InnocentPalette  TVアニメ版『citrus』最終第12話「my love goes on and on」を観ました。不思議な百合三角関係が平和裏に解決され、柚子&芽衣のわだかまりが解けたようで素直に良かったなと思います。大胆な告白とおかわりキッスは女の子の特権!!
ラスト、二人で一時停止の標識を越えて歩いていくシーンが印象的でした。

さて本日は、長頼先生の『純情パレット』(ワニマガジン社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『恋色めまい』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
ほのぼの青春ラブコメ&ウェットな雰囲気のシリアスストーリーとで肉感ボディが熱っぽく乱れる濡れ場を提供な作品集となっています。

InnocentPalette1  収録作は、偶然封印から解き放ってしまったサキュバスがその憑依術を使って主人公の周りでエロ騒動を引き起こす「でもにっく」シリーズ全2話(←参照 幼馴染の女の子にサキュバスが乗り移ってさあ大変 同シリーズ第1話「でもにっくトラブル!」より)、同級生の女の子と後輩の女の子と海に来て、トライアングル・ラブからの二人の熱烈アタックな短編「曖昧ロジック」+描き下ろし後日談(4P)、その他独立した短編7作。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は16~22P(平均19P強)と控えめながらコンビニ誌初出としては標準的な部類。作品によって作劇面の軽重は異なりますが、いずれにしても短編作としてコンパクトな構築であり、適度な尺・濃度のエロシーンを完備しています。

【朗らかな青春ラブコメ&哀切のある青春ドラマ】
  前述した様に、カラッと明るい青春ラブコメ系の作品と、シリアスな感情が交錯する青春ドラマ系の作品が存在しますが、いずれも若い男女の性愛を描く点は共通しており、本数的には前者がメイン。
InnocentPalette2  主人公の本命ポジションを争う二人の女の子による海辺のセックスバトルやら(←参照 どっちが優先なの!? 短編「曖昧ロジック」より)、上京先の新居の美人大家さんがドスケベ過ぎてたっぷり搾られたり(短編「Panicるーむ」)、幼馴染の可愛らしい少年の“男の子”の部分に気が付いてどうしても我慢ができなくなったりと(短編「Overflow」)、棚ボタ的な展開も含めて明るくポジティブな雰囲気がラブコメ系の魅力。
コンビニ誌系ラブコメとして王道的な魅力を有しつつ、ボーイ・ミーツ・ガールの瑞々しい幸福感に加え、登場人物達は忌憚なく自らの恋心や性欲を発揮してそれらが受容され、叶えられていく流れの心地よさが、ご都合主義的な退屈さや平板な印象を無くしている点が美点と感じます。
  これに対し、思春期故の嫉妬や感情の暴走が招く心のすれ違いと、それが解消されることなく互いの気持ちが平行線のままになってしまう事態の悲しさや切なさをシリアスな雰囲気で描く短編「戻り雨」や「にびいろの月」などは、登場人物達の心の中で溜まっていく澱とそれを感情の迸りに乗せて吐露するシーンが印象的。
ラブコメ系にしても切ない青春ドラマにしても、過剰に説明したり語りを増したりせずに、ストーリーとしてさっぱりとした構築を保つことで、登場人物の若さ故のポジティブさや、解消されないすれ違いの悲しみを無理なく読み手の胸中に届けることが出来ているのは、作劇の方向性が異なっても共通する長所と感じます。

【巨乳ボディの多彩な設定・キャラデザの美少女ヒロインズ】
  20代半ば~後半程度と思しきアダルトレディも数作で登場していますが、女子校生級の美少女がヒロインの大半を占める陣容となっています。
  中身は実にピュアなツンツン高慢系幼馴染ガールに、優しい少年に異性を感じ始める幼馴染美少女、ドスケベな大家のお姉さんに一本気なギャル美少女など、ラブコメ系ではキャッチーな属性のヒロインを用意しつつ、シリアス系の作品ではコンプレックスに悩まされる少女や、青春時代のすれ違いを心に深く刻んでしまった女性など、ヒロインの心理描写を掘り下げるキャラクター作りが為されています。
多彩なヒロインの設定に合わせてキャラデザの描き分けも丁寧に為されており、ちょっと派手な印象のギャル系ガールに、薄幸そうなアダルト美人、黒髪ロングの清楚なクール系クラスメイトなどなど、視覚的にも様々な美少女キャラが拝めます。
InnocentPalette3  ボディデザインについては、健康的な肉感を全体的に設けた巨乳ボディであり、もっちりと柔らかそうなおっぱい描写を明確な武器としつつ(←参照 むにに 短編「Stray Cat」より)、太股~股間のむっちりとした質感や肌のスベスベ感なども強調して女体のエロさを形作っていきます。
  初出時期に大きな開きはなく、ややオールドスクールながらアニメ/エロゲー絵柄的なキャッチーネスが明確な絵柄そのものは安定している一方、細やかな修飾性の濃淡や表情付けの艶っぽさなどには一定の変遷が感じられ、近作になる程、細やかな修飾とそれに伴って増加する整った艶が長所として目立つ様になっていると、個人的には感じます。

【肉感ボディの存在感をそれを彩る程好い濃度のエロ演出】
  ページ数の都合上、エロシーンはたっぷり長尺とは言い難い程度の分量ではあり、作品全体の雰囲気と融和する濡れ場は過激さを追求するスタイルではないため、量的にも質的にもマイルド寄りではありますが、とは言え、抜きツールとしては共に十分で、むしろ訴求層を広げることに寄与する範疇
  シリアス系の作品では、自暴自棄の破滅的なセックスや、少年の欲望が暴走してしまっての無理矢理初セックスといった苦さのあるエロシチュエーションもありますが、基本的には和姦エロがメインで、自身の性欲や好意を素直に表出させて互いの気持ち良さを追求していくセックスを描いています。
もっちり美巨乳を揉んだり吸ったり挟んで貰ったりなおっぱい関連の描写を含めて肉感的な肢体の感触を感じさせる描写を前戯パートで充実させつつ、瞳を閉じてち○こに集中する表情での熱心なフェラやパイズリなども投入。
ここで射精シーンを入れずに抽挿パートへ移行ということもありつつ、適度な尺を設けて射精に導くシークエンスがメインであり、双方それで情欲の治まることなく、抽挿パートへと移行して互いに腰を振りながら快楽を高めていく流れを形成。
InnocentPalette4  抽挿パートでは、汗や淫液に濡れて官能性を増す肉感ボディの存在感を前面に押し出しており、堪えきれずに漏れ出る嬌声や体を巡る感覚にキュッと目を閉じて堪える様な表情や瞳を潤ませた蕩け顔など(←参照 短編「ラジカル彼女」より)、演出面では量的にも質的にも一定抑えたスタイルは、ヒロインのエロ可愛さを伸長させています。
  フィニッシュシーンでも殊更に演出密度を高める様なことはせず、ビクビクとアクメに震える肢体や精液が溢れ出る秘所との密着感を強く打ち出し、前述した表情付けと嬌声でその痴態を形成した描写を大ゴマ~1Pフルで適度にダイナミックにお届けで、スタイルを一貫させています。

  作劇・エロ共に、突き抜けた特徴やエッジがあるタイプではないものの、決して凡庸さを感じさせず、読み口は軽めながらも共に味わい深さがあるスタイルと総括したいところ。
個人的には、展開そのものとしてはご都合主義的でありつつ三人の素直な感情が心地良いトライアングル・ラブ&3Pセックスな短編「曖昧ロジック」に愚息がお世話になりました。