2020年11月

環々唯『エチエチJK包囲網』

UnderSiegeOfEroticJK TVアニメ版『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima第9話「Life is what you make it..」を観ました。なかなかシリアスな背景のある者同士のラップバトルでしたが、そっちが勝つんだ!?と驚きました。
今まで、先手が必勝の流れだったので、ラップの応酬に見応えがあってよかったですし、勘解由小路さんのおっぱいも見応えがありました!(ヤッター

 さて本日は、環々唯先生の『エチエチJK包囲網』(ヒット出版社)のへたレビューです。なんと9年ぶりの商業単行本となりますが、その前単行本『えっちスケッチ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
多彩なエッチヒロインズとのドタバタ&ドキドキなラブエロ模様&程好いアタックのエロ描写が楽しめる1冊となっています。

UnderSiegeOfEroticJK1 収録作は、涼やかな美少女・園川さんに憧れていた主人公は、彼女の友人であり主人公のことが好きな天真爛漫な元気ガール・竹石さんの魅力に気が付いて二人はなんだかいい感じになるのだが、それに気付いた園川さんは主人公を強引に誘惑して秘密の関係を続けさせるのだが・・・?な中編「雨とキャラメル」前中後編(←参照 普段はクールな園川さんが妖しく主人公を襲う! 同中編作前編より)+描き下ろし後日談(1P)、伝統ある女学園が男子学生を受け入れることになったのだが、事情を知らない帰国子女の主人公だけが入学することになり、その器用な指先を活かして女の子達に望まれるままに快感を与えていくのだが・・・な中編「革命スピカ」第0~4話(以下続刊)+描き下ろしおまけ漫画81P)。
 描き下ろし作品を除き、1話当りのページ数は16~36P(平均29P弱)と幅がありつつ標準を上回るボリュームで推移。両中編でストーリーの存在感には軽重の違いがありつつ、共に程好いアタックで十分な尺のエロシーンを用意しています。

【展開に緊張感のある三角関係&ドタバタ棚ボタエロコメディ】
 中編「雨とキャラメル」はドキドキ&ハラハラな三角関係を描き、中編「革命スピカ」は漫画チックに楽しい、いい意味で能天気なエロコメディであって、読み口の異なる2作品をなっています。
 中編「雨とキャラメル」は、互いに初々しい恋愛感情を抱いて微笑ましいお付き合いを主人公と竹石さんが始めるも、元々意中であった園川さんに誘惑されて彼女との性的な関係を続けてしまう展開となっており、構図としては園川さんによる主人公寝取り的な様相を呈します。
UnderSiegeOfEroticJK2普段のクールな姿と異なり、妖しく淫蕩な姿と言動で主人公を翻弄し、二人の恋心を弄ぶかのような園川さんは悪女的なキャラにも見えますが(←参照 竹石さんが主人公にあげたキャラメルを“横取り” 同中編作中編より)、主人公が竹石さんに対する告白をする前段階での展開であると同時に、彼女の竹石さんに対する“執着”が示されることもあって、実は寝取り/寝取られ展開になっていないことが終盤で明瞭に判明します。
 この関係性が竹石さんに暴露されることになりつつ、主人公の明確な決断と竹石さんの一途さが合致することでハッピーエンドへと収束することになり、これを園川さんも祝福する立場として描かれることで、紆余曲折を得ながら安心感のあるハッピーエンドに落ち着いていますし、欲望と愛情の葛藤の末に愛情が勝利するこの終盤展開のためのハラハラ展開と言えるでしょう。
 これに対し、中編「革命スピカ」は女性だらけの学院で、エッチに興味津々なヒロイン達や男嫌いだが箱入り娘のせいかかなりチョロい先生、元は蔵である男子用控室に住み付いている化け猫ガールと次々とエッチしていく賑やかで軽い読み口のエロコメディ。
こちらは未完の作品であり、色々と謎めいた自治委員・中条さんや彼女の提案が如何なるものかなども気になるところであって、各ヒロインとの関係性なども含めてお話がどう展開していくのかに期待を持たせて今回はおしまいという構成になっています。

【健康的な肉感の巨乳ボディな美少女ヒロインズ】
 中編「革命スピカ」に登場する20代半ばの花房先生や年齢不詳の化け猫口リBBAを例外としつつ、その他のヒロインはJKガール達であり、中編「雨とキャラメル」はダブルヒロインでの三角関係、中編「革命スピカ」はエピソードごとにヒロインを増やしていくスタイル。
 明るくテンション高めな元気ガール・竹石さんと、クールでミステリアスな妖艶ガール・園川さんと対比的なキャラ性で、それぞれのとの関係性のコントラストを上手く形成する中編「雨とキャラメル」、ナチュラルに性欲を発揮してセックスを要求してくる女の子達と、男嫌いだったり高慢だったりしつつ主人公のテクであっさり快楽堕ちな美女&化け猫を用意した中編「革命スピカ」と、それぞれヒロインのキャラ立ちの良さが作品全体の魅力につながっています。
なお、性欲にダイレクトアタックされて浮気的なエッチに流されつつ、自身の想いを誠実に貫く中編「雨とキャラメル」の主人公は読者の好感を引き出す好青年ですし、中編「革命スピカ」の主人公も、エロシーンでは意外に強気ですが、こちらも根が真面目な人物であり、読む口の軽さや安心感につながっています。
UnderSiegeOfEroticJK3 中編「革命スピカ」の化け猫さんはちんまりボディ&ぺたんこバストなヒロインですが、その他のヒロインについては程好いボリューム感の柔らか巨乳&桃尻の持ち主であり(←参照 いざエッチで赤面中の竹石さん 中編作後編より)、おっぱいの主張を相応に強く感じさせつつ、健康的な肉付きの肢体全体とのバランスも保っています。
絵柄の性質もあって、控えめサイズの乳首や鏡面仕様の股間といった体パーツ描写は淫猥さが抑え目。前述のたっぷりおっぱいも含めて、ドスケベ感よりはエッチで可愛い印象を保つタイプの女体描写と言えるでしょう。
 少女漫画チックな印象で、古き良き萌えっぽさやキャラデザとしての親しみ易さがある絵柄であり、華やかかつ濃厚な当世流行の絵柄と比較すると、悪く言えば物足りなさはありつつ、前述した女の子のふんわりと柔和な可愛らしさに直結するスタイルと感じます。

