TinderBox  森薫先生の『乙嫁物語』第10巻(エンターブレイン)を読みました。義兄であるアゼルの元で修業をするカルルク君、健気に頑張っていて素敵ですな。アミルさんとの熱い抱擁はグッと来ました。
ロシアの南下が本格化すると、ハルガル家、今以上に大変になるわけで心配ですな。

  さて本日は、モノリノ先生の『Tinderbox』(コアマガジン)の遅延気味へたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『PINKERTON』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
自ら背徳の快楽に包まれていく美少女ヒロイン達の痴態がたっぷり詰まった作品集となっています。

TinderBox1  収録作は、ふとしたキッカケで露出性癖に目覚めてしまった少女がヌードデッサンのモデルをしている際にその性癖を見抜かれてしまい、男達の調教プレイを受け入れるのだが・・・な連作「Scorched Girl」前後編(←参照 一度付いた火が消えることなく 同連作前編より)+描き下ろしフルカラー後日談(8P)、親友と大好きな兄がいい雰囲気になり、身を引くべきか悩む少女は自暴自棄になって知人の紹介で知った怪しげな秘密倶楽部での性行為にハマってしまうのだが・・・な連作「Honey Hive-防波堤少女-」前後編、および読み切り形式の短編4作。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数はいずれも24Pと中の上クラスのボリュームで推移。堕ちていく展開でも魅せていくスタイルであるため作劇にも一定の存在感はありますが、基本的にはたっぷりエロシーンを提供する抜きツールとしての構築で固まっています

【マイルドに収めつつも調教・凌辱系がメイン】
  前単行本に引き続き、調教・凌辱系の作品が中心であり、一度知ってしまったアブノーマルな快楽にヒロイン達が染まり、自らそれを求め続ける有様を描いています
真面目な優等生であったヒロインが秘めていた変態性を開発され、自らの痴態を喜んで衆目に曝け出す破滅的な行為に突き進んでいく連作「Scorched Girl」や、親友と最愛の兄に置いて行かれたと思い、心の寂しさをセックスで埋めるヒロインを救うおうとその親友もまた乱交セックスに巻き込まれていく連作「Honey Hive-防波堤少女-」などがその好例。
TinderBox2  性的な開発が進むにつれ、蕩けきった表情で秘所や肢体を曝け出し、男根を求めるお下品な台詞を奏でる姿へと変容していく流れは相応にダークであり(←参照 短編「憩いのひととき」より)、破滅へ突き進むスリリングさを備えています。
とは言え、話としての悲劇性や破滅感を強く保ち続けることはなく、最終的にはヒロイン側の充足であったり、再出発を描いたりと、強烈な性的快楽に身を染めながらヒロインを不幸な存在に転落させることは明確に避けることで、全体の印象をマイルドにしているのもこの作家さんの特徴です。
凌辱エロとしてのハードさ・ソリッドさをお求めな諸氏には物足りなく感じるかもしれませんが、ダークなエロをたっぷり楽しませつつ読み手の精神的負荷を小さくする手腕は訴求層を広げる上では正解でしょう。
  なお、短編「溺惑デスティネーション」は、幼馴染のママンに誘惑されてしかも幼馴染さんともセックスする棚ボタ母子丼展開が楽しめる作品で、これだけラブコメ系ですが、前述した様にメインの調教・凌辱系としてマイルドなので、あまり浮いた印象はありません。

