ItsNotTooLateYet 石黒正数先生の『天国大魔境』第2巻(講談社)を読みました。桐子お姉ちゃん、少なくとも春希を救出した時点では致命的な怪我をしておらず、頭部の傷を考えると自分の体をハルのために提供したのかと思うのですが、その場合、彼女の脳がどうなったのかは気になりますね。
“天国”の方も“魔境”に劣らず、なかなかきな臭い話になって参りました。

  さて本日は、まじろー先生の初単行本『まだ間に合う・・?』(エンジェル出版)の遅延へたレビューです。1週間ほど遅れてのレビューとなり、申し訳ない。
お馬鹿コメディからヘビィ&ダークな物語まで多彩な作劇で豊満ボディの美人ヒロインがハードに乱れる様子を提供な作品集となっています。

ItsNotTooLateYet1  収録作は、彼氏との旅行中に突如誘拐され、暗い部屋の中で凌辱を繰り返されるヒロインの過去と正体とが彼氏の目前で明かされ、背徳と倒錯の快楽の闇が登場人物達を飲み込んでいく連作「KAIKO」前後編(←参照 清楚だと思っていた彼女は実は・・・ 同連作前編より)、とある理由で子供を預けている園の保母さんに嫉妬した主婦が彼女を催眠凌辱の罠にかけ・・・な短編「モンペママに妬まれて・・・!」+描き下ろし後日談(2P)、および読み切り形式の短編6作+各作品のヒロイン大集合な描き下ろしフルカラー漫画(3P)。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は16~24P(平均23P弱)と標準的なボリュームで推移。ストーリー性そのものには読み応えは無いものの、設定や展開の面白みがある作劇には一定の存在感があり、またエロシーンにも十分な満腹感のある構築となっています。

【お気楽系からヘビィなストーリーまで多彩な作劇の魅力】
  作劇の方向性としては、サバサバ系美人妻さんとのラブラブHな短編「結婚2年目の妻」、酔いどれお姉ちゃんとの棚ボタHな短編「ワルコール」といった明るく楽しい雰囲気から、妖しい人物達が跋扈し、破滅的な倒錯の快楽が織りなされる連作や身勝手な嫉妬が罪のないヒロインを破滅に追い込む短編「モンペママに妬まれて・・・!」など、暗く重い雰囲気のものまで様々に用意
  また、記憶喪失の不思議な少女を保護するも邪心を起こして彼女に嘘のエロマナーを教え込んでしまう主人公を描きつつ自業自得なコミカル&ハッピーエンドに収まる短編「道に迷った女の子と遭遇したら」や、ニプルファックの実現に燃えるマッドサイエンティストによるヒロインの人体改造な短編「パイオツデカイスキーの野望」など、インモラル要素とコミカルな要素の両方が含まれる作品も存在しています。
ItsNotTooLateYet2とは言え、ダーク系でも恋愛ストーリー系でも、それぞれの方向性でしっかり固めた作劇という印象があり、狂気の倒錯が支配していく連作や、旦那の借金のために必死で性的な奉仕に励んでいたヒロインがそのあまりの変容に心変わりした旦那に捨てられることになる短編「人妻奴隷ステージ」など(←参照 心の支えを失ってしまい・・・ 同短編より)、ダーク&インモラル系では、話としての重苦しさや回帰可能なラインを越えてしまった破滅感を含ませることで読み応えを形成しています。
  逆に恋愛ストーリー的な作品では、ラブラブな幸福感やエロのウハウハ感を打ち出した上で、誠実な青春ラブストーリーやお気楽なラブコメ系に仕立ててハッピーエンドやコミカルエンドにまとめており、明瞭にポジティブな雰囲気。
宇宙人やら人体改造やらとコミカル寄りの作品での設定の面白さも含めて、個々の作劇に存在感があって、単行本としてのバラエティ感に大きく寄与しています。特定の方向性の作劇をお望みな諸氏にはネックになる可能性がある分、漫画としての面白みに関して雑食派である諸氏にはお勧めできるスタイルと言えるでしょう。

