2021年01月

荒井啓『群青群像』

EveryonesUltramarine TVアニメ版『のんのんびより のんすとっぷ』第3話「昔からこうだった」を観ました。ひか姉、(本人の不器用な性格もあって)割と残念な扱いをされがちなキャラという認識だったのですが、今回のエピソードで夏海に翻弄されながらも友人として許してあげる、その“いい人さ”がよく伝わりましたね。
しかし、必殺確殺シュートの、このしょーもないネーミングセンス、れんちょんとはまた異なる味があります。

 さて本日は、荒井啓先生の『群青群像』(コアマガジン)のへたレビューです。先生の前単行本(初単行本)『放課後Initiation』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
多彩なキャラデザインの思春期ガール&人妻ヒロインとの不器用な性愛模様を描く作品集となっています。

EveryonesUltramarine1 収録作は、家庭の貧困もあって学内の男子を相手に売りをやって荒稼ぎをしている先輩に現場の見張り役を頼まれている少年は、彼女が別の男達とセックスをする日々を共に過ごすことになるが…な連作「僕は彼女の名前も知らない」前後編(←参照 黙って近くにいるだけの存在である少年だが… 同連作前編より)、砲丸投げの選手で長身&筋肉質なヒロインは冴えない中年男性教師とセックスをする関係であったのだが、彼女に恋をしているクラスメイトの少年の告白を受け入れ…?な中編「砲丸彼女」前中後編、および読み切り形式の短編4作。
 描き下ろし短編「あひるとアカネ」を含め、1話・作当りのページ数は16~38P(平均26P強)と標準を上回るボリュームで推移。ストーリー面に適度な存在感を持たせて読ませる作りであり、その上で程好い分量と熱量の濡れ場が用意されています

【個々人の在り方を相互認証することでの救済を描く作劇】
 短編「お隣さんは恋わずらい」「奥様はセックスフレンド」の2作は人妻ヒロインものですが、その他の作品は思春期後半ボーイズ&ガールズの青春模様を描く作品。
 それらの作品は、売春をしている少女と彼女を買いながら侮蔑の感情を持つ男子達、その状況を傍で見守り続ける少年という連作「僕は彼女の名前も知らない」、優等生から“壊れて”しまった少女と彼女に“壊れる”ことに誘われる男性教師を描く短編「スクラップガール アンド ティーチャー」、女性としての魅力を認めてくれた男性教師と関係を持ちながら彼の性癖による要請もあって、幼馴染の告白を受け入れる少女を描く短編「砲丸彼女」と、快活な青春模様ではなく、歪みや不器用さを抱えた関係性を描く青春を描いています。
それらの歪さや不器用さが登場人物達の中に積もっていく様子に危うさを感じさせ、緊張感や不安感を生じさせる描き方になっていますが、本作の特徴は登場人物達の在り方を否定することはなく、その中で生じた素直な気持ちによって彼ら彼女らがその関係性において等身大に“救われる”ことを描いている点とも言えるでしょう。
EveryonesUltramarine2 セックスを含めて自身の気持ちや衝動性を解放すること(←参照 “壊れ”たがっている二人 短編「スクラップガール アンド ティーチャー」より)、そしてそれらが他者に受容されることによって善き関係性が構築されるという描き方は、「王道的」な恋愛ストーリーと実は変わらないとも評し得ます。
 また、夫の部下で元・セックスフレンドの男性と流されてセックスをしてしまう短編「奥様はセックスフレンド」はやや例外的ながら、一夜の不倫セックスを経て沈んでいた男性が活力を取り戻し、彼女と不倫ではない関係性となる短編「お隣さんは恋わずらい」も、不倫と言う歪さはありながら、セックスを経ての“救済”が描かれていると言えるでしょう。
全般的に、抗しがたい劣情やネガティブな感情が湧き出しながらも、それを抜出してくれることでポジティブな生き方への回帰があるシナリオワークとも言え、優しく穏やかな読後感となっています。

【多彩なキャラデザ&ボディデザインの巨乳ヒロインズ】
 上述した様に短編2作は人妻ヒロインで大よそ30代前半~半ば程度と思しき年増美人さんであり、その他の作品のヒロインは女子校生キャラ。
 ウリをしていたり、サセ子であったりな女の子(連作および短編「スクラップガール アンド ティーチャー」)、そばかす&眼鏡で自分の容姿に自信がない地味ガール(短編「あひるとアカネ」)、筋肉質で長身、がっちりした体格の砲丸投げ選手である女の子と(中編)、設定やキャラデザインについて、好みが分かれるであろうヒロインが多いのは確か。
また、人妻ヒロインについても、適度な年増感と真面目で地味な印象のある短編「お隣さんは恋わずらい」の眼鏡美人さんといったキャラデザを投入。このため、華やかでキュートな美少女キャラ的なものを期待するのは避けるべきなのですが、そういったヒロイン達の可愛らしさや性的な魅力、表面上とは異なる人としての魅力といったものが展開の中で明らかにされていく展開こそに価値があるキャラクター造形でもあって、そこへ共に踏み込めるかという点が作劇において重要になっています。
EveryonesUltramarine3 程好くだらしない肉付きを感じさせる年増美人の完熟巨乳ボディ、すらっとした美脚の伸びるスレンダー巨乳ボディ、垂れ気味の巨乳とお腹周りの肉が本人もコンプレックスな低等身気味ボディ、長身&筋肉質の日焼け巨乳ボディと各ヒロインの設定に合わせて女体造形は多彩(←参照 がっちりとした体躯の砲丸投げガール 中編「砲丸彼女」前編より)。
それぞれの女体の質感の描き分けが優れていますし、程好い濃さの陰毛や淡さも感じさせる乳首や乳輪の描写、適度な淫猥さもありつつマイルドにまとめた秘所描写など、エロさをストレートに押し出すというよりかは、過度に主張させないことでの生々しさがあるという独特の塩梅になっています。
 淡く繊細な筆致を丁寧に織り込みつつ、絵としての重さ・濃さを感じさせない画風であって、エロ漫画ジャンルの中で独特の立ち位置にあると感じます。5年ぶりの単行本ながら完成された絵柄であって、単行本を通して表紙絵の印象と一致して安定。また、エロシーンも含めて技巧的なコマ割りも特徴的で、特にコマとコマの間の使い方の上手さなども特筆すべき点でしょう。