【程好いアタックの痴態描写とパワフルなピストン描写】
 二人の間を揺れ動く展開をしっかりと魅せる中編「雨とキャラメル」、ストレートに欲望任せでエロシーンにサクサク突入していく中編「革命スピカ」で構成は異なりますが、ページ数の多さもあって、各エピソードに十分な尺の濡れ場を用意。
 中編「雨とキャラメル」では妖艶な本性をさらけ出すヒロインに籠絡されるような、女性による男性の“寝取り”的な要素のあるエロシチュと、ピュアな恋愛感情で駆動する初々しくも情熱的な恋愛セックスが楽しめますし、中編「革命スピカ」ではエッチに積極的な女の子との和姦エロもあれば、コミカルな雰囲気にまとめていますが、主人公君が意外に強引に押し切ってヒロインを蕩けさせて解決しちゃうエロシチュもあります。
 園川さんによるじらしプレイ的な密着手コキなど、エロシーン本体と切り離されて投入される場合もありますが、全般的に前戯パートには十分な尺があり、指先のテクニックに優れた中編「革命スピカ」の主人公君では特に強調されるヒロインの各種性感帯への愛撫に十分な描写量があります。逆にヒロイン側のサービスプレイはそこまで多くないことには要留意。
 前戯パートにおいてヒロイン側に主導権がある場合でも、抽挿パートに移行するとち○この快感にヒロイン側がすっかり夢中になって、男性側に行為の主導権を大なり小なり明け渡して快楽に耽溺しており、その様子に中てられて男性側が更にパワフルに腰を振っていく流れを形成。
UnderSiegeOfEroticJK4時に妖艶さを、時に羞恥と快感の入り混じらせ、時に甘いラブラブ感に包まれたヒロインの表情付けや思わず漏れだす嬌声&エロ台詞を軸とした痴態描写は、適度な密度を有しつつ、ヒロインのエロ可愛い印象を損なわない水準にまとめています(←参照 中編「革命スピカ」第1話より)。また、前戯パートでの指での愛撫におけるものも含めて、媚肉が指や肉棒ににゅるにゅると絡みつく様子の断面図・透過図を特徴としています。
 この断面図等の描写も、意外に細やかさは無くてラフな印象があり、好みを分ける要素ではあるのですが、牧歌的な可愛らしさもある絵柄と、ドストレートな結合部見せつけ構図のアタックの組み合わせは実用面における特長でもあって、巨乳ボディをビクビク震わせながらエロボイスを絶叫する1Pフルの中出しフィニッシュに突き進むパワフルさが身上と言えるでしょう。

 久しぶりの単行本ですが、明るくてエッチなヒロインの魅力はそのままですし、タイプの異なるシナリオワークでそれぞれが引き立っている1冊と言えましょう。
中編「革命スピカ」が未完ということもありますが、二人の恋路はどうなっちゃうの~!?というハラハラ感でしっかり読ませた中編「雨とキャラメル」が特にお気に入りでございます。

かせい『おもいろは』

Omoiroha TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第9話「仲間でライバル」を観ました。これを機会にグループでの曲かなと思ったのですが、あくまでソロアイドルの方向性ながら、仲間なんだという描き方が新鮮でしたね。MVも素晴らしいの一言。
果林さん、完璧クール美人という印象だったのですが、極度の方向音痴という意外なポンコツ要素が可愛いかったですね。

 さて本日は、かせい先生の初単行本『おもいろは』(茜新社)のへたレビューです。“おもい”と“いろは”を合わせた単行本タイトル、いろは歌で後続する“散りぬる”を想起させる内容なので、なかなか趣のあるものと感じます。
それはともかく、ピュアでありながらも時に歪さを内包するJKヒロインとの恋愛模様&スベスベボディが快楽に染まるエロシーンが詰まった作品集となっています。

 収録作はいずれも読み切り形式の短編で計9作。1作当りのページ数は16~26P(平均21P弱)と幅はありつつ平均値としては標準的な部類。作劇面に一定の存在感を持たせた上で量的・質的ともに程好いボリューム感のあるエロシーンを用意しています。

