KanameDateOne  高遠るい先生の『はぐれアイドル地獄変』第7巻(日本文芸社)を読みました。異種格闘試合として美味しいネタを沢山持ちながら出し惜しみせず、長引かせず、一番美味しい部分をしっかり出してスパッと勝敗を決めていく展開が見事ですね。
あと、マリア・ルイーザのブラジリアン褐色尻、素晴らしいですな!

  さて本日は、流一本先生の『かなめDate』上巻(ヒット出版社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『貢姦情献』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
思春期ボーイズ&ガールズの解放感のある性愛模様が徐々にダークな快楽の毒に浸されていく作品となっています。

KanameDateFirst1  収録作は、ボーイッシュな少女・西園寺かなめは自身が可愛らしいタイプでないことがコンプレックスであったが、友人の少女・栞の助けもあって、意中の少年・透君との交際を始め、彼とのセックスも充実していたのであるが・・・なタイトル長編第1話~第8話(←参照 初々しい少年少女の幸せなカップル 長編第3話より)+予告編的な掌編の第0話(4P)。
第0話を除き、1話当りのページ数は20~28P(平均24P弱)と書店売り誌初出としては標準的な部類。長編作として十分な読み応えを有すると共に、エロシーンのボリューム感も強く仕上がった構築となっています。

【微笑ましい友情&恋愛模様とそこからの転落の始まり】

  少々男勝りな部分はありつつ芯はピュアな乙女なボーイッシュ少女・かなめちゃんと、彼女の魅力をしっかりと受け止める誠実なピュアボーイ・透君が嬉し恥ずかしラブエロ模様を繰り広げ、またかなめを助けた栞ちゃんと透の友人である晴之助君も互いの気持ちを知って結ばれて~とストーリー序盤は柔和で甘い幸福感のある青春ラブエロ模様を提供。
もっとも、この作家さんの最近の作風をご存じの諸氏はすぐに察せられることでしょうが、この優しく幸福な状態は、高みにある者たちが狂気と背徳の快楽によって歯止めなく転落していく流れを形成させるための、いわばお膳立て。
恋人として透君のことが本当に大好きで、また彼とのセックスにも満足している主人公・かなめちゃんではあるものの、セックスの快楽を知った後、清楚なようで何やら深い業を抱える美少女・佐々木さんによる許婚ボーイ・晴之助君との浮気の教唆で少しばかり心が動揺していきます。
KanameDateFirst2  これにトドメとも言える策謀を巡らせてくるのが、その存在を示唆されていた主人公の母・西園寺伽子であり、自身と共通する奔放な性愛への欲望を娘の身にも花開かせようとかなめと晴之助を快楽攻めにし、その欲望を引き出すことで、二人の浮気セックスをお膳立てしてきます(←参照 その最中の透君からの電話に関して 長編第7話より)。
主人公であるかなめちゃんが彼氏である透君から、構図としては寝取られる形であり、また浮気セックスという点でも背徳感のある展開になっていますが、これらに加えて浮気相手の彼女であり自身の親友である栞ちゃんとの関係など、登場人物たちの微笑ましい関係性が一気に瓦解する可能性を強く窺わせるのも、話の重さ・緊張感に寄与。
  主人公であるかなめちゃんが破滅へと向かって明確な一歩を踏み出した状態で以下続刊という話の引き方も良好であり、佐々木さんの真意や母親の更なる策謀、浮気セックスで複雑化した4人の少年少女の関係性の結末など、気になる要素を多数残し、緊張感を維持したまま下巻へと向かわせます。