【控えめな演出の中に宿る熱量&技巧的な画面構成】
 ストーリーの進展に合わせて濡れ場を分割するケースが多く、総量としては十分量を用意していますが、作品によっては、実用的読書において中核となるエロシーンの尺はそれほど長くない印象があります。
 いずれも合意の上でのセックスですが、ウリであったり、不倫セックスであったり、露出やプレイ変態な中年教師による調教チックな関係性の継続や寝取らせ?シチュであったりと、背徳感や不穏当さを感じさせるシチュエーションが多いのも特色。
そういったエロシチュは前述したヒロイン達の歪みや不器用さともつながっているのですが、ストーリーの終盤ではこれも上述した感情の解放感を伴うセックスへと移行することが多く、一方的なものから快楽の相互授受への変遷が描かれていると言えます。
EveryonesUltramarine4 あくまで“演技”としての痴態と、本当に快感を共有できる相手とのセックスでの表情や台詞とを区別して描くなど、状況に合わせて演出の強度や身中から込み出るエネルギー感には変化を付けていますが、絡み合い、腰をぶつける身体の動きのダイナミズムを一貫させつつ、演出としてはアタックを打ち出しつつも、密度は明確に抑えるスタイル(←参照 演技ではない彼女の乱れ模様 連作「僕は彼女の名前も知らない」後編より)。
汗や淫液に濡れる女体をがっつり見せつける大ゴマを軸としつつ、複数アングルや局所アップ描写を織り交ぜる1P全体を意識した画面構成や、2P見開きで激しく絡まり合う男女の様子を散りばめるような構成など、技巧的な配置、コマ割りも特徴的で、擬音や台詞表現などの音声表現を控えることで、満ちた熱量を感じ取らせる絵作りの上手さがあります。
 この描写の流れの中に中出しフィニッシュも入れ込んでいく構成であって、前戯パートでの射精シーンを含めて演出的な盛り上がりを強く図るタイプではありませんが、比較的強めの擬音や潮吹き描写、熱っぽい恋人つなぎなどの要素で両者の強い快感と没入感を表現しています。

 作劇・作画共に味わい深さがあり、キャラデザや作劇要素に関して必ずしも万人向けではないのですが、青春モノを中心とした控えめで優しい人間賛歌が非常に魅力的でした。
個人的には、飄々とした言動ながら虚無や孤独を抱える少女と無表情を貫きながらやはり孤独を抱える少年の不器用な関係性を描く連作「僕は彼女の名前も知らない」が最愛でございます。

西園寺ぽるぽる『ふ~りっしゅラヴァー』

FoolishLover TVアニメ版『裏世界ピクニック』第4話「時間、空間、おっさん」を観ました。本人は“当たり前”のことのように語っていましたが、空魚さんの過去、かなりヘビィというか特異なもので、きっと裏世界と何らかの関係がもともとあったんだろうなと感じます。
怪異が何故“怖いもの”なのかという点について、トランス状態?の鳥子の解釈は面白かったですね。

 さて本日は、西園寺ぽるぽる先生の初単行本『ふ~りっしゅラヴァー』(ジーウォーク)のへたレビューです。なかなか楽しい語感のペンネームの作家さんですね。
王道ファンタジーとエロコメが融合した長編を中心に楽しく読めて使える抜きツールが揃った1冊となっています。

FoolishLover1 収録作は、魔王軍の侵攻で危機に陥った世界で、勇者は囚われの姫を救出し、仲間を集めて魔王の討伐へと向かうのであるが、彼らを待ち受ける世界の真実とは・・・!?な長編「性道ヒーロー」シリーズ全6話(←参照 魔王城への道を知るエルフを救出したのだが、なんだか色々勘違いをしていて? 同シリーズ第4話「マゾエルフと性剣のお仕置き」より)、および読み切り形式の短編3作+描き下ろしフルカラー掌編(4P)。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は20~24P(平均21P強)と標準的なボリュームで推移。長編の終盤を除いて基本的には軽めの読み口でまとめた作劇であり、程好いアタックとボリューム感のエロシーンが用意された安定感のある構築となっています。

