HappyCheerfulSoGood  古日向いろは先生(原作:Alexandre S.D. Celibidance氏)の『サクラクエスト』最終第5巻(芳文社)を読みました。非常に丁寧なコミカライズ作品で、ほのぼのとコミカルで優しい雰囲気を保ちながら、過疎化・地方の衰退というシリアスな問題に主人公が真摯に直面した様子をしっかりと描いていました。ラストはアニメでも本コミカライズでも感動しましたね。

  さて本日は、メネア・ザ・ドッグ先生の初単行本『明るく楽しくキモチよく』(コアマガジン)の遅延へたレビューです。発売から2週間ほど遅れてのレビューで申し訳ありません。
お馬鹿で純なヒロイン達とのにぎやかなドタバタ模様&そんな彼女達がエロ可愛く乱れるエロシーンが詰まった作品集となっています。

HappyCheerfulSoGood1  収録作は、スクールカースト上位で容姿端麗&華やかな人気者のヒロインは幼馴染である主人公の前では我儘な素の表情を見せるのだが、超苦手なホラーゲームをプレイしてしまった上に親が旅行に出かけてしまうため、主人公に一緒に居てくれと懇願して・・・!?な中編「傍にいなさい!」シリーズ全3話(←参照 普段は横暴な幼馴染ちゃんが 同シリーズ第1話「今夜だけは傍にいなさいっ」より)、および読み切り形式の短編5作+各作品のカップルさん達大集合な描き下ろし後日談(15P)。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は24~28P(平均25P弱)と中の上クラスのボリュームで推移。ストーリー全体としての読み応えには乏しいですが、その上で登場人物たちの会話で形成する展開の面白さはしっかりとあり、その上で適度な満腹感のある濡れ場を提供する構築で安定しています。

【お馬鹿でドタバタでそれ故に愛おしい青春ラブコメ】
  作劇の方向性としては、コミカルな要素の強いラブコメディであって、単行本タイトル通りに“明るく楽しい”雰囲気こそが身上。
  互いに好意を寄せながらやはり互いに素直になれない幼馴染ボーイ&ガール、彼女さんとエッチしたい彼氏君と恥ずかしがり屋故にセックスに応じられない彼女さん、レ○プ願望があるので顔が怖そうな主人公(めちゃくちゃ善人)を拉致ってプレイを敢行しようとするお嬢様、エロ漫画で得た知識をさも自分の体験のように吹聴する女子にそれに呆れている幼馴染男子と、男女の関係性そのものにコミカルさがあって、両者の掛け合いでテンポのよいシナリオラインを形成していきます。
HappyCheerfulSoGood2  登場人物たちの言動は、賑やかでお馬鹿ではあるのですが、素直に表出されていく彼ら彼女らの感情や性的欲望は非常に伸びやかであって、コミカルな雰囲気の中から恋愛ストーリーとしての甘味や誠実さ、それ故の幸福感を感じさせるシーンをスッと描き出してくることで、誠実なラブストーリーとしての鮮やかさを生み出していると評したいところ(←参照 締まらないけど、それで二人はよいという描き方 短編「触れ合えなければ死ぬしかねえ!!」より)。
  踏み込んで評するのであれば、冷静になって考えれば馬鹿げたこと、下らないことであっても、当事者である若者達にとっては大事で、悩み、心が乱れ、そして相手を強く求めてという激しい感情を生むのは、それこそ若者の特権であって、そのことへの懐古や親しみを呼び起こすという、青春ラブコメの一つの醍醐味をしっかりと踏襲した作劇スタイルと個人的には評したいところ。
  ラストまでコミカルさを保ちつつ、決してラブエロ模様を軽く扱わないスタンスも維持されており、色々あっても掛け替えのないベストマッチな二人の幸福な関係性を称揚するハッピーエンドでまとまっており、読後感のポジティブさ・微笑ましさも大きな魅力と言えるでしょう。

