Reincarnation  せがわまさき先生(原作:山田風太郎氏)の『十~忍法魔界転生~』第11巻(講談社)を読みました。なんか意外にサクサクやられていく転生組に振り回される頼宣さんも大変ですが、この人はこの人で暴走中といったところ。担ぐ神輿としてどうなんでしょうなぁ。
父子対決、父が剣の道を究めることを親子の縁も含め、全てに優先させていたことが、何とも悲しさを残します。

  さて本日は、DATE先生の『reincarnation~奪ワレタ少女ノカラダ~』(キルタイムコミュニケーション)の遅延へたレビューとなります。これが3冊目の単行本となる作家さんですね。
内に宿った異形が“私を私でなくなしてしまう”ダークファンタジーと狂気の凌辱エロが詰まった1冊となっています。

Reincarnation1  収録作は、優しい家族と友人達に囲まれ充実した学園生活を送るヒロイン・愛莉はある日から女性に暴力を振う夢を見出し、自身も次第に表出していくその嗜虐性に飲み込まれ、その身に宿る秘密を知っていくのだが・・というタイトル長編「reincarnation」全5話(←参照 幼馴染の少年を拘束して一方的に 同長編第1話より)+描き下ろし幕間劇(14P)、喰らった相手の外見や記憶をコピーすることができる怪物・オーガに蚕食されていく王国を描く中編「OGRE」全4話、および前単行本収録の同名シリーズからのスピンオフ「レジデンス」シリーズ2作。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は4~22P(平均15P強)と平均値としては少な目のボリューム。とは言え、中編・長編共に十分な読み応えのあるストーリーと、ハードなエロシーンとによって満腹感の強い1冊に仕上がっています。

【私が私でなくなる恐怖と拡大する破滅のファンタジー】
  自分の中にある得体の知れない凶暴な別人格に自身だけでなく周囲の人物も支配されていく女子校生を描く長編作も、変幻自在のオーガに食われその体と心を奪われた魔術師と騎士を中心として描く中編作も、いずれも“私が私でなくなる”という焦燥や恐怖感を有した作品であることは共通。
Reincarnation2  長編作については、数奇な運命の巡り合わせでヒロインに宿った凶悪な人物の復讐劇としての側面も有しており、ある種のトラウマに由来する歪んだ性癖に衝き動かされ、ヒロインとその周囲を破滅に追い込んでいくことで狂気の復讐を成し遂げていきます(←参照 長編「reincarnation~黒い記憶~」最終話より)。
女性の体の中に男性の人格が存在するという意味ではTSF的な要素はありますが、性差の超越という解放感というよりも、自身が内側から破壊されその惨禍が周囲にも及んでいくことを止められない絶望感がより印象的な作品と言えるでしょう。
  中編作についても、オーガに食われ、姿はそのままに中身が怪物に入れ替わった者達が跋扈していくことで王国が崩壊へと進む、その中で抵抗しようとする女騎士の姉妹を描いていますが、こちらでも自身が内側から壊れていく恐怖や惨劇が広がっていく悲愴感は共通。
現代日本的世界観を舞台に狂気そのものの輪廻転生を描く長編作と、剣と魔法の世界を舞台に恐るべき怪物の引き起こす亡国劇である中編作で、印象の差異を付けつつテーマ性を共通させつつダークファンタジーとして魅力的に仕上げた技量には唸らされました。
  更なる狂気の感染か、それとも新たな希望を見出していくのかは両作品で異なりますが、どちらも一捻りを効かせたラストでストーリーをしっかり締めているのも◎。

