TooMuchLove  旅井とり先生(原作:坂戸佐兵衛氏)の『めしばな刑事タチバナ』第30巻(徳間書店)を読みました。今回のメインは、飴玉の話で、現在は “炭焼珈琲”ぐらいしか買わないのであまり興味無かったのですが、“キュービィロップ”が出てきた途端、“あのカラフルな組み合わせが色々ある飴!”と一気に懐かしくなりましたねぇ。

  さて本日は、やんよ先生の初単行本『ラブ♥すぎ!?』(ワニマガジン社)の遅延気味へたレビューです。この間、皇牙サキさんの動画サムネイルにファンアートが採用された作家さんですね。
ヒロインのキャラクター性の魅力に特化した構築&華やかさのあるフルカラー絵でのエロ描写が楽しめる作品集となっています。

TooMuchLove1  収録作は、グラビアアイドル・優結の熱心なファンである主人公はいきなり彼女とのエッチの機会を得るわ彼氏になるわ、しかも彼女の相方である天甜さんも二人の相性を確認するべく参入してきて!?な連作「Love for you」正続編(←参照 憧れのアイドルがパイズリを!? 同連作正編より)、および読み切り形式の短編10作+フルカラーイラスト多数。
1枚絵であるヒロイン紹介や雑誌未掲載のイラスト、いわゆるグラビアコミック形式(コマや吹き出し等の概念が無くイラスト+台詞文章で構成される形式)のページ等の扱いをどうするかによるものの、漫画形式を取っているページ数から算出した場合、1話・作当りのページ数は6~12P(平均8P強)とフルカラー作品としては標準的な水準で安定。ページ数の都合上、ストーリー性はほぼ皆無ですが、その分フルカラーのエロシーンを可能な限り多く提供することに注力した構築と言えるでしょう。

【軽快な読み口でコンパクトなラブコメ・エロコメ系】
  フルカラー印刷に要するコストの問題から、商業誌におけるフルカラー作品のページ数は一定の範囲内に収めざるを得ず、その中で色彩のあるエロ描写という最も重要な要素を優先するために、ストーリー性を諦めざるを得ないのは、誰が悪い訳でもないある種の仕様と言えます。
フルカラー作品でも、連載によってコツコツと世界観を広げていくタイプの作品もありますが(例1例2)、基本的にはシチュエーションやヒロインのキャラ性といった要素を核としたエロコメ・ラブコメでコンパクトにまとめるのが主流であり、本作もそのスタイルを分かりやすく踏襲。
  羞恥系シチュを魅せることに注力した「ラブ♥ナマ!」、暴走ガール&ボーイのセックスをギャグテイストを絡めて描く「ラブ♥エクソシスト」など、シチュエーションやネタ的要素を重視したタイプの作品もありつつ、各作品にヒロインの紹介イラストが付随することが示す通り、ヒロインのキャッチーなキャラ性を軸に組み立てた作品がメイン。
TooMuchLove2棚ボタ的なラブエロ展開を中心として、そういった分かりやすい魅力を伝達されたヒロインとエッチが出来るという幸福感を基調とした作劇は(←参照 クールな先輩マネージャーの特別なご褒美が!? 短編「ラブ♥マネ」より)、コンビニ誌掲載作らしいラブコメ・エロコメのエッセンスを明確に有しており、読み口の良さにつながっています。
  ストーリーそのものに面白味や存在感がある訳ではないため、その部分を重視する諸氏には不向きではありますが、この分量のフルカラー作品にそもそも期待すべき要素ではあまりなく、イージー&スムースな話運びでエロシーンに集中できる作りと総括できるでしょう。