【王道ファンタジーの魅力とエロコメ的な楽しさの融合】
 帯に記された“抱腹絶頂”は抱腹絶倒をもじったものでしょうが、そこまでギャグに特化したスタイルではないものの、いずれの作品もエロコメディ系統の作劇であることは共通。
 メイン作である長編は、勇者が助けた姫がド淫乱だったり、助けたエルフが妄想癖ドMだったり、仲間となるキャラクター達がそれぞれのエロハプニングを経て冒険に出かけたりといったドタバタ模様をオムニバス形式で4話まで繰り広げつつ、終に魔王と対峙する終盤で女神によってしくまれた真実が明らかになる展開。
FoolishLover2やや設定を詰め込み過ぎた感があるものの、勇者にとって“本当の敵”が明らかになる終盤展開はドラマチックな様相を呈していますし、関わり合った者達の力を継承し、悪や姦計を憎み、全ての命を等しく大切なものとする信念を貫く、王道の善き“勇者像”を主人公が貫いていることで英雄譚としての熱さを打ち出しているのは、そこまでの程好くお馬鹿な展開からのギャップもあって魅力的に映ります(←参照 倒すのではなく救う者としての勇者像が大変良いです 長編第6話「そして性道へ…」より)。
 勇者の言うところの性剣がち○こだったり、各種騒動やバトルが大よそセックスで解決したり、大仰な技名がセックス中に叫ばれたりと、エロコメ的ないい意味での馬鹿馬鹿しさはあるのですが、勇者を含めた各キャラクターの善意や熱意が基本的に真摯なものである分、ギャグ的な面よりも話としての真っ当さが最終的に印象付けられる読書感と言えるでしょう。
 なお、対象者をムキムキ化&発情させてしまう超能力が暴走しがちなヒロインを描く短編「エスパー真紀~アトランティスの謎~」はトンデモ設定&ハイテンションな台詞回しが長編作に近いスタイルですし、短編「ラブデリックキャロル」は分かり易く棚ボタ的なラブコメ系、短編「ば~ちゃるフィットラブ」は羞恥系シチュエーションの変態エロコメ系と、短編3作はそれぞれ方向性が異なります。
 大団円な長編を筆頭に、いずれにしても平和なオチに落着しており、この辺りもエロコメ系らしい読書感の形成に寄与していると感じます。

【コミカルなキャラ性の巨乳美少女ヒロインズ】
 短編群では女子校生~女子大生クラスの女の子が登場。長編では、エルフや女神、魔王様など年齢の推測が難しい種族のヒロイン達も居ますが、見た目としてはミドル~ハイティーン級の美少女と綺麗なお姉さんタイプが加わるものとなっています。
 普段はしっかり者ながら酔うとだらしなかったりHな面が出たりなバイト先の先輩美人、特殊能力者ながらハプニングを引き起こしまくり、意外に流されやすい幼馴染さん、高飛車ツンデレな某冬優子によく似たVtuber演者さんなど、短編群はコミカルかつ多彩なヒロイン設定となっています。
 長編作はキャラクター数が多いこともあって、長編の中での各キャラの掘り下げには多少の不足を感じるものの、サキュバスの血を引き搾精能力に優れたお姫様、師匠である叔父に秘めた恋心を抱え、様々なスキルを操る女格闘家、慈愛に溢れながらショタコン性癖がダダ漏れなシスター、ドM妄想癖のツンツン高慢エルフさん、魔王としての風格を漂わせつつ意外に素直で穏当な性格なちっこい魔王様などなど、こちらもキャッチーなキャラクター性のヒロインを揃えています。
FoolishLover3 長編作の魔王様は身長が低く、おっぱいサイズも控えめですが、その他の女性キャラクターに関しては巨乳キャラが揃っており(←参照 ショタ大好きシスターさんの癒し手コキだ! 長編第3話「愛に飢えた盗賊とショタコンシスター」より)、健康的な肉感の体幹に十分なボリューム感のあるバスト&ヒップ&パイパン仕様の股間を組み合わせた女体となっています。
控えめサイズの乳輪&乳首や、ややあっさり気味の粘膜描写なども含め、女体描写にそれ程の特徴があるスタイルではなく、濃厚な淫猥さや逆に端正な美しさなどを求めるのは避けるべきですが、オーソドックスな故の取っつき易さが長所とも言えるでしょう。
 絵柄としても強い個性や創作性があるタイプではないものの、オーセンティックなアニメ/エロゲー絵柄は訴求層が広く、初単行本ながら概ね表紙絵と完全互換で絵の質・印象を安定させているのも加点材料です。

