2020年02月

上田リエコ『童貞キラーな妹たち』

CherryKillerSisters サークル“celluloid-acme”の冬コミ新刊『Black☆Witches vol.3』を読みました。1巻も2巻も紙で持っているので、今回も紙を入手しようとしたら大分時間がかかってしまいました。今回は黒ギャル魔女がダブルで登場で大変に眼福な3Pエッチが拝めます。
毎回ゲーセンでの邂逅が示唆されますが、次回は果たしてどうなりますかね・・・?

 さて本日は、上田リエコ先生の『童貞キラーな妹たち』(ジーオーティー)のへたレビューです。先生の前単行本『童貞キラーな妹』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
エッチでキュートで黒ギャルで妹なヒロイン達とのドタバタラブコメ&エロ可愛く蕩ける痴態描写が楽しめる作品集となっています。

CherryKillerSisters1 収録作は、妹の黒ギャルが水商売のバイトをしていることを知った主人公はその口止め料として童貞を引き取って貰うことを提案され、彼女に振り回される日々が始まるも実家からやってきたもう一人の黒ギャル妹にも初エッチをお願いされて・・・!?な中編「童貞キラーな黒ギャル姉妹」全5話(←参照 ビッチな妹ちゃんの言われるがままに 同中編第1話より)+描き下ろしフルカラー番外編(4P)、および読み切り形式の短編4作。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は18~28P(平均24P弱)と標準的なボリュームで推移。中編・短編共に軽めの作劇であり、十分なボリューム感のエロシーンを提供しています。

【エッチな妹ヒロインに翻弄されるラブコメ・エロコメ】
 中編、短編群共にポジティブな雰囲気のラブコメ・エロコメ系であり、黒ギャルを中心とするヒロイン側の積極性に男性側が翻弄される状況が描かれています。
CherryKillerSisters2 中編作では長女の麗とのエッチな関係を続けさせられつつ、次女・遥香にも迫られて三角関係が形成されており、麗との関係が遥香に知られることですわ修羅場か!?となっても、妹コンビはお仕置きと称して仲良く3Pセックスをしてくれてあっさり解決するなど、いい意味であっけらかんと朗らかな雰囲気を保っています(←参照 妹コンビのお仕置きダブルパイズリご奉仕だ!! 中編第5話より)。
 短編群についても、ヒロイン側が積極的に仕掛けてきたり、男性側の性欲を引き出してきたりな展開が共通しており、年下に翻弄されるちょっとした倒錯感もありつつ、一枚上手でエッチが得意なヒロインに色々と委ねる安心感もある描き方と言えます。
中編の次女ちゃんのように恋愛感情をモチベーションとして動くタイプのヒロインもいますが、あっけらかんとセックスの快楽を求めて突き進むタイプのヒロインが多く、ラブラブな状況をお求めな場合には物足りなさがあるかもしれませんが、近親エロでありながら終始軽いノリと快楽欲求が満たされる幸福感を形成しています。
 短編「妹が露出始めました♥」は唯一の非黒ギャルヒロインであり、純情な彼女が大好きなお兄ちゃんの性癖に合わせて積極的に~というお話は他の作品と多少雰囲気が異なりますが、いずれの作品もほのぼのとしたまとめや、これからもエッチに励んでいくぞという素直な印象のまとめとなっています。

【巨乳ボディ&華やかさのある黒ギャルのキャラデザ】
 女子校生級をメインに女子大生級も数名程度加わる布陣であり、全員妹キャラであると共に前述の短編「妹が露出始めました♥」のヒロインを除いて皆さん黒ギャル
 姉に憧れて黒ギャルになったものの、中身はピュアな中編の次女・遥香ちゃんのようなキャラクターも居ますが、前述した様にエッチに積極的で貞操観念に乏しいヒロインがメイン。分かり易くビッチ系のキャラ造形ではありつつ、主人公に対する好意や一定の執着も感じられるので誰でもOK的な奔放さは一応あまり感じさせません。
なお、主人公の兄達については善良でありつつ性的には奥手なところがある童貞男子達で統一されており、性的な事項に関しては妹達に翻弄され、リードされるという構図が明瞭。
 程好いボリューム感の強さがある巨乳&桃尻、むちっとした太股に締まったウェストのエロボディで概ね統一されており、体パーツ描写の淫猥さはややマイルドにまとめつつ、分かり易いセックスアピールを有するタイプ。
CherryKillerSisters3黒ギャルキャラが多いこともあって、その派手なキャラデザは属性持ちにとって嬉しい要素であり、こんがり焼いた肌(一部に日焼け跡タイプ)、派手なアクセや下着、長いネイル、染めた髪の毛に黒ギャル独特の白っぽい色合のリップなどの要素を織り込んだキャラデザとなっています(←参照 短編「黒ギャル妹の援交を阻止するために童貞を捧げてみた。」より)。
 時折見せるデフォルメ絵の可愛らしさも含め、萌え系のトーンを有する絵柄はくどさを排しつつ、丁寧な描き込みを見せる部分とあっさりと軽めに見せる部分の濃淡のメリハリが効いたタイプ。描き込みの密度の高さもあって、表紙のフルカラー絵と中身のモノクロ絵に印象の差異がほとんど無いのも加点材料でしょう。

