサービス精神はありがたいところ
MeltMellow4 初出時期やプレイ内容によってもアタックの強さには一定のバリエーションはありますが、アヘ顔チックな表情付けやトロトロに蕩けた表情、ハートマーク乱舞での言葉にならない絶叫、柔肌をじっとりと濡らす液汁描写など(←参照 掌編「淫蕩♥ダイアリー」より)、強烈な快感を物語る強度の高いエロ演出を適度な密度で織り込んで、官能的な女体そのものの魅力と合わさって痴態描写に濃厚感を生み出しています。
 少ないページ数の中に描写量を詰め込む必要があるため、中盤ではどうしても小~中ゴマが多い込み入った画面構成になりがちであり、またエロシーンでも意外に台詞量があるためにこれを目で追う流れのリズムが悪いなど、構成に苦しさを感じることはあります。
とは言え、フィニッシュシーンには大ゴマを用意しており、快感に身悶えしながら白濁液を受け止める痴態を、演出的に十二分な盛り上がりとフルカラーの艶とで彩るラストは抜き所としてハイカ口リーな仕上がりを示しています。

  フルカラー作品としての長所と短所が共に明瞭ではあるのですが、表紙絵の色鮮やかで艶っぽい絵にピンと来たのであれば中身も満喫できると思います。
個人的には、棚ボタ系ラブコメ的なウハウハ感を形成した上でダブルヒロインとのセックスが楽しめる中編「トレラバ」が最愛でございます。