【優等生キャラや無垢キャラが性的に変容する醍醐味】
  短編「溺惑デスティネーション」の母娘ヒロインのママンや短編「-回-想-」の少し幼い印象のある女の子を例外としつつ、その他のヒロインは皆さん女子校生級の美少女で統一されています。
清楚な優等生キャラ、お兄ちゃんラブな妹系ヒロインとその親友の真面目な女の子、指導教師に恋をしている体操選手の少女に性的知識がほとんど無い天然な女の子など、どちらかと言えば真面目であったり無邪気であったりなヒロインが多く、そんな美少女達が妖しい快楽に染まって乱れていくギャップが一つの魅力。
なお、寝取られエロではないものの、別に意中の男性が居るのに他の男性に凌辱・調教されてしまうというケースが散見され、欲望のみを介した男女の関係性が描かれているというのも人物描写における特徴でしょう。
TinderBox3  ヒロインのボディデザインについては、すべすべお肌に包まれた健康的な肉感の巨乳ボディがメインであり、身長やおっぱいサイズ等にバリエーションを設けていますが、その柔らかさや乳尻太股を中心とした豊満さがベーシックなエロさを下支えしています(←参照 連作「Scorched Girl」後編より)。
加えて、適度に盛り上がった乳輪や、開発されて広がっていく秘所のびらびらにぷっくりアナル、キャラによっては陰毛描写など、臭味は抑えつつも淫猥さを適度に織り込んだ体パーツ描写も女体描写の煽情性を高める大きな要因。
  健康的なお色気感を漂わせる絵柄は、青年誌系の雑誌に載っていてもあまり違和感のないタイプで、前述した優等生キャラとの相性もよく、その上で彼女達の熱狂的な痴態を描くことでその変容をより引き立てるタイプ。表紙絵とも完全互換で安定しているのも安心材料です。

【快楽と淫液に染められていく半狂乱の痴態の美少女ボディ】
  作品の主題が性的快楽への耽溺であるため、必然的に濡れ場の占める割合は高く、複数ラウンド制で抜き所を多数搭載の構成で十分な満腹感を生み出しています
  露出性癖の少女に課される過激な露出プレイ調教、傷心ガールに付け込んでの乱交調教に、真面目な新体操ガールを部員達がオナホ扱いな輪姦エロに無垢なヒロインにおじさん達がよってたかって性の手解きと、調教・凌辱系統のエロシチュが揃っていますが、前述した通りにマイルドな方向性でまとめることもあり、あくまでヒロインが進んでその状況を求め、アブノーマルな快楽に身を浸すという流れになっているのがポイント。
  豊満バストによるパイズリご奉仕や、肉棒をお口に含ませてご奉仕を強要すフェラなどのプレイも前戯・抽挿パートを問わずに投入しつつ、秘所を指でぐにぐにと弄り倒し、愛液をたっぷりと潤滑させる愛撫描写でヒロインを快楽で圧倒する構図を序盤から形成していきます。
複数の男達に嬲られるシチュエーションが多いこともあって、ぐしょぬれの秘所を肉棒で最奥まで穿り返される描写は勿論、アナルを押し広げられてそちらもズボズボされてしまったり、お口の方にも肉棒をつっこまれたりと、全身の肉穴を使われ、性感帯を弄られるという圧力のあるエロ描写が連続されます。
TinderBox4  エロ演出面では豊潤な液汁描写が特長であり、柔肌をじっとりと濡らす汗や、喜悦の表情から零れ出る涙や涎、秘所から溢れ出る愛液にぶっかけ精液などなど、ヒロインの綺麗で豊満な肢体が快楽と共に各種淫液に染まっていく姿が大変に煽情的(←参照 飛び散る液体・蕩けるボディ 連作「Honey Hive-防波堤少女-」後編より)。
一定の嗜虐性を有する趣向ではありつつ、男性キャラは竿役に過ぎない面があり、喜悦の表情と台詞を曝け出しながら、精液を浴び、肉穴を抽挿されながら陶酔の表情を浮かべて肉欲に狂い咲く狂乱の痴態を曝け出し、膣内射精やアナル中出しの感覚にアクメをキメて蕩けきるフィニッシュシーンまで、演出こそ抑え目ながらも濃厚な陶酔感を打ち出してハイカロリーな濡れ場に仕上げています。

  方向性は前単行本から不変であり、快楽のみが支配するダーク&インモラルさを徹底しつつ、読み口を悪くしない構築で、ハードな痴態をストレスフリーに楽しめる作品となっています。
個人的には、黒髪ロング巨乳な優等生ヒロインが露出性癖を開発されてドスケベ痴態を曝け出していく連作「Scorched Girl」に愚息が大変お世話になりました。