
さて本日は、NAZ先生の『シュクルベリー・トルテ』(コアマガジン)のへたレビューです。先生の前単行本(初単行本)『いちごショコラふれーばー』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
キュート&ドスケベな女の子達がそれぞれのエロライフを邁進しつつハードなセックスで蕩けまくりな作品集となっています。
収録作はいずれも読み切り形式の短編・掌編で計10作。フルカラー掌編「フィッティング♂♀ルーム」(4P)を除き、1作当りのページ数は20~24P(平均21P強)と標準的なボリュームで推移。短編集ということもあってストーリーの存在感は強くないものの、ヒロイン達がエッチに励むテンションの高さが魅力であって、エロシーンの満足感も十分に図られています。
【あっけらかんとした快楽全能主義のポジティブさ】
ヒロイン側のセックス自体への積極性には一定の幅があるものの、とは言え彼女達自身の好奇心や性欲に駆動されて男性にとって棚ボタ的なエロシチュが形成されることは共通しており、一部の作品を除いてカラッと明るい快楽全能主義で成立した作品群。

加えて、漫画の資料としてち○こを観察するために男湯に突入してしまう漫画家志望の女の子やら(短編「湧き出す好奇心」)、童貞をエッチしてあげるとネットで釣ってからかおうとする無軌道ガールやら(短編「田舎アソビ」)、セックス自体への能動性はもともと高くなかったものの、本人の行動の結果としてエロに巻き込まれてすっかり夢中になってしまう展開も存在しています。
いずれの作品でもヒロイン側が自身の欲望や性癖を充足させていくポジティブさが基調となっており、トラブルに巻き込まれてもあっけらかんとしたオチにまとまることもあって、倒錯性はあっても重さ・暗さはほとんどないタイプ。
一方で、彼女達の性欲の充足に主眼がある分、エロ目的が大きいとは言え最終的にカップル成立な短編「片想いの性交条件」を例外として、恋愛関係の成立をヒロイン側は求めておらず、優しい優等生への想いを募らせていた主人公が実は輪姦されるのが大好きなド変態ガールを知り、自分一人では独占できない存在ということを付き付けられるビターな短編「想いの果て」といった作品もあって、キュートガールズとの甘いイチャラブ模様を楽しみたい諸氏には不向きとも言えるでしょう。
【口リ系のキャラデザインなキュートガールズ】
設定としてはロー~ハイティーン級と思しき年齢設定ながら、幼さや可愛らしさを感じさせるキャラデザインが揃っており、口リキャラ的な方向性が明瞭です。
大人しくて地味な眼鏡っ子さん、危なっかしい悪戯に興じる関西弁アホガール、主人公を気遣う優しい優等生タイプに欲求不満な喫茶店バイトさん、ナンパされたくて仕方ない肉食系お馬鹿ガール、真面目すぎて少し不思議ちゃんなクール眼鏡さんなどなど、多彩なキャラ属性が登場しつつ、皆さん変態だったりドスケベだったりでエッチに邁進したり夢中になったりな様子に漫画チックな面白さもあるタイプ。
これに対して、性欲もてあまし気味な童貞男性やら変態男子やら粗暴な竿役やらとしょーもないキャラも多く登場する男性陣ですが、性欲に忠実だったりヒロインに振り回されたりしつつエロを大満喫する一方、ヒロイン自身への執着はほとんど無いことが多く、ヒロイン側の性的充足に貢献するだけの存在であることもあっけらかんとした雰囲気につながっています。

ボディデザインのぷにっと柔らかな印象や丸みのある描線が生む適度にあざとい萌えっぽさなどがある絵柄ですが、同時に描き込みは非常に丁寧でそれに由来する絵としての華やかさも印象に残るタイプ。パステル調にまとめた表紙絵と多少の印象の差異はあるものの、華やかでキュートな印象は中身の絵柄と共通しており、単行本を通して安定しているのも加点材料と言えます。
【ヒロインのエロ可愛さとアブノーマル感のあるハードさの両立】
ヒロイン側の積極性もあってサクサクとエロシーンに突入していく構成であって、濡れ場のボリューム感は相応にあり、キュートな女の子達がハードなセックスで蕩けまくりな様子を十分量お届けな抜きツールとなっています。

ヒロインのちっこい柔らかボディが好き勝手に愛撫されてしまったり、はたまた公開オナニーショーやら露出プレイやらが開陳されたり、積極的にフェラをしたりとヒロインの性質や性癖、エロ展開の方向性を明瞭にする前戯パートは、一定の尺を有しつつ、エロシーンの中での比重や抜き所の有無などは作品によって様々。
前戯パートですっかり発情したヒロイン達が更に蕩けてゆく抽挿パートは、処女ヒロインの羞恥や戸惑いなどもありつつ、刺激された強烈な快楽欲求でヒロイン側の積極性を高めると同時に、そんな彼女達の痴態に中てられた男性側もパワフルなピストンを繰り出しており、快楽を貪るアグレッションで突き進むスタイル。

前戯パートも含めて複数ラウンド制のフィナーレを飾るフィニッシュシーンは、大ゴマ~1Pフルの大ボリュームであり、ふにゃふにゃに蕩けた表情で乱れた描き文字のアクメボイスを絶叫しながら、溢れかえる程大量の白濁液を受け止めるヒロインの痴態を投入しており、エロ可愛さとハードさを折衷したエロ描写を貫徹した濡れ場となっています。
変態エロコメ的な快活さとキュートなロリ系ガールのイケない痴態の組み合わせが魅力の作品集であり、初単行本からその方向性は一貫していると言えるでしょう。
個人的には、真面目クール眼鏡な女の子がセックスなる不純な行為を調べるべくエッチをするもすっかりメロメロに~な短編「片想いの性交条件」とナンパされたいアホガールがドスケベ水着着用で大変なことに!?な短編「ひと夏の思い出」が特にお気に入りでございます。