【程好いアタックと密度のエロ演出で多彩なプレイを投入】
 エロシーンの分量は抜きツールとして標準的なものであって、設定に基づくテンション高めなエロへの雪崩れ込みでスムーズに濡れ場に突入すること自体にある種の面白みがあるタイプ。
 勘違いエルフさんが自ら誘導していく性剣(=ち○こ)でのお仕置きセックス(長編第4話)、高慢なVtuber演者に協力者の男性が羞恥プレイ配信を強いるシチュエーション(短編「ば~ちゃるフィットラブ」)といった、一定の嗜虐性を備えたエロシチュもありますが、これらの場合でもヒロイン側の性癖の充足であったり、意外な形でのメイクラブにまとまったりと平和にまとめるので、暗さや重さはほぼありません。
また、男性が魔法でショタ化してのおねショタH、秘めた愛情が爆発する近親セックス、魔王様と光の女神を強制仲直りセックス、ヒロインの能力のせいで主人公の性欲が暴走しての肉弾ファック等々、和姦系等も含めて多彩なエロシチュを用意しており、その上で男女が行為に熱狂していくストレートなエネルギー感で押し通していくスタイル。
 前戯・抽挿パートに渡って色々なプレイや攻守の転換を投入する構成は、やや小刻み感があるものの、サービス精神の顕れとも言え、フェラや密着手コキ、イラマチオ、ねっとりクンニからの黄金水シャワーなどなど、エロシチュに合わせて前戯パートのプレイ内容も多彩。
FoolishLover4 分割構成となることもありつつ、抽挿パートには十分な分量を用意しており、パワフルなピストンが繰り出される中で、頬を紅潮させ瞳を潤ませた熱っぽい官能フェイスとハートマーク付きの実況台詞、汁だくの結合部アップ描写など、適度にアタックの強いオーソドックスな演出を重ねていくスタイル(←参照 快感に圧倒されちゃう魔王様 長編第5話「決戦!!メスガキ魔王」より)。
 行為の勢いを感じさせつつも作画にややラフな印象があること、アタックの強さがある分、やや一本調子な印象があることは多少ネガティブな要素ではありますが、射精連発的なドライブ感の形成にも寄与しており、力強い膣内射精の感覚で蕩けきった表情と悶絶ボイスを曝け出す中出しフィニッシュで多回戦をパワフルに〆ています。

 お馬鹿なエロコメという楽しさもありつつ、それだけにとどまらない魅力もある話やエロシチュの作り方であって、粗削りな部分はありつつもそこも含めての魅力と言えるでしょう。
個人的には、勇者モノとしての王道の魅力と多彩なエロ模様が楽しめる長編作が最愛でございます。

BENNY’S『性感♥母娘味』

TastyMamAndDaoughter 樫木拓人先生の『ハクメイとミコチ』第9巻(エンターブレイン)を読みました。“大きい者”同士の集会に主人公コンビが登場するエピソード、サイズの違いが生活の様々な面で差異を生み出しつつも、その上で共存しているし、その意志があることがよく分かって素敵なエピソードでした。今回、恋バナ大好きなクワガタさんが結構活躍していましたね~。

 さて本日は、BENNY’S先生の『性感♥母娘味』(メディアックス)のへたレビューです。当ブログではかなり久しぶりにレビューの俎上に載せさせて頂きますが、『おねえさんのおく♥』(マックス)のへたレビュー等、過去作のレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
柔らかさMAXの豊満ボディヒロイン達とのインモラル&アブノーマルなエロ模様が詰まった作品集となっています。

TastyMamAndDaoughter1 収録作は、婚活男子専門の料理教室に通い始めた主人公は、そこで未亡人である美人の先生とセックスができる“ふれあい会”なるものが開かれていることを知ると同時に、彼女の娘もまたふれあい会のホストとして加わることを知って参加を決めるのだが・・・な中編「性感♥料理教室」全4話(←参照 料理よりもこっちがメイン? 同中編第2話より)+描き下ろしフルカラー幕間劇(4P)、および読み切り形式の短編6作。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は16~24P(平均20P弱)と中の下クラスのボリュームで推移。全般的にストーリー性は乏しいものの、個々のエロシチュに特化した作りで程好いボリューム感のエロシーンをお届けな構築で一貫しています。

【アブノーマル系のエロシチュのお膳立てとしての作劇】
 作劇の方向性としてはダーク&インモラル系の要素を含みつつ、一方で話としての重さや暗さも排したスタイルのものがメイン
 母娘とのセックスが描かれる中編作は、母娘ヒロインの両方から好意を抱かれるという点はありつつも、二人とも別の男性とのセックスが用意されていますし、この“ふれあい会”を行うために亡き夫の弟(義弟)に性的な調教を受け続けていたことも描かれているため、母娘ヒロインを独占してのイチャラブ模様を期待する諸氏は要留意。
とは言え、寝取られ的な味付けや失恋の痛み的な演出はあまり無く、義弟も憧れの存在であった義姉には積極的に手を出しつつ、独占したり服従を強要したりすることはなく、料理教室の経済的な支援者で、彼女らと主人公との関係も否定せず・・・と、主人公との関係性において比較的ニュートラルな立場となっています。
 彼女達を巡るストーリー性というよりかは、母と娘がそれぞれの眼前で痴態を曝け出してしまうという羞恥と背徳の快楽が入り混じるシチュエーションを投入するための母娘ヒロイン制という印象であり、エロシチュを軸にした作品構築というのは短編群にも共通。
TastyMamAndDaoughter2 短編群では、女性の幽霊に体を乗っ取られた男性が彼女らの思惑でセックスをさせられ、異性の肉体的快感に翻弄されてしまう女体化シチュ(←参照 花子さんの淫らな呪いで 短編「男子校の花子さん」より)、透明化してのヒロインへのエロ悪戯&凌辱、地域の安全を守る変身ヒロインが“時間停止”のスキルを用いるのだが、時間が止まってしまうのは自分の方で、好き放題にされてしまうシチュなど、ファンタジーなものを含めて便利ギミックを用いたアブノーマル系のエロシチュを揃えています。
 アブノーマル系のプレイとしての倒錯性には相応の踏み込みがありつつ、異性の性感にすっかり夢中になってしまう快楽堕ち、ヒロイン自身は特にネガティブな自覚がないまとめ方、恋愛的な幸福とはやや異なりつつも関係性が継続するラストなど、インモラル系としてのほの暗いまとめ方もありつつ、比較的穏やかな印象のラストにまとめることも多く、上述した様に読後に暗さ・重さを残さないマイルドさがあるシナリオワークと言えるでしょう。