【思春期らしい純粋さの善徳と危うさの恋愛ストーリー】

 作劇の方向性としては、ヒロイン達のピュアな恋心で駆動する青春ラブストーリーであることを共通させつつ、ラブラブなカップルのお話からわけありなインモラルな関係性のものまで作品の印象は様々。
 自分のバストが小さいのに他の女性の巨乳に目が行った彼氏君に対して不機嫌になった彼女さんとの仲直りHな短編「彼女からのサイン」、勉強を教えてあげている後輩君がエッチなご褒美を要求してくるのについ応えてしまう短編「ご褒美はあとで」などは、素直なラブラブ感が相応に明瞭なタイプ。
Omoiroha1これらの作品においても、ヒロイン側が男性側の欲望・要望に流されてしまうという流れになっていますが、母親の蒸発により植え付けられた女性への不信や偏見を義妹にぶつける兄とそれを受け入れ続ける義妹を描く短編「わたし達の家族の形」(←参照 残された二人の家族の歪な純愛 同短編より)、大好きな先輩にフラれた主人公のことが好きなヒロインが“センパイ”の代替として彼に抱かれることを提案する短編「幼馴染の好きな人は」など、第三者から見れば歪みや無理のある関係性をヒロイン側自らが望んで受容してしまう作品も存在しています。
告白して付き合うことになった少年がアブノーマルなプレイを強引に押しつけてヒロインがそれに付き合わされることになる短編「ぞくぞくしちゃうの」もコミカルさはありつつこの系統であり、ヒロイン側にとっての葛藤や羞恥はありながらも、相手に求められること、相手に尽くすことの幸福が描かれつつ、それを善きものとして祝福できる作品と、一抹の不安を残す作品との両方があると言えるでしょう。
 なお、孤独を感じているヒロインが久しぶりの再会となった幼馴染のお兄さんとラブラブになったり、大好きな年下ボーイを独占したいヒロインが積極的な行動に出たりと、ヒロイン側の主体的な行動とその幸福な結実を描く作品もあって、こちらはより安心感のある読み口。
 登場人物達の行く末を含めた展開について丁寧に説明するタイプではなく、ストーリー性の主張は強くないものの、思春期らしい熱情や純粋性における、善徳と危うさの両方を描くことに魅力のある作劇と言えるでしょう。

【スベスベ美肌で貧乳~巨乳な制服黒髪美少女ヒロインズ】
 短編「彼女は尽くすタイプ」のみ『COMICホットミルク』が初出ですが、その他の作品は『COMICアオハ』(およびその前身『COMIC高』)を初出としており、全ヒロインが女子校生キャラクター。
 妻を亡くした男性とその代わりとなることを望む娘を描く短編「パパらぶ!」や年の離れた義兄との淀んだ性愛を描く短編「わたし達の家族の形」などを例外としつつ、同年代の少年とのラブストーリーがメインであって、彼ら彼女らの率直な欲望や感情が、雰囲気の明暗に幅がありつつも、話を駆動する青春モノと言えるでしょう。
 漫画チックなキャラクター性を重視したヒロイン造形ではないものの、前述した様に男性を受容する、尽くす、或いは流されやすいという在り方は多くのヒロインに共通していて、男性側にとっての“都合の良さ”と、その上での各ヒロインの幸福の在り方がキャラ造形や作劇として肝になっているとも感じます。
Omoiroha2 ほぼフラットな微乳ガールから、もっちりたっぷり巨乳ガールまでおっぱいサイズには幅がありつつ、肢体全体の肉感は抑え気味であることは共通(←参照 控えめバスト&ストッキング美脚&パイパン股間 短編「ご褒美はあとで」より)。スベスベとした艶やかな柔肌の質感であったり、舌や乳首、秘所などの粘膜描写の照りであったり、鏡面仕様のぷにぷに股間であったりと、お肉の存在感に依存することなく十分な官能性を女体描写に含ませているのが特色と感じます。
セックスが盛り上がっていく内に全裸セックスに移行していくことも多いですが、ヒロインの設定もあって、制服(狭義)を着用したままのセックスで統一されており、ニーハイストッキングの着用率が高いのも特徴。
 描線の濃淡に一定の変化を感じるものの、絵柄の統一感は十分に強く、表紙絵との印象の際もほとんどありません。上述の体パーツ描写も含め、細やで適度な濃密さのある修飾性が特色と言え、絵柄としての親しみ易さと艶っぽさとのケミストリーが魅力と感じます。

【丁寧な愛撫の手数と程好い濃厚感の痴態描写】
 ページ数の関係上、たっぷり長尺という程ではないものの、抜きツールとして十分な尺はあり、基本的には複数ラウンド制を採っています。
Omoiroha3 いずれも和姦エロの範疇にまとめていますが、男性側の強引さに押し切られてヒロインが羞恥心を感じながらも受け入れてしまうというシチュエーションや(←参照 “駄目じゃないけど”と言いつつ 短編「彼女からのサイン」より)、外での羞恥プレイや目隠し拘束放置プレイなどのアブノーマルなセックスをさせられたり、他者の身代わりとしてのセックスや近親セックスなど、ヒロインの在り方に不安のあるシチュエーションであったりも存在し、甘いラブラブ感のみをお求めな諸氏は要留意。
 複数のシチュエーションを入れるためにエロシーンを分割構成することもありますが、総和として前戯パートには十分な尺を用意することが多く、ねっとりと舌を絡める情熱的なキスやヒロインの乳首や秘所への指や舌での丁寧な愛撫などでヒロインを蕩けさせる流れを軸としつつ、竿役のご立派ち○こへのフェラといったサービスプレイの登場頻度は低め。
抽挿パートに入ってもヒロイン側が押し切られ続けるケースもあれば、途中からヒロイン側も積極的なプレイに転じるケースもありますし、最初から主導的なヒロインが興奮して更に攻勢を強めるケースなどもありますが、ヒロイン側が強い快感に呑まれて乱れていく流れは概ね共通しています。
Omoiroha4 適度な未成熟感と色気感を併せ持つ思春期ボディの魅力を前面に出しつつ、紅潮し瞳を潤ませる熱っぽい表情付けに羞恥と快感の入り混じる嬌声、たっぷりの淫液があふれ出る秘所のアップ描写など、どちらかと言えばアタック抑え目の演出を程好い密度でというスタイル。また、前戯パートと合わせて、摘まんだり弾いたり吸ったりで乳首を刺激してヒロインを感じさせる描写が多く、ピストン運動では描写の手数として貢献しています(←参照 短編「ぞくぞくしちゃうの」より)。
 蕩けフェイスと汁気たっぷりの結合部アップ描写を投入してから大ゴマ~1Pフルの中出しフィニッシュへと突入し、蕩けきった表情でアクメにビクビクと震えるヒロインの痴態を提供して複数ラウンド制の〆としています。

