どうも、当ブログ管理人のへどばんです。先日までの猛暑が嘘のように、ここ数日は涼しく感じますね。元より酷暑で体も弱っておりますので、読者諸氏におかれてはご自愛くださいませ。

 管理人は相変わらず黒ギャルVtuberの皇牙サキさんが大好きで、なるべく配信は生で見て、アーカイブも欠かさず観ております。雑談でも朗読でも変わずに窺わせる教養の広さにはビビりますね。チャンネル登録、しよう!


  さて、黒ギャルヒロインについての前回の考察では、エロ漫画に登場する同種のキャラクターをBitch型(B1型およびB2型)、Encourager型(E1型およびE2型)、Acceptor型およびFool型の4タイプ(より細かくは6タイプ)に分類しました。
今回の考察では、前回の予告通りにこのタイプ分けに基づいて黒ギャルヒロインの作劇・エロシチュ上の役割を考察しましたが、エロシチュエーションについてはかなり多様で一定の傾向を客観的にお示しするだけのデータ採取が出来ていません。このため、主に男女の関係性という作劇上の軸となる要素について、各タイプの特徴を抽出することを主たる目的とし、エロシチュについては補足的な記述に留めています。
  なお、本考察中で、“セックスに対する促進要因と阻害要因”という用語を用いていますが、これについては該当の考察記事をよろしければご参照下さい。また、“優位性”という単語を用いており、群れの中での社会的優劣を示す英語のDominationに近い意味を想定していますが、それよりは緩やかに作中で登場人物が属するコミュニティや対人関係における強さ・積極性などを含めた定義とご理解頂ければ助かります。

【Encourager型】
スライド1
  Encourager型の黒ギャルヒロインはその名の通り、男性キャラクターに活力を与えるタイプのヒロインです。
このタイプは、「作品開始時」において優位性が低く、また優位性を高めることに消極的な男性キャラクター(図においては男性キャラを示す青い四角とそれに付随する下向き矢印)に対して強く作用し(図中の橙色矢印)、「作品終了時」において男性キャラクターの優位性およびそれに対する積極性を増加させます。ヒロイン自身は常にポジティブであり、男性に対する高い優位性を保ち続けます。これは支配/被支配といった関係性ではなく、黒ギャル側が所属コミュニティにおける一種のメンターとして機能していると言えます。また、恋愛関係の成立(E2型)は、この男女間の優位性の差が減少し、対等性が獲得されることで可能となります。
  この構図において、セックスに対する主要な阻害要因は「男性キャラクターの消極性・自己評価の低さ」であり、促進要因は「女性キャラクター(黒ギャルヒロイン)の好意・性的欲望」です。また、後者が前者を乗り越えていくという流れが作劇として重要になります。
  エロシチュエーションとしては明確に女性上位な導入が多いものの、男性側に自信を持たせるという性質なヒロインであるため、男性キャラクターに一定の主導権を持たせ、努力・奮起を促すことが多いことも特色と感じます。

【Bitch型】
スライド2  このタイプでは、Encourager型よりも男女間の優位性の差は小さいですが、ヒロインの性的好奇心や性的欲望が容易に叶えることができる関係性という意味で、ヒロインの優位性が高い状態から始まると考えられます。
 作劇において「女性キャラクター(黒ギャルヒロイン)の性的欲望」という促進要因が圧倒的に強く、強いて阻害要因を挙げるのであれば「男性キャラクターの羞恥心」程度でしょう。男性キャラクターは優位性獲得に対する積極性は+であることも-であることもありますが、その動向は作劇面であまり大きな影響を持ちません。女性側の促進要因が作劇を強く支配しているのが、当然と言えば当然ですが、Bitch型の特色です。
 基本的に明確な恋愛関係の成立が生じないB1型は、「作品終了時」において男性に対する高い優位性を維持するのに対し、恋愛関係が成立するB2型は、ヒロイン側が優位性を低下させて男女関係の対等性を獲得するタイプと言えます。女性側の促進要因が駆動する作劇は、男性にとって棚ボタ的な状況を形成しやすく、ヒロインが(基本的に自ら)優位性を下げてきてくれる展開、例えばヤンキーがデレるの意味でのヤンデレなどはこの棚ボタ的な幸福感を伸長するものと言えます。
  エロシチュエーションとしてはやはり明確に女性上位な導入が多く、男性キャラクターに主導権を渡すことがあっても、それはヒロイン自身が気持ち良くなるためという描き方が多く、奔放で容易に支配できない存在として描かれています(だからこそ排他的な恋愛関係が生じると嬉しいわけです)。

