FlowersBloomAllOverTheWorld  TVアニメ版『うちのメイドがウザすぎる!』第1話「うちのメイドがウザすぎる!」を観ました。沼倉さんボイスの深刻な口リコン趣味なマッチョ眼帯美人メイド・つばめさん、キャラが濃過ぎでございます。
金髪美幼女・ミーシャちゃんが二階の自室から一階の居間へ駆け降りるシーン、実に眼福でございました。

  さて本日は、荒田川にけい先生の初単行本『おひさまはまわる』(ワニマガジン社)の遅延へたレビューです。発売から2週間ほど遅れてのレビューで申し訳ない。
異国情緒のあふれる多彩な設定を有するヒロイン達の、人としての普遍的な性愛を描いた味わい深い作品集となっています。

FlowersBloomAllOverTheWorld1  収録作は、父親の仕事の都合で日本の田舎に引っ越してきた少女・エリーカと田舎暮らしに退屈していた日本人少年の恋を描く短編「六畳間のエリーカ」(←参照 このふんわりとした笑顔が素敵 同短編より)+描き下ろし後日談(7P)、および読み切り形式の短編9作。
描き下ろし作品を除き、1作当りのページ数は16~20P(平均18P強)と控えめな部類。ストーリー面に一定の存在感を持たせた上で、質的・量的に程好いボリューム感を有するエロシーンを組み合わせた構築で安定しています。

【多彩な異国情緒と感情や性愛の普遍性】
  日本を含めた世界各地を舞台に少女達の性愛を描く作品集であり、作劇の方向性は多彩であって、それぞれ異なる味わいがある短編集と評してよいでしょう。
  或いは日本の田舎、或いは米国の都市、或いは氷州の漁村、或いは越南の山中、或いは南洋の小島に暮らす人々を描く中で、その舞台設定故の異国情緒を醸し出しながら、彼ら彼女らの喜怒哀楽を、国や男女、老若の違いを超えた普遍的なものとして描き出しているのが大きな特色と言えるでしょう。
FlowersBloomAllOverTheWorld2孤独感や閉塞感、或いは思春期らしい素直な性欲や純粋な愛情、一種の嫉妬や背伸び等々、少女達がセックスへと至る流れは様々であり、またそれが単純に男性にとってのウハウハなハッピーエンドへ結びつくことは無いものの(←参照 “きっともう会えないよ。でも・・・” 短編「ナオミに続く海」より)、それらの性愛が彼ら彼女らにとって決して“無駄”なものではないという、優しい視線が保たれていると評し得ます。
  話として強いドラマ性を持つわけではないものの、幸福にしても不幸にしても、それが“普通”にありうべきものとして描かれる分、登場人物達にとっては相応に重要なものであって、登場人物の情動を丁寧に追わせることによって読み応えを生み出すシナリオワークと感じます。
“すぐ戦争と貧困にぶち当ってうわっネタにできねえ!ってなるんです。世界はまだまだ戦争と貧困にまみれているんだ。(中略)世界が平和じゃねぇとエロ漫画も描けやしない”とは作者のあとがきでの弁ですが、国籍も年齢も性別も越えて、共感できる喜びも悲しみも人にはあるのだというスタンスは、“戦争と貧困”を克服し“平和”へと至るために必須の美しい物語であると評して良いでしょう。
  寂寥感のあるまとめ方から、ほのぼのとしたラブラブエンド、不器用にすれ違いながらも相互に認め合う関係性、確かな絆を結びながらの別離など、作品のまとめ方も様々ですが、土地であり過去であり家族でありと何かに縛られながら、同時にそこから自由であろうとする人々が描かれていると評しても過言ではないでしょう。

