FirstLoveSplash 岡田淳司先生の『ニャンキーズ』第1巻(角川書店)を読みました。野良猫達の生活や縄張り争いを不良(ヤンキー)として描いた作品で、人間形態での不良バトルの緊迫感と猫ちゃん形態の喧嘩の微笑ましさが独特のケミストリーを生んでいます。
この作品もそうですが、最近、王道不良漫画+意外な要素って組み合わせの作品、流行っていますね。

  さて本日は、Dr.P先生の『初恋すぷらっしゅ!』(コアマガジン)のへたレビューです。成人向けでは久しぶりの単行本となりますが、(成年向け)前単行本『僕んちのミカゲさん』(富士美出版)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ちょっと性癖を拗らせたボーイズ&弾力ヒップガールズのほのぼのラブコメ&ラブラブHが詰まった作品集となっています。

FirstLoveSplash1  収録作は、陸上部の後輩である長身日焼け肌無表情ガールな後輩が根暗チビ扱いされる主人公のことをいつも気にしていて偶然出会った夜の公園で熱烈アタック!?な連作「センパイハンティング」「センパイヒーティング」(←参照 当ててんのよアタック! 同連作前編「センパイハンティング」より)、とあることから女性の裸にトラウマを抱えてしまった少年meets暴君美人な女教師さんの短編「トラウマオーバーライト」+描き下ろし後日談2P、および読み切り形式の短編7作。
なお、短編群の何作は同一世界を舞台としているようで、あるエピソードのメインキャラクターが他の作品でサブキャラとして登場することもありますが、基本的には独立した作品群となっています。
1話・作当りのページ数は16~20P(平均18P)とやや控えめながらコンビニ誌初出としては標準的な部類。概ね軽めの読書感のシナリオパートと濃過ぎず薄過ぎずな濃度のエロシーンとでバランスよくまとまった作品構築となっています。

【ラブコメ系としての王道的な魅力を備えた作劇】

  明るく楽しく、そして程好く甘い幸福感を喚起する読書感のラブコメディがメインの作風と言える作家さんであり、今単行本も王道的な魅力を備える青春ラブコメを楽しめます。
ジョギング中に出会う女性の汗の匂いにぞっこんになってしまった主人公君や、女性の裸に強い抵抗感を抱くトラウマを抱えた少年、未だに処女であることがちょっとコンプレックスで酒の勢いもあって暴走することになる女教師さんなどなど、性的な嗜好や性経験などにおいて、ちょっと“拗らせちゃった”登場人物が多いのが一つの特徴。
FirstLoveSplash2無論、それらを深刻なものとして描くことはなく、登場人物達の性的嗜好やナイーブな秘密が、男女の性愛の中で共有され、相手に受容されることで解決されるという流れになっているのは(←参照 厳しい女教師さんの優しい笑顔 短編「トラウマオーバーライト」より)、恋愛の成就としての幸福感を高める上で大きな効果を発揮しており、コミカルな雰囲気とラブエロ系の甘い雰囲気の双方を形成しています。
  また、そういった拗らせた面も含め、ヒロインのキャラクター性をシナリオパートにおいて分かりやすく立てている分、個々に魅力的な美少女・美女とのラブ&エロに宿る幸福感をスムーズに喚起しているのは、ラブコメ系としての教科書的な美点と言えます。
コミカルな面も相応に目立ちますが、そういった個々に魅力が明確に為されたヒロイン陣が素直な恋愛感情を、ちょっと恥ずかしがりながら口にするシーンに程好い甘味があるのも印象的であり、前述したラブエロ系としての幸福感に直結。
  勘違いやトラウマ、秘めていた思慕等がいずれも解決されて男女の関係性が幸福に結ばれるラストは、ヒロイン側に主導権を持たせた状態においてそんな彼女達と仲良くやっていく二人の関係性を示して、ほのぼのとハッピーエンドにまとめています。

