2019年12月

2019年私的ベスト10作

 どうも、当ブログ管理人のへどばんです。2019年最後の更新は、毎年恒例の年間ベスト10の記事となります。2010年代も今年で終わりますし、元号も新しくなりましたし、それで当サイトとしてどうだという訳ではないのですが、一つの区切りを迎えた年だったなぁと今年を振り返って思う次第であります。
 本年を振り返りますと、年間レビュー冊数は287冊(越年レビュー含む)、9月を除き毎月20冊以上のレビュー、1月から4月にかけて100日連続のレビュー記事更新の達成、および総レビュー数2500冊越えの達成と自分なりに納得できる実績であったと思います。
 レビューを書けば書くほど、作品の魅力に触れる機会も増え、その多彩さに心躍るのはエロ漫画のレビュアーとして、また一読者として大変に嬉しいことです。なので、今年の年間ベスト選出は候補が多く、選定はなかなか大変な作業でしたが、喜ぶべき苦労であるなと感じ入っております。

 毎年のことですが、当記事では、ストーリーの面白さやエロシーンの実用性、登場キャラクターの魅力など、エロ漫画としての様々な側面における魅力を総合して評価し、あくまで私個人にとってのベスト10として選出しております。
 ランクインした各作品の詳細なレビューは、それぞれのリンク先にある該当作のレビュー記事をご参照下さい。当記事内では、主に雑感やランクインの理由等を記しておきます。
 それでは、私がこれは面白い!エロい!エロ漫画サイコー!!と特段に感じさせて頂いた作品を紹介いたします。

特別賞 鉢本『性欲群青』(文苑堂)
UltramarineDesire 著者2冊目。ブログ開設12年目に(強引に)新設したランキング外特別賞ですが、エロ漫画としての既存の評価軸ではベスト10内に入れるのは多少難しいけど当サイトとして何とか受賞させたいと思った1冊。大横山飴先生の『落ちない雨』(茜新社)も候補だったのですが、ちゃんとエロ漫画でありながら、らしからぬ魅力も併せ持ち、いい意味で“しょーもないなぁ”と思わせる人物達と、本作のユニークな読み口が決め手でした。→単行本レビュー

10位 えーすけ『初恋より気持ちいい』(ワニマガジン社)
FeelBetterThanFirstLove 著者2冊目にして初ランクイン。こんなことあったらいいのにな~的な願望を素直に叶えてくれるタイプの短編集ではあるのですが、作中に漂う日常感や等身大の人恋しさ、ちょっとした会話の印象の良さなどを丁寧に描くスタイルが魅力的。細やかさを感じさせながら適度な乱れを織り込んだ大胆なタッチ、欲望の陰陽を併せ呑んだ熱量に、美麗かつ濃厚な痴態描写も実用性を大きく高める美点と感じます。→単行本レビュー

9位 山本善々『隷属魔王』(リイド社)
DevilKingUnderTheYoke 著者2冊目にして初ランクイン。今年は人妻エロな単行本(『限界性欲~我慢できない人妻たち~』(リイド社))も上梓されており、そちらも良かったのですが、ファンタジーとしての重厚な設定、堕ちモノ系としてのハードさと愛憎が入り混じるままならない感情の奔流が合わさったエロ描写が強い魅力であってこちらを選出しました。人妻エロでもその魅力は感じましたが、長編として作品世界と展開をじっくり読めたのがポイント。→単行本レビュー

8位 もみやま『ぱいドルマスター!』(ティーアイネット)
PaidolMaster 著者2冊目にして初ランクイン。本年はもう1冊の単行本(『おっぱいωラヴァーズ』(ジーオーティー))を上梓されており、どちらもむにゅんむにゅんと柔らかなおっぱい大充実な作品でしたが、よりエロシーンの分量が多く、またおっぱい大充実感が強かったこちらをチョイス。明るく楽しいハーレム仕様でひたすらにおっぱいを鑑賞して揉んで挟んでを楽しめるおっぱい星人マストバイな1冊です。→単行本レビュー

7位 シオロク『彼女と僕の交配の話。』(ティーアイネット)
StoryOfOurSex 著者4冊目にして初ランクイン。登場人物達にとってのささいなことが青春恋愛ストーリーのドキドキ感やヒロインのミステリアスさにつながる作劇と、端正さと繊細さを増した絵柄でありつつ豊満ボディの魅力を軸としたエロの迫力を打ち出す作画の魅力が合わさった1冊。全ての面でレベルアップしたと感じさせる最新刊で、今後も非常に楽しみな作家さんです。→単行本レビュー

6位 しんどう『人ならざるお嫁さま』(ジーウォーク)
NonHumanWives 著者3冊目にして初ランクイン。綺麗でエッチな人外お姉さんに愛されるおねショタエロであり、高位の存在に受け入れられる倒錯的な幸福感と漫画チックに楽しい雰囲気が融合した作品集。柔らかむちむちボディを独占できる喜びに満ちると共に、ヒロインが淫蕩に乱れまくる痴態描写の迫力も十二分。長編シリーズの青鬼姉妹には愚息が大変お世話になりました。→単行本レビュー

