
先日に最新第48話をアップしましたので、こちらも是非よろしくお願いします。
さて本日は、魚野シノメ先生の初単行本『ハッピーエンド』(文苑堂)のへたレビューです。単行本タイトルに反して表紙の二人に着けられた首輪が不穏さを掻き立てますね。
多彩なインモラルストーリー&シチュエーションの中でハードに蕩けるスレンダー美少女&美女の痴態をお届けな作品集となっています。
収録作はいずれも読み切り形式の短編で計9作。1作当りのページ数は18~30P(平均21P強)と幅は有りつつ標準的なボリュームで推移。シチュエーション重視の作品構築であり、作劇面での読み応えには全般的に欠けますが、量的にも分かり易くエロ特化の構築で安定しています。
【インモラル系のエロシチュの形成に徹するシナリオ】
親友の主人公への恋心を知りながら、主人公から強く求められて自身の恋愛感情もあって拒み切れないというアンビバレンツな関係性を描く短編「Bルート」は、友人や幼馴染の感情を裏切ってしまうことの罪悪感を含ませつつも、そのラストを含めてポジティブで誠実な青春ラブストーリー。
収録作において、この短編は例外的な作風であって、その他の作品は背徳感や罪悪感、快楽への耽溺の負の側面といった要素が明瞭なインモラル系の方向性となっています。

凌辱系を中心として男性の欲望が一方的にヒロインへ叩き付けられるケースが多く、ヒロイン側が主導権を握る場合でも男性の被虐心を刺激する展開であるため、ラブエロ系であったり性的な解放感が基調であったりな作品をお望みの諸氏にはやや不向き。
霊能力者でもある探偵の青年とパートナーである幽霊美人さんが、やはり零体に触れられる男性によって、壁尻状態での凌辱&その状態で事態を知らない青年にフェラという特殊プレイ寝取られな短編「イエローゴースト」などは特にユニークで顕著ですが、ストーリーそのものの面白さというよりかは、プレイ内容やシチュエーションを中心に組み立てた作劇と感じます。
また、話のまとめ方も様々であり、単行本タイトル通りにハッピーエンドとなる作品もありますし、あっけらかんとヒロイン逆転エンドやネタ晴らしといったタイプもありますが、凌辱の惨禍からのバットエンド系や敗北感に包まれる寝取られ(BSS)系、性的快楽に飲み込まれてしまうタイプなど、ダークさや背徳性を保ったスタイルも多くなっています。
【スレンダー巨乳ボディのJKヒロインがメイン】
20代半ば程度と思しき「憧れはいま・・・」の女教師さんや、女子大生である短編「ユイいつハルカなる」の姪ヒロインなど例外も数名存在しつつ、人数的には女子校生級の美少女さん達が主力。
JKヒロインに関しては、短編「Bルート」に登場する清楚系でしっかり者な美少女さんもおりつつ、ギャル系を中心にウリをやっている無軌道な少女が多く、そのせいでしっぺ返しを食らうこともあれば、自らの欲望に忠実にセックスに励んでいくこともあります。
話がコンパクトにまとまる分、ヒロインのキャラクター性はそれ程目立たないものの、生意気ガールが快楽堕ちさせられてしまったり、年下の黒ギャルさんがドSな側面を発揮してきたり、清楚系美人&美少女が淫蕩な姿を曝け出したりと、エロシーンにおけるキャラクターの変容はエロシーンの魅力を高める要素として明確に機能しています。

乳首・乳輪サイズ控えめでパイパン仕様と体パーツ描写の淫猥さが抑え目であることに加え、肉感の強さを前面に押し出すタイプではないため、どちらかと言えば整った美しさを感じさせるタイプの女体設計と言えるでしょう。
程好い描き込み密度がありつつ、さっぱりと軽めの印象もある絵柄は、漫画チックな親しみ易さやキャッチーさもあるタイプであり、初単行本ながら絵柄には十分な統一感があります。ただし、彩色等によって華やかさが打ち出された表紙絵と、中身の絵柄には一定の差異を感じることには要留意。
【各種エロシチュを盛り上げるプレイ内容とハードな痴態描写】
たっぷり長尺という程ではないものの、エロシチュを軸とした抜きツールとしての構築が明確である分、十分なボリューム感のある濡れ場となっており、前戯・抽挿両パートに射精シーンを設けた2回戦仕様を基本とする構成。

発情フェイスでち○こをしゃぶるご奉仕フェラ、言葉攻めをしながらの手コキ、豊満バストでの搾り取りパイズリ、ヒロインの秘所を弄って快感と羞恥を覚えさせる前戯など、エロシチュの方向性に合わせたプレイ内容を投入する前戯パートは、前述した通りに射精シーンを標準搭載。
最初は弱気な男子と高をくくっていたヒロインが逆にその巨根でメロメロにされてしまう短編「彼女とDorkる」といった攻守の変容がある作品もありますが、男女いずれの場合でも主導権を握った側がそのまま維持するケースが多く、抽挿パートでは男性側がガツガツとピストンをしてヒロインを激しく乱れさせるパワフルな印象を形成しています。
疑似的な近親エロスを台詞で盛り上げたり、隠れながらや「彼氏」に見られながらといった羞恥心を刺激するプレイであったり、ストレートに暴力的な首絞めであったりと、各エロシチュの方向性を明確化するプレイを抽挿パートにも投入しており、エロ展開の畳みかけ方の上手さは美点。

エロシチュの方向性や、読書感の軽重が多彩であり、特定の方向性のみを読みたい諸氏にはやや不向き。とは言え、それぞれのシチュエーションの中でハードな痴態描写が提供されており、雑食派の諸氏には抜きツールとしての信頼性・飽きの来なさがあると言えるでしょう。
個人的には、お金目当てでいじめられっ子を誘惑したエンコーJKギャルが彼のち○こで返り討ちに~な短編「彼女とDorkる」に愚息がお世話になりました。