FallInTheDark  ヤマザキマリ先生&とり・みき先生の『プリニウス』第5巻(新潮社)を読みました。アフリカへの旅路、動物と意思疎通の出来る不思議な少年との出会い、新たな火山の噴火で深まる謎と冒険譚めいてきましたね。読んでいてワクワクします。
あと、色々と話題の米国大統領(2017年2月現在)っぽいデザインの横暴マンが登場していて笑いました。

  さて本日は、しょむ先生の『Fall In The Dark』(エンジェル出版)のへたレビューです。本作が3冊目の単行本となる作家さんですね。
狂気や暴力が支配する絶望的な雰囲気の中で巨乳美少女&美女が凶悪な快楽に飲み込まれていくヘビィ&ハードな作品集となっています。

FallInTheDark1  収録作は、高潔で峻厳な性格の風紀委員長であるヒロインは幼馴染である気弱な少年のことをいつも気にかけ、立派な人物になって欲しいと思っていたものの、そのこと自体が彼を追い詰めており、彼の狂気の復讐が開始される連作「正義ニ贖罪ヲ・・・」前後編(←参照 いわゆる壁尻シチュエーション 同連作前編より)、および読み切り形式の短編6作。
1話・作当りのページ数は20~28P(平均24P強)と標準かそれを多少上回る程度のボリュームで推移。短編メインということもあってストーリーの存在感そのものは強くないものの、ヘビィな読書感のある作風であり、またエロの強烈さも質的なボリューム感を生み出しています

【暴力や狂気の理不尽さが一方的に叩きつけられる重苦しい展開】
  後述する様に、ヒロイン側自身が狂気的な妄執に憑りつかれてアブノーマルなプレイに邁進していく作品もありますが、基本的にはヒロインが他者の暴力や狂気に晒され絶望しながら快楽に沈んでいく凌辱・堕ちモノ系統の作品がメインとなっています。
異性に対する征服欲といったストレートな性的欲望が発揮されるというよりかは、歪んだ形式での復讐心や対象への妄執、“商売”として相手をモノ扱いしたり禍々しい好奇心と支配欲であったりと、歪な欲望がヒロインを追い詰める流れが多くなっています。
  この凌辱展開の中で、悪役に相当する登場人物達は、周囲の信頼を得ながら裏では観察と称して他者をコントロールする優等生や、イジメの対象の母親を巻き込んで好き放題にする不良たち、暴力と薬物によって機械的に人間を商売道具にしていく裏社会の人間など、様々な形式の“力”によって優位を確保した人間が、その優位を確実なものにしたまま弱者をいたぶるキャラクター達であることは本作の大きな特徴でしょう。
FallInTheDark2暴力や狂気が生み出す非日常的な突破力など、力に圧倒されたヒロイン達は、自身が相手に嬲り者にされることを受け入れざるを得なくなり(←参照 息子のために凌辱を受け入れるしかないのか 短編「母親ニ理不尽ヲ」より)、苦痛や絶望の中で逃げ込む様に快楽に溺れるしかない、もしくは快楽を快楽として認識させてくれさえしないという描き方は、前述した強者達の驕りに加えて重い読書感を生み出していると評し得ます。
  強烈な被虐性癖であるヒロインが自ら主人公に激しい暴力的な性行為をねだる短編「被虐者ニ苦痛ヲ」においては、ヒロインが主導し、行為こそ激しいながら主人公の少年はそのことに一種の葛藤を有していますが、この作品も含め、狂気や暴力は理不尽なものであるという描き方が徹底されている分、バットエンドの重苦しさとやるせない読書感を残してくれると感じます。