5位 岡田コウ『思春期のココロ』(コアマガジン)
AdolescentHeart 著者8冊目にして6度目のランクイン。可憐な少女の心が揺れ動くもどかしくはらはらする読み口、陰陽の情念が渦巻いていく中で強烈な快楽と混じり合っていく展開、そして美少女ヒロインがぐしゃぐしゃに乱れる濃密なエロ描写とこの作家さんの強みを大ボリュームでお届けな作品集。美しいもの、純粋なものが変質してしまうことの複雑な誘引力はこの作家さんならではの魅力でしょう。→単行本レビュー

4位 らっこ『助っ人参上!!』(ジーオーティー)
HereIAm 著者(成人向け)8冊目にして5度目のランクイン。「助っ人参上!」シリーズの続編的作品であり、銀髪褐色巨乳(ここ重要)の新ヒロインを迎えてのドタバタラブコメディ。二人の勝負に何でもアリな漫画チックな楽しさがあり、それでいてグラマラスボディが汁だくになるド迫力ファックのエネルギー感も強烈であって、エンタメとしてのエロ漫画を頼もしく貫いてくれる作品でした。→単行本レビュー

3位 緑のルーペ『ガールズ・オン・ザ・ブルーフィルム』(茜新社)
GirlsOnTheBlueFilm 著者(成人向け)5冊目にして2度目のランクイン。歪んだ欲望が加速させていく狂気とそこの中で充足を得る少女達とのダークでインモラルな融合は、単なる凌辱系とは異なる重さ・苦さを残してくれるスタイルであって、理解不能性をそれとして描く胆力を感じます。商業エロはしばらくお休みとのことですが、是非また戻ってきて強烈な作品を叩き付けて頂きたいところ。→単行本レビュー

2位 愛上陸『イジラレ』(ワニマガジン社)
Teased 著者2冊目にして初ランクイン。催眠・常識改変という便利ギミックを実用性に直結させつつ、設定の上手さで長編ストーリーとしての緊張感を維持した作品であって、捻りの効かせ方の上手さに感心しました。ストーリー展開としての攻防とエロの攻防が組み合わさって実用性を大きく高めているのも◎。→単行本レビュー


1位 タケ『異種奇譚』(キルタイムコミュニケーション)
CuriousStoriesOfDifferentSpecies 著者2冊目にして初ランクイン。エロシチュとしても好みを分ける要素が多い上に、そのダークで冷酷な世界観は好き嫌いが明瞭に分かれるであろうタイプ。とは言え、欲望の無慈悲さ、美しい成果と搾取されたものの惨禍、理解しあえぬものとしての存在といった要素をシビアに描き切った姿勢には痺れましたし、無残なエロ描写にも強烈な存在感がありました。→単行本レビュー

 以上10作品が、私個人が選出した2019年のベスト10+αとなります。相変わらず個人的な趣味が先走っている気がするのですが、どれも自信を以てお勧めできる作品と確信しております。読者諸氏のエロ漫画ライフに何らかのお役にたてましたならば幸いでございます。
 今年は10冊中7冊が初ライクインとなり、2~4冊程単行本を出される中でその魅力が高まったり、新たな魅力を獲得したりな方が多かったかなとも感じます。また、しんどう先生の『人ならざるお嫁さま』と山本善々先生の『隷属魔王』は、オリジナルの同人シリーズを単行本化したもので、商業誌を初出としない作品に長編シリーズとして面白いものが増えてきていることを感じさせてくれました。
 今年は“コンビニ誌”というものが消滅してしまい、それはエロ漫画という文化において大きな喪失ではあるのですが、同人ジャンルを含め、発表媒体に広がりを持った上で、これからも魅力的な作品が多様に豊かに発表されるジャンルであって欲しいと思っております。

年末に際しまして、全ての作品、作家様および出版社様に対し、心からの謝意と敬意を表しますと共に、当ブログの読者諸氏の御愛読に対し、管理人より改めて厚く御礼を申し上げます。
 2020年も素敵な作品に沢山出会えることと、エロ漫画を愛する全ての方々に幸せな一年であることを祈りまして

一エロ漫画愛好家 へどばん拝

なるさわ景『離島へ転校したらホストファミリーがドスケベで困る』

MyHostFamilyIsSoErotic 尚村透先生(原作:河本ほむら氏)の『賭ケグルイ』第12巻(スクウェア・エニックス)を読みました。妄ちゃん、意外にちゃんと?イカサマして勝負していましたが、自分を貫くスタイルを夢子にちょっと認めて貰えたようで良かったですねぇ。
無茶な駆け引きで勝負自体を下ろされても、“次は勝つから”と自信を持って言える芽亜里ちゃん、這い上がってきた彼女らしい美しさで感服しました。

 さて今年最後の単行本レビューは、なるさわ景先生の『離島へ転校したらホストファミリーがドスケベで困る』(ジーオーティー)のへたレビューです。先生の前単行本『隣のJKエルフさん』(ヒット出版社)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
豊満ボディの母娘トリオとラブラブHやりまくりライフを満喫できる1冊となっています。