【スレンダー巨乳ボディがメインの複数ヒロイン制】
  ヒロイン(主人公)を含め女子校生級の複数ヒロイン制を取る長編作と、ハイティーン~20代半ば程度と思われる美人さん達が登場し、やはり複数ヒロイン制の中編作であり、共に可憐な美少女キャラとしてのデザインは共通。
  両作品とも、惨禍に巻き込まれるサブキャラ等も含めて多数の女性キャラクターが登場しており、各個のキャラクターについての掘り下げに余裕が無い場合があるものの、メインとなるキャラクターの葛藤や恐怖感、変貌と言った心理描写が充実していることがストーリーの軸をしっかりと形成しています。
Reincarnation3また、ごく普通のJK美少女達が、暴力的な快楽に叩き込まれて破滅的な痴態を繰り広げる長編作におけるギャップや、キルタイム系ではお馴染みのセクシーな魔法使いや凛々しい姫騎士が怪物による凌辱に巻き込まれるお約束(←参照 魔法使いのお姉さんに迫るピンチ 中編「OGRE」第2話より)といった魅力がキャラクターの魅力を高めているのも○。
  なお、見た目が美少女・美女であっても中身が怪物に入れ替わっていること、そういった女性キャラが同性を襲う状況でのフタナリ化や道具を使っての(見た目上は)レズセックスなどもありますので、それらが苦手な方は要留意。
  すらりと四肢が伸びる等身高めのスレンダーボディに並乳~程好く巨乳なバストと丸い輪郭を描く桃尻とを組み合わせたボディデザインで、個々の体パーツのエロさを前面に押し出すというよりかは均整の取れた女体に仕上げる傾向にあると感じます。
  アニメ/エロゲー系統のオーセンティックな絵柄で、特段に強い個性があるタイプではないものの、表紙絵との互換性は十分に高く、適度に絵としての重みのある描き方でダークファンタジーの雰囲気に合った絵柄と感じさせるのは応用力の高さと評し得るでしょう。

【破滅的な快楽に飲み込まれてイキ狂う痴態描写】
  ページ数の都合上、個々のエロシーンはたっぷり長尺とは言い難いものの、ストーリー進行を適切に為しつつ、濡れ場の占める割合は十分に高く、破滅へと突き進むエロシーンの悲愴感がヘビィな読書感を生み出しています。
  表層的には合意の上でのセックスもあるものの、それは自身の体が得体の知れない別人格の悪意によって操られているものとして描かれており、それも含めて凌辱系統のシチュエーションで統一。また、前述した様に(見た目上は)女性同士の絡みが多いことも一つの特徴でしょう。
Reincarnation4加えて、長編作では主人公に宿る別人格の協力者が使用する薬物、中編作ではオーガによる理性の吸収に伴う強烈な感度増強など、ヒロイン達に対して凶悪な快感を叩き込むギミックを用意しており(←参照 中編「OGRE」第3話より)、破滅的な快楽に飲み込まれることでの転落・破滅を印象付けることにつながっています。
  短めのエロシーンでは抽挿パートのみで構成することもあるものの、男性人格に支配された美少女による顔面騎乗や貝合わせなどに加え、スレンダー巨乳ボディを好き勝手に愛撫したり、秘所を弄ったりな愛撫描写や、パイズリ・フェラの奉仕強要、全身触手責めなど、前戯パートに十分な尺を用意した構成が多い印象。
首絞めセックスやボテ腹セックス、復讐のために最愛の娘を親の眼前でまぐわらせる見せつけセックスなどなど、ハード&アブノーマルなシチュエーションが多く、抗しきれずに快楽に飲まれた痴態を曝け出していく過程に重点を置くスタイルとも言えるでしょう。
  演出面で特筆すべき特徴があるわけではなく、演出密度も決して濃厚ではないものの、雰囲気の作り方が上手い分、瞳の光を失いガクガクと体を震わせながら言葉にならない嬌声を漏らす痴態がフィニッシュまで連発される畳み掛けには十分なアタックがあると感じます。

  読み応えのあるダークファンタジーと、そのヘビィネスを高める破滅的なエロ描写が組み合わさり、読後にも強い印象を残してくれる1冊でした。
個人的には、凶悪な怪物達の戦いに巻き込まれた騎士姉妹の想いの描写が大変に魅力的と感じた中編「OGRE」が最愛でございます。お勧め!