IWannaHoldYou 桑原太矩先生の『空挺ドラゴンズ』第2巻(講談社)を読みました。大事件になっても龍を獲って食べるというスタンスが全くブレないミカが心強い一方で、別離の寂しさもほんのりと香るボーイミーツ・ガールの味わいも素敵なものでした。
特大カツレツ、ファンタジーならではでありつつ、味が想像できて美味しそうでした。

  さて本日は、飴沢狛先生の初単行本『抱きしめたい。』(ワニマガジン社)のへたレビューです。大変に可愛らしく、少女漫画チックな雰囲気の表紙絵ですね。
甘く優しいラブ模様と柔らかボディが幸福そうにたっぷりと蕩けるエッチが詰まった1冊となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編で10作。1作当りのページ数は16~28P(平均20P強)と書店売り誌初出としては控えめな平均値を取りますが、ラブエロ模様の豊潤な甘味と十分なボリュームのエロシーンとで、読後の満腹感は相応に強い作品が揃っていると感じます。

【柔和な雰囲気の中でのピュアなラブエロ模様】
  ご主人様がお付きのメイドちゃんに少しイジワルなエッチをする短編「モーニングメイド」の様に多少の例外的要素を含む作品もあるものの、作風のメインとなるのはキュートな女の子達との甘味たっぷりのラブ模様。
作品の骨子としては、棚ボタ的な状況設定でサクサクとエロシーンへと進行していく極スタンダードなものであり、おねショタ系であったり人外ヒロイン押しかけ嫁であったり突然のメイクラブであったり、エッチなヒロインのラブエロアタックであったりと、多彩なチューンを用意。
IWannaHoldYou1シナリオ自体に強い個性や旨味があるタイプではない一方で、登場人物の好意や性欲が素直に発揮され、エッチも含めて彼ら彼女らがその状態に幸福を感じていることが自然と読み手に伝わることで、作品の柔和な雰囲気に幸福感を以て浸れることが大きなポイントと評し得るでしょう(←参照 優しくおでこにキス 短編「僕らのヒミツ」より)。
このシナリオワークの中で、美少女ヒロイン達の可愛らしさが存分に引き出され、その魅力で牽引すると言う手法は、正しく萌えエロ系のそれではあるのですが、同時にクドさやわざとらしさがキャラクター描写に感じられないのは明確な美点であり、前述した滑らかな読書感に寄与。
  幸福感に溢れるラブラブハッピーエンドも、クスリと頬が緩むコミカルなエンドも、共に登場人物が幸せそうに微笑む様子を提供しており、ラストまで甘く柔らかく、かつクドすぎない少女漫画チックな上品さも維持させて読後感を良好なものにしています。

【ちっぱいちゃんからたっぷりおっぱいさんまで】
  ご主人様の飼い猫である猫耳ガールに、居候先の御主人を幸福にしてくれる座敷童?な女の子といった人外ヒロインもいますが、想定される設定年齢は幅広く、ローティーン級から女子大生クラスまで存在。基本的には思春期真っ只中な女の子達がメインといった印象です。
ちょっぴり小悪魔系の義妹ヒロインに、人懐っこい猫耳ガール、優しくてエッチなお姉ちゃんヒロイン、妄想が暴走しがちで好きな男子の机で角オナする変態ガールなどなど、それぞれキャッチーな要素を盛り込みつつ、過度に属性で固定化するというよりかは、より普遍的な愛らしさ、恋のドキドキ感を感じさせるキャラクターが揃っていると感じます。
エッチに積極的な女の子達が素直な恋心と性欲を発揮する姿も、逆に男性にリードを握られて恥ずかしがったりオドオドしたりな姿も、共に可愛らしく、一定の嗜虐性・支配欲を喚起させるものの、どちらかと言えば保護欲や振り回される幸福感を生じさせるタイプと言えるでしょう。
IWannaHoldYou2  童顔爆乳な女子大生さんがいたり、同程度の年齢層であってもふっくら柔らか巨乳であったり控えめ貧乳バストであったりと(←参照 ペタンコおっぱいな幼なじみ 短編「幼馴染にご用心?」より)、おっぱいサイズや背の高低には様々なバリエーションがありますが、ちっちゃくてぷにっとした印象の華奢ボディと程良い肉付きの並乳~巨乳柔らかボディとの描き分けは比較的明瞭。
猫耳であったりメイド服であったりと、キャラデザにコテコテな萌え要素を含ませることも多々ありますが、同時に性的な要素や萌えっぽさを過剰に主張させることもなく、十分にあざとさを有する絵柄・キャラデザでありながら、それを“あざとさ”と感じさせないスキルがあるというのが、胡乱ながら、個人的な印象です。
  初単行本ながら絵柄は単行本を通してほぼ統一されており、描き込み密度をあまり高めず、ふわっと柔らかい印象をキープするスタイルは、現在のエロ漫画のメインストリームとは異なる独自の魅力と感じます。

【抑えめの演出でじっくり見せるエロ可愛い痴態】
  前述した通り、個々の作品のページ数がそれほど多くないこともあって、濡れ場の尺が長いというわけではないものの、エロシーンの占める割合は十分に高く、またヒロイン達がエッチでキュートな反応をビビットに示してくれる描写の充実もあって、エロシーンの満足感は相応に強く仕上がっています。
IWannaHoldYou3ラブラブHの構成は作品によってある程度異なりますが、前戯パートに十分な尺を設けることが多く、優しいキスや小さなお口でのフェラ、小さな秘所や乳首を指や舌で丁寧に弄くる愛撫(←参照 短編「繋‐ケイ‐」より)、たっぷりバストでのパイズリなどなど、ヒロインの体型やカップリングによって様々なプレイを投入。
この前戯パートが充実している一方で、抽挿パートが短めになって早漏展開となるケースもあるため、場合によっては短所となりえる要素ですが、羞恥と快感が入り混じって蕩けたり、興奮して熱っぽい表情を浮かべたりなヒロイン達の表情で魅せています。
  抽挿パートも含め、比較的シンプルなコマ割りで魅せつつ、表情と行為の平行連続コマや寄せの構図と引きの構図の組み合わせなど、確かな技巧を伴うことで淡々とした印象に陥らない工夫が為されており、ヒロイン達のエロ可愛い反応を余すところなく堪能することができます。
IWannaHoldYou4挿入の瞬間など、要所では比較的アタックの強い表情付けを用いることもありますが、それもアクセントの範疇であり、頬が紅潮し瞳が潤む熱っぽい表情付けと漏れ出してくるハートマーク付きの嬌声といった抑え目のエロ演出や、肌の触れあう密着感などで陶酔感を打ち出すスタイルも、ヒロインのキュートな痴態に集中しやすい作り(←参照 短編「習いごとフェティシズム」より)。
  このヒロインの蕩けっぷりに加えて、登場人物の相手への好きの気持ちが要所で表現されることで、更に甘い幸福感を打ち出しており、局所アップや断面図なども用いつつ、全体的に激しさ・派手さを抑制させながら適度な濃厚感のあるエロ描写を、アクメの感覚をヒロインがキュッと瞳を閉じて堪える中出しフィニッシュまで連続させています。

  甘く優しい雰囲気、キュートでピュアな女の子達、幸福感と熱っぽい陶酔感のある濡れ場と、素敵なラブエロ空間にゆったりと浸れる作品が揃っています。
個人的には、キュートなメイドちゃんにちょっぴり意地悪なラブラブHの短編「モーニングメイド」と、小悪魔系義妹ちゃんのピュアなデレが楽しめる短編「繋‐ケイ‐」が特にお気に入りでございます。