
同盟内部も大混乱なわけですが、こういう時にするっと居ないのが流石トリューニヒトの憎らしいところでございます。
さて本日は、エレクトさわる先生の『雷光神姫アイギスマギアⅡ』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。先生の前単行本『雷光神姫アイギスマギア』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
これまでのバトル展開から一気に話の風呂敷を広げてきたストーリーの躍動感と濃厚感のあるエロ描写の充実が楽しめる1冊となっています。

なお、本作は「PANDRA」シリーズに位置付けられる作品ではありますが、少なくとも前単行本の読了は作品を理解する上では必須と言えます。
1話当りのページ数は12~24P(平均23P弱)と標準的なボリュームで推移。長編作として十分な読み応えを有する作劇であり、またエロシーンの量的・質的満足感も十分に図られた構築となっています。
【お約束的エロバトルからシリアスさを増していく盛り上がり】
前単行本のラストにおいて、オリンピア開催の目的がタイタンズとの戦いに備えることを含んでいることが示されましたが、今単行本では血族達のオリンピアにおける競技としての戦いから恐ろしい敵との戦いへとストーリーがシフトしていくことになります。
敗者には凌辱が与えられるバトルというキルタイム的に王道を踏襲した部分のあるオリンピア編は、エロシチュの多彩さを打ち出すと共に、主要人物達の能力や顔見せの役割を今単行本の中盤までも果たしつつ、トーナメント戦は敢て完結させることなく、より規模が大きくシリアスさのある展開になっており、あくまでこちらの方が本作の主眼であることを感じさせます。
前単行本ではあまり意識していなかったアレスが非常に重要なキャラクターとなってくるのですが、神々の血縁の中でのいざこざやらドロドロ感などは元ネタのギリシャ神話らしさをリスペクトしていると言えますし、各キャラの設定を元の神々からどう翻案したのかを考えるのは作品としての面白みとも言えるでしょう。

その一方で、エロシチュの多彩さや視覚的な豪華さに寄与する部分はあるとはいえ、登場人物が多く、それらの関係性も徐々に複雑になっていくこともあって、シナリオラインをシンプルに追い難い印象があり、じっくり読めるという意味では魅力でありつつ、その割にはオリンピア編から巨人戦争編への移行に強引さを感じるのは個人的には多少の減点材料。
とは言え、多少コミカルさを感じさせるお約束展開もあれば、重厚な設定に基づくシリアス展開もありと、混線はしつつも色々な要素を長編の中で楽しませるエンタメとしてのサービス精神は魅力的であって、これから更に話が盛り上がっていくことを期待させて以下続刊という流れは頼もしく感じます。
【多彩なヒロインを揃えつつ女体のストレートなエロさは共通】
メインヒロインは学園の生徒会長であもる文華であり、今単行本においても彼女のエロシーンはありますし、ストーリー展開においても核となりつつ、年齢層なども含めて多彩な美少女・美女が登場する複数ヒロイン制。

前述した様に登場人物が多く、今単行本で一気に重要なキャラになり、またエロシーンでの存在感を増したアレスや、可愛らしいショタ系の外見でストーリー上非常に重要でりつつ、おねショタ的シチュエーションの形成にも寄与していたゼウスなど、男性キャラクターのデザインや魅力の多彩さも作品全体の面白みにしっかりと貢献。
程好く駄肉感もあるグラマラスボディのヘラ、スレンダー並乳ボディで引き締まったアスリート体型のヘルメスなども加わり、オーソドックスな巨乳美少女ボディやぽっちゃり系重量級ボディなど、ボディデザインも様々に用意されています。
基本的には柔肉の存在感が強い女体が揃っており、体パーツ描写の淫猥さなどもあってストレートな女体のエロさ・存在感が実用性のベースを形成しています。
十分なキャリア故に絵柄は表紙絵と完全互換で安定しており、作画密度の高さはもちろんエロ描写において明確な武器でありつつ、バトル描写であったりキャラクター描写の丁寧さであったりと、作品全体の情報量の増強に大きく貢献しているのも特筆すべき点と感じます。
【エロシチュの多彩さとハードな痴態描写の密度の高さ】
長編ストーリーとしての展開をしっかりと行いながら十分量なエロシーンを投入して無理を感じさせない構成力は流石に長編作を毎度出してくる作家さんらしく、話としての読み応えと抜きツールとしての満腹感が同時に図られています。
オリンピア編でのエロバトルや敗北時の罰ゲーム的なエロシーンは、触手凌辱やちんこ早抜き対決、旦那の目前での寝取られチックなシチュに催眠輪姦など、多彩で相応にハードなシチュエーションではありつつ、あくまで“罰ゲーム的”なそれなので最終的な印象はむしろ軽かったのですが、巨人戦争編になってからはシリアスさが増しているために、エロシチュにおける凌辱色が適度な重さ・アタックを備えてきています。
触手エロにスライム責め、魔法でマジカルち○こを生やしてのレズセックスバトル、ラブラブHでありつつムキムキマッチョ化するアレスによるハードファック、ショタなゼウス様が悪堕ち?したハデスとメーテルのむちむちボディに逆レ○プ&ショタアナル凌辱なおねショタエロなどなど、非常に多彩なエロシチュを有しているのは魅力であり、同時にあまりに広いために特定の方向性を期待する諸氏は要留意。
文華に対する催眠輪姦であったり、敗北したヘスティアへの寝取られチック凌辱などでは複数の男性キャラが登場するため、エレクトさわる作品名物のザーメン大量ぶっかけも投入されていますが、色々と大活躍のアレスを除けば触手エロやレズセックスなど、竿役をあまり登場させずにヒロインの肢体と痴態に集中しやすいエロシーンが多い印象があります。

1話の中に複数のエロシチュ・プレイを入れ込んだり、ストーリー展開の方に意識が強く行ってしまったりして、エロシーンのシークエンスに没入しやすい作りと言い難いケースもあるものの、前述の濃厚な演出とフィニッシュに向けて強烈な高揚感を打ち出していく流れのパワフルさは強力で、演出的な盛り上げも強力な1Pフルのフィニッシュで抜き所としての〆をきっちり果たしています。
お話としては盛り上がりもまだまだこれからという第2巻ですが、シリアスさが高まることで作劇もエロも締まってきた印象があり、次巻以降も多彩なキャラを活かして魅力的で多彩な作劇要素とエロを楽しませて欲しいなと感じます。
作品の評価に完全に関係ない余談ですが、ポセイドン、キャラデザインから絶対も種付けおじさん的な竿役ポジションだと勝手に思っていたのですが、普通に豪快で気風の良いおっさんで意外でした。