【ヒロインにリードされつつエロ可愛い蕩け痴態も満喫可能】
 兄の友人の童貞を切った後に、辛抱堪らなくなった兄の方の童貞も切ってくる妹ちゃんを描く短編「黒ギャル妹にお金で童貞を卒業させてもらった件。」など、複数のエロシチュを入れ込むために濡れ場を分割するケースもありますが、十分なボリューム感のあるエロシーンを提供するのは構成に依らず共通。
 黒ギャル妹さんの思いつき?で女装目隠し状態で弄られちゃうプレイや、お兄ちゃんのために恥ずかしがりながらも妹がしてくれる露出プレイ、妹コンビとの3Pセックスとエピソードによってエロシチュの趣向に変化を付けつつ、エッチな黒ギャルさんにリードされる女性上位な状況とそこから男性側が夢中になってがっつき、ヒロインを蕩けさせる流れが主流となっています。
 童貞である故に裸体にあわあわしてしまう男性に対し、技術力を感じさせるフェラやパイズリでち○こを気持ち良くしてくれるプレイに黒ギャル尻顔面騎乗といったプレイで主導権を握るヒロインという対比構造を形成する前戯パートは、十分な尺を有しつつ、射精シーンの有無は作品によって分かれることには要留意。
挿入をヒロインに誘導されたり、お股をぱっかり開いて見せ付けられたりで挿入へと誘われて開始される抽挿パートは、序盤はヒロインの優位性を保っており、男性を挑発したり教導したりな台詞回しで彼女らにリードされる倒錯性や受動的な幸福感を喚起しています。
CherryKillerSisters4ヒロイン側の主導権は保ちつつ、セックスの強烈な快感に中てられた男性側も目前の快感にがっついて自ら積極的に腰を振っていき、エロ可愛い蕩けフェイスにハートマーク乱舞のエロ台詞&嬌声、お汁たっぷりな股間とヒロイン側も強い陶酔感に包まれていく様相を提供していきます(←参照 短編「酔っ払ったエリート会社員が黒ギャル妹に童貞を奪って貰ってもらう話。」より)。
 女体の存在感の適度な強度での打ち出し方、エロ可愛さを保った上で濃厚感のある演出、結合部見せつけ構図にお兄ちゃんの興奮を高めてくれる台詞回しと、情報量の多さと程好いアタックのある描写を積み重ねた上で、大ゴマ~1Pフルのフィニッシュシーンに突入させてハイカロリーに〆ています。

 エロエロでありつつキュートな面もある黒ギャルヒロインにリードして貰いつつ、一定の主導権も取らせて貰えるという奥手童貞マインドに対して至れり尽くせりな状況を提供してくれる作品集であり、その読み口の良さで抜きツールとしての安心感も高めています。
個人的には、銀髪ロングな巨乳黒ギャルな中編の麗ちゃんとのエロ模様に愚息が大変お世話になりました。

ぽんぽんイタイ『プチらぶ☆きんぐだむ』

PuchiLoveKingdom 杉浦次郎先生の『僕の妻は感情がない』第1巻(メディアファクトリー)を読みました。少女型の家政婦ロボットに恋をする男性の話なのですが、ロボットにドキドキしながら誠実な恋愛を貫く主人公の姿に最初感じた違和感が読んでいる内に徐々になくなっていき、ミーナに“感情がある”ように思えてくるのは面白かったです。電子レンジに嫉妬?するミーナちゃん、可愛かったですね。

 さて本日は、ぽんぽんイタイ先生の初単行本『プチらぶ☆きんぐだむ』(茜新社)のへたレビューです。好事家へのアピール力が大変に高そうな表紙絵ですね。
ちっこいボディのキュートな女の子達とのラブコメ・エロコメ&がっつり中出し描写が特徴のハードなエロ描写が詰まった作品集となっています。

PuchiLoveKingdom1 収録作は、小さい頃から知っている仲良しの俺っ子ガールちゃんが主人公のち○こに興味津々で勢いセックスすることに・・・!?な連作「りこちゃんは発情期!?」「りこちゃんは反抗期!?」(←参照 ち○こをお股にこすりつけると気持ち良いことを知って!? 同連作前編「りこちゃんは発情期!?」より)、騙されやすい天然ガールな友人・ゆうちゃんが拾ってきたという子犬がどう見てもおっさんで!?な連作「がんばれかなっち!」「がんばれゆうちゃん!」、および読み切り形式の短編5作。
1話・作当りのページ数は10~26P(平均21P弱)と中の下クラスのボリュームで推移。基本的には軽めの読み口の作劇であり、十二分なアタックの強さと適度なボリュームのあるエロシーンが提供されています。