【小さな肢体とその胸中をめぐる伸びやかで純粋な感情】
  国によって学校教育の制度が異なるために何とも言えない部分がありますが、日本で言えばJC級と思しきロー~ミドルティーンの美少女達でほぼ統一された陣容。
  天真爛漫な日本の田舎暮らし金髪北欧美少女、ピュアで優しくてそれでいて芯の強さがあるチベット系ガール、“お姉ちゃん”として主人公を可愛がる褐色肌の南国美少女にしっかり者である様で、心の中に悲しさや孤独を積もらせるクールなアメリカンガールなどなど、多彩なヒロイン達を用意しつつ、過度に属性で固めるのではなく、様々な感情の動きに若者のそれとしての普遍性を持たせていることが作品としての美点でしょう。
FlowersBloomAllOverTheWorld3ヒロイン達の民族衣装や、土地土地の風景など、キャラデザインも含めて異国情緒を感じさせる描写に魅力があり、その上で単なる綺麗な風景として切り取らず、そこに生きる少女達の苦悩や孤独感とも関連付けたり、土地に縛られる閉塞感と関連させたりした上で(←参照 極光の舞う大空を見ながら 短編「オーロラひめのシルエ」より)、彼女達自身がどう在りたいかというシナリオの流れを形作っていくのも、作品の魅力であると感じます。
  やや年齢層が上と思われる短編「ナナさんの背比べ」のヒロインであるナナさんはトランジスタ・グラマーな巨乳の持ち主ですが、その他のヒロインについては、ちいさな肢体に無乳~膨らみかけバスト、寸胴気味なウェストにパイパン仕様の股間を組み合わせたロリ色が明確なボディデザインで統一。
初単行本ということもあって、絵柄には一定の変遷が認められるものの、表紙絵から感じられるふわっと柔らかな印象やそれと密接に関連する少女達の愛らしさはいずれの作品の絵柄でも共通しており、表紙買いしても特に問題はないでしょう。

【小さな肢体が熱っぽい快楽に染まる解放感と背徳感】
  ページ数としての制約に加え、セックスに至るまでの流れを丁寧に描写するスタイルや、性描写としてのアタックを強くすることを指向するというよりかは、少女達それぞれの感情や在り方の現れとしての性愛を描いているため、必ずしも抜き特化の構築とは言い難いのも確か。
  その一方で、様々なキャラデザの外国人美少女さん達が、その素直な感情と共に美しい裸体を曝け出し、雰囲気の陰陽はありつつも肉体的な快楽に心身を染めていく様子そのものに強い官能性・背徳感があるのは確かであって、その点が実用性のベースを形成しています。
  ヒロインが小さなお口で太い肉棒を迎え入れるフェラや、小さな肢体の性感帯への愛撫といったプレイで前戯パートを形成し、白濁液の放出や秘所がぐしょぐしょになる様子などで同パートの抜き所を設置。
処女でありながらも男性を受け入れること、はたまた年端もいかない身でありながら既に処女ではないことが明示されることなど、ヒロインの設定に応じた背徳感を明示しながら抽挿パートへと移行し、小さな肢体が熱っぽい快楽に包まれていく様子を活写。
FlowersBloomAllOverTheWorld4  演出スタイルとしては、比較的抑え目なタイプであり、ふにゃんと蕩ける表情付けに、快感や興奮に包まれた台詞回しで表現する陶酔感をエロ描写の中核に据えつつ(←参照 短編「クラリスのウェディングドレス」より)、ロリ系ボディそのものの背徳感やパイパンま○こが剛直で押し開かれている結合部のアップ描写や見せつけ構図のストレートなアタックの強さも過剰にならない程度に組み合わせています。
ちっぱい揉みやキスなど、一定の手数を稼ぎながらも、むしろシンプルに腰を使って相互に快楽を高めていく、寡黙でありつつエネルギッシュなシークエンスで抽挿パートの後半を形成しており、キュッと瞳を閉じ、こらえきれない嬌声を漏らすアクメ痴態を正上位や対面座位で見ながら白濁液を放出するフィニッシュを大ゴマメインで投入して〆としています。

  多彩な舞台設定と普遍的な情動との組み合わせというコンセプトが非常に魅力的な作品集であり、明暗いずれでも読み手の琴線に触れる情動をさらりと織り込んでくるセンスの高さに痺れました。
個人的には、つらい現実を生きる少女に“映画”みたいな幸福がちゃんと現実として付与される短編「サラ・オン・ザ・ビデオレター」と、美しく広がる夜空の光景と少女の心の閉塞が強烈なコントラストを描く短編「オーロラひめのシルエ」が特にお気に入りでございます。