MyHostFamilyIsSoErotic1 収録作は、都会から島嶼部の学校へと転校した主人公の少年は、ホームステイ先の双子の妹・灯と関係を持ち、それを皮切りに姉の鼓、そして二人の母である環ともセックスをする仲となって環との関係は姉妹には一応伏せつつも三人とのセックスを繰り返す日々を送るのだが・・・な長編全8話(←参照 双子の姉妹とエロエロ海水浴へ 同長編第4話より)+番外編「早起き編」+描き下ろし番外編「ノーパン編」。
描き下ろし番外編も含め、1話当りのページ数は8~28P(平均23P弱)と標準的なボリュームで推移。長編作としてのストーリーの存在感はあまり無いですが、その分ハイカ口リーなエロシーンをたっぷりと賞味できるヘビィ級の抜きツールとなっています。

【セックスの快楽に夢中になっていく母娘ハーレム】

 母娘ヒロインとのセックス三昧という大変に分かりやすいハーレム仕様の作劇であって、三人のヒロインと次々と関係を持ちつつその状態が維持される流れ。
 島の男子との交際はすぐに噂になってしまうために遊び的な気持ちで灯が主人公に手を出してくるという非常にイージーな出だしから始まって、姉妹ヒロインとも関係を持ち、またママンともラブ&エロを育んでいく流れは、エロ的に美味しい状況が次々と提示されていく幸福感を形成しています。
母親との関係は一応は双子の娘達に隠れて行っているものでありつつ、姉妹たちに露見したところで主人公争奪的な修羅場が発生することはなく、全ヒロインを孕ませてのハーレムハッピーエンドへと収束していきます。
MyHostFamilyIsSoErotic2 当初は“遊び”的なスタンスであるとしていた灯が、主人公が他のヒロインとも関係を持って行き、また先に妊娠してしまうことで、一種の嫉妬を覚えて主人公を意識し、両者の間でも恋愛関係が成立するというのが終盤でのストーリー性を形成(←参照 本当の気持ちを明かして 長編第7話より)。
単なる滞在先ではなく、夫(父親)の居ない家庭で自分が新たなそれになる主人公の決心なども描かれますが、全般的に話としての大きな動きはなく、男女双方の性的な充足感を以て穏やかにまとめることが重視された作りとも言えるでしょう。

【もっちり豊満ボディの母娘ヒロイン】
 女子校生級の双子姉妹とその母親というトリプルヒロイン制。番外の「早起き編」などのように3P、4Pセックスでゴージャスなエロシーンを提供することも多いですが、どちらかと言えば1on1のセックスを充実させたスタイルとなっています。
 快活で積極的な灯、大人しく控えめなタイプの鼓、二人の母親で優しく包容力のある環とそれぞれタイプの異なるキャラでありつつ、エッチに積極的で主人公を受け入れてくれることは共通。
どちらかと言えば流されタイプで穏やかな気質の主人公ですが、とは言えエロシーンにおいてはヒロイン達との行為に夢中になってがっつく積極性を示しており、セックスの没入感を高めています。
MyHostFamilyIsSoErotic3 おっぱいサイズには3人の間で少しの違いもあり、ママさんについては下腹部の駄肉感を主張させて完熟ボディの印象を増していますが、もっちり柔らかで肉厚感のある巨乳&巨尻をお持ちなグラマラスなボディであることは共通(←参照 もっちり肉感ボディなママさん 長編第3話より)。
キュートフェイスと肉感ボディの組み合わせ自体が強いアピールを有すると共に、後述する結合部関係の描写においてもじゃっとした陰毛が淫猥さを高めているのも女体描写の特色と感じます。
 どちらかと言えば素朴さもある漫画絵柄であって、華やかなキャッチーネスと濃厚な色気感を両立させる当世流行のスタイルとは異なりますが、一方でそういった絵柄で描かれる親しみやすい印象のキャラクターが濃厚に蕩けるというギャップの形成に大きく貢献するタイプとも言えます。

【熱烈なピストンから長尺の射精シークエンスへの突入】
 各話の大半がエロシーンに割かれており、十分な長尺の中で抜き所の射精シーンを複数備えた多回戦仕様という抜きツールとしての満腹感の高い濡れ場を構築。
 妊娠後のボテ腹セックス、母娘丼4Pセックスなどの趣向を用意することはありますが、いずれも和姦エロであり、また前述した様に目前の一人の相手とセックスの没入していく熱量を重視した1対1のセックスが基本ではあります。
 ねっとりフェラに授乳手コキ、もっちりバストでのパイズリにダブル太股コキ、トリプルフェラなどなど多彩なプレイを投入し、基本的には射精シーンも用意するものの、どちらかと言えば短めにまとめて抽挿パートの分量を充実させる構成。
 抽挿パートに移行すれば、ピストンしながらの舌と唾液を絡める濃厚なキスであったり、相手を両手両足で抱きしめたり、はたまた腰を抱え込んでガンガンピストンしたりと密着感を強調しつつ、汗と淫液に濡れた女体の感触に頭がいっぱいになって更なるピストンを駆動していきます。
MyHostFamilyIsSoErotic4ピストン運動におけるち○この出し入れを魅せる結合部アップ描写に加え、気持ち良い肉穴の感触に包まれながらのパワフルな発射と、断面図も多用しつつそこから一滴も漏らさまいと子宮に注ぎ込んでいく描写、その最中に最奥に鈴口をぐりぐり押し付けるシークエンスと、それに対するヒロインの蕩けた反応という中出し描写の執拗さと雄としての独占欲の充足はこの作家さんのエロ描写における特長(←参照 3Pに渡る射精シークエンスのまだまだ冒頭 長編第1話より)。
 演出の密度をそれ程高めるスタイルではありませんが、念入りに描く断面図・透過図や表情付けや台詞回しで熱気に包まれている空気感の形成など、質的な濃厚さを強く打ち出しており、上述の射精シーンも含めて煽情性を常に高く積み上げていく流れとなっています。