【読み口を穏やかにまとめるラブコメ・エロコメ】
 作劇の方向性としては、とぼけた雰囲気もあるラブコメ・エロコメ系統が主であって、軽く穏やかな読み口にまとめています。
 エッチなヒロインが積極的におねだりしてくるケースもあれば、ヒロイン側が男性の欲望に押し切られてしまうケースもありますが、後者の場合でも基本的には女の子側に男性に対する好意や信頼感があることが分かるように描かれているため、温和な雰囲気にまとめることを可能にしています。
PuchiLoveKingdom2加えて、反抗的な妹に陰湿なお仕置きをしたり“分からせ”セックスをしたりな短編「妹はこーもん期!?」や、友人が飼い犬と呼ぶ見てもおっさんな謎存在に襲われちゃう連作前編「がんばれかなっち!」といった凌辱的な要素を持つ作品であっても、仲直り的な展開であったり、コミカルなまとめであったりを用意して、ストーリーの印象に重さや暗さを持たせない作りになっています(←参照 キツイ反抗をしていた妹が素直に? 短編「妹はこーもん期!?」より)。
 全般的にエッチに突入する展開がコミカルであったり、いい意味であっさりと軽いノリであったりしており、エロはエロとしてハードな印象や非日常の解放感・陶酔感を持たせつつ、セックスによって特段大きな変容が登場人物にもたらされることはあまり無く、彼ら彼女らのスタンスがそのままであるという点も、読み口の穏やかさに貢献しているとも感じます。
 犬と認識されている謎おじさんの存在感である種押し通す連作「がんばれ」シリーズはエロコメに徹していますが、その他の作品でもとぼけたコミカル感が魅力となることが多くなっています。
 ラブコメ系の作品においても、恋愛モノとしての甘味を強く意識させるスタイルではありませんが、とは言えヒロイン達のピュアな恋愛感情やリアクションを魅力として、ほのぼのとしたハッピーエンドでまとめています。

【親しみやすいキャラ付け&肉付きの弱いちんまりボディ】
 いずれも概ねギリ二桁クラスのランドセルガールズ達であって、同じ年の従姉弟同士でエッチなことをしてしまう所謂“インピオ”な短編「おあいこ」を例外として男性キャラは年上のお兄さん・おじさん(連作の犬おじさんを含む)。
 元気で男の子っぽい言動の幼馴染ガール、女の子にモテるボーイッシュガールな彼女さん、子供扱いが嫌な生意気姪っ子ちゃん、性的なことにかなり無知な純粋穏やかガール、ツンが強くて反抗的な妹キャラ等々、キャッチーなキャラ付けが為された女の子達が勢揃い。なお、それ程強調されている印象はないものの、三白眼の女の子が多いのも特色。
変顔的な表情も含めて、ヒロインのリアクションに漫画チックな楽しさや子供っぽい快活さがあるのも魅力であって、特に恋愛関係に対する初心な反応も微笑ましくかつキュート。
PuchiLoveKingdom3 いずれのヒロインもちんまい寸胴ボディにぺたんこバスト、華奢な四肢、ぷにぷに股間を組み合わせたおこちゃまボディであり(←参照 お目々の☆マークがカワイイ! 連作前編「がんばれかなっち!」より)、局所的なぷにっとした柔らかさを感じさせつつ、肉付きの薄さを感じさせるタイプの女体描写と言えます。
前述した短編「おあいこ」の思春期入りたてボーイを例外として、筋骨隆々であったり肥満体であったりとガタイのよい男性キャラクターが多いことも、対比的にヒロインの体の小ささや華奢さを強調することにつながっています。
 キュート&ポップな印象の絵柄は、丁寧な描き込みで華やかさや適度にあざとい萌えっぽさを出していますし、服装や各種小物も女の子達の可愛らしさを伸長させる重要な要素。初単行本ということもあって、絵柄に多少の変遷を感じさせますが、表紙絵との印象の差異は一貫してほとんど感じさせません。

【アタックの強いエロ演出と中出し描写のねっとり感】
 サクサクとエロシーンに雪崩れ込んでいくこともあって濡れ場の占める割合は総じて高く、やや小刻みではありつつ複数ラウンド制が基本仕様。
 生意気ガールとのセックス勝負や、電車内での触り合いからエッチに突入してしまう羞恥系シチュのインピオ、はたまた拘束分からせ凌辱に無垢な女の子との野外セックス、チア衣装を着用してもらっての応援H等々、エロシチュには多彩さがありつつ、前述した様に和姦エロがメインであって、強引さのあるシチュエーションでもヒロインがセックスの快楽に夢中になる様子は共通しています。
 密着素股や小さなお口でのフェラ、一本筋な股間やちっぱいをぺろぺろする愛撫、イラマチオ気味のシックスナイン等々、前戯パートには適度な尺を設けており、ちっこいボディの感触を満喫したり、白濁液をお口に発射して三白眼フェイスがふにゃっと蕩けたりな様子をお届け。
竿役の体格がいいこともあって、華奢ボディを抱きしめてがっちりホールドしたり、関心や全身を持ち上げたりしての体位でガンガン腰を打ち付けていくマッシブさが抽挿パートにはあって、この点もヒロインの体の華奢さや軽さを感じさせることにつながっています。
PuchiLoveKingdom4 涙や鼻水、涎が零れ、お口の輪郭線がふにゃふにゃになったり瞳の中にハートマークを浮かべたりなエロ可愛く、いい意味でちょっとお間抜けな可愛らしさのある蕩け顔に呂律の回らない台詞回しに加え、アヘ顔的な表情や悶絶ボイスといったハード寄りの演出もあって、ヒロインの快感の強烈さを印象付けています(←参照 短編「いちゃチアらぶ!あきらちゃん」より)。
小さな秘所が目一杯押し広げられたり、肉竿が出し入れされたりな結合部見せつけ構図で抽挿パートにストレートな淫猥さを押し出すことに加え、中出し描写のシークエンスをじっくりと描くのが特色であって、年齢不相応の強烈なアクメを迎える痴態描写と断面図での白濁液発射のインパクトだけでなく、ビクビクとアクメに震える肢体と密着して最奥に入れたまま最後まで出し切る流れを形成しています。

