MilkyTime  TVアニメ版『はるかなレシーブ』第8話「約束守ってみせるから」を観ました。例えパートナーは変わっても、かなたと成美の約束はしっかりと保たれていること、クールに見える成美の中でも、それが大事なものであることが、色々な意味での“別れ際”において、よく伝わるいい演出でした。

  さて本日は、牡丹もちと先生の『ミルキータイム』(ワニマガジン社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『学校でイこう!』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
明るくお馬鹿なコメディと美巨乳ボディの端正な美しさがたっぷり堪能できるエロシーンの作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編・掌編で計11作。なお、短編「ハメスクール!赤面組」は、前単行本に収録の短編「ポンコツネメシス」の続編的な作品ですが、話のつながりはあまり無いので、該当作を未読でも理解に支障は無いでしょう。
フルカラー掌編「ビッチ・オン・ザ・ビーチ」(4P)を除き、1作当りのページ数は16~24P(平均19P)と控えめながらコンビニ誌初出としては標準的な部類。コンパクトで軽快な読書感ではありつつ、ギャグ・コメディとしての存在感はある作劇であり、また質的・量的に程好いボリューム感のエロシーンを備えた構築となっています。

【お馬鹿テイストの軽快なノリでテンポよく進む作劇】
  スケベ心にダイレクトヒットな棚ボタエロ展開や、青春ラブエロ系としての伸び伸びとした幸福感なども備えつつ、作劇スタイルの根幹を為すのは、いい意味であっけらかんとしたお馬鹿テイストで駆け抜けるコメディであると評し得るでしょう。
MilkyTime1  手品や自動車レース、フィギュアスケート、麻雀などの専門用語をエロ台詞に投入して、妙なインパクトを打ち出してくる言葉遊びの面白さが大きな特色ですが、その他にもヒロイン側の勘違いによるラブ&エロの暴走模様、名作麻雀漫画の数々のパロディ(←参照 元ネタ(『哭きの竜』)では三槓子・嶺上開花なのですが、アガリ牌は同じイーワンという細やかさ 短編「トぶが如く」より)などなど、コメディとしての楽しさを形成する要素を様々に取り揃えています
また、間違うことなくコメディ・ギャグ漫画なのですが、登場人物達がふざけているわけではなく、それなりに真剣に奮闘している中で、滑稽な状態や台詞が飛び出てくるというシチュエーションに読み手をクスリと笑わせるくすぐりがあると評し得ます。
  丁寧な心理描写で登場人物のキャラクター性を掘り下げるスタイルではありませんが、コミカルな展開において、会話の応酬やトンデモな状態へのリアクションに重きを置いた構成となっている為、その中でヒロインのキャラクター性が魅力的なものとして印象付けられる流れになっているのも小さくない美点であると言えるでしょう。
各作品のラストは、しょーもない(褒めてます)ギャフンオチやら、脱力系エンドやら、キ○肉バスターが炸裂やらとコメディとしてのスタイルを貫徹するものとなっており、前述した様にラブエロ系の甘味やラブ&エロに奮闘する若人の健気さなどに由来する読み口の良さはありつつ、あくまで可笑しさ・楽しさを重視した作劇で通していると総括し得ます。