 ピュアな気持ちに基づく恋愛ストーリーでありつつ、純粋である故にそこに陰陽の複雑さもあって、その辺りの繊細さはアオハレーベルらしいとも感じます。
個人的には、自分の想いのために自分を殺すアンビバレンツな状態にビターな読後感を残す短編「幼馴染の好きな人」と先輩美少女が後輩君に色々と押し切られちゃう短編「ご褒美はあとで」が特にお気に入りでございます。

雪國おまる『アゲまんライフ』

FortunedPussyLife TVアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』第8話「神話世界探索作戦!」を観ました。オーディンの台詞に北欧神話関係の単語を散りばめつつ、実は作品世界において“北欧神話”が存在しないという設定は興味深かったですね。
クラウディアの正体というか神話との関連性が気になるところですが、英霊機が“空飛ぶ靴”だとするとロキ絡みなのかなとか考えてしまいます。

 さて本日は、雪國おまる先生の『アゲまんライフ』(ジーオーティー)のへたレビューです。先生の前単行本『堕ち雌奴隷イズム』(エンジェル出版)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
豊満巨乳ボディの美女&美少女さん達とのほんのりアモラルでありつつ快楽全能主義で押し通すドスケベ模様が詰まった1冊です。

FortunedPussyLife1 収録作は、高名な学園に推薦で入学したものの成績至上主義な校風の中で最下位である故にいじめられていた主人公は、成績不良者を鍛える学内の更生荘に送り込まれたのだが、そこで待っていたのは勉強するとエッチなご褒美をくれるエロエロ寮母さんで、更にはこの施設に彼を送り込んだ生徒会長も参入してきて!?な中編「更生荘の女達」前中後編(←参照 優しくてドスケベな寮母さん、その正体は・・・!? 同中編作前編より)、および読み切り形式の短編6作。
1話・作当りのページ数は20~28P(平均21P弱)と標準的なボリュームで推移。分かり易くエロメインの作品構築であり、軽い読書感とエロの十分な満腹感とを併せ持っています。

【インモラルな要素はありつつ快楽全能主義の軽さ・勢いが軸】
 エンジェルレーベルでは、寝取られや凌辱、調教といったダーク&ハード指向なものを中心に描いている作家さんですが、ジーオーティー(『コミックマグナム』)での初単行本はラブコメ・エロコメ系を含めてよりライトな雰囲気の作品がメイン。
 優しくてエッチな寮母さんにエロエロご褒美を貰うために勉学に励み、堅物だと思っていた美少女生徒会長ともラブラブ&エロエロな仲になる中編作は、フルスロットルに棚ボタ的な展開であって、単行本タイトルの“アゲまん”の単語通りに、ダブルヒロインとのセックスを通じて、性的な面で男性としても、成績としても高い評価を勝ち得ることになる展開もウハウハ感を増しています。
加えて、忙しい会社員である独り身の主人公をお隣の美人妻さんが色々とお世話をしてくれるし、不倫セックスもしてくれる短編「孕ませ!!お裾分け不倫妻」、クールな幼なじみガールがある日突然強引かつ怪しげなエロアタックを仕掛けてくる短編「地味なあの子の求愛行動」なども、ヒロイン側の性的な積極性に委ねることでの棚ボタ的幸福感のあるタイプ。
FortunedPussyLife2 妹ヒロインが大好きなお兄ちゃんの気を引くためにわざと別の男性とセックスして寝取られ感を刺激したり(短編「相♥姦妹ダーリン」)、初恋相手でもあり、亡き兄の嫁でもあった女性と関係を持ってしまったりと(短編「未亡人義姉と新生活」)、ヒロイン側が積極的な棚ボタ展開でも、インモラル系の要素が入ることもありますが、ヒロイン側の様々な面での充足を軸に快楽全能主義で押し通して、話としての暗さや重さは取り除いています(←参照 兄嫁の寂しさを埋めて孕ませセックスだ! 短編「未亡人義姉と新生活」より)。
 コスプレ自撮りをネットに上げて承認欲求を満たしていた未亡人さんが娘の彼氏にその事実を握られて、彼との不倫セックスをし続けてしまう短編「寝取り母失格」はダーク&インモラルな要素がある作品であり、娘への裏切りを認めてしまう点でダークな雰囲気も残しつつ、未亡人ということもあってヒロインにとっての既存の夫婦関係が壊されるわけではなく、彼女自身も求められることでの喜びや性的充足を味わっており、こちらも重苦しさは抑え目です。
 分かり易過ぎるお膳立てなども含めて、ストーリー展開に魅力や存在感があるタイプではありませんが、全般的にスムーズにエロシチュを整えて、かつ軽い読書感にまとめる抜きツールらしい作劇と言えるでしょう。