【もっちり柔らかお肉をたっぷり纏った豊満ボディ】
 中編のダブルヒロインの娘さんの方や短編「幼なじみにイタズラ放置」のヒロインなど、女子校生級と思しき美少女さんも居ますが、20代半ば~30代半ば程度と思しき美人さんがメイン。とは言え、見た目は美人さんでも、中身は男性というケースも2作品程あります。
 熟女さんと美少女キャラにはキャラデザとしての一定の描き分けが為されていますが、アダルト美人についても若々しさが明瞭なデザインではあって、絵柄の性質もあってふんうわりと柔らかい雰囲気を漂わせるキャラクターが揃っている印象です。
また、母娘ヒロインに幼馴染キャラ、ママさん、ツンツン女教師、中身は男性のTS美人、変身ヒロインとヒロインの設定も多彩。
 ボディデザインとしては柔肉がたっぷり詰まった体幹にこれまた柔らか触感の巨乳~爆乳、もっちり迫力ヒップ、むちむちの太股を組み合わせた豊満ボディで統一されており、この女体そのものの存在感の強さがエロの実用性の基盤を形成しています。
TastyMamAndDaoughter3 加えて、もじゃっとした陰毛も含めて丁寧に描き込んだ淫猥な秘所描写の濃厚な淫猥さや、程好くぷっくりした大き目乳輪と小さ目乳首の組み合わせのエロさなど、丹念に描き込んだ体パーツ描写のストレートなエロさも特徴的であり(←参照 短編「見えない貴方」より)、後述する様にエロシーンで極めて有効に活用されています。
 繊細なタッチでありつつ柔和な印象のある少女漫画チックな絵柄であり、エロシーンの濃厚感を打ち出す高密の演出や前述した淫猥さの強い女体描写とのギャップが強い魅力。作家としてのキャリアが長いこともあって、絵柄は単行本を通して表紙絵と完全互換で安定しています。

【ドストレートに淫猥な構図と濃厚なエロ演出の相乗効果】
 ページ数の関係上、ページ数としてはそれ程長尺ではないものの、サクサクとエロシーンに移行していきますし、上述した女体描写の強い存在感と淫猥さ、丹念なエロ演出もあって質的な満腹感は相応に強く図られています。
 母娘同時ご奉仕セックス、ママさん睡姦シチュ、透明化してのヒロインを襲うシチュに女体化&身体操作で強制的に女性としての快感を叩き込まれるシチュと、ラブラブH的なものは少なく、全体的に羞恥や困惑がありつつもそれを上回る快感に飲み込まれていくという様相を重視したエロシチュがメインと言えます。
 作品によって前戯パートの尺に変動はありつつ、基本的には十分な尺を取ることが多く、ふにふにと柔らかな巨乳&爆乳の感触を味わったり、淫猥な秘所を指や舌で丁寧に愛撫したりしながらヒロインに羞恥と快感を同時に生じさせる流れを形成するのが基本。シチュエーションによってはフェラやパイズリなどのヒロイン側のご奉仕プレイを投入して射精シーンを設けていますし、それらのプレイが無い場合でも潮吹きアクメの描写で抜き所を形成。
 抽挿パートに移行後は、そもそもエロさの主張の強い女体描写をがっつり見せつけると共に、股間からのショットで肉棒に押し広げられる結合部、柔らかく揺れる胸、真っ赤に紅潮した表情の3点を同時に見せ付ける得意の構図を多用しており、この大ゴマ単体で十二分な威力を備えています。
TastyMamAndDaoughter4 ふにゃふにゃに蕩けた口の輪郭や潤んだ瞳、真っ赤に染まる顔と濃厚さもありつつ、絵柄に由来する可愛らしさも殺さない上手さがある表情付け、乱れた描き文字で表現されるハートマーク付きの嬌声の細やかさ(←参照 母娘がそれぞれの痴態を前に更に燃える 中編「性感♥料理教室」第4話より)、肉棒にからみつく媚肉を丁寧に描き込んだ断面図と、エロ演出はアタックの強さと同時に丁寧さが程好い密度を打ち出すことにつながっています。 
 多少小刻みなエロ展開になることもありつつ、中出し連発的な多回戦仕様とすることが多く、どろっとした白濁液とヒロインのエロ可愛い痴態との組み合わせは強力ですし、ストレートに露骨な結合部見せつけ構図での中出し蕩けアクメのフィニッシュも抜き所としての十分過ぎるカ口リーを備えています。

 明確にエロのシチュエーションそのものを軸とした構築であるため、各種アブノーマル系の趣向が好みに合うか否かが評価に大きく影響する作品集ではあります。とは言え、この作家さんらしい絵柄と濃厚痴態のギャップの威力はエロシチュを選ばない美点でもあります。
 個人的には、ツンツン眼鏡女教師さんに透明化してのエロ復讐を果たす短編「見えない貴方」と、能力を発動した方が停止してしまうというユニークな時間停止モノでヒロインが好き放題に使われちゃう短編「地球防犯キューティーマリー」が特にお気に入りでございます。