 ヒロインの親しみやすい可愛らしさとエロシーンのアタックの強さが同居したラブコメ・エロコメ系統であって、キャラ造形の魅力が最たる美点と感じます。
個人的には、ち○こには興味津々だけどエッチの具体的知識には乏しいちょっとガサツで元気ガールと色々チャレンジな連作「りこちゃんは発情期!?」「りこちゃんは反抗期!?」が最愛でございます。

ポン貴花田『隣のパパの性欲がスゴくて困ってます!』

SingleFatherNextDoorIsTooMuch 伊藤悠先生の『オオカミライズ』第2巻(集英社)を読みました。明らかになった設定からは、地球外生命体の寄生ということなんでしょうが、血液が強く左右する以上、アキラがケンに血を飲ませたことは、二人の絆以上に、今後重要になるんだろうなぁと思われます。しかし、三人と蛍が引き離された過去の経緯、昨今の時勢を鑑みるに何とも暗澹たる気分であります。

 さて本日は、ポン貴花田先生の『隣のパパの性欲がスゴくて困ってます!』(エンジェル出版)の遅延気味へたレビューです。先生の前単行本『おっとりみだらな三上さん』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
幼馴染な美人ヒロインとの大人なラブストーリー&程好い熱っぽさで包み込むエロシーンが楽しめる1冊となっています。

SingleFatherNextDoorIsTooMuch1 収録作は、妻と離婚し一人息子と共に地元に戻って生活を始めた主人公の男性は、とにかく性欲が強いことが悩みでもあったのだが、隣室に住んでいたのはかつての恋人でもある幼馴染の女性であり、彼の悩みを知った彼女は悩みへの強力と恋人としてのやり直しを提案されるのだが・・・なタイトル長編全9話(←参照 幼馴染の女性からまさかの提案が・・・? 同長編第3話より)+その息子君が思春期にまで成長した後日談な番外編。
1話当りのページ数は16~20P(平均18P強)と控えめな部類で安定。長編作として一定の読み応えがありつつ、話についてもエロのボリューム感についても本レーベルらしいライト系と言えるでしょう。

【男女の再出発を描く大人のラブストーリー】
 “性欲がスゴいパパ”というワードに何やら淫靡な響きがありますが、これは主人公が父子家庭の父(バツイチ)であるという以上の意味はなく、彼と幼馴染の女性がよりを戻すラブストーリーが長編の主軸となっています。
 性欲の過剰な強さを含めて主人公の駄目な部分を、母性的でしっかり者のヒロインが受け止めてくれるという構図となっていますが、主人公の性欲の強さや駄目さはコミカルな要素としての範疇を越えており、多忙と風俗通いが息子へのネグレクトや前妻との離婚につながったり、ヒロインが許すのをいいことに場所を選ばずセックスをしたり、ネグレクト等の結果、息子の情操にも問題が生じたりと相応に深刻な事態を招いています。
SingleFatherNextDoorIsTooMuch2もっとも、ヒロインと恋愛関係が自然消滅してしまった過去も含め、主人公が自らの行いを自覚・反省した上でヒロインとの再出発を選択していますし、常に彼を認め、また後押ししたヒロインについても、単に都合の良い存在ではなく、それらのスタンスを彼女自身の強さとして描いていることで(←参照 長編第8話より)、対等な関係性の構築に収束しています。
 主人公の性欲の強さの理由についても作中で明らかにされており、“本当に大切な人とのセックス以外では人は満たされることがない”という道徳観念が作劇のベースであるとも言え、保守的ともロマンを感じさせるとも言えるでしょう。
 例え一人親家庭であっても、努力と愛情、周囲の援助によって幸福な親子関係を築いている親が世の中には沢山いることを決して忘れてはいけないですが、本作においては“一人”では父親として色々問題があった主人公が、二人でやり直すことによって家庭の立て直しにつながっており、番外編で息子君の健やかな成長を確認することが出来るのもハッピーエンドの印象を強めています。
 話としてはやや冗長で、話としての盛り上がりはラストまであまり無いのですが、別れたカップルが元鞘に収まる流れとしては、そのズルズル感であったり、なんだかんだで信頼し合っている故の安心感であったりな様子に一種の自然さがあるとも言えるでしょう。

【健康的な色気感のある短髪巨乳アダルト美人】

 息子を実家に預けて自宅に呼んだデリヘル嬢さん(第1話)や、やはり息子を母に迎えに行かせて職場の同僚と良い雰囲気になって自宅に連れ込んだりと(第2話)と、メインヒロイン以外の女性と性交渉をすることもありますが、彼女達はストーリーの本筋にはほぼ関係しません。
 幼馴染であり、高校時代の恋人でもあるメインヒロイン・咲希さんは28歳のアダルト美人であり、番外編では若々しい容姿のまま38歳になった彼女の姿を拝めます。
 主人公の性欲パワーに押し切られてしまうこともしばしばありつつ、前述した様に芯の強さや相手を信頼し続ける度量のある女性であり、その強さを前面に出すのではなく、優しさや明るさの中に確固として有しているタイプのヒロインとも言えるでしょう。
 さっぱりとしたショートヘアや健康的な肉付きに十分なボリューム感のある巨乳&桃尻を併せ持つ女体には、ストレートなエロさもありつつ、さっぱりとした程好い色気感が漂うデザインとも感じます。
SingleFatherNextDoorIsTooMuch3 上述した2名のサブヒロインを除いて、メインヒロインのエロシーンがほとんどということもあってか、地味な私服、旅行先での浴衣や水着(←参照 浴衣からこぼれる美巨乳 長編第6話より)、エッチな下着など衣装は色々と用意。ただし、基本的には全裸セックスがメインではあります。
 どちらかと言えば、あっさりとした印象の絵柄ではありますが、細部まで丁寧な描き込みで艶っぽさを打ち出しており、絵としての親しみ易さとのバランスが取れているのが美点。ベテラン作家さんらしく完成された絵柄でありつつ、細かい所でアップデートを感じさせるのも○。