【二次元的な華やかさと端正さのある多彩な設定のヒロインズ】
  女子校生級と思しき美少女さん達も複数名存在しつつ、女子大生~20代半ば程度と思しき綺麗なお姉さん達が過半数を占める陣容。とは言え、両者に年齢的な描き分けはあまり無いと感じます。
MilkyTime2  グイグイ誘惑してくる一途な黒ギャルさん、実はすごくいい子なヤンキー娘、天然気味ながらエッチには積極的なバニー衣装の手品助手(←参照 短編「プレイステージ」より)、ちょっと高慢なレースクイーンに、邪まなスパルタ特訓を健気に頑張るバレー部主将などなど、多彩な設定のヒロイン陣となっており、その設定を絡めた言葉遊びやギャグエロ展開を投入しているのが作品としての明確な特徴。
もちろん、学校の制服にお正月の着物姿、レースクイーンやバニースーツ、フィギュアスケートのレオタード、エッチな水着やバレーボールの競技用衣装などなど、設定に合わせた様々な衣装をチョイスして、視覚的なバリエーションと華やかさを生み出しています。
  ボディデザインとしては、乳首サイズ控えめなもっちり弾力感の美巨乳に、これまた柔らか肉感の桃尻、適度に締まったウェストとパイパン仕様の股間を組み合わせたタイプで、乳尻のストレートなセックスアピールを中心として幅広い層に訴求できる肉感ボディが勢揃い。
女体描写として、体パーツ描写の適度な淫猥さや肉感の打ち出しは行いつつ、エロさを強調するスタイルというよりかは、艶っぽい髪の毛の表現などと併せて、均整の取れた女体の美しさを重視したスタイルと言えるでしょう。
  絵の濃淡や描線の強弱をしっかりと付けた上で細やかな描線を高い密度で組み上げる絵柄は、二次元的な華やかさ・美しさをクドクならない塩梅で醸し出す“綺麗な絵”としての印象が強く、この絵でお馬鹿なコメディをするというギャップが一つの魅力。前単行本に比して絵柄の統一感は大幅に高まっており、表紙絵との印象の差異はほぼ感じません。

【熱っぽさを打ち出すエロ演出と柔らかボディの存在感】
  ページ数の関係上、長尺とは言い難い濡れ場ではありますが、サクサクとエロシーンに突入しているため、濡れ場の占める割合は十分に高く、前戯・抽挿両パートにバランスよく尺を割り振ってそれぞれに射精シーンを用意したり、抽挿パートでの射精連発展開を用いたりと、抜き所を複数設けたサービスフルな構築ではあります。
MilkyTime3  抜きツールとしてのエロ描写としてしっかり確立しつつ、前述した様に言葉遊び的なギャグ要素がエロシーンの台詞回しにも多用されているのは(←参照 “イナバウワーになっちゃう” 短編「プリンサセ・オン・アイス」より)、明確に楽しさとしての美点ではあり、意外にエロのインパクトの打ち出しにも貢献しつつ、読者の嗜好によっては抜きに集中しがたいと感じる可能性は多少考慮すべき点かもしれません。
(ヒロインの勘違いによる)セックスバトル的な展開、隠れながらの羞恥系シチュエーション、エッチな罰ゲームシチュなどもあり、全般的に甘いラブラブ感は乏しいので、そこらをお求めな諸氏には物足りなさを感じるかもしれませんが、基本的にはポジティブな快楽全能主義的な和姦エロでまとまっているので、実用的読書を楽しみやすい空気と言えます。
  もっちりバストの存在感がある分、前戯パートではパイズリの投入率が高く、またむにゅんとした感触を密着したり、手で揉んだりで感じられる描写も用意。お尻の存在感もありますが、前戯パートに引き続いて抽挿パートでも揉んだり揺れたり顔を埋もれさせたりと、美巨乳の存在感や質感を主張させています。
MilkyTime4  前述した様に、端正なエロさ&美しさを主眼とするボディデザインと絵柄であるため、エロ演出としては派手なものや過度な水準は用いておらず、熱っぽく蕩けて潤む表情付けに、乱れた描き文字で表現される搾り出されるような嬌声などの演出を、綺麗なエロボディの存在感を中核とした上で、適度な密度で重ねていきます(←参照 蕩けるレースクイーンさん 短編「マッパGOGOGO」より)。
蕩けた表情とおっぱい、結合部をセットでお届けな主観構図による臨場感の打ち出し、しなやかな肢体全体の見せ方とそれに付随する局所アップや断面図など、情報量とアタックの確保がバランスよく為されており、大ゴマメインの中出しフィニッシュまでページ数以上のボリューム感を形成していると感じます。

  お馬鹿で楽しいノリのコメディと、きらびやかな美少女さんが熱っぽく蕩ける官能描写との不思議なケミストリーが今回も楽しめる2冊目となっています。
個人的には、ピュアで一途な黒ギャルさんの突撃Hな短編「コムギ色テンプテーション」と、『哭きの竜』好きには至る所に散りばめられたパロネタに爆笑な短編「トぶが如く」が大変お気に入り。