FuckBitchesHard  南勝久先生の『ザ・ファブル』第15巻(講談社)を読みました。組長が死亡フラグを立てまくっていたのでもしかして逆に・・・と思っていたのですが、仁義の人だったので残念です。佐藤には山岡-砂川ラインを粉砕して仇を取ってほしいですが、色々と因縁のある“マツ”がカギになりそうですかね?

  さて本日は、コバヤシテツヤ先生の(成人向け)初単行本『牝豚、ぶち犯す!!』(クロエ出版)のへたレビューです。ほのぼのとした雰囲気の『まんがタイムきらら』系列の四コマ漫画作品を描いておられた作家さんなのですが、何がどうしてこうなった感は正直あります。
それはともかく、悪意と狂気が支配する中でヒロイン達が苛烈な性的行為とバットエンドに沈み込んでいくハードな凌辱・寝取られエロとなっています。

FuckBitchesHard1  収録作は、若い頃の荒れた性生活から足を洗い、優しい旦那との婚約を果たして新たな生活を送る幸福を噛み締めていたヒロインは、彼女の荒れた生活の原因であったゲスなチャラ男と再開してしまい、過去の自身への負い目もあって彼の為すがままに玩具にされてしまうことに・・・な中編シリーズ作全3話(←参照 二人の家に押し入られて 同シリーズ第2話「Nasty Trash Rage」より)、妊娠できないことに悩む兄と兄嫁が特殊な性行為で妊娠率が上がると信じ込み、変態エロ漫画である主人公の性生活への参加を依頼することで主人公の積もり積もった兄嫁への恋愛感情が暴走な連作「妊活家族」前後編、子宝祈願の神社として高名な白鴉神社の巫女に志願した少女を待っていたのは狂気の孕ませ儀式で・・・な短編「白鴉の巫女」+中編シリーズのスピンオフでもある描き下ろしフルカラー後日談(4P)、および読み切り形式の短編「いもうとサクリファイス」。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は20~34P(平均28P強)と平均値としては標準を上回るボリュームで推移。シナリオワークとエロとが絡み合った上でストーリーとしてもエロ描写としても強烈なインパクトを叩き出しているのは間違いありません。

【ヒロインの幸福と尊厳を踏み躙る無慈悲な凌辱展開】
  表紙絵と単行本タイトルから察することが出来る通りに、明確な凌辱エロであって、ソリッドな欲望や悪意がヒロインをどん底に突き落としていくダーク&ヘビィな作劇が連発されており、この路線で貫き通した著者の胆力を先ずは称賛すべきと感じます。
荒れた生活から救い出してくれた旦那と幸福に生きていくことを誓った女性が、過去の男に玩具にされ、幸福な関係をズタボロにされ、凄惨な結末を迎えることになる凌辱&寝取られ作品である中編シリーズを筆頭として、単に性的欲望によって身体が蹂躙されるだけでなく、ヒロイン達のアイデンティティや登場人物の善意が損壊させられる故の胸糞悪さが充満しています。
FuckBitchesHard2  お兄ちゃん大好きな妹を金儲けの道具としてしか見ない兄(←参照 短編「いもうとサクリファイス」より)、自身がボロボロにした相手を再び性玩具として扱うチャラ男、兄嫁への想い故に暴走し、彼女の心身を破壊することになる義弟など、悪役である登場人物達は、真っ当な人間の情や倫理観を持ち合わせない者として存在感を放っており、生じた惨禍に対して向き合ったり、報いを受けたりしないことも、良くも悪くも読み口の悪さ・重さに直結しています。
  ストーリー序盤でコミカルな雰囲気を打ち出すこともあるのですが、そこからの地獄絵図への転落に対するある種の前フリであって、ストーリー展開における前フリとしてのタメには欠けますが、“上げて落とす”的な効果は相応に発揮されています。
いずれも明確に将来への禍根と惨禍の継続を示すバットエンドで閉められており、当人たちだけであればまだしも善良な人間や次世代にも悪影響を残す故の後味の悪さは非常に強く、凌辱系の作品に耐性がある諸氏も精神的に不良な時には読まない方がよいでしょう。