【形の良い桃尻も魅力の多彩な設定・キャラデザのヒロイン達】
  女子校生級の美少女さんを主力としつつ、20代半ば~後半程度と思しき(主人公にとって)年上な美人さんも数名登場するヒロイン陣になっています。
  快活なスポーツ少女に、無表情だが実は肉食系な後輩ガール、怒らせるととっても恐い暴君系女教師さんや恋人のいないやさぐれお姉さん(処女)、真面目だが守銭奴なメガネガールなどなど、キャッチーな属性とユニークな魅力を調合した多彩なヒロイン達が揃っています。
すらりとした長身のスポーツ少女や、ツリ目のお姉さん、三白眼&メガネの地味系ガールに日焼け肌の長身短髪の後輩ちゃん、艶やかな黒髪ロングのお嬢様系大和撫子などなど、性格面と併せてキャラデザインの多彩さも魅力的。
この多彩なキャラデザの中で、背の高い女の子や、メガネ、三白眼、中性的な短髪&容姿など、二次元的な華やかな美少女キャラのスタンダードとは異なる要素を織り込むことが多く、ある種の地味さや中性的な印象などのあるヒロインが、ラブ&エロの中でキュートな女の子として魅力が高められていることが一つの美点であると個人的には感じます。
FirstLoveSplash3  もっちり柔らかモンゴロイドボディの女の子もいれば、スポーツで鍛えられた締まったスレンダー巨乳ボディの女の子もいたり、若々しさもありつつ適度に熟した大人のグラマラスボディなど、キャラクターの設定に合わせて女体の描き分けも為されていますが、程好い量感と輪郭が綺麗な円弧を描くヒップの描写はこの作家さんの特徴的な要素(←参照 短編「サーペンタイン・ラブ」より)。
このヒップに加え、貧乳から巨乳まで各種取り揃えのバストの存在感で適度に魅せつつ、絵柄の性質もあって、濃厚な淫猥さというよりかは親しみ易いエロ可愛さや健康的なお色気感が先行する女体描写と言えるでしょう。

【程好い密度の演出で彩るヒロイン達の痴態が生む幸福感】
  ページ数の都合上、たっぷり長尺のエロシーンというわけではなく、また、各種スキンシップやオナニー、臭い嗅ぎ、過去のエッチの回顧など、核となるセックスシーンに至るまでの導入パートにおけるエロ描写を充実させる傾向にあり、特にたっぷりピストン描写を楽しみたいという方は要留意。
前述した様に、憧れの先輩やサバサバした女の子、無表情ガールに厳しい年上美人さんなどのヒロインが、エロ可愛い姿を主人公に対して素直にオープンしてくれるという幸福感を基調にした和姦エッチであり、羞恥系シチュエーション等を盛り込むことがあっても、あくまでラブエロ系としての魅力を損なわない水準に留めています。
  上述したボディタッチ等の肌の触れ合いも含め、前戯パートを長めに描く傾向にあり、互いの体温や匂いなどを感じながら、特にヒロイン側のバスト&ヒップの柔らかさを堪能すると共に、双方の興奮が高まっていく様子をじっくりと描き上げています。
FirstLoveSplash4前戯パートを量的に充実させる分、抽挿パートの尺は短めになることが多いのは好みを分ける可能性がありますが、十分に蕩けた秘所にピストンを加えながら、乳首弄りや舌を絡めるキスでヒロインの快感を更に高めたり、殊更に強調することはないものの、バックからの構図で魅力的な桃尻を魅せたりと(←参照 バックからの主観構図&乳揉み 短編「aromatic athletic」より)、前戯パートにおけるエロ描写の美点を共通させています。
  小~中コマを詰めて配置して、行為の連続性や複数アングルの提示によって描写の情報量を高める画面構成になっている一方、エロ演出については過激な演出は控えて、快感と羞恥、歓喜の入り混じる蕩け顔や適量の液汁描写、台詞回しなどベーシックな演出を抑えめの密度を以てヒロインの痴態を彩ります。
  中~大ゴマで魅せるフィニッシュシーンにおいても、演出強度を強く押し上げることはせず、結合部見せつけ構図も用いつつ、体を駆け抜けるアクメの感覚にたっぷり浸るヒロインの痴態を描いており、読み手の嗜好によっては物足りなさを感じるかもしれませんが、全体的に絵柄の健康的なお色気感を生かしたエロ描写として統一されていると評し得るでしょう。

  ヒロインのユニークな魅力を自然に引き出してシナリオ・エロ双方の魅力に直結させたラブコメ系エロ漫画であり、エロ面での強いパンチには欠ける一方で、エロの幸福感や開放感を幅広い層が楽しめる作品集と言えるでしょう。
個人的には、日焼け褐色肌&語尾が「~ッス」な長身巨乳ガールに積極的にラブエロアタックを掛けられる連作「センパイハンティング」「センパイヒーティング」が大変気に入っております。