【もっちり柔らか弾力のエロ巨乳&安産型ヒップのボディ】
 ヒロイン陣は女子校生~女子大生クラスの美少女と20代後半~30代後半程度と思しきアダルト美女達が大よそ半々の陣容となっており、年齢的な描き分けは適度に為されています。
 エッチで優しい寮母さん&真面目で厳しいが中身はピュアな生徒会長さん、欲求不満で世話焼きな隣の奥さん、コスプレ未亡人、お兄ちゃんラブな黒ギャル妹ちゃん、明るくサバサバした性格の美人兄嫁(未亡人)などなど、多彩な設定のヒロインが登場していますが、いずれもセックスに関して積極的であることは共通。
FortunedPussyLife3 初出時期によって体パーツ描写の描き方に若干の違いはあるものの、もっちりと柔らかくかつ重量感のある巨乳&安産型ヒップに強い主張があり、むちむち太股を含めて伸びる美脚もあって比較的等身の高さがあるボディであることは一貫しています(←参照 豊満巨乳ボディの母娘丼だ! 中編「更生荘の女達」後編より)。
古めの作品では存在感の主張の強いデカ乳首であったのが、近作ではサイズ感としてよりマイルドになるなどの変遷はありつつも、艶っぽい唇の表現や、鏡面仕様の股間と意外にあっさり目な秘所の描写といった淫猥さを追求しつつも、濃厚さ/クドさは感じさせない体パーツ描写の方向性は共通していると感じます。
 初出時期に最大で約2年の開きがあるため、絵柄には相応の変遷が認められ、近作については表紙絵と完全互換で比較的写実的な色っぽさもあるタイプであるのに対し、古めの作品ではオーセンティックなアニメ/エロゲー絵柄的なキャッチーさのあるタイプの絵柄。作画密度や個々の作品における絵柄の安定感は一貫しているものの、絵柄の方向性として割合に異なるものであるためいわゆるジャケ買いは避けた方が良いでしょう。個人的にはアニメ/エロゲー絵柄的なキャッチーさとアタックの強い演出の過剰さとの組み合わせが魅力な古めの絵柄の方が好きではあります。

【程好くお下品さもある激しい乱れ模様&肉感ボディの存在感】
 シチュエーションチェンジのために濡れ場を分割構成する頻度が高いものの、概ねつなぎはスムーズであり、サクサクとセックスに突入していくこともあって、各エピソードに十分な量的満足感のあるエロシーンが用意されています。
 ヒロインが一服盛ったり(短編「地味なあの子の求愛行動」)、ヒロインが好きな余り夜道を襲って目隠し拘束レ○プしたり(短編「恋慕~稀有な二人の邂逅録~」)といったエロシチュもありますが、それらの場合でもかなり強引なシナリオ展開で和姦エロにつなげていますし、その他の作品でも不倫エロや近親セックス、ハメ撮り配信といった要素を有しつつ、快楽で充足していく和姦シチュとしてまとめる傾向が明瞭。
 前述した様に複数のシチュエーションを投入するケースでは、前戯パート→抽挿パートという標準的な展開を必ずしも採らないのですが、パイズリやフェラといったヒロイン側の積極性を示すサービスプレイはほぼ標準搭載されており、尺として短めであったり射精シーンが意外に目立たなかったりすることもありますが、たっぷりとお口に発射に至る流れを形成。
FortunedPussyLife4 一方で、抽挿パートには総和として十分なボリューム感があり、豊満ボディの強い存在感に、アヘ顔的なものを含めた派手さのある表情付け、インパクトのある言葉遣いを含めてテンションの高さがあるエロ台詞、呂律の回らない絶叫系の嬌声、肉感ボディのシズル感を増す各種液体描写など、十分なアタックのエロ演出を重ねています(←参照 “卵子に突き刺さる”という表現 短編「地味なあの子の求愛行動」より)。
上述した様に、絵柄の変遷が認められるものの、これらエロ演出の用法や分量にはあまり変動が無く、比較的詰め込んだ描写であることも共通していますが、導入パートでの様子とエロシーンでの激しい乱れ具合のギャップについて、その印象が絵柄によって変わっている感はあります。
 パワフルなピストン運動が連続していく抽挿パートでは、上述の激しい痴態描写に加えて、種付け・妊娠を意識させる台詞回しであったり、中出し連続的な前のめり感であったりも特色であり、適度にお下品なアヘ顔や蕩け顔をさらけ出しながら中出しアクメに悶絶するヒロインの様子を1Pフルでお届けなフィニッシュへと突き進んでいます。

 肉感ボディをガンガン突いてハードな乱れ模様を展開するエロのアタックの強さはそのままに、これまでよりもマイルド&ライトな作劇に徹した最新刊という印象。
個人的には、魅惑の母娘丼も楽しめる中編作と、美人兄嫁さんへの想いをぶつけるパワフル和姦エロな短編「未亡人義姉と新生活」が特にお気に入りでございます。

MAKI『魔法少女凌辱クインテット』

MagicGirlsQuintetRape TVアニメ版『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima第8話「Dead men tell no tales.」を観ました。あからさまに態度が悪いけど、公にヤクザと付き合っている銃兎もマズイだろと思っていた同僚刑事コンビでしたが、想像を上回る悪徳警官だったので成敗されてせいせいしましたね。
Fling Posse編はあの状態からどうやって勝つの!?と思いましたが、そう来たか~という感じでしたね。

 さて本日は、MAKI先生の『魔法少女凌辱クインテット』(ジーウォーク)のへたレビューです。“創田ぐみ”名義での前単行本『搾精ビッチガールズ』(ティーアイネット)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
魔法少女としての在り方を巡る多彩なストーリー&凌辱系を中心としたハード指向のエロシーンが詰まった1冊となっています。

MagicGirlsQuintetRape1 収録作は、才能のある少女を“魔法少女”としてスカウトする機関MCSから人工魔術師として勧誘されたり、機関に所属していたり、或いは機関に参入することを提案したりなそれぞれの少女達のストーリーをオムニバス形式で描いていく長編「ほんとうは淫らな魔法少女たちの実情」全6話(←参照 力の源泉が“人に喜ばれること”である故に少女のとった選択は・・・ 同長編第1話「case1: 望月悠美」より)+描き下ろしフルカラー掌編(4P)。
掲載時点では2話分であったものを単行本では1話分にまとめているエピソードが多いこともあり、描き下ろしフルカラー作品を除いて1話当りのページ数は24~40P(平均30P強)と標準を優に上回る平均値となっています。
 エピソードによってストーリーの存在感には差異がありつつ、一定の読み応えのある構築であることが多く、エロシーンにも十分なアタックと適度な量的満足感があります。