【美から醜へと変容していくスレンダー巨乳ボディ】
  登場人物の年齢層としては20代半ば~後半クラスの綺麗なお姉さんタイプと、概ねハイティーン級と思しき美少女さんとに分けられ、それほど明瞭な年齢的描き分けはないものの、前者は落ち着いた色気感を、後者は若者らしい華やかさを持たせたキャラデザインとなっています。
過去を断ち切って新たな幸福をつかもうとする女性、愛する旦那の赤ちゃんを欲するあまりに変態チックなプレイに挑戦な兄嫁、お兄ちゃんラブな妹ヒロインに巫女さんに憧れるピュアな美少女と、ヒロイン陣はそれぞれ善良さを感じさせるタイプで、それが序盤ではコミカルな雰囲気にもつながることもありますが、基本的には前述した極悪人達には良い餌食とされてしまいます。
  すらりと伸びた美脚もあって等身高めのスレンダーボディに巨乳&桃尻&比較的濃いめに陰毛の茂る股間を組み合わせた女体設計が基本であり、しなやかな印象が先行するもののボディの凹凸が比較的ハッキリしている分、バランスを整えるというより各体パーツの主張を目立たせるタイプと感じます。
FuckBitchesHard3妊娠によるボテ腹化、焼印を押されての腹部の淫紋、寝取られの進展に伴う清楚な外見からギャルっぽい外見への変容、鼻フックや鼻の孔への指の挿入など、清楚であったり華やかであったりなキャラデザインを大きく変容させることが多く(←参照 清楚な新妻だったのに・・・ 中編シリーズ第3話「Never Trust Rape」、バットエンドへと向かって“取り返しがつかなくなる状態”をヒロインの肢体をもって視覚化していきます。
  比較的角度をつけたシャープな描線で独特の萌えっぽさとデフォルメ感を形成する絵柄は、なるほど00年代にきらら系列で活躍した作家さんらしいと感じるタイプのものですが、そこに適度な重さ・濃さを重ねることでTI/クロエ系らしい絵柄になっていますし、全体的に重苦しい作劇の雰囲気ともよくマッチしています。
ただし、表紙絵のフルカラー絵と中身の絵柄には一定の差異を感じますので、店頭であれば裏表紙を確認することをお勧めします。

【凶悪なレベルで塗り込められるハードな演出と行為】
  明確にエロメインの構築であり、またエロシーンの進展や行為の過激化そのものがストーリーラインを形成していることもあって、作劇との相乗効果で性描写のインパクトを高めることに成功した構築となっています。
  凌辱エロとして一貫させつつ中編シリーズや連作など寝取られ系のエロシチュを組み合わせた作品が目立っており、ストレートな欲望の炸裂以上に、ヒロイン達の女性としての、また人間としての尊厳を踏み躙るような構図が目立っており、後述するプレイ内容の過激さを相まって、読み手を強く篩分けするタイプのエロシーンと言えます。
輪姦、イラマチオ、首絞めセックス、異物挿入によるアナルや性器の拡張、女体への噛みつき、出産ショーや脱膣などなど、プレイ内容としてもかなりハードなものが揃っており、苦痛と快楽とが混じり合った上で、両者が判別不能なただただ強烈な感覚がヒロイン達の身体を猛然と駆け抜けていくアグレッションで濡れ場をゴリゴリと推し進めています。
FuckBitchesHard4強烈な行為が強烈な感覚を生じさせるというスタンスが明瞭なエロ描写となっており、アヘ顔というか、意識を喪失しつつあるような表情付けに、もはや言葉にならない悶絶ボイスや半狂乱に連呼する台詞回し、台詞も擬音も濁音メインでアタックの強さを打ち出された上での高密度など、禍々しさを感じさせるレベルの演出を伴った痴態描写は、一種ホラー的でさえあります(←参照 連作「妊活家族」前編より)。
  兎角、勢いで押しまくる分、エロシーンとしての緩急や抜き所へのタメの確保といった部分で不足を感じることはあるものの、過激で過剰なエロ演出を伴う、激しい行為が否応もなく継続されていくシークエンスには猛烈な勢いがあるのは間違いなく、実用性の高低は読み手の嗜好に依るとしても、ヒロイン達を待つ苛烈な末路が如何なるものなのかという不安・哀悼によって読み手の意識を引き付け続けるエロシーンになっていると評し得ます。
  中出しフィニッシュでのオーソドックスな畳み方とは異なり、様々な形式で狂気や憎悪、悪意が噴出するラストとなっており、この点も読者によって評価が割れる点だとは思いますが、ともかく強烈な感覚にヒロイン達が支配され、悶絶しながら精液を内に外に浴びる無様な様子を提示して、過酷な展開の一応の〆としています。

  かなり読み手を選ぶタイプの作品揃いで、例えばhal先生などに近いタイプの狂気性・苛烈さを感じる作劇・エロシーンでした。
個人的には、実用的読書に使いやすいとは思えなかったのですが、とはいえ、寝取られエロと凌辱エロのハイブリッドにして、当然そうあるべきの破綻が最終盤で凶悪に炸裂する中編シリーズに度肝を抜かれました。