IshukanSexCommunication  林ふみの先生の『異世界ちゃんこ』第1巻(竹書房)を読みました。アイエエエエ!?スモトリ!?ヨコヅナ!?ヨコヅナナンデ!!??と思わず叫びたくなる出だしですが、ファンタジー世界や召喚された横綱の能力といった設定面での作り込みと、美味しそうなちゃんこ描写が光る作品です。

  さて本日は、零覇先生の初単行本『異種姦SEXコミュニケーション』(キルタイムコミュニケーション)の遅延へたレビューです。先月中旬の発売なので、大分遅れてのレビューとなってしまい、大変恐縮ですが、仕事の都合により新刊を買いに行ける状態でないので、いい機会と思って未レビューの山の一角を崩しているい次第でございます。
それはともかく、多彩なシチュエーション・プレイで魅せるインモラルなファンタジーエロが詰まった作品集となっています。

IshukanSexCommunication1  収録作は、ダンジョンで仲間とはぐれてしまった女盗賊は楽々脱出できる能力を有しているのだが、彼女には宝物を見るとどうしても開けたくなってしまうという悪癖があり、次々とトラップにかかってしまうのだが・・・な短編「宝箱オープンシンドローム」(←参照 触手トラップだ! 同短編より)+描き下ろし後日談(6P)、および読み切り形式の短編8作。
描き下ろし作品を除き、1作当りのページ数は12~22P(平均20P弱)と中の下クラスのボリュームで推移。作劇面で一定の存在感を見せつつ、エロシーンをたっぷり見せることに注力した作品構築で安定しています。

【展開・説明に拙さもあるが多彩でユニークな設定構築の魅力】
  作劇の方向性としては、ファンタジー設定の自由度を活かした凌辱エロというキルタイム系らしいものが目立ちますが、同時に戦闘ヒロインが敵の卑劣な罠や人質に屈して次第に快楽に屈していく~というこのレーベルにおける伝統芸とはまた異なる作劇が各種揃っていることが、作劇面での最大の特徴。
IshukanSexCommunication2割合にストレートな凌辱系においても、レイプ犯の男性が神の怒りに触れ、自身が女性に性転換した上で他の男に凌辱される運命を負わされて凌辱されることの心身の苦痛をその身を以て知ることになる短編「神罰直撃!可愛い娘にされてよがらされるオレ」(←参照 同短編より)、国運が掛かった王族同士の勝負で相手を舐めてかかった挙句敗北してわが身を差し出すことになったり(短編「快楽権の代わり」、自身が作り身勝手に捨てていた魔法生物が原因で魔女が聖職者に敗れることになったりと(短編「触手も生物 やさしくね」)、自業自得・因果応報的なシチュエーションが目立ちます
魔物を狩る力をえるために、エッチな代償を負うことになる魔法の鎧を着用し~というのも、善意が予想外の方向で利用されるという意味では凌辱エロ的ではありますが、こちらもある意味では力とその代償という関係であるため、凌辱エロ的な一方向性は弱め
  また、鏡の中から出てきた自分自身の性欲を知る、自身が女性化した存在と欲望を満たしあう特殊な自己性愛を描く短編「ふたりおなにー」は、これまたファンタジーらしい自由度が作品のユニークさと密接に関連した作品と言えます。
  作品の世界観や能力などの各種設定の面白さでシナリオワークの面白さを出す分、一定の読み応えを生んでいるのですが、同時に設定の“説明”に冗長さがあったり、序盤でのインパクトに比して話の展開が強引であったりするため、読みのリズムの悪さという、悪い意味での“読み応え”が導入パートに生じているのは、小さくない減点材料です。
守っていたものを喪失することになったり、終わることのない凌辱が続くことを示唆したりなバットエンド系をメインとしつつ、快楽堕ち系を中心として、良くも悪くも重苦しさや破滅感が強くないまとめ方も多く、作劇の方向性・雰囲気の多彩さに寄与しています。