【程好い濃度の熱っぽさで包み込むセックス描写】
 ページ数がそれ程多くない上に、エロシーンが占める割合もそれ程高くないため、濡れ場のボリューム感に強く期待するのは避けるべきですが、主人公の性欲が強いこともあって複数ラウンド制の構築とすることが基本。
 いずれも合意の上のセックスで、終盤に向けて恋愛セックスとしての甘味・幸福感が強まっていく傾向にあります。主人公の性欲に歯止めが効かないこともあって、電車内での密着からトイレでのセックスや、旅行先で息子君が寝ている横でのセックスなど、ヒロイン側の羞恥心や緊張感を引き出すエロシチュも投入されています。
 デリヘル嬢さんのプロフェッショナル手コキや、同僚美人に対してやや強引にお願いするフェラなどが前戯パートで投入されることもありますが、メインヒロインとのエロシーンでは短めの尺ということもあって、キスや愛撫などで構成する前戯パートは手短にまとめて抽挿パートの分量を確保。
SingleFatherNextDoorIsTooMuch4 柔らか巨乳ボディの存在感をエロさの基軸としつつ、熱っぽい官能フェイスにハートマーク付きの喘ぎ声、適度な露骨さのある結合部見せつけ構図や断面図・透過図などの演出は、適度なアタックを有しつつ、質・量共に抑制を効かせたスタイルを一貫させています(←参照 長編第7話より)。
派手な演出は無いものの、ヒロインが次第に声を我慢出来なくなっていったり、表情の蕩け具合が増していったりと、フィニッシュシーンに向けてセックスの高揚感を形成していく流れは魅力的。
 大ゴマ~1Pフルのフィニッシュシーンは、そこまでに比して強め・密度高めに演出を施しており、ゴム付きセックスや外出しも中盤までは多いことは好みを分けそうですし、描写としてのタメにも欠く傾向にはありますが、オーラスとしての盛り上げはしっかり図られています。

 ヒロインの包容力や強さを対比的に強調する役割もあってか、主人公の駄目さがやや深刻なレベルであって、風俗ではなくて心療内科に行くべきでは?とすら個人的には感じますし、幅広い層にとって好みを分ける要素と推察しますが、基本的にはハッピーエンドに収束する心地良さでまとめています。
ラブ☆デリのリサちゃんは八重歯が可愛かったですね~。

けものの★『黒タイツ様~異形に辱められる私たち~』

MrBlackTights むらかわみちお先生(戦術構成:才谷屋龍一氏、原作:ガールズ&パンツァー政策委員会)の『ガールズ&パンツァー 樅の木と鉄の羽の魔女』上巻を読みました。ミリタリーの素養は全くないとあとがきにて記されていますが、緊張感のある戦車戦描写に圧倒されました。お葬式のシーンもそうなんですが、とにかく漫画としての画力・構成力がずば抜けていますね・・・。

 さて本日は、けものの★先生の『黒タイツ様~異形に辱められる私たち~』(ジーオーティー)のへたレビューです。先生の前単行本『ハメっこ3Peace!!!』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
暗い欲望や憎悪が“怪物”の形となってスレンダー巨乳な美少女&美女を襲う多彩なシチュの凌辱エロが詰まった1冊となっています。

MrBlackTights1 収録作は、憎しみ、怒り、復讐心など黒い想いが蓄積した時、その負の感情の対象となった女性の前に全身タイツで仮面のような姿の異形“黒タイツ様”が出現し、女性を様々な方法によって凌辱するオムニバス形式のタイトル長編「黒タイツ様」全10話(←参照 イジメ首謀者のJKを襲う不気味な黒タイツ達 同長編第1話より)+黒タイツ様の“正体”が明らかになる描き下ろしエピローグ(5P)。
描き下ろしエピローグを除き、1話当りのページ数はいずれも20Pと中の下クラスのボリュームで固定。オムニバス形式ではありつつ、ヘビィな話が多く、ハードなエロシーンを含めて読み応えのある長編となっています。