【巨~爆乳の存在感が強いグラマラスボディの美人ヒロインズ】
  年齢不詳な宇宙人ヒロインなどもいますが、概ね20代前半~30歳前後程度と思しき美人さんが揃ったヒロイン陣となっています。
  作劇の方向性が多彩であることもあって、天真爛漫で地球のことに疎い宇宙人ヒロイン、旦那を信じその身を捧げる貞淑な人妻ヒロイン、勝気でエッチな若妻さん、その身の中に狂気的な倒錯性を有しているハーフ美人な彼女さん、強気美人な女探偵などなど、多彩な設定のヒロインを用意。
これと併せて、金髪&そばかすなハーフ美女やおっとり優しそうな雰囲気の保母さん、年増美人的な色気のある人妻キャラに黒髪ロングの清楚な花屋の娘さんなどなど、各種設定や作品の雰囲気に合わせたキャラデザインの多彩さも魅力と言えます。
ItsNotTooLateYet3  短編「花が咲いたら」の並乳ヒロインを例外としつつ、もっちもちの弾力感を有する巨乳~爆乳と安産型ヒップを組み合わせたグラマラスボディが特色であり、陥没乳首やニプルファックのための爆乳化&乳首開発(←参照 ニプルファックは男の浪漫!(個人差があります) 短編「パイオツデカイスキーの野望」より)、調教における乳房や乳首の変形を伴う責めなど、おっぱいの存在感と関連する描写の充実が特徴的。
爆乳に相応しいデカ乳輪や存在感の強い乳首、むにっと肉厚な大陰唇の股間に艶っぽい唇など、体パーツ描写に十分な淫猥さもあって、均整のとれた美しさを重視するよりかは、女体全体として肉感とエロさをたっぷり含有させるスタイル。
  初単行本ということもあって描線の濃淡などを含めて絵柄には一定の変遷が見て取れますが、質的に大きな落差を感じることはなく、表紙絵が気に入ったのであれば中身の絵柄も問題なく受容できるであろうと思われます。

【女体の存在感の強さと密度の高いエロ演出の組み合わせ】
  エロシーンが分割構成されることはあるものの、シーン間のつなぎは概ね滑らかなのでブツ切れ感はあまり無く、ページ数が十分にあることもあってエロシーンの総量は相応の満腹感を有する水準で安定。
  作劇の多彩さもあって、寝取り調教や人体改造、催眠凌辱に露出エロ、ハードなSMプレイなどインモラル系もあれば、王道のラブラブHや棚ボタ的なエロシチュなどエロシチュエーションの方向性は多彩で、作劇と同様に個々の方向性に比較的しっかりと踏み込みを示しています
  前戯パートに十分な尺を設けることが多く、SMでのスパンキングや凌辱エロにおける拘束しての玩具責め、人体改造における薬物と器具による乳首弄りに無抵抗なボディをたっぷり愛撫してその感触を味わう状況、エッチなお姉さんヒロインによるフェラサービスなどなど、個々のエロシチュに合ったプレイを投入してヒロインの興奮を高めていく流れを形成。
ItsNotTooLateYet4ページ数に余裕がある分、抽挿パートのボリューム感も強く、また豊満ボディの存在感を前面に打ち出した上で、派手な乳揺れ描写や淫語搭載の立て板に水式な実況エロ台詞やハートマーク付きの切れ切れの嬌声、各種擬音の散りばめに興奮で紅潮し、瞳を潤ませる表情など、演出面の濃厚さを加えて質的なボリューム感も形成されています(←参照 トロ顔エロ実況!! 短編「ワルコール」より)。
  前述した豊満バストに精液や汗が絡みついてエロさを増したり、抽挿パートでの潮吹き描写があったりと液汁描写にも淫猥さ、アタックの強さを持たせると同時に、押し開かれる秘所にフォーカスした結合部見せつけ構図で挿入感をパワフルに打ち出しており、コマ割り等も含めてベーシックな手法を丁寧にというスタイルと感じます。
インモラル系を中心にピアッシングや浣腸、性転換を含む人体改造など好みを分ける要素が含まれていることには留意が必要ですが、ヒロインの潮吹きや前戯パートにおける射精なども含めて抜き所を多数含むサービスフルなエロ展開とフィニッシュシーンでの演出の盛り上げの良さなど、抜きツールとしての強みをいずれのエロシチュにも備えさせています

  作劇の方向性の多彩さが、キャラクターやエロシチュの多彩さと密接に関連しており、それぞれに異なる面白みやエロさを感じさせているのが大変魅力的で、個人的にはこのまま色々な方向性にチャレンジして頂きたいと感じます。
ホラー作品らしい唐突な展開から徐々に狂気が支配していくヘビィな読書感の連作「KAIKO」と酔いどれお姉ちゃんがエッチな本性を発揮しての棚ボタファックな短編「ワルコール」が特にお気に入りでございます。