 質・量ともに充実した優良抜きツールであって、それぞれタイプの異なるエッチなヒロインと本気セックスに熱中できる作りとなっています。
個人的には、環ママンへの独占欲で生中出しに突入する流れに愚息が大変お世話になりました。

Zummy『神騎エストレイヤ』

WingOfDestinyEstrayer 山口貴由先生の『衛府の七忍』第8巻(秋田書店)を読みました。沖田VS谷の壮絶な戦い、相手の性質を見抜いて挑み続けた沖田の執念が勝ったと感じますが、鬼という存在に“血も涙も”感じた沖田が桃太郎とは異なる道を歩いていくのだろうとも感じます。
大忍法“おのごろ”、いったいどんな奇天烈なものか楽しみにしています。

 さて本日は、Zummy先生の『神騎エストレイヤ』(リイド社)のへたレビューです。先生の前々単行本『黎月』(ヒット出版社)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
重厚なSF&戦記ものの読み応えと巨大ロボバトル&可憐な美少女達のハードな痴態描写が楽しめる1冊となっています。

WingOfDestinyEstrayer1 収録作は、“騎兵”と呼ばれる大型ロボットが主力兵器として用いられる世界において強大な軍事国家・タクトランダの侵攻を受けるアルサバル王国であったが、侵攻軍の中にはかつてアルサバル王国の友邦であったグィール王国の姫にして“神騎”と称されるロボット・エストレイヤを操る姫巫女・アイラの姿があった。“グィールの魔女”と呼ばれる裏切者のアイラの真意とは、そしてエストレイヤに秘められた真実とは・・・なタイトル長編全8話(←参照 アルサバル王国のセラフィーナ姫にエストレイヤの剣をつきつけるアイラであるが・・・ 同長編第1話「裏切りの神騎」より)。
1話当りのページ数は22~27P(平均24P)と標準的な部類。長編作として十二分の読み応えがあるストーリーであり、お話重視の構築である分、エロシーンは分量的にはやや控えめという印象があります。

【重厚な設定と壮大な話の広がりを有するSF戦記長編】
 中世ファンタジー的な要素を有する世界観でありつつ巨大ロボでの戦闘が描かれる本作は、複数の国家が関与する戦記ものであり、またメインヒロインであるアイラを中心としつつ複数の登場人物のお話が紡がれる群像劇であり、更にはエストレイヤの動力源となる“星の心臓”という名前の装置を巡ってのSFストーリーでもあります。
 美少女×ロボというオタクコンテンツ的に王道な要素を有しているのが大きな特色でありつつ、その動力源である“伏在師”や神騎・エストレイヤを操る姫の血筋に関する設定などはエロ漫画である故に可能なものとも言えるでしょう。
WingOfDestinyEstrayer2引き裂かれた恋とその結果の惨劇から復讐に燃え、世界の真実を追い求めるアイラ(←参照 エストレイヤの真実を知ったことで・・・ 長編第5話「魔女の系譜」より)、やはり過酷な過去を持ちつつ血筋によってエストレイヤに匹敵するロボット・パンセリスを操るルリア、いにしえの技術を継承し、彼らの宿願を叶えるために策謀を以て姫巫女達に関与する神官勢力、他にもそれぞれの野心や欲望、願いを以て物語に絡んでくる登場人物達と、登場人物の多さが作品世界の広がりや物語の重厚さに貢献しているのも美点。
 前日譚である第0話を含めて複数世代にまたがる時間軸を有しており、また作品世界の歴史といった物語の背景の設定も重厚であり、最終話では“星の心臓”が持つ本当の役割が明らかになることでSFとしての要素が明瞭となります。
 サブキャラクターが多いために真意や物語を掘り下げるには尺が不足していた登場人物も存在しますし、話数の関係上やや駆け足な展開にはなっていますが、物語の壮大さが広がっていく勢いそのものが魅力とも言えるでしょう。
 それぞれの宿願と宿命が複雑に絡まり合い、世界の真実が明かされたことに対してアイラ達が如何なる結末を迎えるのかは是非ご自分の目で確かめて頂くとして、彼女が呪縛から解き放たれ、もう一人の姫巫女・ルリアと共に歩んでいくことを示唆するラストは前向きで清々しさのあるものとなっています。