【負の感情とそれを呼び込む悪行の醜さ・理不尽さ】
 明るく楽しいラブコメ・エロコメ系が主たる作風の作家さんですが、今回は重苦しい読書感がある凌辱エロであって、これは本作のコンセプトやシナリオが編集部主導で製作されているためとのこと(カバー裏のあとがき参照)。
 “黒タイツ様”を生み出すのは、怒りや憎悪といった負の感情であり、いじめられていた少年のイジメ加害者への復讐(第1話)、痴漢冤罪での荒稼ぎをするJK美少女への被害者達による復讐(第5話)、SNSでの承認欲求を満たすために飼い犬を道具扱い・虐待した女性への犬達の復讐と(第8話)、明確な加害者に対する被害者達の復讐として描かれるケースには因果応報の印象や一定の黒い爽快感があります。
その一方で、義理の娘に彼女が出来たことで暴発する歪んだ独占欲(第2話)、ストーカーの勝手な思い込みが現実に裏切られたことへの身勝手な憎悪(第3話)、真面目で優等生な幼馴染と比較されることの苦しみや劣等感(第4話)など、ヒロイン側に全く、またはほとんど落ち度が無いケースや、ヒロインの言動にはかなり問題があるものの過大な制裁が加えられるケース(第9話や第10話)もあって、これらは他者の負の感情の対象となり、また襲われる理不尽さを強く感じさせるシナリオワークと言えます。
MrBlackTights2 アイドルの枕営業疑惑に対して裏切られたと感じるファンの暴走(第10話)、人気Vt○berの中の人の過去の悪行に対する視聴者達の集団制裁の高揚(第7話)などが好例ですが、真偽はどうあれ、集団で怒りや憎悪を増幅させ、時に身勝手な義憤で相手を叩き続けるといったネット社会の問題や陰部を感じさせる描き方があるのも(←参照 ファンであっても一度炎上が始まれば全部相手が悪いと信じ込んで 長編第7話より)、現代らしいなと感じるところ。
 本編中で少しだけ伏線めいたことを描きつつ、エピローグで回収される黒タイツ様の“正体”はSF的ですが、同時に彼らを呼び込む理不尽な憎悪や怒りであったり、復讐心を呼び込む対象者たちの悪行や歪んだ心根であったりと、本当に恐ろしく理不尽なのは“怪物”ではなく“人間”なのだという描き方と言え、風刺としての魅力も備えていると感じます。
 黒タイツ様に襲われた被害者達は精神の崩壊や社会的立場の喪失など、因果応報の場合も含めて相応に重い上、これらの黒い感情のやり取りに直接関係無い人物に犠牲が出るケースもあって、苦い余韻を残すまとめ方がメインと言えるでしょう。

【スレンダー巨乳ボディのエロさ&美しさと異形のおぞましさの対比】
 女子校生~女子大生クラスの女の子を主力としつつ、20代後半クラスと思しきアダルト美人なども登場するヒロイン陣。Vt○berの中の人(声優)やアイドルトリオ、浮気をしている人妻さん、真面目な生徒会長、ラディカルフェミニズムの論客等々、ヒロインの設定は様々です。
 イジメ加害者や痴漢冤罪詐欺をはたらくJK、“映え”のために次々と小型犬を犠牲にしてきた動物虐待者の女性、他人の彼氏を寝取って貢がせることを楽しみとする姉妹、過激な男性嫌悪(男性差別)を主張する高慢な女性など、(その妥当性や罪過の均衡はともかくとして)黒い感情の対象となり制裁される理由を有するタイプも多いですが、前述した様にそういった原因を有さないのに理不尽な憎悪の対象となるケースのヒロインも複数存在しています。
 黒い感情を呼び込む“悪行”であったり、一方的に高まる黒い感情であったりは、身勝手で醜悪なものとして表現されると共に、ネット上での承認欲求の肥大化、異性への偏見、他者への嫉妬や優越感、集団心理による過激化、思い込みに基づく私怨などなど、普通に暮らしている中で誰にでも生じ得る事象を端緒としている分、“悪”を無縁なものとして突き放させない描き方とも評し得るでしょう。
MrBlackTights3 ヒロイン陣のボディデザインについては、年齢層によっては下腹部に適度な駄肉感を付与することもありますが、等身高めのしなやかボディにボリューム感の強い巨乳&桃尻、締まったウェスト、すらりとした四肢を組み合わせたスレンダー巨乳タイプがメインであって、その肢体の美しさと、巨体で異形な黒タイツ様やそれが操る触手などの不気味さとのコントラストを形成しているのも特色(←参照 コンビニバイト人妻さんのスレンダー巨乳ボディをマッシブに攻め立てる黒タイツ様 長編第3話より)。
 漫画チックに親しみやすく、アニメ/エロゲー絵柄的なキャッチーさもある絵柄でありつつ、今回は話の方向性もあって一定の重さ・濃さも目立つ印象があります。

