Fragile 武田一義先生(原案協力:平塚柾緒氏)の『ペリリュー 楽園のゲルニカ』第3巻(白泉社)を読みました。小杉伍長の思惑が何処にあるのかが頼もしい様な不安な様なといったところですが、仲間との合流が果たしてどちらかに転ぶのかも気になるところ。
過酷な状況な中で、同じく島田少尉にも頼もしさと同時に若干の狂気を孕みつつあるのかなと感じました。

  さて本日は、高津先生の『SはフラジールのS』(茜新社)のへたレビューです。なお、先生の(成人向け)前単行本『マイ・ディア・メイド』(ティーアイネット)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
引き締まったスレンダーボディのショタボーイがメスイキ快感に染まるエロシーンの詰まった作品集となっています。

Fragile1  収録作は、気弱な性格のスズキ君をいじめていたサトー君は、スズキの罠にはまって調教され、女装や露出エロなどの特殊性癖に染まっていくことになるのだが・・・なタイトル長編「SはフラジールのS」全6話(←参照 メスにされていくサトー君 長編第2話より)+描き下ろし後日談短編(8P)、および読み切り形式の短編2作。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は16~24P(21P弱)と中の下クラスのボリュームで推移し、収録本数の少なさもあって単行本としての厚みには若干欠け、標準より高めの定価を考慮するとボリューム的なお得感は乏しい部類。とは言え、マニアックな内容の単行本として、その方向性およびクオリティの高さには満足できる1冊と評し得るでしょう。

【全体的には凌辱・調教系統のショタエロ作品】
  お馬鹿エロコメにハードな凌辱エロ、日常モノからファンタジーまで幅広い作風の引き出しを持つ作家さんであり、今回は少年×少年のショタエロ作品としては初の単行本となります。
  いじめられていた根暗で気弱な少年が、快活な性格で気の強いいじめっ子である少年をアブノーマルな快感に染め上げて逆に支配していく長編作は、その設定からして序盤では因果応報的な印象も含めてダークな復讐劇としてスタートしていきます。
Fragile2とは言え、いじめっ子の善性を復讐側が認識していること、アブノーマルな性的嗜好に染まったもの同士が共犯関係として性行為をエスカレートさせていくことから、中盤~終盤ではサトー君の側も、性行為において“受け”ではあるものの、積極的に行為に及ぶようになっており、ある種の信頼関係・恋愛関係が成立していきます(←参照 徐々に協力的になっていくサトー君 長編第5話より)。
序盤では幼さ・無邪気さ故の残酷性といったものを感じさせつつ、それが徐々にそれららしいピュアな恋愛感情や素直になれない初心な関係性といったものに移り変わっていくのは、ストーリーそのものの踏み込みや面白さとしてはともかく、全体の流れを整えているとも感じます。
  読み切り短編2作については、人間の捕虜となり富豪の息子の男娼、しかも“攻め”側として籠絡されるエルフの戦士や(短編「ご主人様と奴隷の妻」)、魔王に捕えられて凌辱されるショタ勇者(短編「僕は、勇者。」)を描くファンタジー作品。
こちらは読み切り作品としてコンパクトな構築であり、ストレートな凌辱・調教エロにまとまって、ダーク&インモラルな雰囲気を保っています。

【引き締まったボディのショタ美少年】

  ファンタジー作品では、見た目こそ少年ながら妻子もいる(人間にとっては高齢の)エルフ男性が登場するなど、年齢層を判じにくいキャラクターもいますが、エロに絡むキャラクターは外見的には思春期初期のショタボーイ達。
メカクレ気弱変態男子×気の強いスポーツ男子、変態性癖なお坊ちゃま男子×気高いエルフの戦士、ショタ魔王様×ショタ勇者様など、ショタキャラ同士の絡みでほぼ統一しており、モブ的な竿役が出てもちんこ以外は描写されないなど、ショタキャラ達の言動にフォーカスし続ける仕様となっています
Fragile3  おねショタ・ママショタエロにおけるショタキャラクターの造形にも定評のある作家さんですが、今単行本についてはぷにっと可愛げのあるタイプのショタキャラではなく、しっかりと筋肉が付いたスポーティーボディの持ち主が(特に攻められる側で)目立つのが明確な特徴(←参照 気高い歴戦のエルフの戦士 短編「ご主人様と奴隷の妻」より)。
調教過程における女装では、キュートな女の子っぽさもデザインとして含ませつつ、同時に“男の子らしさ”のあるショタに異性装をさせることでのミスマッチ感・ギャップも含ませることで適度にアブノーマル感を打ち出しています。
  一般向け漫画とエロ漫画を掛け持ちするなど、商業作家としての執筆速度の速さや絵柄の安定感がある作家さんであるため、基本的に個々の単行本における絵柄の統一感は強いのですが、今回に関しては初出時期が広いこともあって、珍しく新旧の絵柄の差異が目立っています。

【羞恥と快楽でぐちゃぐちゃになる強気ショタ達のメス痴態】
  ページ数に多少の幅はありつつ、エロシーンの占める割合は高いこともあって、ショタ同士のアブノーマルなエロシーンという質的な満腹感がそもそも強いエロを十分量提供。
  凌辱・調教系統のエロシチュエーションを全作品で共通させつつ、女装させてのセックスや露出・羞恥系のシチュエーション、妻子を持つ男性を寝取り調教などのエロシチュエーションを合わせて投入しており、いずれも気が強かったり誇り高かったりな少年キャラクターを快楽で屈させるという方向性に沿った描き方になっています。
調教する側が“攻め”(タチ)側である長編や短編「僕は、勇者。」と、逆に調教する側が“受け”(ネコ)側である短編「ご主人様と奴隷の妻」でプレイ内容の組み立ては異なるものの、前戯パートでは同性にフェラをさせられたり/したりからの射精シーン、オナニー開陳やらご奉仕プレイやらを投入し、羞恥心や屈辱感と背徳の快楽が入り混じるショタボーイズの様子を提供。
この状態でアナルに挿入されたり、リードする側のアナルにち○こを飲み込まれたりすれば、あとはリードする側の思うが儘に快楽に溺れていき、アナル快感でのメスイキを繰り返しながら自前のちんこからも先走り汁や白濁液を小刻みに放出し続ける雌雄ダブルの快感にガクガクと体を震わせていきます。
Fragile4  ハートマーク付きで蕩けたエロ台詞や嬌声、ショタフェイスがとろんと蕩ける表情付けなど、十分なアタックのエロ演出を載せつつ(←参照 長編第6話より)、この作家さんとしては量的に抑えた演出スタイルであるように感じられ、ショタキャラ達のリアクションに集中しやすい作り。
ねっとりと舌を絡めるキスや、淫液が溢れ出る秘所やショタちんこの見せ付け構図など、密着感も十分に打ち出しつつ、アナルを穿られてのアクメ&トコロテン式にちんこからもだらしなく射精して絶頂に震えるフィニッシュまでコマの大小に関わらず、インパクトとアブノーマル感のある描写をきっちり揃えた構成となっています。

  気の強いショタがメスイキ&オスイキ快感にメロメロに~というギャップが大きな魅力であり、キュート&ラブリーなショタをお求めな諸氏にはやや不向きなキャラデザではあるものの、属性持ちの好事家にとっては福音となる1冊でしょう。
サトー君が女装させられて調教されるエロシーンが個人的には大変眼福でした。