【力や資質によって得るものと喪失するものの葛藤を描く作劇】
 単行本タイトルの“魔法少女凌辱”という言葉から、キルタイム系に代表されるような戦闘ヒロイン凌辱モノを想起するかもしれませんが、そのようなタイプのエピソードもありつつ、元の作品タイトルにある“魔法少女たちの実情”という言葉の方が内容をよく示しているように感じます。
 不良たちに凌辱され続けた少女が人工魔術師としての力を手に入れ、彼らや自分をいじめていた相手に復讐を成し遂げ、また取り巻き達を手懐けていく内に増長していく少女を描く「case1: 望月悠美」、不慮の事故から人を助けるという自身の役割を誇らしく思っている少女に、多数の女性を苦しめてきた最低の下衆野郎の命を助けることを機関から命じられる「case2: 天月ティア」などは、魔法少女としての力を持つ故の暴走や苦悩を描くエピソード。
MagicGirlsQuintetRape2また、ヒロインが魔法少女となるキッカケとなった肉親への過酷な凌辱とそれを引き起こした親族の裏切りを描くダークな雰囲気の「case3: 苑宮羽都姫」といった作品もあれば、マンガ家になりたいヒロインの願望をなんとマスコットキャラが利用して自身のために凌辱するという展開ながら(←参照 クマのぬいぐるみ的マスコットキャラからエロ触手が!? 長編第4話「case4: 百瀬欄子」より)、全体の雰囲気としてはブラックジョーク的なコミカルさがある「case4: 百瀬欄子」といった作品もあります。
 斯様に、魔法少女モノとしては珍しく“敵”を設定することがあまりなく、それぞれの魔法少女としての役割・役目と自身の感情や願望との板挟み的な状況が多く、コミカルなケースもありながら、全体としてはシリアス寄りであると言えるでしょう。
魔法の力に頼って増長したヒロインが邪道に堕ちることなく友情のためにその力を振り絞る展開になったり(「case1: 望月悠美」)、大切な肉親を害し、自身も凌辱した非道な相手への逆転勝利を描いたりと(「case3: 苑宮羽都姫」)、一定の救済や正道への回帰が描かれることも多いですが、一方で力を得た・使った代償としての苦悩や喪失が残るというラストも共通しています。
 各話におけるこのまとめ方が、その他の作品とはやや異色の魔法少女が登場する最終話に大きく関係しており、オムニバス形式の長編全体を最終話で関連付け、描き下ろしフルカラー掌編にエピローグとしてつなげる構成は、話全体としては尻切れトンボな印象がないわけではないものの、全体の構成としてよく出来ていると感じさせる特徴と言えるでしょう。

【多彩な変身コスチューム&キャラ設定の魔法少女達】
 ヒロイン陣の年齢層としては概ねローティーン級の美少女から20代半ば程度の綺麗なお姉さん、サブヒロイン級としては30代半ば程度と思しき美熟女ママさんなども登場。
 凄惨な凌辱やイジメへの復讐を成し遂げるもその力に善性を失っていく少女、人を救うことを誇りに思いながら悪人も助けなければいけない葛藤に悩む少女、その身に宿る力や血筋のために親族の裏切りによって凄惨な被害に遭う少女、自分の夢を叶えるべく、魔法力の源泉である人助けでの感謝を得るために頑張るも失敗ばかりな少女などなど、多彩な設定のヒロインとなっており、前述した様に個々のヒロインにとって得るものと失うもの(失いかけたもの)の両方が描かれていることが特色と言えるでしょう。
 エピソードによっては変身を要しない魔法の行使が大半であったり、如何に魔法少女になったかを描いたりということで、変身コスチューム着用でのエロシーンが無いケースもあって、この点は“魔法少女モノ”として見るとかなり評価を分ける要素ですが、変身時のコスチュームは正統派タイプ、ナースを意識させたタイプ、中華メイド風や巫女装束風と個々に特徴的な描き分けをしているのは好印象。
MagicGirlsQuintetRape3 ちんまりボディにぺたんこバストで未成熟感の強い苑宮羽都姫ちゃんや、スレンダー貧~並乳ボディの望月悠美ちゃんといった魔法少女達もおりつつ、メイン格のヒロイン達の過半数を占めるのは程好いボリューム感の巨乳&桃尻をお持ちで(←参照 褐色巨乳淫魔パイズリヤッター! 長編第4話「case4: 佐渡沙夜霞」より)、しなやかな美脚も含めて一定の等身の高さがある女体造形となっており、整った美しさとストレートなエロさが両立されたタイプ。
 絵柄としてはややオールドスクール感はありつつも、アニメ/エロゲー絵柄的なキャッチーさがある二次元絵柄であって表紙絵とも完全互換で安定。全体的に作画にややラフな印象を受けることがあるものの、エロシーンでは勢いの強さに貢献しており、また作画密度自体は相応に高く安定しています。