【多彩なボディデザイン&キャラデザの女性キャラクター】
 エロシーンが存在する女性キャラクターは11名を超えており、また前日譚である第0話を含めて三世代に渡る物語であるため、登場するヒロインはかなり多く、メインヒロインを含めてロー~ミドルティーン級の女の子から彼女達の母親であるアダルト美人まで年齢層も幅広め。
 激情と寂寥をその心に隠すメインヒロイン、国と民のためにその身を捧げる高貴な姫、敗軍となり凌辱されるもすっかり性的に目覚めて新たな活躍を見せる女軍人、運命に翻弄されながらも成長し、アイラを救うことになるもう一人の姫巫女等々、使命にしろ因縁にしろ、それぞれ何かを背負ったヒロイン達が登場しています。
これは男性キャラクター達も同様であって、“星の心臓”の心の役目を果たすべく奔走する司祭、それぞれの誇りと野心のために戦う軍人たちと彼らも群像劇において存在感のある人物となっていて、彫の深い顔つきが劇画チックに濃いことも存在感の強さにつながっています。
WingOfDestinyEstrayer3 登場人物の設定の多彩さもあって、長身巨乳ボディのアダルト美人もいれば、華奢ボディにぺたんこバストの口リータガールも登場しており、ボディデザインも多彩ですが(←参照 貧・並・巨揃い踏み 長編第3話「黎明の出陣」より)、姫巫女さん達はメインヒロインのアイラさんも含めて華奢ボディに並乳クラスのおっぱいをお持ちの美少女キャラ。
なお、中世的な印象と近未来っぽい印象の折衷である衣装や、戦闘シーンで相応に存在感がある巨大ロボなども本作の特色であって、特に後者はストーリーの要所々々でインパクトのあるシーン作りに貢献しています。
 二次元美少女らしい華やかさや萌えっぽさを有しつつ、絵柄そのものはオールドスクール感が強く、また独特のクセがあるタイプなので必ずしも万人受けとは言い難いのは確か。しかしながら、表紙絵と完全互換で安定していますし、デジタル作画的な作画密度の高さが一貫していることは、ストーリー・エロの両面で読み応えを高めている美点と言えるでしょう。

【量的には不足もありつつ強烈なエロ演出によるハードな痴態】
 ストーリー重視の構成であって、各話におけるエロシーンの尺は十分に長尺のケースもあるものの、エロシーンの分割構成を取っていたり、場合によってはそもそもエロシーンの分量が短めであったりするため、個々の濡れ場の量的満腹感を求めるのは難しい傾向にあります。
 敗れた女軍人や陥落した王城でのメイドに対する勝者の蹂躙であったり、神騎に搭乗するために必要な拘束輪姦の儀式であったり、卑劣な中年男性による少女への睡姦であったりと凌辱系のシチュエーションが多い一方で、死にゆく兵の激情を受け止めてあげるセックスやセックスに夢中になってしまった少女からの誘惑セックスなど和姦系のシチュエーションも多く、各女性キャラクターの作中での立ち位置によって用意されるシチュは様々です。
尺の都合もあって前戯パートに相当するパートは無いか短いことが多く、男性側がガツガツと腰を振ってヒロインを快楽で圧倒する抽挿パートに絞った構成がメイン。
WingOfDestinyEstrayer4 アヘ顔的なものも含めて体を駆け抜ける強烈な感覚を物語る表情付けや、子宮口へのマッシブな叩き付けや射精を強調する断面図・透過図、くっきりとしたフォントで強調される実況エロ台詞や言葉にならない嬌声など、全体的に演出の強度はかなり強く(←参照 長編第4話「雷撃の神騎」より)、短めの尺を一定補うインパクトを有しています。
フィニッシュまでの描写の積み上げには不足を感じることが多いですが、上述のハードなエロ演出を高い密度で重ねた上で大ゴマ~1Pフルのボリュームで提供する中出しフィニッシュは十二分なハイカ口リーに仕上がっています。

 抜きツールとしては量的な物足りなさはあるのですが、エロ漫画として重厚な長編SF戦記モノを完成させた心意気は高く評価したいところで、エロの強烈さと話の壮大さが合わさって大変に満腹感がある1冊。
神騎の“動力源”の忌まわしい秘密が世代をまたぐストーリー全体に生きていたのは見事でした。

しのづかあつと『すきのかたち』

ShapeOfLove 『アズールレーンコミックアンソロジー』vol.10(一迅社)を読みました。凍咲しいな先生のバッチママ、滅茶苦茶可愛かったですね!お世話されたい・・・!レフトハンド先生の鉄血アイドル部+ガスコーニュさん、まいどお馴染みのピュリちゃん爆発オチも含めて賑やかなお話でございました。だいじ先生の赤城は、いったい何がどうしてこんなアイディアが・・・!?