らくじん『Abandon』

Abandon DOUBLE-S先生(原作:真刈信二氏)の『イサック』第10巻(講談社)を読みました。イサック、銃が無くとも十二分に強者なんですが、要塞を守る際には必要でしょうし、如何に取り戻すかが楽しみでもあり、不安でもあります。
それにしても、ロレンツォ、その思想も含めて異形の存在の怖さがあるキャラクターになってきました。


 さて本日は、らくじん先生の『Abandon-100ヌキしないと出られない不思議な教室-』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。“沢尻メロウ”名義での前単行本『ギャルな妹は催眠プレイでイキまくるっ!』(ティーアイネット)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
スレンダー巨乳ボディの美少女&美女達が多彩なアブノーマル系シチュエーションでハードに乱れまくりな痴態をお届けな作品集です。

Abandon1 収録作は、教室で追試を受けていた主人公達は、謎の存在“ルーラー”によって異空間に閉じ込められ、生き延びて脱出するためにはルーラーから命じられた様々なセックスゲームに勝利しなければならないのだが・・・な中編「Abandon学園編」全5話(←参照 台本通りになってしまうAV撮影ゲームだ! 同中編第1話より)、不思議な噂のある廃館に入った4人の少年少女は言葉を話す不思議な扉によって閉じ込められ、館の出す理不尽な命令に従わされるのだが・・・?な連作「Abandon~扉を開けて~」前後編、および読み切り形式の短編・掌編3作。
(おそらく)宣伝用漫画の掌編「催淫学級日誌」(4P)を除き、1話・作当りのページ数は18~38P(平均24P)と幅はありつつ平均値としては標準的な部類。ストーリー性が明瞭な中編・連作とコンパクトな構築な短編とに分かれますが、いずれにしてもエロシーンの質的および量的な満腹感が十分に強く図られた構築となっています。

【エロシチュを軸にした構成でありつつ設定の面白さがある構築】
 タイトル中編は、いわゆる“セックスしないと出られない部屋”の亜種的な設定を有した上で、ゲームを勝ち抜いて異世界を脱出するという点で(アニメ/漫画ジャンルにおける)デスゲーム的な様相の作品でもあります
Abandon2 中編も連作「Abandon~扉を開けて~」も、各ステージにそれぞれのゲームを用意することで、様々なアブノーマル系エロシチュをヒロイン達が強いられてしまうという趣向を明確に軸としつつ、登場人物が追い詰められるデスゲーム的な状況であるからこそ、人のあくどい本性であったり、逆に家族愛などの善徳であったりが表出するという(←参照 妹を裏切って蹴落とそうとする姉だが・・・? 中編「Abandon学園編」第5話より)、このサブジャンルとしての王道の要素を織り込んでいるのも面白い点。
 中編については、ゲームの脱落者の処遇がやや半端であること、勝利によって得られるアドバンテージが不詳なこと、最後の最後で明らかになるルーラーの正体に意外性がありつつその意図するところが分かりにくいことなど、設定の説明・活用に不足を感じるのが個人的には少々の減点材料。
一方で、連作「Abandon~扉を開けて~」は、主人公達を閉じ込める“館”の意図するところが明瞭に描かれているために、設定と展開の分かり易さが高まっており、その設定と合致した上で、切ないラストとなる作劇のまとめ方の良さも魅力です。
 ヒロインがアブノーマル系のエロシチュを強いられてしまうという構図はいずれの作品にも共通していますが、一定のストーリー性で読みを牽引する中編・連作に対し、短編2作についてはエロシチュの構成をより軸に据えたコンパクトなシナリオワークに仕上げています。
エロシチュの方向性もあって、快楽堕ち的なダーク&インモラル系のまとめ方を基本としており、短編では軽過ぎず重過ぎずな余韻を、中編・連作ではそれぞれにフックがある印象的なラストシーンに仕上げています。

【スレンダー巨乳ボディを軸としつつ多彩なキャラデザイン】
 中編では計8名程のヒロインが登場していずれも女子校生ヒロイン。連作は西欧風の世界観ですが、ヒロインの年齢層は中編と同様でしょう。短編2作についてはファンタジー世界ということもあって、年齢層は不明瞭ですが、見た目としては綺麗なお姉さんタイプ。
 キャラクター性としては、清楚で大人しいタイプの少女が非日常の強烈な快感を叩き込まれて戸惑いながらも飲み込まれていく被害者的な立ち位置が明確なタイプと、他者を踏み出しにしたり高慢な態度を示したりな様子と快楽に屈して無様な姿のギャップが際立つ因果応報なタイプとに大別され、共に凌辱系のシチュに親和性が高いキャラ作りと言えるでしょう。
Abandon3 キャラデザインとしても華やかさのある美少女&美女タイプと、落ち着いた色気感の清楚系タイプとに大別されますが、様々なシチュエーションを強制されるのに合わせて多様な衣装チェンジや淫紋の付与のある中編であったり、エルフヒロインが妖精変化&悪堕ちな短編「ピクシーフ」(←参照 体が小さくなった上に褐色悪堕ちしてしまうのだ! 同短編より)、孕ませ&ボテ腹化要素がある連作であったりと、キャラの容姿の変化が為される作品が多いのも特色です。
 斯様にキャラ描写の視覚的な多彩さがある一方、ボディデザインとしてはスレンダー巨乳系統のもので統一しており、もっちり柔らか弾力なお肉が詰まった巨乳&安産型ヒップのストレートなエロさが強く主張される画面を揃えています。
控えめサイズの乳首&乳輪など体パーツ描写の淫猥さは抑えて綺麗な女体に仕上げる傾向にありますが、全般的に濡れた粘膜の淫猥さは強い武器。
 初出時期に一定の開きがあり、顔の造作のバランスに多少の変化を感じることはありますが、オーセンティックなアニメ/エロゲー絵柄としての取っつき易さと、描き込み密度の高さを両立したスタイルで単行本を通して一貫しています。

