GrandHotelLife DOUBLE-S先生(原作:真刈信二氏)の『イサック』第4巻(講談社)を読みました。銃弾がかすめた後の錬蔵の反応、これはヤバい人だと感じさせる描写でしたが、その後の行動も予想外で驚かされました。
敵ながら偽スピノラの将としての成長ぶりも見事と感じさせられました。

  さて本日は、スミヤ先生の『Grand Hotel Life』(ワニマガジン社)の遅延へたレビューです。先生の前単行本『Bitches Plan』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
スレンダーボディの美少女&美女それぞれの性愛模様を柔和で洒落た筆致と程好い濃厚感のエロ描写でお届けな作品集となっています。

GrandHotelLife1  収録作は、とあるホテルを舞台としてそこに宿泊する様々な人たちの恋模様やセックスをオムニバス形式で描く中編「Grand Hotel」シリーズ全5作(←参照 偶然研究室の後輩と同じ部屋に泊まることになるのだが・・・ 同シリーズ第5話「Grand Hotel Life」より)+その他収録作のカップルたちも含めて一同がホテルに集う描き下ろしエピローグ(9P)、清純系の彼女さんとの初エッチで、実は彼女がバイブコレクター&バイブオナニー愛好家であることが発覚して・・・!?な連作「コイビト・バイブレーション」「ハジマリ・バイブレーション」、および読み切り形式の短編3作。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は14~26P(平均20P強)とコンビニ誌初出としては中の上クラスのボリュームで推移。オムニバス&短編群ということもあって強い読み応えこそ無いものの、適度に味わい深さのあるシナリオワークと、質的な満腹感を適度に打ち出すエロ描写とでバランスよくまとまった構築を示しています。

【性愛にまつわる等身大の感情の揺れ動き】
  若人達の性愛を、洒落た印象のある柔和な雰囲気で描き出し、性の解放や恋心の成就の喜びを微笑ましく描き出すスタイルは今単行本でも保たれており、ラブコメ・エロコメ的な軽快さとはまた異なる読み口の良さがあるタイプ。
作品名の通りに、グランドホテル方式(映画『Grand Hotel』に由来する)で展開するオムニバス長編は、旅行先でプチ喧嘩中にカップル、彼氏と喧嘩した女性と酔った彼女と一夜を共にした男性、同じバンドのメンバーで周囲に(一応)隠れながら交際している男女、天才肌の後輩とその保護者役を押し付けられた後輩と、一癖二癖あるそれぞれの組み合わせで、ホテルの部屋らしく、ベットの上で営まれる事柄を描き出していきます
  寝取られ/寝取り的な要素が強い第2話「Grand Hotel Snatch」、ご主人様と下僕の関係にある二人の間にもう一人の男性が参入して奇妙な構図の3Pセックスになるアモラルな第4話「Grand Hotel Maid」、カップルさんの仲直りHな第1話「Grand Hotel Revenge」とそれぞれ読み口が異なるのも、グランドホテル方式らしい面白味と言えるでしょう。
GrandHotelLife2バイブコレクターなヒロインの語りがコミカルな連作を含め、短編群はラブエロ系としての甘味を重視したタイプですが、甘味をたっぷりと充填するというよりかは、色恋沙汰をごく自然な欲求や感情に基づく、ごく普通のこととして、さらりと上品に描く筆致が特徴的と個人的には感じており(←参照 自然に求め合う正反対な二人 短編「Dreamer’s hopeful」より)、場合によっては嫌味にも感じられかねないこのスタンスを、細やかな感情描写やヒロインのビビットな反応によって繊細で柔和な読み口にまとめていると感じます。
  激しいセックスを繰り広げても、意外にそのこと自体が登場人物の関係性を劇的に変えることはしないため、前述したようにお話としてのドラマ性や盛り上がりは乏しいタイプ。その一方で、ささやかな相互承認や快楽への耽溺が描かれることで、登場人物たちのアクションが何らかの結果を生み出したという流れを形成しており、微笑ましいラブエロ系を中心として読後の余韻の良好さにつながっています。

