HerEphemeralSeason TVアニメ『AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION-』最終第13話「AKIBA’S LAST TRIP」を観ました。パンチラサービス全開、昭和ネタ・パロネタ満載、これまでの登場人物大集合に熱血&感動の王道大団円とコミカルなオチ、実にこの作品らしい魅力が詰まった最終回でした。
いつまでも平和でカオスな秋葉原であってほしいですよね。

  さて本日は、中村葛湯先生の初単行本『彼女のせつな』(コアマガジン)のへたレビューです。数年前にメガストアで読んで以来、単行本を楽しみにしていた作家さんです。
思春期入りたてガールズの心の動きを繊細に追うシナリオと華奢ボディが濃厚な陶酔感に包み込まれるエロが味わえる作品集です。

HerEphemeralSeason1  収録作は、年の離れた従兄妹同士である二人は好き合っているものの、その関係を周囲に公言できないことと感じているのでは少女の心は揺れ動き~な連作「想い人」「from day to day」(←参照 もう子供でないと思って欲しい 連作前編「想い人」より)、あるスイミングスクールを舞台にコーチや職員に好意を持った少女が彼らの“お願い”を聞くことになって~な連作「ならいごと」「LOOP」、および読み切り形式の短編4作。
1話・作当りのページ数は24~26P(平均26P弱)と中の上クラスのボリュームで推移。適度に読み応えのあるストーリーと十二分な濃厚感のあるエロシーンとで構成されており、エロ的にも漫画的にも満足感の高い仕上がりとなっています。

【甘い幸福感や背徳感などを香らせる繊細な作劇】
  思春期入りたてガールのそれぞれの性愛を描く各作品は、ヒロイン側の恋愛感情や各種の思惑が展開を主導するタイプと、男性側の欲望が展開を駆動するタイプに分かれるものの、恋や性に戸惑いながらそれぞれのヒロインなりの取捨選択を描くことに重点があるタイプ。
ある種の背徳感や、秘められた性愛を描く点を共通させつつ、ほんのりと甘酸っぱさを織り込んだ作品もあれば、これまたほんのりとダーク&インモラル系の危険な香りを漂わせる作品も存在しており、前者がメインではありつつ、読み口は作品によってそれぞれ異なる印象です。
この“ほんのり”という部分が重要であり、大きな物語性を前面に押し出すことはせずに、日常の中での性愛とそれへの少女たちの反応を描く上で、十分に漫画的な繊細さを有しつつ、あくまで幸福感や禁忌感を香らせることにとどめることで、ある種の現実味を作品に含ませることに成功しています。
HerEphemeralSeason2  日常の雰囲気を保ちつつ、明らかに危険な香りのする連作「ならいごと」「LOOP」を除けば、少女たちの葛藤や戸惑いを描き出しつつ、基本的には彼女らの好きな男性との関係性において、ヒロインが幸福を感じられる結末へと進んでいくのも安心感に寄与(←参照 短編「家路のありか」より)。
このハッピーエンドへ至る展開も、甘味たっぷりのスタイルではなく、加えて、例えば少女とその友人の関係性を再構築と見るか一種の別離と見るかは読み手によって分かれるであろう短編「プラスマイナス」のラストなど、読み手に登場人物たちの関係性の“判断”や彼女らの心情が生み出すものへの想像の余地を残すストーリーテリングが多いのも特徴で、この点がシナリオに旨味を与えていると評し得ます。
  甘いラブエロ系にしろ凌辱系にしろ、作品の方向性を王道的な展開で明確化するスタイルをお望みの諸氏には物足りなさを感じさせる可能性はありますが、中途半端さを感じさせる作劇では決してなく、思春期の少女達らしい“不安定さ”をよく抽出した作劇と評したい所存。