【Fool型】
スライド3  Fool型は、優位性に対する高い積極性を持ちながら(図中のピンク色四角とそれに付随する上向き矢印)、それが他者、特に悪意を有する男性キャラクターによって利用されることで(図中の緑色矢印)、自身の優位性を喪失するタイプのヒロインと言えます。
  Bitch型と同じく、セックスに対する促進要因としては「女性キャラクターの性的欲望・性的好奇心」が明確でありつつ、ヒロイン側にそれ以外の要素例えば「社会・家庭への反発」「男性キャラクターへの好意」などが付随し、かつ男性キャラクター側の促進要因として「性的または金銭的な搾取の意図」などの悪意が性的欲望に付随することが作劇上の大きな特色と言えます。
  エロシチュエーションとしては、凌辱系統やそれに近い要素を含む乱交・寝取られ系統が多く、性的に奔放であることが“強いこと”“自由なこと”と信じた結果、それを利用されて酷いことになるという傾向が認められます。

【Acceptor型】
スライド4 Acceptor型では男女間の優位性に明瞭な差は元からなく、男女が互いの対等性を相互認証することによって恋愛関係性を成立させるタイプと言えます。これは黒ギャルヒロインだけではなく、一般的な恋愛系作品で非常にポピュラーな構図と言ってよいでしょう。
男女ともに、「性的好奇心」「相手への好意」といった促進要因を持ちながら、「性的なことへの羞恥心」「自身やコミュニケーション能力への自信の無さ」といった阻害要因も有しており、優位性獲得への積極性も+と-の双方を備えています(図中の四角に付随する上下の矢印)。
 「作品開始時」と「作品終了時」図として非常に動きが無いのですが、これは決して作劇として動きがないのではなく、“実際には既に存在している対等性を相互が如何に確認し上げることができるのか”ということを前述の促進要因・阻害要因を絡めながら描く作劇となっており、恋愛ストーリーとしては大変にポピュラーなものと言えます。
  エロシチュエーションとしては明確にラブラブH系統がメインであり、性癖や性的経験の少なさなども含めて、恥ずかしいと感じることを相手に受け入れて貰うという構図が特色と言えるかもしれません。

  多々例外というかバリエーションはありますが、作劇の大まかな構図において各タイプの果たす役割は以上のようにまとめることが可能であろうと考察しました。
Acceptor型をやや例外として、他の3タイプはいずれもヒロインの優位性、および優位性獲得への積極性がキャラクターの位置付けとして重要と言えます。それがヒロイン自身にとって上手く機能するのが、Bitch型やEncourager型、上手くいかないのがFool型と分類できます。
img315物凄くざっくり言うと“黒ギャルは強い(強そう)”というのが重要なわけですが、これはかなり大事なファクターとして管理人は考えていまして、“黒ギャル”というある種の異装をすることと、強くあること・自由であることの認識を、キャラクター自身が踏まえていることも多いと感じています(←参照 “地味な私”からの変貌 篠塚醸二(2017)『やさしいせかい』収録作「あたらしいわたし」より, p144, ワニマガジン社)。
  なので、次回の考察では、せっかく黒ギャルヒロインデータベースも拡充中ですので、“黒ギャルヒロインが異装として何を身に付けているか”という点に着目した記事を書く予定です。

次回につづく