RuttingBitch  徳弘正也先生の『もっこり半兵衛』第2巻(集英社)を読みました。それぞれ懸命に生きながら必ずしも全てが報われるわけではない、それでも人と人の間に情や真心が通う者なのだという弱者へのまなざしも含めた描き方は相変わらず優しく、素敵です。
あと、江戸の風俗の描写がとても丁寧なんですよねぇ。いい時代劇です。

  さて本日は、赤城あさひと先生の『いちゃビッチ』(ワニマガジン社)のへたレビューです。先生の前単行本『あま❤ナマ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
黒髪巨乳の清楚系スケベ美少女さん達と時にしっとり、時にどたばたなラブエロ模様な作品集となっています。

RuttingBitch1  収録作は、清楚なビッチながら実はセックス大好きガールな会長さんは普段から副会長の主人公をセックスの相手としているが、このことに純情黒ギャルさんや下剋上を狙う腹黒ガールが巻き込まれてエロ騒動な中編全3話(←参照 会長さんの手解きで黒ギャルさんと!? 同中編第1話「会長とじゅんじょー」より)、および読み切り形式の短編7作。
1話・作当りのページ数は16~21P(平均19P弱)と控えめながらコンビニ誌初出としては中の上クラスの水準。なお、表帯に“カラー満載!”とありますが、カラーページは8~9P程度で、満載という印象には乏しいので要留意。全体的にストーリー面での存在感は弱いものの、展開や雰囲気で魅せる工夫はされており、その上で高質なエロ描写を十分量有する構築となっています。

【ラブコメ系を中心に幅を広げてきた作劇の多彩さ】
  基本的には程好い甘味やコミカルな印象を有するラブコメ系をメインとする作家さんであり、今単行本で言えば前述の中編作や短編「神田今日子は筋肉通」などがそのタイプ。
個性的なヒロインをチアフルに動かし、セックスへの導入も含めて恋やらエロやらに突き進んでいくことでポジティブな雰囲気を打ち出すと共に、彼女達と仲良くなれる幸福感を喚起するという定番の流れを心地よく形成しているのは、このサブジャンルに強みを持つ作家さんらしいと感じます。
RuttingBitch2  その上で、あとがきにある通りに、今回は作風の幅を広げる意図も明瞭で、偶然再会したお嬢様と奇術師の身分違いの恋を大正ロマン風の雰囲気の中で描く短編「花唇幻戯」(←参照 一夜の恋でも自由を 同短編より)、入院患者同士の二人の恋模様をちょっぴり切なくそれでいて前向きに描く短編「櫻染め」など、快楽天系列のお家芸とも言えるしっとりとした雰囲気の良さのある恋愛ストーリーにも存在感があります。
また、クールで厳しい女バスの先輩が年下ボーイを誘惑するも、逆に調教されちゃうエロ的攻防劇な短編「トランジションゲーム」は、インモラルな雰囲気作りなどで、こちらもラブコメ系とは異なる趣向の作品。
  主人公争奪戦的なドタバタテイストの楽しさとハーレム的なウハウハ感のある中編作を筆頭に、雰囲気の多彩さを生み出しながらも、魅力的なヒロインとのエッチというベーシックな棚ボタ的幸福感と全体的な読み口の良さを維持している分、従来のファンにも親しみ易い方向性であることは変わりません。
とは言え、逆に言えば雰囲気頼みの構築で、短編メインということもあって作劇自体の個性や面白みが高いわけではなく、シナリオラインは意外にコンパクトであっさりしているのは、美点でもあると同時に特筆すべきポイントでないとも言えるでしょう。