【二次元らしい華やかさのあるキャラデザの巨乳美少女ヒロインズ】
  コンビニ誌初出ということもあり、明確に年齢層を指定するような描き方とはしていないものの、概ね女子校生~女子大生クラスと思しき美少女さん達で統一された陣容。
快活で無邪気な彼女さん、勝気ツンデレ系の積極的なギャルに中身はとっても乙女なボーイッシュガール、クールで真面目な先輩美人やとってもエッチなグラビアアイドルさん等々、多彩な設定を揃えており、また各ヒロインの設定や属性そのものが、既存のものの魅力を素直に踏襲している分、シナリオパートをオミットしても、キャラクターの分かりやすさを担保することにつながっています。
TooMuchLove3設定の多彩さに合わせて、それぞれのキャラデザインの方向性を固める髪や肌の色、服装や小物などをチョイスしており、それぞれの色彩や質感などがフルカラーで描かれることでキャラデザインの視覚的多彩化や、コンセプトの明確化が図られるのは(←参照 活発系ギャルヤッター! 短編「ラブ♥バイブス」より)、この形式の強みの一つ。
  キャラデザインの多彩さに比して、肢体造形は程好い肉付きの肉感に豊満バスト&ヒップを組み合わせた万人受けするスタイルでほぼ統一しており、バリエーションは股間の茂みの有無や多少の肉付きの多寡程度に収めています。
この豊満ボディと、適度なデフォルメ感もある顔の描写なども含めてキャッチーなアニメ/エロゲー絵柄の組み合わせは当世流行のスタイルと言え、そのスタイルにおけるトーンワーク等の細やかな修飾性をフルカラーであることで上位互換しています。

【豊満ボディとエロ可愛い表情の煽情性をシンプルに連打】
  大半がエロシーンを占める構成とはいえ、ページ数の都合上、分量としてはやや短めであることは間違いなく、前戯パートと抽挿パートにバランスよく尺を割り振る分、特にコアとなるべき抽挿パートが短いことは仕様としてのマイナス要因であるのは確か。
ネットでの会話をしながらの羞恥セックスや、アイドルさんに拘束されて言葉攻めされながら搾られる少し被虐的なシチュエーションなど、設定によって趣向の変化を付けていますが、いずれにせよ恋愛セックスを中心とした和姦シチュで双方がたっぷり気持ち良くなるポジティブさのあるスタイル
  エロシーンの構築としては、バストを中心としてヒロインの柔らかい肢体の感触を指やちんこで楽しむ愛撫やパイズリ、フェラ、素股に尻コキと多彩なプレイ内容を有する前戯パートと、やや駆け足気味ながらパワフルなピストンを描く抽挿パートとの組み合わせで、前者で射精シーンを設けずにフィニッシュまでタメを作る展開が主体。
TooMuchLove4  エロ演出に関してはベーシックなものを適度な密度でというスタンスで一貫しており、肢体そのものの存在感を重視しつつ、程好く熱っぽい表情付けやハートマーク付きの実況系エロ台詞、肌のシズル感を増す質感の表現にすぐれた液汁描写などで痴態を彩ります(←参照 褐色金髪バンザーイ! 短編「ラブ♥コンプレックス」より)。
挿入おねだりシーン等、要所で投入する1Pフルの絵や、大ゴマ主体のページ構成など、フルカラーで高質な絵のインパクトを大きく見せ続けるというスタイルは、明確な武器でありつつ、逆に言えば直線的なコマ割りの単調さや描写の連続性・流れの不足があるタイプで、特に局所アップ等の小ゴマの切り出し方には、初出時期によって巧拙の差を感じるところ。
とはいえ、これは一定の尺の中で読みのリズムとインパクトを整える必要があるモノクロ漫画と、短めの尺の中でシンプルに強いアタックを連打していくフルカラー絵との手法論の差異に由来するものであって、アクメ快感に蕩けて嬌声を上げるヒロインの痴態をやはり大ゴマ~1Pフルで提供する中出しフィニッシュ(一部ゴム付き)までに十分なカロリーを叩き出しています。

  各種質感の表現に優れた華やかで、丁寧なフルカラー絵を、あっけらかんとした雰囲気の中でスムーズに楽しめる1冊であり、ストーリー性やエロシーンの量的なボリューム感を求めないのであれば、満足感の高い抜きツールとなってくれるでしょう。
個人的には、派手な格好のツンデレギャルさんに搾られる短編「ラブ♥バイブス」と、金髪褐色肌のボーイッシュ乙女との嬉し恥かし初エッチな短編「ラブ♥コンプレックス」が特にお気に入りでございます。