【スベスベ柔肌の華奢ボディな思春期入りたてガールズ】
  『コミック高』(茜新社)を初出とする短編「Frog」のヒロインは女子校生級と推察されますが、その他のヒロインは思春期入りたての高学年~JC程度と思しき女の子達であり、制服ガールズがメイン。
漫画チックにキャッチーなキャラクター属性を盛り込むことはあまりしておらず、特に年上の男性の前では大人しくなってしまう、“いい子”なタイプの少女でありつつ、同時に彼女たちの中で性愛への興味や他社との関係性の意識といった精神的成長が芽生えているのも一つのポイント。
また、単純に性欲を発露するというよりかは、異性への好意や関心、何かしらの対抗意識といった感情と性的なものへの志向が不可分なものとしてヒロイン達を突き動かしているという描き方も、思春期らしいナイーブさを感じさせることに強く寄与しています。
HerEphemeralSeason3  ヒロイン達のボディデザインについては、年齢設定の別なくほぼ共通しており、ぺたんこ~ほんのり膨らみかけで可憐なつぼみが控えめに存在するバスト、寸胴気味な体幹、無毛地帯で一本筋が走る小さな股間に肉付きの弱いお尻、ほっそりとした手足、そしてそれらを包み込む白くスベスベとした柔肌といった未成熟な肢体は華奢さ、儚さを感じさせるタイプ(←参照 短編「プラスマイナス」より)。
  繊細な描線をクドさを感じさせない範疇で高密度に組み合わせた絵柄は、むしろふわっと軽やかな印象さえあるものの、乱れた髪の毛や着衣といった細やかなパーツの描写は丁寧であり、また後述する様にヒロイン達の痴態も丹念な演出を施して絵としての熱量を十二分に有しています。
初単行本であり、また初出時期にも3年程度の幅がありながら、絵柄の統一感・完成度は高く、キャッチーさや萌えっぽさ、はたまたストレートな煽情性などを追及するスタイルではなく、創作系よりのオサレ感や繊細さ、上品さがある分、エロシーンでの強烈な陶酔感がいい意味でのギャップを生み出していると評し得るでしょう。

【技巧的な画面構成と緩急を心得た演出の濃厚痴態描写】
  個々の作品に十分なページ数があることもあって、エロシーンも標準をある程度上回る程度の尺の長さを有しており、前戯パート・抽挿パートの双方に満腹感のあるボリュームを設けています。
  ヒロイン側からの好意に付け込む形式になり、一定の無理やり感・凌辱感のある連作「ならいごと」「LOOP」を例外としつつ、和姦エロで概ね統一していますが、程よく甘い幸福感を包み込む恋愛セックスも含めて、シチュエーションとしての特定の方向性を前面に押し出すことなく、むしろ一定の背徳感・禁忌感、そして少女達を快楽で圧倒するという支配欲・嗜虐性を相応に強く有する描き方と感じます。
  小さな乳首や秘所といった未成熟な性感帯を指や舌でまさぐって性的な反応をヒロイン達から引き出したり、小さなお口で怒張を頬張らせるフェラ描写を投入したりな前戯パートは十分な尺を有しており、羞恥と快感に染まる表情付けや、ぬるぬるとした愛液や汗で華奢かつ柔らかな肢体が濡れていく様子をねっとりと描写。
抽挿パートへ移行後は、キツキツな秘所を力強いストロークで奥まで責められることで、更に紅潮し、漏れ出る涙や涎、汗などでぐしゃぐしゃになった表情と、小刻みな絶頂やピストンの反応でびくびくと反応したり、反対にイキ過ぎてだらんと弛緩してしまったりな体のリアクションといった演出・描写で濃厚な痴態描写を連続。
HerEphemeralSeason4  周囲に性行為はばれないように敢えて口を押えるエロシチュエーションなども含め、雄弁な表情や肢体の反応と対照的に、台詞表現は量的に押えられているのですが、それ故に堪えても漏れ出てくる乱れた嬌声や喘ぎ声に強力な煽情性があるのも見事で(←参照 短編「朝の雲、暮れの雨」より)、演出面で強く押し出すところは押し出しつつ、抑える点は抑えて読み手の意識を引き付け続ける技量は高く評価したい点。
ヒロイン側の痴態描写において、引きの構図とアップの構図の組み合わせ、動きに合わせた視点誘導や行為とそれへのリアクションの連続性といった技巧は、情報量の多さと中~大ゴマのアタックの強さを両立させる画面構成の巧さに支えられていると言え、中出しフィニッシュまでのシークエンスにページ数以上の満腹感を叩き出しています。

  確かな技巧に支えられたエロ描写のクドくない濃厚さ、作劇の押しつけがましくなく、かつ旨味のある味わいと、初単行本から双方とも非常に高いレベルにある作家さんと思っています。
個人的には、ヒロインの心情の変化に色々と思いを巡らされた短編「プラスマイナス」と、ちょっと弱気な女の子がもみくちゃにされながら魅せる反応が魅力の連作前編「ならいごと」が特にお気に入り。