【理不尽な暴力としての凌辱系と快楽耽溺系のエロシチュ】
 長編第1話および第3話は連載2話分を1話にまとめた作品であるため、必然的にエロシーンが分割構成となっていますが、それら個々のエロシーンを含めて十分な尺が用意されています。
 単行本タイトルに凌辱とある通り、不良達による輪姦や怪物による母娘への凄惨な凌辱、マスコットキャラの裏切り?による触手凌辱といった明確に凌辱系なシチューションも多い一方、淫魔化したヒロインによる童貞喰いセックス、魔力を得るためのご奉仕セックスなどヒロイン側が積極的にエッチに関与していくシチュエーションもしばしば用意されています。
戦闘ヒロイン凌辱エロでは、ヒロインが敵に対して強さを発揮しながらも敗北して犯されてしまうというギャップが一つの魅力ですが、本作では闘うべき相手というものが存在しなかったり、魔法少女でない状態で相対したりするケースが大半であり、ヒロインの立場や力故に理不尽で一方的な暴力や惨禍として凌辱が降りかかってくるという様相になっています。
 凌辱系ではヒロインの口に無理やり突っ込んでのイラマチオや秘所やアナルを好き勝手に弄るなどのプレイ、ヒロイン側が積極的なシチュエーションではパイズリやお口ご奉仕、男性によるクンニご奉仕といったプレイと、シチュエーションに合わせた内容の前戯パートとしており、お口に大量に発射する抜き所とすることもあれば、抽挿パートまで射精はおあずけというケースもあります。
MagicGirlsQuintetRape4ヒロイン側が積極的なケースではセックスの快楽に夢中になって蕩けていく様子を提供する一方、凌辱系では快楽に置き換えられることなくヒロイン側の苦痛や恥辱、嫌悪感が維持される描き方となっており(←参照 身勝手な男に凌辱され 長編第2話「case2: 天月ティア」より)、破瓜の痛みであったり触手による全身責めや複数の男や怪物による二穴挿入といった苛烈な行為であったりとハード指向であることが明瞭。
 やたらと粘度が高そうな白濁液描写、ラフな印象はありつつも描写の畳み掛けと勢いの強さが美点の断面図や結合部アップ描写も特徴的であり、乱れた描き文字で或いは嬌声、或いは悲鳴を叫ぶヒロインに白濁液が注がれ、浴びせられるフィニッシュは1Pフルのボリュームで提供されています。

 魔法少女モノでありつつ、オーソドックスな展開から敢えて外した作品構築であり、魔術という理不尽な力と、それ故に降りかかってくる理不尽な惨劇・結末のコントラストが印象的な作品群と感じました。
個人的には、復讐を成し遂げつつ魔術師としての力に依存し、横暴となったヒロインに与えられた選択とその結果が魅力の長編第1話と、褐色巨乳淫魔大暴れながら因果応報な結果となる長編第4話が特にお気に入りでございます。

syou『百合の蕾に唇触れて』

TouchTheLilyBudsWithYourLips 紙魚丸先生の『惰性67パーセント』第7巻(集英社)を読みました。表紙絵からおや水着回が!?と思いましたが、まさか海水浴はカットで日焼けのお話とは・・・。でも、乳首刺激で赤面する北原さんの姿が見られたのでOKです!
微妙なエロ写真競技、男子連中の写真の難易度が私には高過ぎましたが、食事シーンフェチなので実際エロかったです。

 さて本日は、syou先生の『百合の蕾に唇触れて』(文苑堂)の遅延へたレビューです。これが2冊目となる作家さんですね。
穏やかで落ち着いた雰囲気の中で、熱情が宿る性愛が発揮される女の子達の百合ラブエロ模様が詰まった1冊となっています。

TouchTheLilyBudsWithYourLips1 収録作は、恋人の女の子のことを思いながら自慰をしていたヒロインにタイミング好く?その彼女さんから着信があって、同意を得た彼女の声を聞きながら自慰を続けるのだが・・・な連作「逢えない夜に、繋がるココロ」「逢いたい君に、とけあうココロ」(←参照 離れていても通じ合う情欲 同連作前編「逢えない夜に、繋がるココロ」より)、および読み切り形式の短編7作。
1話・作当りのページ数は12~24P(平均21P強)と標準的なボリュームで推移。ストーリー性こそ強くないものの、登場人物のやりとりで読み手の意識を引き込んでいく展開が魅力的であり、読み手の嗜好によって実用的な満足感の評価は大きく割れる印象がありますが、とは言え程好い尺を割り振ったエロシーンになっています。

【日常の中での甘く穏やかな性愛を紡ぐシナリオワーク】
 いずれの作品も穏やかな日常の中での女性同士の性愛を描く百合作品であって、男性キャラクターの存在がほとんど排除されているのは、そのサブジャンルにおける王道的的な手法と感じるところ。
 その男性性の排除は、同性(女性)同士の性愛を異性愛に対して“アブノーマル”であると認識させる前提を排除するものとなっており、その点も含めてある種のファンタジー・メルヘン的な様相もありながら、それぞれの素直な恋心や思慕、性欲が同性に間によって相互認証され、相互に充足していく流れをスムーズに表現することにつながっていると言えるでしょう。
TouchTheLilyBudsWithYourLips2 百合モノにおいては、タチ・ネコ的ないずれかが性行為の主導権を握るかという要素があって、本作でもその立ち位置には一定の目配せはされていますが、同時に積極的な側が実は甘えている、受け身な側が状況をコントロールしていくなど、“立ち位置”そのものを重要視せず、互いが望むものを感じ取って互いに叶えていくという繊細な流れが明確であって(←参照 先輩・後輩という枠を超えて 短編「悪戯な新入生」より)、性愛における立場や主導権を超越した対等性が、同性ゆえに叶えられるというスタンスを感じさせます。
 愛し合う者同士が素直にその恋愛感情や性欲を承認されあいたいという普遍的な感情が、思春期ガール同士では伸びやかに素直に充足されますし、年の差カップルでは特に大人なヒロインの方に葛藤を用意していますが、それを上回る伸び伸びした充足感が用意されたシナリオワークと言ってよいでしょう。
 後述する様に、エロシーンにおけるシチュエーション作りに貢献するシナリオワークとも言えるのですが、そのような無機質さを感じさせることなく、女の子達の性愛、関係性がどのように二人でやりとりされるかについて、読み手の意識を牽引し続けることが出来る話の運び方になっているのが、いずれの作品にも共通する魅力。
あくまで日常の中で営まれる性愛として描いているため、ストーリーとして大きなドラマこそ生じないながらも、情動の熱量に相応しい、微笑ましい幸福がヒロイン達に確認されることでの平穏なポジティブさを以てまとめることで、心地良い余韻のある穏やかなお話という印象につながっていると感じます。