 さて本日は、しのづかあつと先生の『すきのかたち』(コアマガジン)のへたレビューです。なんと8年ぶりの成年向け単行本となりますが、その前単行本(初単行本)『ぼへみあん・らぷそでぃー』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
キュートでエッチな巨乳ヒロイン達との棚ボタ展開全開の作劇&彼女達が蕩ける熱烈エッチが詰まった作品集となっています。

ShapeOfLove1 収録作は、鋭敏な嗅覚の持ち主である財閥のお嬢様に体臭を気に入られ、彼女の熱烈なアタックもあってお付き合いを始めることになるのだが・・・?な中編「すきのかおり」全4話(←参照 主人公の臭いにすっかり夢中なのだ! 同中編第1話より)、勤務先のレストランの後輩ちゃんと交際を始めたものの、彼女は主人公のちんちんに大変な興味をお持ちで・・・!?な連作「むらむら後輩ちゃん」全2話、および読み切り形式の短編3作。
1話・作当りのページ数は18~20P(平均20P弱)と中の下クラスのボリュームで推移。基本的に軽い読み口の作劇が揃っており、十分なアタック&分量のエロシーンを安定供給する作りとなっています。

【分かりやすく棚ボタ展開の幸福感があるラブコメ】
 作劇の方向性としては分かりやすい棚ボタ展開を有するラブコメディであって、軽く楽しい読書感が特徴。
ShapeOfLove2 体臭によってお嬢様ヒロインに見初められたり(中編「すきのかおり」)、特異点である主人公の体に溜まった悪い気を浄化するために魔法少女さんがエッチなことをしに押しかけてきたり(←参照 ちんちんに悪い気が!! 短編「来襲!救精天使はぁと」より)、ツンツンした態度の義妹ちゃんが実はちんこに興味津々であったりと(短編「義理シスとれーにんぐ」)、男性側が何らの主体的行動を取ることなくラブ&セックスが転がり込んでくるというご都合棚ボタ展開がフルスロットルで用意されています。
 お嬢様のお付きの女性が介入することでドタバタ三角模様が形成される中編も含め、斯様な棚ボタ展開を明るく楽しく貫徹する分、ストーリー面でのコクやら深みやらは無いに等しいですが、それが短所となるような作風ではありません。
エロシーンへの展開においてヒロイン側の主導権に身を任せることで棚ボタ的な幸福感を増すと共に、エロシーンになればセックスのリードを任せてくれて彼女達を蕩けさせるという仕様も、男性にとっての自尊心を保った上で幸福にしてくれる二次元ならではのドリーム空間の形成に大きく寄与。
 作品開始時点で既に恋愛関係もしくはそれに準ずる状態である場合もしばしばあって、話の動きそのものはあまり無いのですが、スムーズにハッピーエンドに落着することでの安心感・安定感を備えて、軽めのラブコメディとして堅実にまとめています。

【美巨乳ボディの華やかな二次元美少女さん達】
 年齢不詳な美少女天使なども登場しますが(短編「来襲!救精天使はぁと」)、その見た目の年齢層も含めて、女子大生クラスを中心として女子校生級も含む美少女さん達が勢揃い。
 お淑やかだけど主人公の体臭に反応して発情しちゃうお嬢様と真面目でツンツンしたお付きの女性、明るく元気で主人公のちんちんに興味津々な後輩ガール、悪戯好きでかまってちゃんな有能幼馴染眼鏡っ子、ツンデレ系ボーイッシュ義妹ちゃんと、キャッチーな要素で固めつつエッチに積極的な美少女キャラが勢揃いしており、お話の分かりやすさにも直結しています。
フリル衣装なお嬢様ヒロイン、エッチなコスチュームのキュートな天使さん、ツインテ&ウェイトレス姿の後輩ちゃん、眼鏡&ジャージの金髪眼鏡ボクっ子にショートヘア&マニッシュな衣装の義妹ちゃん等々、キャラデザインの華やかさと多彩さもヒロイン描写における魅力と言えるでしょう。
ShapeOfLove3 中編のサブヒロインである執事の晶さんはショートヘアにフラットバストで中性的な印象がある女性ですが、その他のヒロインは柔らか弾力の巨乳をお持ちであって、ぷりんとした桃尻も合わさって程好く肉感の強さを打ち出した女体が勢揃い(←参照 発情お嬢様 中編「すきのかおり」第2話より)。
控えめサイズの乳輪にパイパン仕様の股間と、体パーツ描写は一定のデフォルメ感を以て淫猥さの主張を抑え目に仕上げており、ここらは絵柄との相性が良いチョイス。
 少々オールドスクールの感がないわけではないものの、適度な萌えっぽさと華やかなキャッチーネスを折衷したオーセンティックな二次元絵柄は単行本を通して安定しており、殊に女の子のエロ可愛い様子の描写に強みを示しています。