【華奢さも感じさせるスレンダーJKボディ】
  女子校生である主人公かなめとその親友である少女・栞、彼女らの級友である佐々木さん、そして30代半ば~後半程度と思しき美熟女でかなめの母親である伽子、彼女の使用人であり20代半ば程度と思われる千加代さんの計5名が作劇・エロシーンで重要な女性キャラクター。
  ボーイッシュでありながらとっても女の子らしい可愛らしさが善良な少年との交際の中で花開いてく主人公、飄々としたクーデレタイプながら友達思いであり、またお調子者な晴之助には甘いデレも見せる栞と、ピュアで善良な二人に対し、性的快楽への強い探究心を持ち、“悪意”というよりかは彼女達なりの“善意”で主人公たちを性の奔放さに引きずり込もうとする佐々木さんと伽子ママはミステリアスである種狂気的な人物として存在感を増していきます
KanameDateFirst3  寝取られというよりかは、主人公であるかなめ自身がこれまで以上の性的快感を望んでしまう故の快楽堕ちという側面が明瞭ではありますが、とはいえ、優しく純粋で幸福な恋愛関係が、圧倒的な性的快感という毒薬に蝕まれ、ピュアな少女が浅ましく男根を求め痴態を曝け出す存在へと変容するギャップの強烈さは寝取られエロ的な特徴とも共通するものが多くあります(←参照 彼氏とのセックスよりも気持ち良いことが強調されるエロシチュ 長編第10話より)。
  伽子ママンについては、美熟女らしいアダルトな色気を香らせ、適度に駄肉感もありつつ若々しい巨乳豊満ボディとなっていますが、JK組二人については貧~並乳クラスのおっぱいをスレンダーボディに組み合わせたスタイルで、細めの四肢なども含めて一定の華奢さを感じさせる思春期ボディとして設計。
  ぎっちり描き込むタイプではないとはいえ、絵としての緩急・濃淡をしっかりと押さえてシナリオもエロも盛り上げる作画は十分な描き込み密度であり、単行本を通して安定する中身のモノクロ絵は表紙絵のフルカラー絵に比して情報量の遜色を感じさせません。

【ハードなエロ演出と淫猥な体パーツ描写によるアタックの強さ】
  長編ストーリーとして、徐々にダークな空気が漂ってくる展開をしっかりと形成しつつ、濡れ場のボリュームも十分に用意されており、複数ラウンド制を基本とする構成で抜きツールとしての満腹感も強く仕上がっています。
  2話またぎ(第2話~3話)で主人公のかなめちゃんと彼氏の透君のいちゃらぶセックスをたっぷり提供するなど、前述したストーリーの“お膳立て”の過程では、少年少女の素直な性的欲望が発揮され、互いを愛おしく感じて求めあう“健全な”ラブラブHをたっぷりと鑑賞させてくれます
  その一方で、別のカップルのセックスの覗き見、同性として女の弱いところを知り尽くす佐々木さんや伽子ママによるレズテイストの絡み、拘束されての快楽調教など妖しさをエロシチュエーションでも次第に醸し出していき、ついに親友の彼氏との不倫セックスという踏み込んではまずい領域に至らせる段階の踏ませ方も、長編ならではのエロシチュの組立と評し得るでしょう。
KanameDateFirst4  アヘ顔チックな表情付けやハートマーク付きでの半狂乱のセリフ回し、結合部見せつけ構図など、要所要所において、やや好みが分かれる水準でアタックの強いエロ演出・構図を十分なインパクトを伴わせる配置で投入するスタイルはいずれのエロシーンにも共通していますが(←参照 変装して浮気セックスに興じる伽子ママ 長編第6話より)、描写のハードさと雰囲気の甘さを両立させるラブエロ系と、強烈な快楽が破滅や変容をもたらす劇薬として機能しているインモラル系で異なる効果を上げているのはベテランらしい技術の産物。
  淫液に濡れる秘所や陰毛、ぐにぐにと柔軟さを示しながらいじられるアナル、ぷっくりと膨れる乳首など、肢体全体には清楚さ・端正さもありつつ、粘膜描写を中心とした体パーツの描写に淫猥さがあり、それらは局所アップの描写や断面図などで実用性を大きく高めています
前戯パートでの口内射精、前穴をピストンされながらのアナルアクメ、そしてヒロインが乱れきった表情を曝け出す膣内射精フィニッシュなど、抜き所を多数搭載した複数ラウンド性であり、展開の都合上、エロシーンをある程度分割することこそあるものの、フィニッシュを含めて抜き所の明確化と雰囲気の練り上げ方が合致しているため、エロのドライブ感を阻害していないのも◎。

  ダーク&インモラル系とし鋭い筆致を示した前作に引き続き、今回もその手腕を存分に発揮してくれそうなので、下巻にも非常に期待しております。
エロシチュの明確な変化もあって、好き嫌いは分かれると思いますが、特に雑食派の諸氏にはお勧めしたいところ。