【過剰性のある演出で満たした長尺のエロシーン】
 ページ数に幅があるものの、いずれもエロメインの構築であるためエロシーンの尺は十二分に長く、大ゴマを軸に描写を詰め込んだ画面構成であることも抜きツールとしての満腹感を高める要因と感じます。
 体を乗っ取られたヒロインが自らの意志に反して女性上位な搾精セックスを繰り広げる短編「ソーサラーと呪いの杖」、本番セックスしたら負けという勝敗判定での発情状態にされた上でのおねショタシチュエーションな中編第4話などの例外もありつつ、基本的にはヒロイン側が行為を強いられる展開であって、凌辱系や羞恥系としてのエロシチュがメイン。
中編では、台本通りに体が動いてしまうAV撮影シチュ、触手凌辱&丸呑み、父親との近親セックス、ふたなり化セックスバトルといったエロシチュを、連作でも凌辱や少年が怪物にされてしまった上での孕ませセックス、短編もいわゆる妖精オナホ的なプレイや意識改変といったシチュエーション・プレイを投入しており、キルタイム系らしいアブノーマル系としてのコンセプトを個々に明瞭に備えたものとなっています。
 特にページ数の多いエピソードでは複数のエロシチュであったりカップリングを投入することもあって、前戯パート→抽挿パートという基本的な構成にはあまり縛られることなく両パートを織り交ぜていて、フェラやパイズリで白濁液を発射していく前戯パートと、中出し連発的な抽挿パートとで複数ラウンド制に仕上げています。
Abandon4 前述した巨乳ボディが淫液で濡れる様子をがっつりと見せ付けつつ、要所で投入するアヘ顔や言葉にならない悶絶ボイスなどのアタックの強いエロ演出(←参照 お嬢様の無様痴態 連作「Abandon~扉を開けて~」前編より)、派手な擬音の使い方、ぐちょぐちょと淫猥な水音を奏でる結合部アップ描写の多用と演出面でも濃厚さを打ち出しており、画面構成の密度もあってハイカロリーな印象を保っています。
丁寧に描き込む分、演出の過剰性もあって悪く言えばクドさもあるため、必ずしも万人向けという訳ではないものの、演出的なものも含めて盛り上げを強く図っていき、強烈なアクメに悶絶しながら白濁液を受け止めるヒロインの姿をほぼ1Pフルでお届けなフィニッシュまでアグレッシブに突き進んでいます。

 各種シチュエーションを可能とする設定にアイディアとしての面白みがあるタイプの作品群であり、エロシチュとしての多彩さが魅力。
個人的には、細かいことは置いておくとして、美少女5名がコスプレセックスバトルロワイヤルな中編最終話に愚息がお世話になりました。

かいづか『おーばーふろぉ~熱く交わる姉妹のタブー~』

OverFlowThird TVアニメ版『アズールレーン びそくぜんしんっ!』第3話「リアルは神ゲーなんです?」を観ました。明石に頼ると大概ろくでもないことになるわけですが、Z23ちゃん先生の悩みの種が減ることはありませんでしたね。いや、オフニャはカワイイですけれども。
今回、楽しみにしている新キャラ(新KAN-SEN)は特に登場しませんでしたが、次回は水着回らしいので期待したいところ。

 さて本日は、かいづか先生の『おーばーふろぉ~熱く交わる姉妹のタブー~』(ブラスト出版)の遅延へたレビューです。先生の前単行本『奉仕種族がやってきた!』(ジーオーティー)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
姉妹ヒロインとのラブエロ模様な日常を緩やかな筆致と程好い熱量のエロシーンとでお届けな1冊となっています。

OverFlowThird1 収録作は、二人の妹(実際は従妹)琴音&彩音との同棲エッチ三昧の中、お隣に引っ越してきた東条さんの存在が、二人の嫉妬心に火を着けて主人公へ更にグイグイ迫ってくるのだが、ある日琴音は自身の実の両親が既に他界しており、自分と主人公は従姉弟の関係であることに気が付くのだが・・・な長編第1話~第6話で以下続刊(←参照 兄が東条さんと同じバイト先であることを知ってグイグイ来る琴音 同長編第3話より)+描き下ろしおまけ漫画(4P)。
なお、本作はシリーズ第3巻であり、実質的には第13話~第18話を収録しているため、内容を理解するためには1巻および2巻の読了はほぼ必須です。
 描き下ろしエピソードを除き、1話当りのページ数は24Pと標準的なボリュームで固定されています。長編としての読み応えはあまり無く、程好いボリューム感のエロシーンが安定供給されています。