【巨乳ボディの多彩なファンタジー美人ヒロインズ】
  ファンタジー世界の住人であったり、女体化ヒロインであったりするため、年齢層の把握が難しいのですが、大半を占めるのは20歳前後~半ば程度に見える綺麗なお姉さんタイプの女性キャラクター。
  呪印を操る魔女、魔物の精液を力の源としながら魔物を倒すモンスターハンター、宝箱をどうしても開けたい女盗賊に森を守るエルフなどなど、ファンタジーらしい設定の女性キャラクターが多彩に揃っているのは、前述のシナリオとその設定の多彩さとリンクしています。
  等身高めですらりと美脚と腕が伸びる体幹に、たっぷりサイズの巨乳と安産型ヒップ、鏡面仕様の股間を組み合わせた女体設計で統一されており、殊更に特徴的な要素がない分、幅広い層にとって強いセックスアピールのあるタイプ。
IshukanSexCommunication3また、一定のグロテスクさのある触手やら、小汚いおっさんやらと絡ませることで、ヒロインの美しさや女体の柔らかさなどが更に強調されているのも明確な特徴と言えるでしょう(←参照 いわゆる“触手鎧”に身を包まれて 短編「触手の永久就職」より)。
  女性キャラクターの描写については、その美しさやエロさにしっかり注力している一方で、おっさんキャラや各種魔物キャラなどの描写はかなり拙く、設定の説明などでは漫画の絵というかパワポの図形みたいな描写などもあり、細部の描写の拙さ・粗さが全体の絵としての評価を押し下げているのは残念に感じるところ。
初単行本ということもあって、絵柄には一定の変遷が認められ、表紙のフルカラー絵と比較して線の不安定さなどを感じることはありますが、オーセンティックなアニメ/エロゲー絵柄の訴求層は幅広いと思われ、またエロシーンを中心にしっかりと描写の密度を打ち出そうとする姿勢も一貫しています。

【強烈な陶酔感と女体の存在感で画面を埋める濡れ場】
  十分な尺のある濡れ場となっており、性行為の進展によるエロシーンの分割構成などもありますが、それでもページ数に一定の余裕がある分、構築の窮屈さはなく、複数ラウンド制の濡れ場としてサービスフルな仕上がりを見せています。
IshukanSexCommunication4  ヒロイン側が同意していない、また一定の同意をしていたとしても過剰な行為が加えられるという意味で凌辱系のエロシチュエーションがメインとなっており、女性としての自分に責められる自己性愛でり、被虐性愛であるという特殊なシチュの短編「ふたりおなにー」を例外としつつ、触手凌辱(←参照 触手レズセックスだ! 短編「触手も生物 やさしくね」より)、異種姦孕ませ、脅迫しての奉仕強要に極ストレートなレ○プといったエロシチュが用意されています。
  触手による全身愛撫や、ヒロインが屈辱を感じながらも強制されるフェラやパイズリでのご奉仕など、前戯パートに十分な尺を設けてねっとり感を出すこともあれば、サクサクと抽挿パートに投入することもあり、前戯パートと抽挿パートの比率はケースバイケース。
ピストンしながら荒々しく揉みしだかれる巨乳の描写や、汁があふれる結合部のストレートな見せつけ構図など、女体描写の存在感を打ち出しつつ、口の輪郭がふにゃふにゃになったり、瞳がうるんだり、頬が紅潮したりな濃厚感のある蕩け顔で、彼女達を包む快楽の強さを明示
エロ演出の密度の高さは美点でもありつつ、触手エロなどを中心として画面が過密で、エロ描写として見せるべき要点が定まりにくいことや、カットインや局所アップ的な小ゴマの配置が過密であったり逆に過疎であったりと、コマ単位でもページ単位でも画面構成に整理が行き届いていないのはマイナス要素。
これに加えて、性器関連を中心とした粘膜描写の淫猥さの乏しさも改善すべきポイントと感じますが、ともかくエロ演出として十分な盛り上がりが図られた中出しアクメフィニッシュまで、ガツガツとした勢いで進む力強さは抜きツールとしての信頼性を高めていると評したいところ。

  初単行本ということもあって、作劇・作画の両面で改善すべき要素を多々あると感じますが、同時にどちらの面でもしっかりとした美点を有した作家さんであるとも感じます。
個人的には、現代の知識が皆無なせいで、自分自身にとんでもない呪印をつけてしまった魔女さんのエロ受難な短編「淫らな印のインモラル」に愚息がお世話になりました。