【多彩なエロシチュの味付けと半狂乱の強烈な痴態描写】
 ページ数の都合上、ボリューム感としてたっぷり長尺という印象はないものの、黒い感情が炸裂し、ヒロインがそれに晒されることで強烈なリアクションを引き出されるエロシーンには相応に強い存在感があります。
MrBlackTights4 いずれも凌辱エロであることは共通しつつ、“復讐”としてそれぞれの“悪行”に応じたシチュエーションが用意されることが多く、飼い犬を虐待していた女性が犬耳が生えた状態で畜生以下呼ばわりされながら凌辱されたり(←参照 “人間様”という驕りを粉砕されることに 長編第8話より)、痴漢冤罪での詐欺をし続けたJKへの電車内無限触手凌辱、男性を醜悪で臭い存在と見下す女性がち○こスメルでマーキングされる輪姦、同業者を廃業に追い込んだVt○ber演者への意識改変乱交生放送であったりと、多彩なエロシチュを用意しています。
 凌辱に対して強気に反抗したり、嫌悪感を示したりと、異形の存在による暴力に明確な抵抗を示すヒロインが多いながらも、それらを強烈な責めの連続で粉砕させられ、破滅的な快楽に沈み込み、精神を蹂躙されていく流れを形成しているのは各エピソードに共通。
この展開において、優等生なヒロインが強烈な快楽欲求を曝け出したり、悪いヒロインが過去の悪行を白状したりと、彼女らの“本性”を明らかにする様な描き方となっており、それが強烈な陶酔感や嗜虐性を喚起させていますが、同時に斯様な一方的手段において明かされる内面が、果たして彼女達本来のものであったか?という疑念が後ろ暗さを生み出しているとも言えるでしょう。
 しなやかな四肢が巨躯によって好き勝手にホールドされる征服感、押し開かれる秘所やアナルを露骨に見せつける構図、アヘ顔も含めて強烈な身体感覚に理性を失ってぐしゃぐしゃに乱れる表情、マッシブな擬音に破裂するような形状の吹き出しを多用する絶叫などなど、アタックの強い演出を高密度に施したエロ描写は攻撃的に突き進んでいきます。
 前戯パートは短めで抽挿パートの分量を優先しつつ、上下前後の肉穴を全て犯すような輪姦系のエロが多く、ピストンを続けながら次々と白濁液を内に外に浴びせられる複数ラウンド制を基本としており、1Pフルの大ボリュームで蕩けきったヒロインのメス顔&メスボイスと大量に発射される中出し精液を受けとめるボディをがっつり提示してハイカロリーな〆としています。

 これまでの作風とかなり異なるため、既存のコミカル路線が好きな諸氏には賛否が分かれる可能性は相応にあるのですが、ある意味では現代の世相の色々な方向を取り込んだ作品とも言え、読後に残るものを含めて読み応えや、考えさせられるものがあると感じます。
個人的には、強気ドスケベ美人人妻(ジーパン尻がエッチだ!)がストーカーめいた男性の身勝手な怒りを受けた黒タイツ様に蹂躙され・・・な第3話に愚息がお世話になりました。

めぬ。『調教彼女2』

TamingLoverSecond DOUBLE-S先生(原作:真刈信二氏)の『イサック』第8巻(講談社)を読みました。イサックとロレンツォの一騎打ち、壮絶でしたが、最後のロレンツォの狂気的な執念がともかく凄かったですね。火縄銃を失ったイサックはこれからどうしたものなのか・・・。
エリザベートさんが生きてて良かったですし、あまりにもポンコツ蛮勇な計画をクラウスに咎められて怒ってるのも可愛かったです。

 さて本日は、めぬ。先生の『調教彼女2』(ジーウォーク)の越年へたレビューです。レビューがだいぶ遅くなってしまい、申し訳ありません。先生の前単行本(初単行本)『調教彼女』のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
黒い感情と心の痛みが渦巻く重苦しいドラマと凌辱&調教系のハードなエロシーンが展開される長編作となっています。

TamingLoverSecond1 収録作は、かつて自分を苦しめたものの今は彼氏である東雲との交際に悩むヒロイン・志乃は、東雲による過去のハメ撮り映像を何故か持っている女装男子・美玖に弱みを握られ再び凌辱・調教に晒される日々を過ごす中で、彼女の心的外傷と東雲への不信は徐々に高まっていくのだが・・・な長編第7話~最終12話(←参照 東雲の弟にして彼女を再び地獄へ追いやる女装男子・美玖 同長編第8話より)。
なお、今単行本が前単行本に続く第2巻であり、第1巻を読了していないと話の理解はかなり難しいので、もし未読であるならば第1巻とセットで購入して読むことを強く勧めます。
1話当りのページ数は30~40P(平均32P弱)と標準を優に上回るボリュームで推移。長編作として十分に読み応えのあるストーリーであり、抜き特化の構築という訳ではないものの、エロシーンの存在感も強く仕上がっています

【精神的に追い込まれていくヒロインの重苦しい姿】

 前単行本の最終話で、東雲との関係に悩むヒロインの前に現れた女性、と思いきや女装男子である美玖によってヒロインが再びハードな凌辱・調教へと叩き込まれていく展開で第2巻はスタート。
過去にヒロインをその幼馴染の少年から寝取った東雲が、今回においてはその弟の美玖によってヒロインを寝取られるという逆転した構図になっているのが特色であって、以前の獰猛さや狂気を感じさせず、状況に何らコミットしないままヒロインに対して穏やかに接する彼の変貌ぶりは一つのキーポイント。
TamingLoverSecond2 時々の飴と凶暴な鞭を使い分ける美玖の姦計によってヒロインは彼に対して依存するようになり、彼女の手による調教・凌辱が過去に受け付けられたトラウマを呼び起こして彼女の心身を苛んでいくと共に、彼氏である東雲君に対して強烈な不審・猜疑を抱いていくことになり、東雲との関係の破断さえ可能性として見えてくるようになります(←参照 東雲に対し、“自分をまだ苦しめ足りないのか?”と 長編第10話より)。
信じていた美玖によって志乃絶望の沼に叩き落される瀬戸際において、拒絶していた東雲君が乱入し、美玖の本性と真の狙い、そして彼の東雲への愛憎が明かされる最終盤から、この複雑な寝取り-寝取られ関係がどのように落ち着くのかは読者ご自身の目で確かめて頂きたいところ。
詳細を伏せて語るのであれば、穏やかで冷静な様子を見せていた東雲は、単に志乃を離したくないための仮面であって、大切な彼女を奪い、守るためならば手段を選ばないという狂気性や執着が実のところ全く失われていなかったことが示されます。
 悩み、苦しみ続けたヒロインが最終的に彼の狂気の愛を受け入れるラストは、二人にとっての救済という面がない訳ではないものの、地獄を味わい続けたヒロイン自身が既に尋常の状態ではないことが読者には分かる故に、苦く暗い余韻を残すものとなっています。