【華奢さを感じさせるスレンダーボディの美少女達】
  概ね女子大生クラスを中心に20代半ば程度までの女の子達で統一されたと思しきヒロイン陣であり、キャラによってより若そうな見た目の女性もいれば、大人の色香を感じさせるタイプの女性も登場します。
引っ込み思案で愛想笑いで場を流してしまうタイプの女の子、ツンツン彼女さん、クールな外見ながら素は恋にもエッチにも直球なバンドガール、清楚系の見た目に言動ながら実はバイブ収集家なエロ娘、実は美少女なぼさぼさヘア&大きな眼鏡の才媛など、多彩な設定・キャラデザのヒロイン達は、いずれも自身の素の姿を相手に曝け出すという点は共通しており、これはラブエロ系において、基本にして核心的な要素。
キャラとしての取っつき易さについては、読み手の好みによって分かれる部分はあると思いますが、このヒロインの本心や本性を共有することが出来ている状態を、前述した柔和な筆致で描き出すことで、シナリオ・エロ両面の魅力を高めていると評し得ます。
GrandHotelLife3  ヒロイン陣のボディデザインについては、おっぱいこそ並乳~巨乳と程好いボリューム感のあるバストが揃っていますが、ほっそりとした手足に肉付き弱めのスレンダーな体幹、ヒップに関してもボリューム感を抑えた部類と、肢体全体の華奢さ・端整さを重視したスタイル(←参照 短編「グランスール」より)。
男性キャラについては、キラキラ感というかクドさを抑えたイケメン陣であり、彼らの細マッチョ的な肢体との対比で、ヒロイン達のスレンダーボディの華奢さ・美しさを高めている印象はありますが、エロシーンでは男性キャラの存在感は抑制して、彼女達の痴態に集中できる作りとしています。
  快楽天レーベルの伝統的なお洒落感を有する絵柄は、二次元らしい華やかさやキャッチ―さこそそれほど強くないものの、雰囲気の作り方の細やかさと親和性の高い絵柄であり、表紙絵と完全互換で単行本を通して安定しています。

【十分な高密度で痴態を彩るボイス&淫液のエロ演出】
  エロシーンでのモノローグの語り回しの良さや、ちょっとした会話による雰囲気の転換など、シナリオワークとしての巧さを感じさせる文字表現を濡れ場にも投入しており、これらが紡ぐ話の流れと、十分な分量のエロシーンとが無理なく融合した構成。
  素直に欲望任せで進行するパターンも多いながらも、そこに単純さや無理やり感を感じさせることなく、スムーズに性欲が解放され、相互に受容されていく流れが身上であり、一部に背徳的なプレイや寝取り凌辱的な要素を持たせつつ、基本的にはラブエロ系にまとまっています。
  フェラでのお口ご奉仕的なプレイを投入することもありますが、前戯パートでは手マンやクンニ、連作については各種バイブを使用して、ヒロインの秘所をたっぷりと愛撫する描写を充実させており、この時点でハートマーク付きの嬌声と秘所からの汁を豊潤にまき散らす反応を示します。
GrandHotelLife4そのまま抽挿パートに移行後も、ビクビクと反応させる肢体全体を見せながら、前述したハートマーク付き嬌声や秘所からの淫液分泌、ぐしゃぐしゃに蕩けたり快感を必死に耐えたりと言った表情付けなどの演出を高い密度で施しており(←参照 ハートマークとお汁が飛び散る! 中編第3話「Grand Hotel Voice」より)、端整な華奢ボディが快楽にビビットに反応する様子そのものに強い煽情性を感じさせます。
  結合部見せつけ構図や断面図といったストレートに淫猥な構図・演出もある程度用いつつ、分量としてヒロインの可愛らしさや絵柄の性質を阻害しない水準に抑えてあり、演出密度は十分に高めてアタックを打ち出しつつ、過激さ・過剰さを追求しないスタイルと言えます。
最奥までのピストンに小刻みなアクメを連続して迎えながら、蕩けきった表情で中出し要請or熱狂的な実況台詞を奏でつつ、大ゴマ~1Pフルの分量で前述した演出を全部載せにしたアタックの強い痴態描写を投入する中出しフィニッシュまで一気にボルテージを上げていく終盤展開も実用性の高さに結びついています。

  雰囲気の良さが魅力でありつつ、同時に雰囲気頼みではない作劇が魅力的であり、いずれもささやかな人間ドラマを魅せてくれる作品であり、また抜きツールとしての満腹感も有しています。
個人的には、女学生たちの憧れの的なボーイッシュお姉さんの痴態を独り占めな短編「グランスール」が抜き的に最愛でございます。