【エロ可愛さを保ちつつ濃厚さのある汁だく痴態描写】
 ページ数としてはそれ程多くはないものの、前述の棚ボタ展開のおかげでサクサクとエロシーンに突入することもあって抜きツールとしての満腹感は適度に強く仕上がっています。
 主人公の匂いへの反応であったり、ちんちんに興味津々であったりとほんのり変態チックな要素を絡めることはありますが、これは棚ボタ展開に資する要素であって、隠れながらのエッチなど趣向として一定の倒錯性を織り込むことはあっても、基本的には双方の欲望が素直に発揮されての恋愛セックスであることはほとんどのケースで共通。
 前戯パートにおいては、ヒロインがちんこの形や臭い、味などを満喫しながらフェラやパイズリでご奉仕してくれると共に、キュートフェイスにどろっと白濁汁を浴びる抜き所を用意する展開に加え、オナニー見せ付けやクンニでヒロインを蕩けさせる展開なども用意。
ShapeOfLove4 抽挿パートに移行すれば、紅潮した顔面が零れ出る涙や涎で濡れ、柔肌は吹き出す汗でじっとり濡れ、もちろん秘所は大洪水な汁気感の強い痴態描写をたっぷり提供していて、言葉にならないハートマーク付きの嬌声も乱舞する等、十分な濃厚感を形成しています(←参照 連作「むらむら後輩ちゃん」第1話より)。
汁気感の多さは結合部アップ描写や断面図描写の淫猥さを高めており、キャラデザインのエロ可愛さを維持しつつ、ストレートな淫猥さをバランスよく組み込んで実用性を大きくアップ。
 ヒロインがち○こでメロメロにされてしまう状況で一定の征服感を喚起してきますが、同時に彼女達の素直なラブ台詞も飛び交うことで恋愛セックスとしての甘味も形成しており、ビクビク震えながらアクメにエロ可愛く悶絶なヒロインに溢れんばかりの白濁液を発射して両者KOなフィニッシュで複数ラウンド制の〆としています。

 軽めの読み口&程好い満腹感のエロとで構成された幅広い層にとっての優良抜きツールであって、その二次元世界らしい桃源郷に小難しいことを考えずに浸るのが正しい楽しみ方でしょう。
個人的には、主人公とそのちんちんに夢中のツインテ巨乳後輩ちゃんと隠れながらのセックスに燃えに燃える連作「むらむら後輩ちゃん」が特にお気に入りでございます。

関谷あさみ『ラフスケッチ』

RoughSketch 羽海野チカ先生の『3月のライオン』第15巻(白泉社)を読みました。桐山君が失ってしまったものと、得たことで失いたくないものの話、“まっくらな部屋”が押し寄せてきても彼の心の中で変わらず光となるのだろうなぁと思います。
逆に“まっくらな部屋”に陥りながらも現実を受け止めて直向きに突っ走る元・天才な野火止君の頼もしさも素敵でした。

 さて本日は、関谷あさみ先生の『ラフスケッチ』(文苑堂)のへたレビューです。先生の(成年向け)前単行本『僕らの境界』(茜新社)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
華奢ボディのキュートな思春期ガールズが恋愛の高揚とセックスの快楽にたっぷり蕩けちゃう作品集となっています。

RoughSketch1 収録作は、卒業の際に勇気を出して告白した男性教師・渡辺にまだ子供だからと断られたヒロインは彼への思慕を捨てきれない内に進学先で別の男性教師・佐久間と恋愛関係を持ってしまうのだが、その男性教師は・・・な中編「先生、」全3話(←参照 クラスで孤立していた女の子に手を出す佐久間 同中編第2話より)、主人公の気持ちを受け入れるつもりで尋ねてきた年下ガールにちょっとリードされながらの初エッチな短編「隣の家の彼女」+描き下ろし後日談(2P)、および独立した短編4作。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は20~32P(平均24P弱)と標準的なボリュームで推移。ストーリー性はコンパクトにまとめつつ、性愛に揺れ動くヒロインのリアクションで魅せるタイプの作劇であって、彼女達が熱っぽく濡れて蕩けるエロシーンには十分な満腹感があります。

【性愛に揺れ動くヒロインのピュアな情動で魅せる作劇】
 いずれも思春期ガールズのピュアな恋愛感情や性欲を描いた作品であって、恥ずかしがりながらもそれらを男性に対してオープンにしてエッチなことにも夢中になってしまう流れを基本的にはほんわかと柔和な雰囲気で描くスタイル。
 どうも人外の存在であるらしいことが示唆される彼女さんが発情しちゃってのドキドキエロ模様であったり(短編「ハプニング」)、妹や双子の姉との互いに性的なことに興味津々なドキドキ初エッチであったりと(短編「ボーダーライン」「たまご」)、ファンタジー要素やら近親エロスとしての倒錯性を加える作品もありつつ、それらの設定自体に強く踏み込むというよりかは、愛する者同士の初心なやり取りの微笑ましさや性的なことへのドキドキ感を魅せることに注力した作りと言えるでしょう。
RoughSketch2この性愛における戸惑いや緊張、はたまた高揚感などは男女双方に共通するものであって、心が揺れ動かされながら、相手を受け入れる&自分が受け入れられる喜びというものを描き出しているのも、読み口の良さや恋愛系としての甘味に大きく貢献しています(←参照 短編「ボーダーライン」より)。
 これに対して中編「先生、」は二人の男性教師と三人のヒロインの組み合わせの話であって、ヒロインの一人・由希の告白を渡辺が断ることによって、教え子に手を出しまくっていると思われる佐久間に彼女を“奪われる”形になり、またそのことを知らぬままに告白を断ったある種の公開から別の元教え子・新井と関係を持ってしまうという、ある種のすれ違いを描き出す作品。
 他の短編でも話の説明を細かくするのではなく、登場人物の奥行きについて読者に委ねるスタイルではあるのですが、中編作については佐久間の所業であったり、彼に裏切られる形になった女の子の心の痛み、倫理と欲望の狭間で揺れる渡辺の胸中であったりに読み手に想像させる作りと言え、1話および2話では佐久間が上手く立ち回った結果にじんわりと苦い後味を残しています。
 その他の短編でも甘味たっぷりのラブラブエンドをお求めな諸氏には多少物足りなさはあるかもしれませんが、とは言え、微笑ましさや素直なリアクションなどでポジティブにまとめるラストがメインであって、穏やかさと繊細さを保った作劇が揃っていると言えるでしょう。