【重要な転機が用意されたものの平板な作劇】
 前単行本で登場した東条さんの存在もあって、二人のヒロインがより積極的になって~という展開ではありますが、二人の妹(従妹)ヒロインと交互にエッチを繰り返していくという作品の基本的な構図には変化はありません。
OverFlowThird2 彩音の方は自身が主人公の妹ではなく従妹であることを知っていましたが、今単行本で琴音も自身が主人公と兄妹ではないことに気付く展開が用意されており(←参照 長編第4話より)、“禁じられた関係”ではなく、結婚も可能な関係性であると認識することで彼女の積極性が更に高まることになります。
ストーリーとしては結構大きな転換点になりうる要素ではありますが、特にストーリーとしてのドラスティックな変化や盛り上がりがあるわけではなく、良くも悪くもスルスルと読ませてしまう流れを維持しています。
 後に残る作劇としての重要な転換点は、互いに相手が兄(従兄)と性愛関係にあることを知らない二人が、その事実を知ってしまった場合にどうなるかということに絞られてきたとも言えるでしょう。
第2巻に引き続いて話の動きに乏しいことに加え、今単行本で「妹」であることからヒロイン自身も脱することで“妹モノ”としての様相を放棄してしまったこともあて、話数が進むにつれて読み口がどんどん薄味になっている印象なのは個人的には相応に強い懸念材料です。
 今回のトリである第6話(実質18話)のまとめ方も、これといった引きがあるものではなく、第4巻でもこのスタイルを漫然と続ける可能性がありますが、軽さ・平板さでサクサク読み流されるエンタメ作品としての価値は決して否定できない長所とも言えるでしょう。

【姉妹ヒロインのちょっとした変化が魅力】
 今回はお隣の東条さんはエロに絡むことなく、女子校生な二人の従妹のダブルヒロイン制で一貫。ただし、それぞれのとの関係が独立して進んでいるため、姉妹丼を期待するのは今回もNGです。
 面倒見の良い温和な少女・琴音ちゃんと、ちょっと不器用なツンデレ系ガール・彩音ちゃんとで好対照なキャラ付けであることはこれまでも共通しつつ、琴音の積極性や世話焼きを越えたちょっとした独占欲、彩音の不器用ながらも一途にラブ&エロアタックをしかけてくる様子など、恋愛関係の進展の中でそれぞれのキャラ性にちょっとした変化を感じるのは長期連載ならではの美点でしょう。
OverFlowThird3 姉妹でキャラデザインを明瞭に描き分けつつ、ボディデザインとしては程好いマッスの巨乳&桃尻を美脚も含めて等身高めのスレンダーボディに搭載したもので共通。バスト&ヒップの存在感は十分にありつつ、肉感的な印象を打ち出すよりもしなやかで整った美しさのある女体として仕上げるスタイルとなっています(←参照 長編第2話より)。
控えめサイズの乳首&乳輪、ツルツル仕様の股間に比較的あっさり目の粘膜描写等、体パーツ描写についても淫猥さの主張は抑制されており、上述の綺麗な女体の印象を阻害しないタイプと言えます。
 フルカラー絵をグレースケールに落とし込んでいるため、場合によっては明暗のメリハリがない絵になっていることもあるのですが、肌のツヤツヤ感の表現などではプラスに効いていることもあって、適度に絵としての密度を感じさせています。

【程好いアタックと濃度でまとめたドキドキシチュエーション】
 分かり易くエロメインの構築で安定しており、エロシーンの尺は十分に用意されています。
 妹ヒロインとの背徳の関係という側面は薄れつつあるものの、身近で慕ってくれる存在と性的な関係を深めていくというドキドキ感は維持されていますし、またこれまで同様に、公園や多目的トイレ、試着室、観覧車の中、実家など他者に見つかってしまうかもしれないというスリルのあるエロシチュが多いことも特色です。
 前戯パートにおいては、パイズリやフェラ、密着素股などのヒロイン側のサービスプレイがあるケースでは基本的に射精シーンを投入していますし、熱情的なキスや愛撫でヒロインを感じさせていくケースでも、秘所から愛液が溢れ出していく描写を抜き所として投入。
 掲載媒体の性質もあってか、後続する抽挿パートも含めて性器描写の量・大きさに明確な抑制をかけており、ある程度の結合部描写を投入しつつ、特に断面図や透過図、結合部のがっつりとした見せつけ構図などをほぼ投入しません。
OverFlowThird4 この点は好みが分かれる点かもしれませんが、擬音の多数の散りばめや一定の濃厚感のある蕩け顔描写、柔肌をしっとりと濡らす液体描写など、適度にアタックのある演出でカバーしていますし(←参照 結合部描写が端で裁断されるというエロ漫画的にはかなりレアな画面構成 長編第1話より)、前述した様に絵そのものとしての密度があることも全体的な実用性を底上げしています。
 やや単調なコマ割り、男性の体躯の存在感が相応に強いこと、ゴム付きセックスの頻度がそれなりに高いことなど、賛否が分かれる要素もありますが、少なくとも後者二点については作劇の必要上という点もありますし、視覚的な認識のしやすさで通したエロシーンとも言えるでしょう。

 よく言えば長期連載としての安定感、悪く言えば冗長さが高まってきた最新刊であり、話はそれ程盛り上がらなかったのですが、相応に重要な転換点もありましたし、これが今後どう効いてくるかには期待したいところ。

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