【印象的な表情描写で魅せる登場人物達】
 今単行本開始時でメインヒロインの志乃ちゃんは女子大生であり、不安や恐怖、疑念で頭の中がぐちゃぐちゃになりながら、精神的に追い詰められていく彼女の姿が作劇の重苦しさを形成しています。
 彼女の感情の動きをストーリーの軸に据えながら、今単行本で存在感が強いのが見た目はふわふわ系キュート女子な東雲の弟・美玖であり、明るく柔和な表情を示しながら、そのどす黒い感情や狂気性が諸所で溢れ出すことで不審な存在として作劇に緊張感を持たせています
TamingLoverSecond3調教の過程で不特定多数の男性に志乃を襲わせるように、美玖は兄である東雲と違い、志乃そのものに対する執着は無く、彼が志乃を追い詰める理由は別にあることが明らかになり、寝取られ展開における寝取り側と寝取られ側の巨大な感情こそが美玖を中心とする三者の関係で重要なウェイトを占めているのが作劇としてもキャラクター描写としても特色(←参照 美玖の東雲に対する愛と憎 長編最終第12話より)。
 キュートな女装男子・美玖ちゃんは自ら竿役として出動することもあるものの、基本的に他の男性に志乃を襲わせることもあって、健康的な肉感の体幹に程好いボリューム感のバスト&ヒップをお持ちな志乃の女体をエロシーンの要としており、胡乱な表現ではありますが、“普通に可愛い”女の子のキャラデザに仕上げた上で、それが大変な目に遭っているという状況の落差を形成している印象があります。
 可愛らしい表情、重苦しい沈痛な表情や茫然とした表情、怒りに震える表情、はたまた狂気や悪意を剥き出しにした表情と、登場人物達の強烈な感情を描き分ける筆致はストーリー性を高めることに大きく貢献する魅力であり、絵としての軽さ・華やかさを保ちつつ、丁寧な描き込みを見せるスタイルとなっています。

【ヒロインの精神が強烈な快楽と感情で掻き混ぜられる痴態】
 エロシーンのボリュームに特化した作品構築ではなく、ストーリー性を重視した作りであって、ページ数として濡れ場の占める割合はそこまで多くないことに加えて、おしっこシーンのみでセックス描写すらない回(第10話)があるなど、エロシーンの強い量的満足感を求める諸氏にはやや不向き。
 とは言え、ヒロインの精神を摩耗させていく凌辱・調教描写はかなりハードかつ陰湿であり、脅迫されての凌辱、全裸露出で犬扱いされての露出プレイ、見知らぬ男とのセックス強要、突如叩き込まれる輪姦&撮影等々、美玖の仕掛けによる各種性行為は、志乃のトラウマを抉ったり東雲への不信を生み出したりで、彼女のメンタルに強い負荷を掛ける所業として描かれている分、その存在感はかなり強烈。
日常シーンにおいても、彼女の中で渦巻く様々な感情とそれを制御できない不安定さが描かれていますが、これはエロシーンでも同様であり、相手への信用とそれを裏切られた絶望、性行為への強烈な嫌悪感・忌避感とそれに反する調教済みの体に溢れる強烈な快楽、冷静になるほど悪化する自己嫌悪と、アンビバレンツなものの間で心情が激しく揺れ動く様子を畳みかけるように描写してきます。
TamingLoverSecond4 焦点を失った瞳に輪郭がふにゃふにゃになる口、涙や涎でぐしゃぐしゃになる紅潮した頬など、官能的な表情付け、こらえきれずに漏れ出し連呼される嬌声など、高密度のエロ演出を施して、ヒロインの強烈な反応を引き出しており、快楽の強さとそれに身を任せることの絶望感がない交ぜになった痴態描写を形成(←参照 長編第7話より)。
 かなり小ゴマの切り出しが多いことが特徴の画面構成であり、様々な感情や記憶が入り混じるヒロインの混乱を表現するなどの描写で効果を発揮しているものの、エロシーンにおいてはやや雑然としてしまったり、大ゴマでの描写密度の低下が目立ったりすることにつながっており、好みにも依りますが、個人的にはやや減点材料。
性器結合の無い場合ではヒロインの失禁や潮吹きでフィニッシュシーンを形成していますが、中出し描写等でも中ゴマ~1Pフルの分量で抜き所を投入しており、演出的な盛り上げにはエピソード間で高低の差を感じつつ、ヒロインの心身にトドメを刺してくるような流れで突入しています。

 前単行本から東雲君が寝取られ側に回るという逆転の構図を取りつつ、彼の狂気が再び巡ってくる展開は重厚であって、ひたすら重苦しい状況の中で緊迫感と展開の衝撃がある長編に仕上がっていました。
なんだかんだで、美玖ちゃんの巨大感情に引き込まれましたね。

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