【可愛らしさと濃度を上げていくエロさのバランスが特長の思春期ボディ】
 いずれもミドルティーン級の思春期ガールズで統一されており、恋やら性やらに揺れ動くお年頃の女の子達。
 短編「波際より」のツンデレテイストのある都会っ子ちゃんや短編「ボーダーライン」の素直になれない甘えん坊妹ちゃんなど、比較的属性付けが明瞭なタイプのキャラ造形はありますが、それらのヒロインを含めて女の子達の素直でままならない感情を自然に魅せる上手さがこの作家さんの真骨頂と評し得るでしょう。
 なお、さっぱりとしたイケメン系の男の子達がヒロイン達の相手として出ており、穏やかな顔の裏でその行動に暗いものを感じさせる中編の佐久間先生などを例外として、ヒロインと同じく恋や性に揺れ動く彼らの心情にも親しみ易さがあるのも読み口の良さに貢献。
RoughSketch3 華奢さを強調しすぎることなく健康的な肉付きのボディデザインではありますが、小ささや柔らかさを感じさせる思春期ボディはぺたんこ~膨らみかけのバストに寸胴な体幹、小ぶりな桃尻に鏡面仕様の股間を組み合わせた未成熟感のある女体で統一(←参照 中編「先生は、」第1話より)。
短編「波際より」の華やかな容姿の都会っ子ちゃんを例外として、清楚感のある黒髪ヒロインで統一されており、どちらかと言えば落ち着いた印象のキャラデザインでありつつ、そこに可愛らしさや性的魅力が高まっていく流れもまたこの作家さんの強い長所と言えるでしょう。
 少女漫画的な繊細さと男性向けとしてのキュートネスやキャッチーさを併せ持つ絵柄は、ふわっと軽く柔らかな印象を持ちつつ好ましい作画密度を有しており、概ね単行本を通して安定しています。

【程好い濃厚感の演出で彩る思春期ガールズの痴態】
 エロシーンに至るまでの過程にも一定の重点を置くこともあって、濡れ場自体はそれ程長尺というわけではないものの、程好い尺と十分な濃密さもあってエロシーンとしての存在感は相応に強くあります。
 いずれも合意の上でのセックスであって、恋人同士のドキドキ初エッチであったり、兄妹や双子の恋愛や性的好奇心が倫理観を超越するシチュエーションであったり、女の子の純粋さが大人に付け込まれる偽りの純愛セックスであったりと、味付けは作品によって様々。
恋心、寂しさ、ある種の承認欲求とヒロインそれぞれのモチベーションによって性行為に夢中になってしまうという流れは概ね共通しており、ピュアな思春期ガールとして性的な印象があまり無かった存在が淫らな存在としての側面を明らかにしていくというギャップを醸成する描き方になっているとも感じます。
 前戯パートに長めの尺を取った構成であり、肌の触れ合い、性感帯へのタッチ、初めて見るち○こに恐る恐る触れたり口に含んだりな男女双方の初心な印象を感じさせると共に、徐々に行為がエスカレートしていく流れを丁寧なタッチで表現していきます。
RoughSketch4抽挿パートに移行後は、小さな秘所に出し入れされる感覚にヒロインが蕩けていく流れをじっくりと見せており、柔肌を濡らす汗や淫液、瞳を潤ませ頬を紅潮させた蕩けフェイス、切れ切れに口にされる嬌声と、ヒロインの可愛らしさを保った上で演出的な濃厚感を十二分に打ち出してきます(←参照 短編「隣の家の彼女」より)。
男性側の“配慮”によって外出しでフィニッシュになることもありますし、抑えきれないまま中出しに至るケースもありますが、ピストン描写における男女の密着感であったり、射精後の余韻であったりを重視する構成・描写は共通しており、フィニッシュシーンで特に演出を盛り上げるというよりかは、全体的にじっくりと煽情性を積み上げていくスタイルと言えるでしょう。

 作劇・エロ共に細やかさを魅力としつつ、性愛を駆動するピュアな情動のエネルギー感もある作風であって、思春期ガールの魅力をたっぷり味わえる1冊に仕上げています。
個人的には、ちょっと大人びているけれどもやっぱり年齢相応の可愛らしさが光る短編「隣の家の彼女」と、マセた都会っ子さんの不器用な可愛らしさが魅力の短編「波際より」が特にお気に入りでございます。

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