【健康的で柔らかい印象のボディな百合カップル】
 短編「きっと、同じ色の心。」「この出会いが運命なら…」では20代半ば~後半程度の年の離れたお姉さんと女子校生さんの百合模様が描かれますが、その他の作品では女子校生同士の性愛が描かれます。
 中性的な魅力のある女子とふんわり柔らかいお姉さん的な女子との組み合わせであったり(短編「私だけ…君にだけ…。」)、真面目な先輩とちょっと生意気な後輩の組み合わせであったりと(短編「悪戯な新入生」)、対照的な二人をカップルとすることもありますが、漫画チックな属性を目立たせるタイプのキャラ作りではなく、各作品の開始時に既にカップルであることもあって、お似合いで通じ合っている者同士として表現されている印象があります。
また、各キャラクターが恋人の前では素直な気持ちや性欲を相手に伝える、端的に言うとイチャイチャしている状況に上品な甘味があり、前述した様にそのやりとりでエッチへと至る流れの良さがキャラクターの魅力にもつながっています。
TouchTheLilyBudsWithYourLips3 控えめおっぱいから程好い巨乳までバストサイズには一定のバリエーションはありますが、バスト&ヒップの存在感を前面に出すタイプでは全くなく、健康的な肉付きも含めて肢体全体での柔らかい印象やお肌のスベスベ感などに魅力があるタイプと感じます(←参照 短編「帰ったら、明日香ちゃんと…♥」より)。乳首やパイパン仕様の股間など、体パーツ描写も淫猥さを抑えており、ストレートなエロさよりも可愛らしさや胡乱な表現ですが、ピュアな印象が感じられる女体描写と言えるでしょう。
 細やかでありつつふんわりと柔らかい印象の絵柄であり、どちらかと言えば少女漫画的なテイストのあるタイプであって、濃厚な修飾性かつキャッチーな絵柄というエロ漫画ジャンルで当世流行りのスタイルとは異なりますが、明確に雰囲気と合致した絵柄ですし、表紙絵と完全互換で安定しているのも○。

【互いに快感を高めていく流れを穏やかな痴態描写で】
 デートであったり会話であったりと、カップルの仲睦まじさを感じさせる導入パートに十分な尺を持たせ、かつここを作品の大きな魅力としていることもあって、エロシーンの尺は作品によって幅はありつつも、それ程長いとは感じない水準。
 いずれもラブラブ百合セックスでありつつ、“攻守”の逆転であったり、校内でのドキドキシチュエーションであったり、学園祭でのコスプレをしたままのエッチであったりとエロシチュの味付けを作品によって変化させています。とは言え、それらのシチュエーションとしての魅力よりかは、素直に相手を求める気持ちで互いに気持ち良くなっていく流れそのものをしっかりと魅せるエロシーンとも言えるでしょう。
なお、設定もあって制服を着用しながらのエッチも多いですが、弓道着や可愛らしい私服などのケースもあり、全裸セックスに移行するか否かは作品によって分かれつつ、次第に肌を晒すと共に性愛の素直さも曝け出されていき~という印象のリンクが為されていると感じます。
 冬の冷たい空気の中温めあいながらの耳舐め、後ろから抱きつきながらの手マン、いつもと逆に攻められちゃうお姉さんが乳首や秘所への刺激に敏感に反応する描写、見つめ合いながらの柔らかい唇を重ねるラブラブ接吻、細やかな舌使いでのクンニなどなど、される側の快感とドキドキ感、する側の満足感や興奮を表現する前戯パートとなっており、“貝合わせ”を投入せず、これらの行為で互いに気持ち良くしあうエロ展開のみで濡れ場を形成することも多くなっています。
TouchTheLilyBudsWithYourLips4 交互の愛撫でも貝合わせでも、同性として気持ち良い部分をよく知っており、そこを気持ち良くして上げる、互いに同じ場所の感覚を共有するという行為であって、上述した対等性がセックスにおいても表現されていると感じます(←参照 シンメトリカルな構図で溶け合う台詞の吹き出し 短編「Secret Ingredients~ホワイトデーの甘い秘密~」より)。
 キュッと瞳を閉じて湧き上がる快感をこらえる表情や、乱れた描き文字で表現される小刻みな嬌声といった演出を軸にしていて、量的にも質的にも抑えた演出であり、秘所描写も控えめであるため、直球なエロさを欠く傾向にはありますが、百合エロ漫画としては雰囲気によく合った手法であって、エッチで可愛いヒロインの姿を満喫できる作りとも言えるでしょう。

 優しく穏やかな雰囲気に包まれる安心感で、ヒロイン達のセックスを含めた幸せな睦み合いを鑑賞できる作品集であり、個人的にはエロ漫画的な実用性はあまり感じないものの、良いものを読んだなと感じられる作品集でした。
個人的には、年上お姉さんと大人しい女の子のカップルで今日は女の子の方がタチという状況でお姉さんが感じまくり、二人の絆がより深まる短編「きっと、同じ色の心。」が最愛でございます。

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