【柔らかスベスベ肉感ボディの黒髪美少女さん達】
  女子大生や20代半ば~後半程度の義理の妹にして人妻なヒロインなどもいますが、大半を占めるのは女子校生級と思しき美少女さん達。
筋肉大好き暴走女子に清楚にして実はド淫乱な会長さん、中身はピュアな黒ギャルさんに薄幸の御令嬢、ドSとみせかけてドMな強気スポーツガール等々、王道的なものからユニークなものまで、ヒロインのキャラとしての魅力をしっかりと立てて話を動かすのがこの作家さんの美点の一つ。
RuttingBitch3  キャラデザインとしては、一部の例外を除いて清楚な印象のある黒髪美少女が勢揃いであり、そんなヒロイン達が、時に恋心から大胆な姿を想い人に対して曝け出したり、ビッチな本性を露わにしたりなギャップが(←参照 クールで厳しい先輩がこんなドスケベポージング&台詞を! 短編「トランジションゲーム」より)、エロ面での基礎を形成しているのは王道的な魅力と言えます。
  もっちりと柔らかなお椀型系の美巨乳に、安産型のヒップと程よいボリュームの太股を組み合わせた肉感ボディは、じっとりと汗に濡れてシズル感を増す柔肌に包まれており、綺麗な印象とストレートなエロさが高い次元でまとまったものであり、これ単体で十分に実用性があるのは明確な強み。
  作品の雰囲気に合わせて背景描写の描き込み密度などに一定の差異は感じますが、既に完成している絵柄は漫画チックな親しみ易さがありつつ、全体的に繊細な描線の描き込み密度が高く、方向性としてはシンプルとしても丁寧な作画でヒロインの魅力や作品の雰囲気を形成していくスタイルと言えるでしょう。

【ベーシックなエロ演出を濃密かつ効果的に用いる痴態描写】
  ページ数の都合上、たっぷり長尺とは言い難いものの、作品の雰囲気を冒頭から迅速に組み立てていく分、導入パートを適度に切り詰めてサクサクとエロシーンへ移行させており、濡れ場のボリューム感はコンビニ誌として標準的で、その上でシナリオパートの存在感を空にしない適切な組み立てが為されています。
  雰囲気こそ異なりつつ、基本的に和姦エロでまとまっており、ピュアな恋愛セックスもあれば互いの性癖が交錯するアモラルなタイプ、雰囲気に流されるままの棚ボタセックスなどなど、前述した多彩な雰囲気やヒロインのキャラ性に沿って味付けを少しずつ変えています
美脚の脚コキや、背をさすられながらのクンニご奉仕、艶っぽい表情でのフェラや逆向きパイズリなど、体パーツも含めてヒロインのエロボディの煽情性をしっかりと際立たせる描写で多彩なプレイを前戯パートで投入。
RuttingBitch4たっぷりと淫液に濡れて更に淫猥さを増す黒い茂みの下の秘裂に挿入すれば、じっとりと汗に濡れた肢体のエロスと紅潮した表情、漏れ出るハートマーク付きの嬌声と、抑えた演出で痴態を表現しつつ、それでいて十分な官能性の密度を引き出せるのがこの作家さんの技術力の高さと言えます(←参照 短編「櫻染め」より)。
  また、演出として強く目立つわけではないですが、エロシーンの台詞回しの良さは特筆すべきポイントで、時に背徳的なエロスを、時に快楽に夢中な陶酔感を、時に切なさを醸し出したりと、ここでリズムを整えることでエロシーンの流れや盛り上がりを適切に図っているのも、小技がしっかりと効いていると感じるところ。
  フィニッシュシーンの前後で適度に肢体の密着感を重視しつつ、蕩けた顔&アクメボイスの濃度、結合部見せつけもしくは断面図の合わせ技で最奥での射精感の強調を伴う大ゴマ~2P見開きのフィニッシュまで、演出強度を保ちつつ、陶酔感を煮詰めていく流れをしっかり形成しています。

  作劇の幅を広げるチャレンジは十分に良い効果を発揮している印象で、エロシーンの描写やプレイ内容の幅を広げることにもつながった意欲的な3冊目と感じます。
個人的には、黒髪ポニテの厳しい先輩のドスケベ痴態が曝け出される短編「トランジションゲーム」に愚息が大変お世話になりました。