【スレンダー感が強いしなやかなボディの美少女さん達】
  短編「ヤバそな女」の暴走系ドMお嬢様は20歳前後かと思われますが、その他のヒロインは女子校生~女子大生級の美少女であることが作中で明言もしくは分かり易く提示されています。
中身は意外にヘタレかつ横暴な人気者美少女、お馬鹿&ドスケベな元気娘、いろいろと残念な要素の多い美人お嬢様に見栄っ張り故に迷走する幼馴染ガールなどなど、皆さん漫画チックに楽しいキャラクターが揃ったヒロイン陣と言えるでしょう。
お馬鹿でトンデモな要素を有する彼女達が、素直な恋愛感情を自覚し、またそれを異性に対して表出すること、および馬鹿でスケベな男子たちも、ヒロインへの確かな愛情やそれに基づく性欲を表出することで、男女が明確な相互認証を果たし、セックスの性的快楽も増長するという描き方は、青春ラブエロ系としての誠実さを担保していると評しても良いでしょう。
HappyCheerfulSoGood3  ヒロインによっておっぱいサイズには、ほとんど無乳から巨乳クラスまで幅がありますが、等身高めでスレンダーさのあるデザインは共通しており、すらっとした美脚や腕のしなやかさと全体的に抑え目なバスト&ヒップの肉感との組み合わせは(←参照 短編「ラストチャンス!」より)、端正さが魅力の肢体表現であると同時に、やや読み手を選ぶ印象はあります。
  初単行本であることに加え、初出時期に最大で3年ほどの開きがあるため、絵柄の印象には一定に変遷があるのは確かですが、コミカルな表情付けなども含めて絵柄の自由闊達さがある分、定点観測的な絵柄の評価を重要視させないタイプであって、ヒロイン達のチアフルな感情描写や適度な甘味のエモーショナルな描写など、漫画チックな楽しさと感情の表現力の高さを共に味わえる技巧があると評したいところ。

【十分なアタックの強さでパワフルに突き進む和姦エロ】
  登場人物達の掛け合いの楽しさが魅力であることもあって、エロシーンへと至る流れを重視する分、たっぷり長尺の濡れ場を期待するのは避けるべきという印象ですが、個々のエピソードに適度なボリュームがある分、濡れ場の量的な物足りなさは感じません。
  作品全体の雰囲気こそコメディ色が明瞭で、エロシーンでもコミカルな要素が存在しないわけではないのですが、そもそも素直な感情や性的欲望が曝け出され、互いにぶつけ合った上で受容されるという構図のパワフルさが優越している分、コミカル成分が実用性を阻害することは無いと個人的には考えます。
とは言え、明け透けで素っ頓狂な会話がエロシーンの中でも行われるのは確かであって、その点が一種の生々しさなり、漫画チックな楽しさに直結していると評し得るので、コメディ要素が濡れ場にあると抜きに集中できないという諸氏は要留意。
  ヒロインのスレンダーボディを愛撫したり、恥ずかしがりながらのフェラや手コキを味わったりな前戯パートにもある程度の尺を設けつつ、ともかく相手とつながりたいというストレートな願望が駆動する抽挿パートに十分なボリューム感を持たせたエロ展開がメインとなっています。
HappyCheerfulSoGood4瞳にハートマークを浮かべたり、頬を真っ赤に染めたりな陶酔感の強い表情付け、乱れた描き文字で表現されるエロ台詞の絶叫、最奥までの抽挿感を強調する断面図や透過図に乳揺れ描写やストレートな結合部アップ描写など、十分にアタックの強いエロ演出・構図を揃えており、男女双方が快楽を求めて交じり合うアグレッシブなセックス描写と噛みあって実用性を高めています(←参照 短編「ヤバそな女」より)。
  複数の射精シーンを擁する多回戦仕様の濡れ場のフィニッシュは、アクメ快感への強い陶酔を浮かべる表情に、ハートマーク付きの絶叫、男女の肢体の密着感のある正常位などで構成されており、ラブエロ系としての高揚感がしっかりと図られたエロシーンとして貫徹されていると評したいところ。

  あとがきで、担当編集氏に“終ぞ「エロかった」とか言われなかった”と書かれていますが、抜きツールとしてのアタックはしっかりとあり、また青春ラブコメとしての神髄もいい意味でのお馬鹿さの中で形成されていると評したいところ
個人的には、残念美人系お嬢様の夢が叶って良かった短編「ヤバそな女」と、お馬鹿で元気なスケベガールの健気?なラブエロアタックが楽しめる短編「触れ合えなければ死ぬしかねえ!!」が特にお気に入りでございます。