【体パーツの淫猥さが特徴的な巨乳ボディ】

  短編「母親ニ理不尽ヲ」に登場するママさんのみ30代半ば~後半程度の年増美人さんですが、その他の女性キャラクターは概ねハイティーン級と思しき女子校生さんやギャルさんなどで統一されています。
  クールで気の強い女性や、はたまた大人しくオドオドとした印象を受ける少女、はたまた美人局をしている愚かしくも能天気なギャル(彼氏持ち)などなど、性格面では様々ですが、いずれしてもそれぞれの特性を男性側の嗜虐欲を引き出す形で表現しているのが特徴的。
肉感やバストサイズなどには一定のバリエーションがあり、むっちり肉感ボディのタイプもいればある程度華奢さを感じさせるスレンダー寄りのタイプもいますが、基本的には健康的な肉付きともっちり柔らかな巨乳&桃尻を組み合わせた女体造形がメイン。
股間にもっさりと黒く茂る陰毛やぷっくりと膨らむ乳輪&乳首、淫靡にひくつく秘所やアナルに艶っぽい唇など、各体パーツの淫猥さも特徴的であり、またヒップ&太股の肉感を強調する構図や乱暴に掴まれるなどされてひしゃげる乳房の表現なども多用しています。
FallInTheDark3エロシチュエーションの方向性による部分はありますが、これらの特徴を備える女体は、緊縛や男性の膂力による拘束、露骨に性的な衣装、鼻フックなど敢えて美しさを減耗させる行為によって、その柔らかさや存在感を増強すると共に、その肉体が他者に自由にされてしまうという被虐的・屈辱的な状況を視覚的にも強調しています(←参照 鼻フック&緊縛 短編「椿ニ縄ヲ・・・」より)。
  バスト&ヒップの肉感を重視するセックスアピールの強さ、行為の激しさや全体的に重苦しい雰囲気と親和する絵としての適度な重さ・濃さを有しつつ、絵柄のベースとなるのはキャッチーなアニメ/エロゲー系統の絵柄であり、それらの混合が独特の印象を生み出しています。表紙絵と中身の絵柄の互換性は高く、単行本を通して絵柄もほぼ統一されているのも安心材料でしょう。

【過激なプレイとハードなエロ演出に溢れた狂気的な性描写】
  連作や短編「双子ニ支配ヲ」など、ページ数の多い作品ではヒロイン側が追い詰められ徐々に変容していく様子を複数のエロシーンの投入によってじっくりと描くと共に、その他の作品でも一方的な暴力や狂気がヒロイン達を蝕んでいく流れを十二分なボリュームで提供しています。
性的欲望が暴力的に叩きつけられる輪姦や拘束凌辱といったソリッド&ストレートな凌辱シチュエーションもあれば、薬物を使用して一方的な“愛情”と欲望を注いでいく睡姦や双子の姉弟を精神的に支配して狂わせるシチュエーション等、悪意の陰湿さを強く感じさせるエロシチュも存在しており、ヒロイン達の絶望や諦観が共に重苦しいのは前述した通り。
異物挿入やフィストファック、縄や結束バンドによるきつい緊縛・拘束、首絞めファック、性器の拡張や二穴責め、羞恥心を与えるための犬の格好をさせての深夜散歩など、性行為として過激であったりアブノーマルであったりするプレイが多く、それらの異常な行為が生む異常な快楽にヒロイン達が精神的にも肉体的にも壊れていくという流れが明確です。
FallInTheDark4  濁音を多用する乱れた叫び声や嬌声、目を見開いたり舌を突き出したりといった味わっている感覚を強調する表情付け、拘束等による無理な体勢の強要など、エロ演出の面でも強烈さがあり、凶悪な快楽に包まれて理性や尊厳を喪失していくヒロイン達の絶望的な痴態を彩ります(←参照 短編「畜産ニ愚者ヲ」より)。
肉棒が押し付けられる唇や内側から押し上げられる頬、好き勝手にぐにぐにと弄られる秘所やアナル、肉棒がマッシブに貫く透過図や結合部アップ構図など、体パーツ、特に粘膜描写の淫猥さを十全に生かしてそれを前面に押し出す描写も多く、それらの勢いや力強さで一定の迫力をエロ描写に付与しています。
  前戯パートにおいて口内に発射され、こらえきれず吐き出す描写やぶっかけ、秘所やアナルへの中出しなど、射精シーンは数多く投入され、白濁液が内側からも外側からもヒロイン達を汚していく流れを形成すると共に、フィニッシュでは強制的に叩き込まれるアクメに苦痛と歓喜をない交ぜにして絶叫しながら乱れまくるヒロインを、たっぷりと白濁液が注ぎ込まれる股間を見せつけるショットで提供して強烈な〆を形成しています。

  行為の過激さに加えて、重苦しさや胸糞悪さのある凌辱エロということもあって、確実に読み手を選ぶタイプの作品ではありますが、暴力にある理不尽さや快楽の狂気性をしっかりと練り込んだ構築はエロとしてもシナリオとしても相応の読み応えがあります。
個人的には、クールで高潔な黒髪ツリ目巨乳美少女さんがその善意を思わぬ形で裏切られ、贖罪という名の調教凌辱を受け・・・な連作「正義ニ贖罪ヲ・・・」が特にお気に入り。